
子どもの便秘とは?原因・症状・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説
子どもの便秘は早めの治療が大切です。便秘の原因や症状、家庭でできるケア、モビコール®などの治療薬、受診の目安まで小児科医がわかりやすく解説します。横浜市・みなとみらい周辺でお子さんの便秘にお困りの方はご相談ください。
子どもの便秘でお困りの保護者の方へ
「何日も便が出ないけれど大丈夫?」
「便をするときに泣いてしまう」
「便秘薬は続けても癖にならない?」
「毎日トイレに座っているのに出ない…」
このようなお悩みで受診されるお子さんは少なくありません。
**子どもの便秘はとてもよくある病気ですが、早めに適切な治療を始めることで改善が期待できます。**一方で、「もう少し様子を見よう」と我慢してしまうと、便がさらに硬くなり、排便時の痛みから便を我慢する悪循環に陥ることがあります。
日本小児栄養消化器肝臓学会・日本小児消化管機能研究会の**「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン2025」**でも、便秘は早期診断・早期治療が推奨されています。
子どもの便秘とは?
便秘とは、単に「毎日便が出ないこと」ではありません。
次のような状態が続く場合は便秘と考えます。
- 排便回数が少ない
- コロコロした硬い便(ブリストル便形状スケール1~3)
- 排便時に痛がる
- 強くいきまないと出ない
- 便が残った感じがある
- パンツに便が漏れる(便失禁)
子どもの便秘の約90%以上は慢性機能性便秘症で、生まれつきの病気ではなく、生活習慣や排便を我慢することなどが原因です。
子どもの便秘の原因
便秘は一つの原因だけではなく、いくつかの要因が重なって起こります。
- 排便時に痛かった経験があり便を我慢する
- 水分不足
- 食物繊維不足
- 朝食を食べない
- トイレを我慢する
- トイレトレーニング
- 入園・入学など環境の変化
- 運動不足
一度便を我慢すると腸の中で便の水分が吸収され、さらに硬くなります。その結果、排便時に痛みが強くなり、また我慢するという悪循環になります。
子どもの便秘の症状
便秘では便が出ないだけではありません。
- 数日便が出ない
- コロコロした硬い便
- 排便時の痛み
- 肛門から出血する
- お腹が張る
- 腹痛を繰り返す
- 食欲がない
- 嘔吐
- パンツに便が付く(便漏れ)
便漏れは下痢ではなく、硬い便の隙間から軟らかい便が漏れていることも少なくありません。
子どもの便秘はどうやって診断する?
診断は問診と診察が中心です。
医師は
- 排便回数
- ブリストル便形状スケールによる便の硬さ
- 排便時の痛み
- 食生活
- 排便習慣
- 便漏れの有無
などを確認します。
必要に応じて腹部レントゲン検査を行い、腸に便がどのくらいたまっているかを確認します。
体重増加不良、新生児期からの便秘、血便などがある場合には、まれな病気が隠れていないか追加検査を行います。
子どもの便秘の治療
最新の診療ガイドラインでは、「便を出す」「便をやわらかく保つ」「排便習慣を整える」の3つが治療の柱です。
① たまった便をしっかり出す
便が大量にたまっている場合は、まず飲み薬や浣腸などで便を出します。
十分に便を出さないまま治療を始めても改善しにくいことがあります。
② 便をやわらかく保つ
現在は**モビコール®(マクロゴール4000)**が、小児便秘治療の第一選択薬として広く使用されています。
モビコール®は2歳以上から使用でき、便の水分を増やして自然な排便を助けます。
症状に応じて酸化マグネシウムやラクツロースを組み合わせることもあります。
便秘薬は医師の指示どおり続けることが大切で、「癖になる薬」ではありません。
③ 排便習慣を整える
毎日決まった時間にトイレへ座る習慣をつけましょう。
おすすめは朝食後です。
また、
- 水分をしっかり飲む
- 野菜・果物など食物繊維をとる
- 適度に体を動かす
- 排便を我慢しない
ことも大切です。
家庭でできる便秘対策
家庭では次のことを意識しましょう。
- 朝食を食べる
- 水分を十分にとる
- 食物繊維を意識する
- 排便日誌をつける
- ブリストル便形状スケールで便の状態を確認する
- 毎日同じ時間にトイレへ座る
焦らず続けることが改善への近道です。
市販薬だけで様子を見ても大丈夫?
一時的な便秘であれば改善することもあります。
しかし、
- 便秘を何度も繰り返す
- 排便時に毎回痛がる
- 便漏れがある
- 市販薬を使っても改善しない
場合は、小児科で相談することをおすすめします。
小児科でよくあるご相談(当院で実際によくあるケース)
当院では、
「野菜を食べているのに便秘です。」
「毎日出ているので便秘ではないと思っていました。」
「便漏れが続くので下痢だと思っていました。」
というご相談をよくいただきます。
実際には、毎日少量しか出ていない便秘や、便秘による便漏れのお子さんも少なくありません。
また、「便秘薬は癖になるのでは」と心配される保護者の方も多いですが、現在使用されている薬はガイドラインに基づいて適切に使用することで、安全に治療を続けることができます。
こんな時は小児科を受診してください
次のような症状がある場合は受診をおすすめします。
- 便が1週間近く出ない
- 排便時に強い痛みや出血がある
- お腹が大きく張る
- 嘔吐を繰り返す
- 強い腹痛がある
- 便漏れが続く
- 市販薬でも改善しない
- 赤ちゃんの頃から便秘が続いている
よくある質問(FAQ)
Q. 毎日便が出ていれば便秘ではありませんか?
いいえ。毎日出ていても少量しか出ず、硬い便が残っている場合は便秘のことがあります。
Q. モビコール®は何歳から使えますか?
日本では2歳以上のお子さんに使用できます。
Q. 便秘薬は癖になりますか?
医師の指示どおり使用する便秘薬は癖になる薬ではありません。症状が落ち着くまで継続することが大切です。
Q. 食事だけで治りますか?
軽い便秘では改善することもありますが、慢性的な便秘では薬による治療が必要になることも少なくありません。
参考資料
本記事は以下の資料を参考に作成しています。
- 厚生労働省
- 日本小児科学会
- 日本小児栄養消化器肝臓学会
- 日本小児消化管機能研究会「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン2025」
- 日本外来小児科学会
- 日本小児救急医学会
- 日本小児感染症学会
- 国立感染症研究所 感染症情報サイト
横浜市・みなとみらいでお子さんの便秘にお困りの方へ
便秘は「体質だから仕方ない」と思われがちですが、適切な治療で改善できる病気です。
みなとみらい小児科クリニックでは、お子さんの便秘の診療を行っています。
お子さん一人ひとりの症状に合わせて、生活習慣の見直しから薬物療法まで、最新の診療ガイドラインに基づいた治療をご提案しています。
「便秘かな?」「毎日出ているけれど硬い便が続く」「便漏れが気になる」など、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック


































