

1歳以上の予防接種スケジュール
1歳を過ぎたら受ける予防接種|いつ・何を受ける?小児科医がわかりやすく解説
1歳を過ぎても予防接種は続きます。重い感染症からお子さんを守るため、忘れずに受けましょう。
「1歳になったら予防接種はひと段落」と思われる保護者の方も少なくありません。しかし、1歳以降もMR(麻しん・風しん)、水痘、日本脳炎など、お子さんを重い感染症から守るために大切なワクチンが続きます。接種時期を逃すと十分な免疫がつかない期間が長くなるため、標準的なスケジュールに沿って接種を進めることが大切です。
「1歳を過ぎたら何を受ければいいの?」そんな保護者の方へ
みなとみらい小児科クリニックでも、1歳以降の予防接種について毎日のようにご相談をいただいています。
例えば、
- 「1歳になったけれど、何種類もあって分からない。」
- 「MRと水痘は同じ日に受けても大丈夫?」
- 「仕事が忙しくて接種が遅れてしまいました。」
- 「任意接種のおたふくかぜは受けた方がいいですか?」
- 「副反応が心配で迷っています。」
このようなご相談は決して珍しいものではありません。
1歳を過ぎると、お子さんは歩き始めたり、公園や保育園で遊んだりする機会が増え、さまざまな感染症に触れる可能性が高くなります。
そのため、日本小児科学会や厚生労働省では、この時期に必要な予防接種を適切なタイミングで受けることを推奨しています。
なぜ1歳以降も予防接種が必要なのでしょうか?
1歳頃になると行動範囲が広がり、多くの人と接する機会が増えてきます。
一方で、麻しん(はしか)や水痘(みずぼうそう)、おたふくかぜ、日本脳炎などは、現在でも国内で患者さんが報告されており、感染すると重症化することがあります。
特に、
- 脳炎
- 肺炎
- 髄膜炎
- 難聴
- 後遺症
などを引き起こすこともあるため、病気にかかる前に免疫をつけることが予防接種の最大の目的です。
予防接種の目的
予防接種には大きく3つの目的があります。
① 重い感染症を予防する
ワクチンによって病気そのものを予防し、感染しても軽症で済む可能性が高くなります。
例えばMRワクチンは、麻しんや風しんを予防し、肺炎や脳炎など重い合併症を防ぐ効果があります。
また、水痘ワクチンは水ぼうそうだけでなく、皮膚の細菌感染や入院を必要とする重症例を減らすことが分かっています。
② 後遺症や命に関わる病気を防ぐ
感染症の中には、治っても後遺症が残ることがあります。
例えば、
- 麻しんによる脳炎
- おたふくかぜによる難聴
- 日本脳炎による神経障害
- 水痘による脳炎
などです。
予防接種は、病気を防ぐだけでなく、お子さんの将来の健康や生活を守るためにも重要です。
③ 家族や地域のみんなを守る
予防接種は、お子さん一人を守るだけではありません。
多くの人がワクチンを受けることで感染症が広がりにくくなり、生まれたばかりの赤ちゃんや、病気のためにワクチンを受けられない方を守ることにもつながります。
この考え方は「集団免疫」と呼ばれています。
1歳以上で受ける主な予防接種
MR(麻しん・風しん)ワクチン
MRワクチンは、麻しん(はしか)と風しんを予防するワクチンです。
麻しんは非常に感染力が強く、肺炎や脳炎を起こすことがあります。近年も海外から持ち込まれた症例をきっかけに国内で流行がみられることがあり、十分な免疫をつけることが大切です。
風しんはお子さんでは比較的軽症のこともありますが、妊婦さんが感染すると赤ちゃんに重い障害が起こる可能性があります。そのため、社会全体で流行を防ぐことも重要です。
水痘(みずぼうそう)ワクチン
水痘は発熱と全身の発疹を伴う感染症です。
多くは自然に治りますが、皮膚の細菌感染、肺炎、脳炎などの合併症を起こすことがあります。
2回接種することで、発症や重症化を予防する効果が高まります。
おたふくかぜワクチン(任意接種)
おたふくかぜは耳の下が腫れる病気として知られていますが、髄膜炎や難聴などの合併症を起こすことがあります。
現在は任意接種ですが、日本小児科学会では2回接種が推奨されています。
Hib・小児用肺炎球菌・五種混合ワクチン(追加接種)
乳児期に開始したワクチンは、追加接種によって免疫をさらに強くし、効果を長く維持します。
追加接種も忘れずに受けることが大切です。
日本脳炎ワクチン
日本脳炎は蚊を介して感染する病気です。
発症することはまれですが、脳炎になると命に関わったり、重い後遺症が残ったりすることがあります。
通常は3歳から接種を開始し、決められた間隔で接種を進めます。
1歳からの予防接種スケジュール

副反応について
ワクチンは、厚生労働省や日本小児科学会をはじめとする国内外の専門機関が安全性と有効性を確認したうえで使用されています。しかし、どのような医療にも一定の副反応があり、予防接種も例外ではありません。
よくみられる副反応には、
- 注射した部位の赤み・腫れ・痛み
- 軽い発熱
- 機嫌が悪くなる
- 一時的に食欲が落ちる
などがあります。
これらは体が免疫をつくっている反応であることが多く、通常は1~3日ほどで自然に改善します。
一方で、重いアレルギー反応(アナフィラキシー)や高熱、けいれんなどの重い副反応は非常にまれです。そのため、接種後は院内で一定時間体調を確認し、帰宅後もしばらくは普段と変わった様子がないか見守ることをおすすめしています。
同時接種は本当に大丈夫?
保護者の方から最も多くいただくご質問の一つが、「一度に何本も接種して赤ちゃんや子どもの体に負担はありませんか?」というものです。
日本小児科学会では、必要なワクチンを適切な時期までに接種するため、複数のワクチンを同じ日に接種する同時接種を推奨しています。
現在までの研究では、同時接種によってワクチンの効果が弱くなったり、重大な副反応が増えたりすることはないとされています。
同時接種には、
- 接種漏れを防げる
- 必要な時期までに免疫を獲得できる
- 通院回数やお子さん・保護者の負担を減らせる
という大きなメリットがあります。
接種が遅れてしまったらどうすればよいですか?
「風邪をひいて延期になった」「忙しくて受けそびれてしまった」というご相談も少なくありません。
接種時期を過ぎてしまっても、多くのワクチンは途中からやり直す必要はありません。
接種歴を確認し、不足しているワクチンを計画的に接種する「キャッチアップ接種」が可能です。
自己判断で諦めてしまう前に、ぜひ小児科へご相談ください。
こんなときは予防接種について相談しましょう
次のような場合には、接種前に医療機関へご相談ください。
- 37.5℃以上の発熱がある
- 元気がなく、ぐったりしている
- 嘔吐や下痢が続いている
- 強い咳や呼吸が苦しそう
- けいれんを起こしたことがある
- ワクチンで強いアレルギー反応を起こしたことがある
- 接種スケジュールが分からなくなってしまった
体調や接種歴を確認したうえで、安全に接種できる時期をご案内します。
当院でよくあるご相談(小児科医としての経験)
みなとみらい小児科クリニックでは、毎日の診療で予防接種について多くのご相談をいただいています。
特に多いのは、
- 「SNSでワクチンは危険という情報を見て不安になった」
- 「副反応が怖くて迷っている」
- 「任意接種は本当に必要ですか?」
- 「接種間隔が空いてしまった」
というご相談です。
このような不安を抱くことは決して珍しいことではありません。
私たちは、不安を否定したり無理に接種を勧めたりするのではなく、科学的根拠に基づいた情報を丁寧にご説明し、ご家族が納得して判断できるようお手伝いすることを大切にしています。
その一方で、小児科医として日々診療を行う中で、ワクチンで防ぐことのできる感染症が重症化し、お子さんやご家族が大変な思いをされる場面も経験してきました。
だからこそ当院では、お子さんの健康と将来を守るために、予防接種は非常に重要であり、強くお勧めしたい医療であると考えています。
横浜市・みなとみらいで予防接種をご希望の方へ
みなとみらい小児科クリニックでは、生後2か月から学童期までの定期予防接種・任意予防接種を行っています。
日本小児科学会が推奨するスケジュールをもとに、お子さん一人ひとりの接種歴を確認し、無理のない予防接種計画をご提案しています。
また、
- 接種スケジュールの作成
- キャッチアップ接種
- 任意接種のご相談
- 海外渡航前のワクチン相談
- 副反応についてのご相談
- ワクチンに対する不安や疑問のご相談
にも対応しています。
ワクチンに対して迷いや不安を感じる保護者の方のお気持ちにも寄り添いながら、最新の医学的根拠に基づいた情報をわかりやすくご説明いたします。
私たちは、保護者の方が十分に理解し、納得して予防接種を受けていただくことを大切にしています。
予防接種は、お子さんがこれから健やかに成長していくための大切な贈り物です。
気になることがありましたら、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック
よくある質問(FAQ)
Q. 任意接種は受けた方がよいですか?
A. おたふくかぜワクチンなどの任意接種も、重い合併症を予防するため日本小児科学会では接種が推奨されています。
Q. 接種が数か月遅れてしまいました。最初からやり直しですか?
A. 多くのワクチンは最初からやり直す必要はありません。接種歴を確認し、キャッチアップ接種を行います。
Q. 軽い鼻水や咳があっても接種できますか?
A. 元気があり発熱がなければ接種できることもあります。診察で体調を確認して判断します。
Q. ワクチンの副反応と感染症では、どちらのリスクが高いですか?
A. 重い副反応は非常にまれであり、多くの感染症では、病気そのものによる重症化や後遺症のリスクの方が高いことがわかっています。そのため、国内外の専門機関は予防接種を推奨しています。
参考文献・参照資料
本記事は、以下の公的機関および学会の情報を参考に作成しています。
行政機関
- 厚生労働省「予防接種情報」
- 厚生労働省「予防接種Q&A」
- 厚生労働省「予防接種実施要領」
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報(旧 国立感染症研究所)
- デジタル庁「予防接種証明書・マイナポータル」
小児・感染症関連学会
- 日本小児科学会
- 「日本小児科学会推奨予防接種スケジュール」
- 「知っておきたいわくちん情報」
- 日本小児感染症学会
- 日本ワクチン学会
- VPDを知って、子どもを守ろうの会
- 日本小児科医会
関連学会
- 日本小児アレルギー学会
- 日本小児循環器学会
- 日本小児神経学会
- 日本小児腎臓病学会
- 日本小児内分泌学会
- 日本小児血液・がん学会
- 日本小児栄養消化器肝臓学会
- 日本小児呼吸器学会
- 日本小児リウマチ学会
- 日本川崎病学会
- 日本新生児成育医学会
- 日本小児救急医学会
- 日本外来小児科学会
- 日本小児在宅医学会
- 日本国際小児保健学会
- 日本小児心身医学会
- 日本子ども虐待医学会
- 日本先天代謝異常学会
- 日本小児体液研究会
- 日本マススクリーニング学会
- 日本小児東洋医学会
その他参考資料
- 『予防接種に関するQ&A集』(厚生労働省)
- 『予防接種ガイドライン』(予防接種リサーチセンター)
- 『予防接種に関する最新知見』(日本ワクチン学会)
- 各ワクチン添付文書(医薬品医療機器総合機構:PMDA)
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック


































