小学生〜高校生の予防接種

お知らせ
2026.07.04

小学生から高校生の予防接種

小学生から高校生の予防接種|何を受ける?受け忘れ・必要性を小児科医がわかりやすく解説【横浜・みなとみらい】

小学生から高校生にも受けておきたい予防接種があります。日本脳炎、二種混合(DT)、HPVワクチンなどの接種時期や必要性、受け忘れへの対応について小児科医がわかりやすく解説します。

小学生・中学生・高校生にも大切な予防接種があります

小学生から高校生になっても、受けるべき予防接種があります。

「赤ちゃんの頃に全部終わったと思っていた」「学校から案内が来なくなって何を受ければいいのかわからない」という保護者の方は少なくありません。

しかし、この時期にも日本脳炎や二種混合(DT)、HPVワクチン、毎年のインフルエンザワクチンなど、お子さんを重い感染症から守るために重要な予防接種があります。

接種時期を過ぎてしまっても、受けられる場合(キャッチアップ接種)が少なくありません。

母子健康手帳を確認し、分からない場合は小児科へご相談ください。

小学生から高校生でも予防接種は必要なの?

「小さい頃にワクチンは全部終わったから、もう受ける必要はないですよね?」

これは外来でとてもよくいただく質問です。

実際には、小学校入学後も定期接種が続きます。

さらに、思春期になると部活動や塾、学校行事などで人との接触が増え、感染症にかかる機会も多くなります。

現在でも日本では、

  • 麻しん(はしか)
  • 百日咳
  • インフルエンザ
  • 新型コロナウイルス感染症
  • マイコプラズマ感染症

などが流行することがあります。

ワクチンは、お子さん自身を守るだけでなく、赤ちゃんや高齢者、病気で免疫力が低下している方など、周囲の人を守ることにもつながります。

小学生から高校生で受けたい主な予防接種

日本脳炎ワクチン(第2期)

対象:9〜13歳未満

日本脳炎は蚊が媒介するウイルス感染症です。

発症する人は多くありませんが、一度発症すると脳炎を起こし、けいれんや意識障害、重い後遺症を残すことがあります。

現在では患者数は少なくなっていますが、これは予防接種の普及による効果が大きいと考えられています。

定期接種の対象となっていますので、忘れずに受けることが大切です。

二種混合(DT)ワクチン

対象:11〜13歳未満

二種混合ワクチンは

  • ジフテリア
  • 破傷風

を予防するワクチンです。

ジフテリアとは

のどに強い炎症を起こし、呼吸ができなくなることもある感染症です。

現在の日本ではほとんど見られませんが、世界では流行している地域もあります。

破傷風とは

土の中にいる細菌が傷口から体内に入り感染します。

転倒や部活動中のけが、スポーツによる擦り傷など、日常生活でも感染する可能性があります。

筋肉のけいれんや呼吸障害を起こすことがあり、命に関わることもあるため、免疫を維持することが重要です。

HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン

対象:小学6年生〜高校1年生相当の女子(定期接種)

HPVは子宮頸がんの主な原因となるウイルスです。

日本では毎年多くの女性が子宮頸がんと診断され、若い世代でも発症することがあります。

HPVワクチンは感染を予防し、将来の子宮頸がんを防ぐことが期待されています。

現在は厚生労働省、日本小児科学会、日本産科婦人科学会など多くの専門学会が接種を推奨しています。

また近年は、男子への接種も任意接種として推奨されるようになってきました。

男性自身の病気を予防するとともに、HPVの感染拡大を防ぐ効果も期待されています。

インフルエンザワクチンは毎年必要?

インフルエンザワクチンは定期接種ではありませんが、小学生から高校生にも毎年おすすめしたいワクチンです。

インフルエンザウイルスは毎年少しずつ変化するため、毎年新しいワクチンが作られています。

ワクチンを接種しても感染することはありますが、

  • 重症化しにくくなる
  • 入院を減らせる
  • インフルエンザ脳症など重い合併症のリスクを下げる
  • 学校生活や受験への影響を減らせる

ことが期待されています。

特に、

  • 受験を控えているお子さん
  • 喘息や心疾患など基礎疾患があるお子さん
  • 小さな兄弟姉妹がいるご家庭

では接種するメリットが大きいと考えられています。

予防接種の目的|「病気にならない」だけではありません

「ワクチンは病気を防ぐもの」と思われがちですが、それだけではありません。

予防接種には次のような大切な目的があります。

  • 重症化を防ぐ
  • 肺炎や脳炎などの合併症を減らす
  • 後遺症を防ぐ
  • 入院を減らす
  • 学校や家庭で感染を広げにくくする
  • 将来の健康を守る

例えば、日本脳炎では重い神経の後遺症が残ることがあり、HPV感染は将来の子宮頸がんにつながることがあります。

ワクチンは、このような命や将来の生活に関わる病気を予防するための重要な医療です。

予防接種スケジュール

副反応について

予防接種を受けるにあたって、多くの保護者の方が最も心配されるのが「副反応」です。

実際に診療でも、

  • 「熱は出ますか?」
  • 「副反応が怖いです。」
  • 「SNSで心配な情報を見ました。」

といったご相談をよくいただきます。

ワクチンは、お子さんの体に免疫をつくるための医療です。そのため、一時的な体の反応(副反応)がみられることがあります。

よくみられる副反応

ほとんどは軽い症状で、数日以内に自然に改善します。

主な副反応には、

  • 注射した部分の痛み
  • 赤みや腫れ
  • 腕の動かしにくさ
  • 軽い発熱
  • だるさ
  • 頭痛

などがあります。

これらは体が免疫を作っている反応の一つであり、多くの場合は心配ありません。

まれに起こる副反応

非常にまれですが、

  • アナフィラキシー
  • 強いアレルギー反応
  • けいれん
  • 高熱

などが起こることがあります。

そのため、予防接種は医療機関で行い、接種後もしばらく体調を確認します。

現在使用されているワクチンは厳しい安全性の確認を受けており、厚生労働省や日本小児科学会も安全性を継続して評価しています。

「予防接種が心配」という気持ちは自然なことです

インターネットやSNSには、予防接種についてさまざまな情報があります。

その中には正しい情報もあれば、科学的な根拠が十分でない情報も少なくありません。

診療では、

  • 「副反応が心配」
  • 「本当に必要なのでしょうか」
  • 「できれば受けたくありません」
  • 「家族の考えがまとまりません」

というご相談も少なくありません。

こうしたお気持ちは決して特別なことではありません。

大切なのは、不安をそのままにせず、小児科で一緒に確認することです。

小児科医としてお伝えしたいこと

みなとみらい小児科クリニックでは、予防接種を迷われている保護者の方のお気持ちにも寄り添うことを大切にしています。

無理に接種を勧めるのではなく、

  • なぜ必要なのか
  • 接種するとどのようなメリットがあるのか
  • 接種しなかった場合にはどのような病気のリスクがあるのか
  • 副反応はどの程度起こるのか

について、一つひとつ丁寧にご説明しています。

そのうえで、私たちは現在の医学的根拠に基づき、予防接種はお子さんを重い感染症や後遺症から守るために非常に重要であり、積極的に推奨される医療であると考えています。

予防接種によって防げる病気(VPD:Vaccine Preventable Diseases)の中には、肺炎や脳炎、髄膜炎、敗血症、子宮頸がんなど、命や将来の生活に大きく関わる病気が含まれています。

私たちは、「病気になってから治療する」のではなく、「病気にならないように予防する」ことも、小児科の大切な役割だと考えています。

当院でよくいただくご相談(当院の特徴)

みなとみらい小児科クリニックでは、予防接種に関して次のようなご相談を多くいただいています。

  • 母子健康手帳を見ても受け忘れがあるかわからない
  • 転居して接種スケジュールが分からなくなった
  • 海外赴任・海外留学前に必要なワクチンを知りたい
  • HPVワクチンについて詳しく相談したい
  • 副反応が心配で接種を迷っている
  • 部活動や受験に合わせて接種日を相談したい

一人ひとり接種歴や生活環境は異なります。

当院では母子健康手帳を確認しながら、お子さんに合わせた接種スケジュールをご提案しています。

こんな時は小児科へご相談ください

次のような場合は、お気軽にご相談ください。

  • 接種時期が分からない
  • 接種を忘れてしまった
  • 副反応について詳しく知りたい
  • 発熱や体調不良で接種できるか相談したい
  • 持病や服薬中で接種できるか知りたい
  • 海外渡航前に必要なワクチンを相談したい

また、予防接種後に

  • 呼吸が苦しそう
  • 顔色が悪い
  • 意識がぼんやりしている
  • 全身にじんましんが出た
  • 高熱が続く

などの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 小学生になってから受け忘れに気付きました。もう遅いですか?

A. 遅くありません。

多くのワクチンはキャッチアップ接種が可能です。まずは母子健康手帳をご持参のうえ、ご相談ください。

Q. ワクチンを受けると必ず熱が出ますか?

A. 必ずではありません。

軽い発熱や腕の痛みがみられることはありますが、多くは数日以内に自然に改善します。

Q. インフルエンザワクチンは毎年必要ですか?

A. はい。

インフルエンザウイルスは毎年変化するため、毎年接種することが勧められています。

Q. HPVワクチンは安全ですか?

A. 現在は厚生労働省、日本小児科学会、日本産科婦人科学会などが、安全性と有効性を確認したうえで接種を推奨しています。

不安な点があれば、接種前に遠慮なくご相談ください。

横浜市・みなとみらいで小学生〜高校生の予防接種をご希望の方へ

みなとみらい小児科クリニックでは、小学生から高校生までの定期予防接種・任意予防接種を行っています。

母子健康手帳を確認しながら、受け忘れの確認や今後の接種スケジュールをご提案し、お子さん一人ひとりに合わせた予防接種を行っています。

予防接種に不安や迷いを感じている保護者の方のお気持ちにも寄り添い、疑問やご心配に丁寧にお答えしたうえで、納得して接種を受けていただけるよう努めています。

私たちは、予防接種はお子さんを重い感染症や後遺症から守るための最も効果的な予防医療の一つであり、現在の科学的根拠に基づいて積極的に推奨しています。

「受け忘れがないか確認したい」「副反応について詳しく知りたい」「HPVワクチンを相談したい」など、どのようなことでもお気軽にご相談ください。

お子さんの健やかな成長と未来の健康を守るために、スタッフ一同サポートいたします。

みなとみらい小児科クリニック

「一度に4本も5本も注射をして大丈夫ですか?」

これは、みなとみらい小児科クリニックでも最も多いご質問の一つです。

結論からお伝えすると、同時接種は安全性と有効性が確認されており、日本小児科学会や厚生労働省でも推奨されています。

同時接種とは、複数のワクチンを同じ日に別々の部位へ接種する方法です。

同時接種には次のようなメリットがあります。

  • 早く必要な免疫をつけられる
  • 重い感染症にかかる期間を短くできる
  • 通院回数が少なくなる
  • 接種忘れを防ぎやすい
  • 保護者の通院負担を減らせる

「ワクチンをたくさん打つと体への負担が大きいのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、赤ちゃんは毎日たくさんの細菌やウイルスに触れながら生活しており、現在のワクチンに含まれる抗原量は免疫機能にとって大きな負担にはならないと考えられています。

参考資料

本記事は、以下の公的機関および学会、専門機関が公開している資料・ガイドラインを参考に作成しています。

行政機関

  • 厚生労働省「予防接種情報」
  • 厚生労働省「予防接種Q&A」
  • 厚生労働省「定期予防接種実施要領」
  • 厚生労働省「HPVワクチンに関する情報」
  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報(旧 国立感染症研究所)
  • デジタル庁「予防接種証明書・マイナポータル」

小児・感染症・ワクチン関連学会・団体

  • 日本小児科学会
    • 「日本小児科学会推奨予防接種スケジュール」
    • 「知っておきたいわくちん情報」
    • 予防接種・感染症対策委員会報告
  • 日本小児感染症学会
  • 日本ワクチン学会
  • VPDを知って、子どもを守ろうの会
  • 日本小児科医会

関連学会

  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児循環器学会
  • 日本小児神経学会
  • 日本小児腎臓病学会
  • 日本小児内分泌学会
  • 日本小児血液・がん学会
  • 日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 日本小児呼吸器学会
  • 日本小児リウマチ学会
  • 日本川崎病学会
  • 日本新生児成育医学会
  • 日本小児救急医学会
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児在宅医学会
  • 日本国際小児保健学会
  • 日本小児心身医学会
  • 日本子ども虐待医学会
  • 日本先天代謝異常学会
  • 日本小児体液研究会
  • 日本マススクリーニング学会
  • 日本小児東洋医学会

その他参考資料

  • 『予防接種ガイドライン』(公益財団法人 予防接種リサーチセンター)
  • 『予防接種に関するQ&A集』(厚生労働省)
  • 『予防接種に関する最新知見』(日本ワクチン学会)
  • 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「各ワクチン添付文書」
  • 各自治体(横浜市など)の予防接種実施要領・定期予防接種案内

お子さんの予防接種のことは、いつでもなんでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック