
子どものおむつかぶれとは?原因・症状・家庭でできるケア・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説
赤ちゃんのおむつかぶれは、多くの保護者が経験する皮膚トラブルです。原因や症状、家庭でできるケア、受診の目安まで、小児科医が保護者の方にわかりやすく解説します。
おむつかぶれでお困りの保護者の方へ
おむつかぶれは、おしっこやうんち、蒸れや摩擦などの刺激によって起こる皮膚炎です。軽症であればご家庭で改善することも多いですが、赤みが強い、ジュクジュクしている、なかなか治らない場合は、小児科の受診がおすすめです。適切なスキンケアと治療で、多くのお子さんは早く良くなります。
「おしりが赤い…」そんなときはおむつかぶれかもしれません
「おむつ替えのたびに泣いてしまう」
「赤くなっていて痛そう」
「市販薬を塗ってもよくならない」
「カンジダって言われたけど何が違うの?」
赤ちゃんのお肌は大人よりも薄く、とてもデリケートです。
そのため、おむつの中の少しの刺激でも皮膚が傷つき、おむつかぶれを起こしてしまいます。
実は、小児科外来でも非常によく相談を受ける皮膚トラブルのひとつです。
しかし、一見おむつかぶれに見えても、
- カンジダ皮膚炎
- とびひ(伝染性膿痂疹)
- アトピー性皮膚炎
- 脂漏性皮膚炎
- 接触皮膚炎
など、別の病気が隠れていることもあります。
「いつものおむつかぶれ」と思い込まず、治りが悪い場合は一度小児科で診てもらうことをおすすめします。
おむつかぶれとは?
おむつかぶれは正式には**「おむつ皮膚炎(Diaper dermatitis)」**と呼ばれます。
おむつが当たる部分の皮膚に炎症が起こる病気で、乳児では非常によくみられます。
特に
- 新生児期
- 生後2〜12か月
- 下痢をしている時
- 抗菌薬を飲んでいる時
などは発症しやすくなります。
命に関わる病気ではありませんが、痛みやかゆみのため機嫌が悪くなったり、おむつ替えを嫌がったりすることがあります。
早めにケアを始めることで悪化を防ぐことができます。
おむつかぶれの原因
おむつかぶれは、一つの原因ではなく、いくつかの刺激が重なって起こります。
① おしっこ・うんちによる刺激
最も大きな原因です。
尿や便には皮膚を刺激する成分が含まれています。
長時間皮膚についていると皮膚のバリア機能が壊れ、炎症が起こります。
特に下痢便は刺激が強く、おむつかぶれが急に悪化することがあります。
② 蒸れ
おむつの中は温かく湿度も高いため、皮膚がふやけやすくなります。
ふやけた皮膚は傷つきやすく、少しの刺激でも炎症を起こします。
夏場や発熱時は特に悪化しやすくなります。
③ 摩擦
おむつの擦れや、おしり拭きで何度も強くこすることも原因になります。
汚れを落とそうとしてゴシゴシ拭くと、さらに皮膚を傷つけてしまいます。
④ 皮膚のバリア機能が未熟
赤ちゃんの皮膚は大人の約半分ほどの厚さしかありません。
そのため刺激を受けやすく、炎症が起こりやすい特徴があります。
⑤ カンジダというカビ
おむつかぶれが長引くと、カンジダという真菌(カビ)が増えてしまうことがあります。
この場合は通常のおむつかぶれとは治療が異なります。
おむつかぶれの症状
症状は軽いものから重いものまでさまざまです。
よく見られる症状は
- おしりが赤くなる
- 肛門の周りが赤い
- 太ももの付け根が赤い
- 皮膚がカサカサする
- ヒリヒリ痛む
- おむつ替えで泣く
- 入浴時にしみる
- 湿ってジュクジュクする
- 皮膚がむける
- 出血する
などがあります。
軽症なら赤みだけですが、悪化すると皮膚がただれ、細菌やカンジダが感染しやすくなります。
カンジダ皮膚炎との違い
保護者の方が最も混乱しやすい病気の一つです。
通常のおむつかぶれでは、
- おむつが当たる部分
- 出っ張っている部分
が赤くなることが多いです。
一方、カンジダ皮膚炎では
- 足の付け根のしわ
- おしりのしわ
まで赤くなります。
さらに
- 小さな赤いブツブツ(衛星病変)
- 赤みが強い
- なかなか治らない
という特徴があります。
抗真菌薬が必要になることもあるため、小児科で診断を受けることが大切です。

おむつかぶれはうつる?
通常のおむつかぶれはうつりません。
皮膚が刺激で炎症を起こしている状態なので、感染症ではありません。
ただし、
- とびひ
- カンジダ
- 細菌感染
などを伴っている場合は注意が必要です。
診断によって治療方法が変わります。
小児科ではどのように診断するの?
多くの場合は診察だけで診断できます。
診察では
- 赤みの場所
- 赤みの広がり
- 湿っているか
- しわまで赤いか
- ブツブツがあるか
- 出血していないか
- 発熱がないか
などを確認します。
通常は血液検査などは必要ありません。
ただし、カンジダや細菌感染が疑われる場合には、症状に応じて追加の検査や治療を検討することがあります。
当院でよくあるご相談
みなとみらい小児科クリニックでも、おむつかぶれは毎日のようにご相談をいただく症状です。
特に多いのは、
- 「市販薬を塗っても治らない」
- 「下痢をしてから急に悪くなった」
- 「毎日洗っているのに赤い」
- 「ステロイドを塗るのが心配」
- 「カンジダと言われたけれど普通のおむつかぶれと何が違うの?」
といったご相談です。
実際には、おむつかぶれと思って受診されたお子さんの中に、カンジダ皮膚炎やとびひ、湿疹など別の皮膚疾患が見つかることも少なくありません。
そのため、「何日も良くならない」「いつもと違う」と感じた場合には、早めに小児科を受診することをおすすめしています。
家庭でできるおむつかぶれのケア
おむつかぶれは、皮膚への刺激を減らし、皮膚をしっかり守ることが改善への近道です。
① おむつはこまめに交換しましょう
最も大切なのは、おしっこやうんちが皮膚についたままにならないことです。
特に下痢をしているときは刺激が強いため、できるだけ早めに交換しましょう。
夜間も無理のない範囲で確認し、便をしたときは早めに替えてあげることが大切です。
② 強くこすらない
おしり拭きで何度もゴシゴシ拭くと、皮膚がさらに傷ついてしまいます。
おすすめは
- やさしく押さえるように拭く
- 汚れがひどいときはぬるま湯で洗い流す
- 柔らかいガーゼやコットンを使う
という方法です。
洗った後は、タオルでこするのではなく、軽く押さえて水分を取りましょう。
③ おしりをしっかり乾かす
皮膚が湿ったままだと、おむつの中で蒸れやすくなります。
おむつをつける前に数分間乾かしたり、自然乾燥させたりすると皮膚への負担が減ります。
ドライヤーの温風はやけどの危険があるため使用しないようにしましょう。
④ 保湿・保護剤を使う
おむつかぶれでは、皮膚を刺激から守ることも重要です。
白色ワセリンや亜鉛華軟膏などの保護剤を薄くではなく、皮膚を覆うように適量塗ることで、おしっこやうんちから皮膚を守ることができます。
毎回完全に拭き取る必要はなく、汚れた部分だけをやさしく落とし、不足した分を塗り足すイメージで十分です。
市販薬は使っても大丈夫?
軽いおむつかぶれであれば、ワセリンなどの保護剤で改善することも少なくありません。
しかし、
- 赤みがどんどん広がる
- ジュクジュクしている
- 出血している
- 数日たっても改善しない
- 下痢が続いている
- カンジダが疑われる
場合は、市販薬だけで様子を見るよりも小児科を受診することをおすすめします。
ステロイド外用薬は炎症を抑える効果がありますが、カンジダ皮膚炎では悪化することがあるため、自己判断で使用するのは避けましょう。
小児科ではどのような治療をするの?
症状に合わせて治療を行います。
軽症の場合
- スキンケアの見直し
- おむつ交換方法の指導
- 保護剤(ワセリン・亜鉛華軟膏など)
で改善することが多くあります。
炎症が強い場合
赤みや痛みが強い場合には、短期間だけ弱いステロイド外用薬を使用することがあります。
適切な強さ・期間で使用すれば、安全性は高く、炎症を早く改善することで皮膚へのダメージを減らすことができます。
カンジダ皮膚炎の場合
真菌(カビ)に対する抗真菌薬を使用します。
通常のおむつかぶれとは治療が異なるため、正しい診断が重要です。
細菌感染を起こしている場合
皮膚が黄色いかさぶたになったり、膿が出たりしている場合には、とびひなどの細菌感染を合併していることがあります。
この場合には抗菌薬による治療が必要になることがあります。
こんなときは小児科を受診しましょう
次のような場合は、一度小児科で診てもらうことをおすすめします。
- 赤みがどんどん広がる
- 強く痛がる
- ジュクジュクしている
- 出血している
- 水ぶくれがある
- 黄色いかさぶたや膿がある
- 足の付け根のしわまで赤くなっている
- 小さな赤いブツブツが増えている
- 発熱を伴う
- 下痢が続いている
- 数日ケアをしても改善しない
- 何度も繰り返す
早めに受診することで、お子さんの痛みを軽くし、悪化を防げることが少なくありません。
登園・登所はできる?
おむつかぶれだけであれば、登園・登所を控える必要はありません。
元気があり、発熱などほかの症状がなければ通常どおり通園できることがほとんどです。
ただし、
- 下痢や嘔吐など感染性胃腸炎が原因の場合
- とびひを合併している場合
- 発熱など全身症状がある場合
は、おむつかぶれではなく原因となる病気に応じた登園基準を確認する必要があります。
当院でよくあるご相談
みなとみらい小児科クリニックでは、おむつかぶれの診療を日常的に行っています。
診療の中でよく感じるのは、「もっと早く受診すればよかった」とお話しされる保護者の方が少なくないことです。
おむつかぶれは、「少し赤いだけだから」と様子を見ているうちに悪化し、おしりを洗うだけでも痛がる状態になってしまうことがあります。
また、「おむつかぶれだと思っていたらカンジダ皮膚炎だった」「市販薬を続けても良くならず、実はとびひを合併していた」というケースも珍しくありません。
診察では、お子さんの皮膚の状態だけでなく、おむつ交換の回数や洗い方、使用している保湿剤や軟膏なども確認し、ご家庭で続けやすいケア方法をご提案しています。
よくある質問(FAQ)
Q. おむつかぶれはうつりますか?
通常のおむつかぶれはうつりません。ただし、とびひや感染症を伴っている場合は注意が必要です。
Q. お風呂に入っても大丈夫ですか?
はい。ぬるめのお湯でやさしく洗い、石けんは必要以上に使わず、入浴後はしっかり乾かして保護剤を塗りましょう。
Q. ワセリンは毎回塗ったほうがいいですか?
皮膚を刺激から守るため、おむつ交換ごとに保護剤を塗ることが効果的です。毎回きれいに拭き取る必要はありません。
Q. ステロイドは赤ちゃんにも使えますか?
医師の指示のもとで、適切な種類・量・期間を守って使用すれば、安全に使用できるお薬です。自己判断で長期間使用することは避けましょう。
Q. おむつを替えているのに何度も繰り返します。
下痢やカンジダ皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎など、別の原因が隠れていることがあります。繰り返す場合は一度小児科で相談しましょう。
横浜市・みなとみらい周辺でお子さんのおむつかぶれにお困りの方へ
みなとみらい小児科クリニックでは、おむつかぶれをはじめ、お子さんのさまざまな皮膚トラブルの診療を行っています。
「おむつかぶれがなかなか治らない」
「カンジダかどうか心配」
「市販薬で様子を見てよいの?」
「ステロイドを使っても大丈夫?」
など、不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
お子さん一人ひとりの症状に合わせて、適切なスキンケアや治療方法をご提案し、保護者の方にもわかりやすくご説明いたします。
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック


































