
急性耳下腺炎(おたふくかぜを含む)について
~保護者の皆さまへ~
耳の下が急に腫れてしまうと、とても心配になりますよね。
急性耳下腺炎は、耳の下にある「耳下腺」という唾液を作る腺が炎症を起こす病気です。子どもでは**おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)**がよく知られていますが、細菌感染やほかのウイルスが原因になることもあります。多くは適切な治療と安静で良くなりますので、症状に合わせて対応していきましょう。
急性耳下腺炎とは
耳の前からあごにかけてある耳下腺が腫れ、痛みを伴う病気です。
主な原因
- おたふくかぜ(ムンプスウイルス):最もよく知られる原因
- 細菌感染(黄色ブドウ球菌など)
- インフルエンザやEBウイルスなど、ほかのウイルス感染
- 脱水や口の中の衛生状態の悪化がきっかけになることもあります
主な症状
- 耳の下やあごの腫れ
- 押すと痛い、食事で痛みが強くなる
- 発熱
- 飲み込みにくい
- 口が開けにくいことがある
- 両側が腫れることもあれば、片側だけのこともあります
こんな時は早めに受診しましょう
- 高熱が続く
- 腫れや痛みが急に強くなる
- 水分が取れない
- ぐったりしている
- 呼吸や飲み込みが苦しそう
治療
原因によって治療が異なります。
おたふくかぜの場合
- ウイルスが原因のため特効薬はありません。
- 解熱鎮痛薬を使いながら、水分補給と安静が基本です。
- 酸っぱいものは痛みが強くなるため控えると楽です。
細菌性耳下腺炎の場合
- **抗菌薬(抗生物質)**で治療します。
- 膿がたまっている場合には処置が必要になることがあります。
登園・登校の目安
原因によって異なります。
おたふくかぜ
- 耳下腺・顎下腺・舌下腺の腫れが出てから5日を経過し、全身状態が良好になってから登園・登校できます。
細菌性・その他の耳下腺炎
- 発熱や腫れが改善し、食事や普段の生活ができるようになれば登園可能です。医師の指示に従ってください。
予防接種について
おたふくかぜは予防接種で予防できる病気です。
日本では現在任意接種(自費)ですが、日本小児科学会では2回接種が推奨されています。
- 1回目:1歳頃
- 2回目:小学校入学前(5~6歳頃)
予防接種により発症や重症化を減らすことが期待できます。
おたふくかぜで注意したい合併症
多くは自然に回復しますが、まれに次のような合併症がみられます。
- 無菌性髄膜炎
- 難聴(まれですが片耳の高度難聴になることがあります)
- 精巣炎(思春期以降の男児)
- 卵巣炎
- 膵炎
強い頭痛や繰り返す嘔吐、意識がぼんやりする、聞こえにくさを訴える場合は早めに受診しましょう。
保護者の方へ
耳の下が腫れると驚かれると思いますが、多くのお子さんは適切な治療で元気になります。水分補給を心がけ、痛みが強いときは無理に食べさせず、食べやすい柔らかいものを選びましょう。
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック
参考資料:厚生労働省、国立健康危機管理研究機構(感染症情報)、日本小児科学会、日本小児感染症学会


































