

1歳未満の予防接種スケジュール
生後2か月から始める予防接種|いつ・何を受ける?小児科医がわかりやすく解説
結論|予防接種は「生後2か月になったらできるだけ早く始めましょう」
赤ちゃんの予防接種は、生後2か月になったらできるだけ早く始めることが大切です。1歳までの間は受けるワクチンの種類が多く、「何から始めればいいの?」「同じ日に何本も打って大丈夫?」と不安になる保護者の方も少なくありません。しかし、現在の日本の予防接種スケジュールは、赤ちゃんを重い感染症から守るために科学的な根拠に基づいて作られています。スケジュールどおりに接種することで、命に関わる病気を予防できる可能性が高まります。
「予防接種が多すぎて分からない…」そんな保護者の方へ
みなとみらい小児科クリニックでも、予防接種について毎日のようにご相談をいただきます。
例えば、
- 「生後2か月になったけれど何を予約すればいい?」
- 「一度に4本も5本も打って本当に大丈夫?」
- 「少し鼻水があるけれど受けられる?」
- 「副反応が怖くて迷っています。」
- 「仕事復帰までに終わらせたいけれど予定が組めない。」
など、多くの保護者の方が同じような不安を抱えています。
初めての子育てでは、予防接種の種類や回数の多さに戸惑うのは当然です。しかし、ワクチンで予防できる病気(VPD:Vaccine Preventable Diseases)の中には、赤ちゃんが感染すると重症化しやすいものが数多くあります。
そのため、日本小児科学会や厚生労働省では、生後2か月から速やかに接種を開始することを推奨しています。
なぜ生後2か月から予防接種が始まるのでしょうか?
赤ちゃんは生まれたばかりの頃、お母さんからもらった免疫(移行抗体)によってある程度守られています。
しかし、この免疫は生後数か月で徐々に減少していきます。
一方で、赤ちゃん自身の免疫機能はまだ十分には発達していません。
つまり、生後2〜6か月頃は感染症に対して最も無防備になりやすい時期なのです。
この時期に感染すると、
- 細菌性髄膜炎
- 敗血症
- 肺炎
- 百日咳
- 重症ロタウイルス胃腸炎
- B型肝炎
など、命に関わる病気を引き起こすことがあります。
そのため、病気にかかる前に免疫をつけることが予防接種の最大の目的です。
予防接種の目的
予防接種には大きく3つの目的があります。
① 重い感染症を予防する
ワクチンによって病気そのものを予防したり、感染しても軽症で済む可能性が高くなります。
例えば肺炎球菌ワクチンは、細菌性髄膜炎や敗血症など重い病気を大幅に減らしたことが知られています。
また、ロタウイルスワクチンの導入後は、乳幼児の重症胃腸炎による入院が大きく減少しています。
② 後遺症や命に関わる病気を防ぐ
感染症の中には、治っても後遺症が残るものがあります。
例えば、
- Hib感染症による難聴
- 細菌性髄膜炎による発達への影響
- 百日咳による無呼吸
- B型肝炎による慢性肝炎
などです。
ワクチンは「病気にならない」だけでなく、「将来の健康を守る」ためにも重要です。
③ 周りの人も守る
予防接種を受けることで感染を広げにくくなります。
まだワクチンを受けられない小さな赤ちゃんや、病気のため免疫が弱いお子さん、高齢者などを守ることにもつながります。
これを「集団免疫」と呼びます。
1歳未満で受ける主な予防接種
1歳になるまでに受けるワクチンは多くありますが、それぞれ重要な役割があります。
五種混合ワクチン
五種混合ワクチンは、
- ジフテリア
- 百日咳
- 破傷風
- ポリオ
- Hib(ヒブ)
を予防するワクチンです。
特に百日咳は、生後6か月未満では重症化しやすく、呼吸が止まってしまうこともあります。
また、Hibは細菌性髄膜炎の原因となる細菌であり、ワクチン導入前には乳幼児の重い感染症として知られていました。
現在では予防接種の普及により、患者数は大きく減少しています。
小児用肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌は、
- 髄膜炎
- 敗血症
- 肺炎
- 中耳炎
などを引き起こします。
特に乳児では重症化しやすいため、生後2か月から接種を開始します。
日本で定期接種が始まってから、侵襲性肺炎球菌感染症は大きく減少しました。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎ウイルスは肝臓に感染するウイルスです。
乳幼児期に感染すると慢性肝炎へ移行しやすく、将来、肝硬変や肝がんにつながることがあります。
以前は母子感染が主な原因と考えられていましたが、現在では家庭内感染などもあることが分かっています。
そのため、すべての赤ちゃんが定期接種の対象となっています。
ロタウイルスワクチン
ロタウイルスは乳幼児の重症胃腸炎の代表的な原因です。
激しい嘔吐や下痢によって脱水を起こし、点滴や入院が必要になることも少なくありません。
ワクチンを接種することで、
- 重症化
- 入院
- 脱水
を大きく減らせることが分かっています。
ロタウイルスワクチンは開始できる時期が決まっているため、生後2か月になったら早めの接種が大切です。
BCGワクチン
BCGは結核を予防するワクチンです。
日本では結核患者数は以前より減少していますが、現在でも毎年新しい患者さんが報告されています。
特に乳児では、
- 結核性髄膜炎
- 粟粒結核
など重症化する危険があります。
そのため、生後5〜8か月頃までの接種が推奨されています。
1歳未満の予防接種スケジュール

同時接種は本当に大丈夫?
「一度に4本も5本も注射をして大丈夫ですか?」
これは、みなとみらい小児科クリニックでも最も多いご質問の一つです。
結論からお伝えすると、同時接種は安全性と有効性が確認されており、日本小児科学会や厚生労働省でも推奨されています。
同時接種とは、複数のワクチンを同じ日に別々の部位へ接種する方法です。
同時接種には次のようなメリットがあります。
- 早く必要な免疫をつけられる
- 重い感染症にかかる期間を短くできる
- 通院回数が少なくなる
- 接種忘れを防ぎやすい
- 保護者の通院負担を減らせる
「ワクチンをたくさん打つと体への負担が大きいのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、赤ちゃんは毎日たくさんの細菌やウイルスに触れながら生活しており、現在のワクチンに含まれる抗原量は免疫機能にとって大きな負担にはならないと考えられています。
予防接種の副反応について
どのワクチンにも副反応が起こる可能性はありますが、多くは軽く、一時的なものです。
よくみられる副反応
- 注射した部位の赤み
- 腫れ
- 痛み
- 微熱
- 機嫌が悪くなる
- 眠そうになる
- 一時的に食欲が落ちる
これらは通常1〜3日程度で自然に改善します。
接種した部分を冷たいタオルで軽く冷やすことで痛みが和らぐこともあります。
まれに起こる重い副反応
非常にまれですが、
- アナフィラキシー(強いアレルギー反応)
- 高熱
- けいれん
- 強いぐったり感
などが起こることがあります。
そのため、多くの医療機関では接種後15〜30分程度院内で様子を見ていただいています。
万が一、接種後に呼吸が苦しそう、顔色が悪い、意識がはっきりしないなどの症状があれば、速やかに医療機関を受診してください。
なお、ワクチンによる重い副反応は非常にまれであり、予防接種によって防げる感染症のリスクの方がはるかに大きいことが国内外で確認されています。
接種当日の過ごし方
予防接種を受けた日は、基本的には普段どおりに過ごせます。
入浴
当日から入浴できます。
ただし、注射した部分を強くこすらないようにしましょう。
授乳・ミルク
普段どおり飲んで問題ありません。
十分な水分補給を心がけましょう。
外出
短時間のお出かけ程度であれば問題ありませんが、長時間の外出や旅行は避けた方が安心です。
激しい運動
乳児では激しい運動をすることは少ないですが、無理をせずゆっくり過ごしましょう。
接種を延期した方がよい場合
次のような場合には、接種を延期することがあります。
- 37.5℃以上の発熱がある
- 元気がなく、ぐったりしている
- 嘔吐や下痢が続いている
- 重い感染症にかかっている
一方で、
- 軽い鼻水
- 軽い咳
- 少し機嫌が悪い程度
であれば接種できることもあります。
最終的には診察を行い、安全に接種できるかどうかを医師が判断します。
こんな時は小児科を受診してください
接種後に次のような症状がある場合は、早めに受診しましょう。
- 39℃以上の高熱が続く
- 呼吸が苦しそう
- 顔色が悪い
- 母乳やミルクがほとんど飲めない
- 何度も吐く
- ぐったりして反応が悪い
- 全身にじんましんが出た
- けいれんした
- 注射した部分が大きく腫れ、悪化している
「様子を見てよいか分からない」という場合も、お気軽に医療機関へご相談ください。
当院でよくあるご相談(みなとみらい小児科クリニックの取り組み)
みなとみらい小児科クリニックでは、毎日多くの赤ちゃんの予防接種を行っています。
特によくいただくご相談は、
- 「スケジュールが分からなくなってしまった」
- 「転居して接種が途中になっている」
- 「仕事復帰までに終わらせたい」
- 「兄弟の予定も合わせて予約したい」
- 「副反応が心配で次の接種を迷っている」
などです。
実際には、途中で接種が遅れてしまっても、多くの場合は最初からやり直す必要はありません。お子さんの月齢や接種歴を確認し、一人ひとりに合わせたキャッチアップスケジュールをご提案しています。
また、当院では接種前に体調を丁寧に診察し、保護者の方の疑問や不安にお答えしたうえで、安全に予防接種を受けていただけるよう心がけています。
よくある質問(FAQ)
Q. 同時接種をすると副反応は増えますか?
現在の研究では、同時接種によって重い副反応が増えることはないとされています。
Q. 少し風邪をひいています。接種できますか?
軽い鼻水や咳だけで元気があれば接種できることがあります。当日の診察で医師が判断します。
Q. 予定どおり受けられませんでした。
多くの場合は途中から再開できます。接種歴を確認し、適切なスケジュールをご案内します。
Q. 接種後に熱が出たらどうしたらよいですか?
元気があり、水分やミルクがしっかり飲めていれば、多くはご自宅で様子をみることができます。ただし、高熱が続く場合やぐったりしている場合は受診してください。
Q. 予防接種は小児科で相談しながら進めてもいいですか?
もちろんです。予防接種は「予定どおり進めなければいけない」と思われがちですが、ご家庭の事情やお子さんの体調に合わせて調整することも可能です。不安なことがあれば遠慮なくご相談ください。
以下の文章を、「横浜市・みなとみらいで赤ちゃんの予防接種をご希望の方へ」の前、あるいはFAQの後に追加すると、みなとみらい小児科クリニックの考えが伝わるオリジナル性の高い内容になります。
予防接種について、みなとみらい小児科クリニックの考え
近年、インターネットやSNSなどで予防接種についてさまざまな情報を目にする機会が増え、「本当に受けたほうがよいのだろうか」「副反応が心配」「できれば打たせたくない」と悩まれる保護者の方も少なくありません。
私たちは、そのような不安を抱かれることは決して特別なことではないと考えています。
大切なお子さんだからこそ、「本当に安全なのか」「必要なのか」と慎重になるのは、ごく自然な親心です。不安や疑問を持つ保護者の方を否定したり、「受けるべき」と一方的に押し付けたりすることは、私たちの考えではありません。
その一方で、みなとみらい小児科クリニックでは、予防接種はお子さんを重い感染症から守るために非常に重要な医療であると考えています。
現在定期接種として行われているワクチンは、長年にわたる研究や国内外での使用実績に基づき、有効性と安全性が繰り返し確認されてきました。ワクチンの普及によって、細菌性髄膜炎や重症ロタウイルス胃腸炎など、以前は多くの子どもたちが入院していた病気は大きく減少しています。
もちろん、どのような医療にも100%安全なものはありません。予防接種にも副反応が起こる可能性はあります。しかし、その多くは軽い発熱や接種部位の腫れなど一時的なものであり、重い副反応は非常にまれです。一方で、予防接種を受けずに感染した場合には、命に関わる重症感染症や後遺症を残す危険性があります。
私たちは、「副反応のリスク」と「感染症によるリスク」の両方を正しく比較して考えることが大切だと考えています。
予防接種を受けるかどうか迷われている方には、それぞれのワクチンで予防できる病気や期待できる効果、副反応について丁寧にご説明し、ご納得いただいたうえで接種を進めています。疑問やご不安があれば、どんな小さなことでも遠慮なくお話しください。
私たちの願いは、お子さんが重い感染症に苦しむことなく、健やかに成長していくことです。そのために、ご家族と一緒に考え、一緒に最善の選択をしていきたいと思っています。
横浜市・みなとみらいで赤ちゃんの予防接種をご希望の方へ
みなとみらい小児科クリニックでは、生後2か月から始まる定期予防接種・任意予防接種に対応しています。
当院では、
- 日本小児科学会推奨スケジュールに沿った接種計画
- 同時接種への対応
- 接種忘れや転居後のキャッチアップ接種
- 接種前の丁寧な健康チェック
- 副反応や接種後の過ごし方についての分かりやすい説明
を行い、保護者の方が安心して予防接種を受けられるようサポートしています。
「何から始めたらよいか分からない」「接種が遅れてしまった」「副反応が心配」など、どのようなことでもお気軽にご相談ください。
参考資料
本記事は、以下の公的機関・学会・専門団体が公開している資料およびガイドラインを参考に作成しています。
公的機関
- 厚生労働省「予防接種情報」「定期予防接種実施要領」
- 厚生労働省「予防接種Q&A」
- 厚生労働省「予防接種健康被害救済制度」
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報サイト
- デジタル庁「予防接種証明書に関する情報」
学会・専門団体
- 日本小児科学会「日本の予防接種スケジュール」
- 日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報」
- 日本小児感染症学会「予防接種に関する提言・見解」
- 日本小児アレルギー学会
- 日本小児循環器学会
- 日本小児神経学会
- 日本小児腎臓病学会
- 日本小児内分泌学会
- 日本小児血液・がん学会
- 日本小児栄養消化器肝臓学会
- 日本小児呼吸器学会
- 日本小児リウマチ学会
- 日本川崎病学会
- 日本新生児成育医学会
- 日本小児救急医学会
- 日本外来小児科学会
- 日本小児在宅医学会
- 日本国際小児保健学会
- 日本小児心身医学会
- 日本子ども虐待医学会
- 日本先天代謝異常学会
- 日本小児体液研究会
- 日本マススクリーニング学会
- 日本小児東洋医学会
- 日本小児科医会「予防接種に関する啓発資料」
- 日本ワクチン学会
ワクチン・感染症に関する専門情報
- VPDを知って、子どもを守ろうの会「日本の予防接種スケジュール」
- 各ワクチン添付文書(医薬品医療機器総合機構:PMDA)
- 一般社団法人 日本環境感染学会(ワクチン・感染対策関連資料)
- 国際的な予防接種に関する知見(WHO:World Health Organization)
- 米国疾病予防管理センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)ワクチン情報
参考にした主なガイドライン
- 日本小児科学会「日本の予防接種スケジュール(最新版)」
- 厚生労働省「予防接種実施要領」
- 厚生労働省「定期接種実施要領」
- 日本小児感染症学会「予防接種に関する提言」
- VPDを知って、子どもを守ろうの会「標準的な予防接種スケジュール」
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック


































