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突発性発疹

子どもの突発性発疹とは?高熱のあとに発疹が出る病気を小児科医がわかりやすく解説【前編】

メタディスクリプション(約120文字)

子どもの突発性発疹は、生後6か月〜2歳頃に多いウイルス感染症です。突然の高熱と、熱が下がった後に現れる発疹が特徴です。原因や症状、皮膚所見、診断について、小児科医が保護者の方にわかりやすく解説します。

子どもの突然の高熱でお困りの保護者の方へ

「39〜40℃の熱が急に出た…」
「熱は高いのに意外と元気で大丈夫?」
「熱が下がったら赤い発疹が出てきた」
「薬のアレルギーではないか心配」

このような症状がある場合、突発性発疹かもしれません。

突発性発疹は、生後6か月〜2歳頃のお子さんによくみられるウイルス感染症です。高熱が3〜5日続き、その後に発疹が現れることが最大の特徴で、多くのお子さんは後遺症なく自然に回復します。

一方で、高熱の原因には川崎病や尿路感染症など治療が必要な病気が隠れていることもあり、高熱によって熱性けいれんを起こすこともあります。

この記事では、突発性発疹の原因や症状、特徴的な皮膚所見、診断についてわかりやすくご説明します。

突発性発疹とは?

突発性発疹(Roseola infantum)は、**ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)またはヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)**による感染症です。

多くのお子さんが2歳までに一度は感染するといわれており、生まれて初めて感染することで発症します。

生後6か月頃までは、お母さんから受け継いだ免疫の影響で感染しにくいとされていますが、その後は徐々に感染しやすくなります。

原因

原因はHHV-6またはHHV-7への初感染です。

感染した人の唾液などを介して感染すると考えられており、家族からうつることも少なくありません。

保育園や幼稚園で感染することもありますが、多くのお子さんが乳幼児期に自然に免疫を獲得します。

主な症状

突発性発疹では、次のような経過をたどることが多くあります。

① 突然の高熱

38.5〜40℃前後の高熱が突然出ます。

熱は3〜5日ほど続きますが、高熱のわりに比較的元気なお子さんも多く、「熱は高いけれど遊ぼうとする」ということも珍しくありません。

一方で、

  • 食欲が落ちる
  • 水分をあまり飲まない
  • 機嫌が悪くなる

といった症状がみられることもあります。

② 熱が下がると発疹が出る

突発性発疹で最も特徴的なのは、

「高熱が下がったあとに発疹が出る」

という経過です。

この特徴が、麻疹や風疹など他の発疹性疾患との大きな違いになります。

③ 不機嫌になることが多い

熱が下がって安心した頃に、

「急に機嫌が悪くなった」
「ずっと抱っこを求める」

というお子さんも少なくありません。

これは突発性発疹でよくみられる症状で、多くは数日で改善します。

突発性発疹の皮膚所見の特徴

突発性発疹の発疹には、小児科医が診断の参考にする特徴があります。

① 高熱が下がってから出現する

最も特徴的なのは、

「3〜5日続いた高熱が下がる頃に発疹が出現する」

という経過です。

熱が下がってから発疹が現れることが、麻疹や風疹など他の発疹性疾患との大きな違いです。

② 体幹から始まる

発疹はまず

  • お腹
  • 背中

などの体幹に現れます。

その後、

  • 太もも

へ広がることがあります。

手のひらや足の裏に出ることはまれです。

③ 淡いピンク色の発疹

発疹は

淡いピンク色〜薄い赤色

で、強い赤みはありません。

④ 細かい紅斑・丘疹

発疹は医学的には

「紅斑」あるいは「紅色丘疹」

と呼ばれます。

特徴は

  • 2〜5mm程度
  • 丸いものが多い
  • 境界がやや不明瞭
  • 少し盛り上がることがある

ことです。

⑤ 発疹がつながって見えることも

発疹が密集すると、一部が融合して見えることがあります。

ただし、麻疹のように強く融合することは少なく、全体として淡い印象です。

⑥ 水ぶくれや膿はできない

突発性発疹では

  • 水ぶくれ
  • かさぶた

は通常みられません。

⑦ かゆみはほとんどない

多くのお子さんは発疹をかゆがらず、掻き壊すこともほとんどありません。

⑧ 数日で自然に消える

発疹は通常1〜3日ほどで自然に薄くなり、跡を残さず消えていきます。

他の発疹との違い

病気発疹が出る時期発疹の特徴突発性発疹解熱後体幹から始まる淡い紅斑・丘疹麻疹高熱が続く中顔から始まり全身へ広がり、濃い赤色で融合しやすい風疹発熱とほぼ同時顔から始まる細かい淡紅色発疹手足口病発熱と同時〜翌日手足・口に水ぶくれができる水痘発熱と同時赤い発疹が水ぶくれになり、かさぶたへ変化する

診断

突発性発疹は、

「発熱 → 解熱 → 発疹」

という特徴的な経過と診察所見から診断します。

発疹そのものだけで診断するのではなく、高熱の経過が非常に重要です。

通常は血液検査やウイルス検査は必要ありません。

ただし、

  • 高熱が5日以上続く
  • 発疹の特徴が典型的ではない
  • 元気が極端にない
  • 川崎病や尿路感染症などが疑われる

場合には、血液検査や尿検査、画像検査などを追加することがあります。

突発性発疹の治療

特効薬はありません

突発性発疹はウイルス感染症のため、原因となるウイルスを治す特別な薬はありません。

そのため治療は、

「お子さんが楽に過ごせるよう症状を和らげながら自然に治るのを待つ」

ことが基本になります。

ほとんどのお子さんは1週間ほどで元気になります。

解熱剤は使ってもいい?

保護者の方から最も多い質問の一つです。

高熱があっても、

  • 水分が飲める
  • 比較的元気がある
  • 眠れている

のであれば、必ずしも解熱剤を使う必要はありません。

一方、

  • 熱で眠れない
  • とてもつらそう
  • 水分が飲めない
  • 泣き続けている

ような場合には、小児科で処方されたアセトアミノフェンを使用することがあります。

解熱剤は病気を早く治す薬ではなく、お子さんを少しでも楽にするためのお薬です。

家庭でできるケア

① 水分補給を最優先にしましょう

発熱すると汗をかき、水分が失われます。

脱水を防ぐため、

  • 母乳
  • ミルク
  • 麦茶
  • 経口補水液

などを少量ずつ、こまめに飲ませましょう。

一度にたくさん飲ませようとすると吐いてしまうことがあるため、スプーンや少量ずつの哺乳がおすすめです。

② 食事は無理をしなくて大丈夫

熱がある間は食欲が落ちることがよくあります。

無理に食べさせる必要はありません。

食べられそうなら、

  • おかゆ
  • うどん
  • バナナ
  • ヨーグルト
  • ゼリー

など消化のよいものから始めましょう。

数日食事量が少なくても、水分が十分に摂れていれば大きな問題になることはほとんどありません。

③ お風呂は入っていい?

「発疹が出たらお風呂はダメですか?」という質問もよくいただきます。

熱が高い間は無理をせず、体を拭くだけでも構いません。

熱が下がり、

  • 元気がある
  • 水分が飲める

ようであれば、短時間の入浴は問題ありません。

発疹があることだけを理由に入浴を控える必要はありません。

④ 発疹に薬は必要?

突発性発疹の発疹は、

  • かゆみが少ない
  • 数日で自然に消える

ため、多くの場合は塗り薬も必要ありません。

ただし、

  • 強いかゆみ
  • 水ぶくれ
  • ジュクジュクする

ような場合は、別の病気が隠れている可能性もあるため受診しましょう。

突発性発疹と熱性けいれん

突発性発疹は、

熱性けいれんの原因として最も多い病気の一つ

です。

高熱が急激に上がる時期に起こることが多く、多くは5分以内で自然に止まり、後遺症を残しません。

けいれんが起きたら、

  • あわてず横向きに寝かせる
  • 衣服をゆるめる
  • 口の中に物を入れない
  • けいれんの時間を確認する

ことが大切です。

突発性発疹と急性脳症

突発性発疹はほとんどが自然に治る病気ですが、

非常にまれに急性脳症を合併することがあります。

急性脳症とは、感染症をきっかけに脳の働きが急激に低下する重い病気です。

原因となるHHV-6は、乳幼児急性脳症の原因ウイルスの一つとして知られています。

ただし、突発性発疹のお子さんの大部分は急性脳症になることなく回復しますので、必要以上に心配する必要はありません。

熱性けいれんとの違い

熱性けいれんでは、

  • 数分以内に止まる
  • その後意識が戻る

ことがほとんどです。

一方、急性脳症では、

  • けいれんが5分以上続く
  • 何度も繰り返す
  • 意識が戻らない
  • 呼びかけても反応しない
  • ぼんやりして目が合わない

などの症状がみられます。

このような場合には、救急受診が必要です。

登園の目安

突発性発疹は、学校保健安全法で出席停止が定められている病気ではありません。

一般的には、

  • 熱が下がっている
  • 水分や食事がとれる
  • 普段どおり遊べる

ようになれば登園できます。

発疹が残っていても、全身状態が良ければ登園可能です。

ただし、保育園や幼稚園によっては独自の基準があるため、事前に確認すると安心です。

こんなときは小児科を受診しましょう

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 高熱が5日以上続く
  • 水分が飲めない
  • おしっこが少ない
  • 呼吸が苦しそう
  • 強い機嫌の悪さが続く
  • 発疹が紫色になる
  • 水ぶくれや強い痛みがある
  • 発疹が1週間以上続く

すぐに救急受診が必要な症状

以下の症状がある場合は、119番または救急外来を受診してください。

  • 生後3か月未満で38℃以上の発熱
  • けいれんが5分以上続く
  • けいれんを繰り返す
  • 意識が戻らない
  • 呼びかけへの反応が悪い
  • 水分がまったく飲めない
  • 呼吸が苦しそう
  • 顔色が悪い
  • ぐったりしている

小児科医から保護者の方へ

みなとみらい小児科クリニックでは、毎年多くの突発性発疹のお子さんを診療しています。

保護者の方からは、

「熱が下がったのに発疹が出て悪化したのでは?」
「薬の副作用ではありませんか?」
「熱は下がったのに機嫌が悪くて心配です。」

というご相談をよくいただきます。

しかし、熱が下がってから発疹が出ることや、一時的に機嫌が悪くなることは、突発性発疹では典型的な経過です。

一方で、高熱が続く病気の中には、川崎病や尿路感染症、肺炎など早期治療が必要な病気もあります。

私たちは、お子さんの診察だけでなく、「今は様子を見てよいのか」「すぐ受診すべきか」という保護者の方の不安にも寄り添うことを大切にしています。

「普段と様子が違う」「受診するか迷う」という時は、どうぞ遠慮なくご相談ください。

横浜市・みなとみらいでお子さんの発熱や発疹でお困りの方へ

みなとみらい小児科クリニックでは、突発性発疹をはじめ、発熱や発疹を伴う感染症の診療を行っています。

お子さん一人ひとりの症状に合わせて丁寧に診察し、ご家庭で安心して過ごせるようサポートいたします。高熱や発疹でご心配なことがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

今回の記事の内容(定義、原因、症状、診断、治療、受診の目安、登園の目安、急性脳症など)は、以下の公的機関・学会・標準的教科書の内容に基づいて作成しています。

参考文献・参考資料

行政機関

  • 厚生労働省
    • 保育所における感染症対策ガイドライン(2023年改訂版)
    • 子どもの感染症に関する情報
  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS:旧 国立感染症研究所)
    • 突発性発しん(Roseola infantum)
    • IASR(感染症発生動向調査週報)HHV-6・HHV-7感染症に関する資料

学会

  • 日本小児科学会
    • 小児感染症に関する診療情報
    • 保護者向け感染症情報
  • 日本小児感染症学会
    • 小児感染症診療に関する資料
    • 小児ウイルス感染症に関する情報
  • 日本小児救急医学会
    • 熱性けいれん・発熱児の診療に関する資料
  • 日本小児神経学会
    • 熱性けいれん診療ガイドライン
    • 急性脳症診療に関する提言・診療情報
  • 日本小児科医会
    • 保護者向け感染症情報
    • 発熱時の対応について
  • 日本外来小児科学会
    • 小児感染症診療・保護者向け啓発資料

診療ガイドライン

  • 熱性けいれん診療ガイドライン 2023
    (日本小児神経学会 監修)
  • 小児感染症診療ガイドライン
    (日本小児感染症学会 関連資料)

教科書・専門書

  • Nelson Textbook of Pediatrics, 22nd Edition
    Elsevier
  • Red Book: 2024–2027 Report of the Committee on Infectious Diseases
    American Academy of Pediatrics
  • Feigin and Cherry’s Textbook of Pediatric Infectious Diseases
    Elsevier

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

クループ症候群 「ケンケン」という咳は受診したほうがいい?

子どものクループ症候群とは?

「ケンケン」という咳は受診したほうがいい?原因・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

お子さんの「ケンケン」という咳はクループ症候群かもしれません。原因や症状、治療、自宅でできるケア、夜間の受診の目安、登園の目安まで、小児科医がわかりやすく解説します。横浜市・みなとみらい周辺でご心配な方はお気軽にご相談ください。

「ケンケン」という咳はクループ症候群かもしれません

お子さんが突然「ケンケン」と犬やオットセイの鳴き声のような咳をすると、とても心配になりますよね。

多くは**クループ症候群(急性喉頭気管炎)**と呼ばれる病気で、ウイルス感染によってのど(喉頭)が腫れ、空気の通り道が狭くなることで起こります。

軽症で自然に良くなることもありますが、

  • 呼吸が苦しそう
  • 息を吸うたびに胸がへこむ
  • 顔色が悪い
  • 水分が飲めない

このような場合は、早めに小児科を受診しましょう。

クループ症候群とは?

クループ症候群は、ウイルス感染によって喉頭から気管に炎症が起こり、気道が狭くなる病気です。

特に6か月〜3歳頃のお子さんに多く、秋から冬に増える傾向があります。

夜間から明け方に症状が悪化しやすいことも特徴です。

クループ症候群の原因

原因のほとんどはウイルス感染です。

主な原因

  • パラインフルエンザウイルス
  • RSウイルス
  • ヒトメタニューモウイルス
  • アデノウイルス
  • ライノウイルス
  • インフルエンザウイルス など

風邪をひいた数日後に発症することも珍しくありません。

クループ症候群の症状

代表的な症状は

  • ケンケンという特徴的な咳
  • 声がかすれる
  • 息を吸うときのヒューヒューという音(吸気性喘鳴)
  • 発熱
  • 鼻水

重症になると

  • 呼吸が速い
  • 胸や首がへこむ
  • 唇が紫色になる
  • 水分が飲めない
  • ぐったりする

などの症状がみられます。

診断

多くの場合は特徴的な咳や診察だけで診断できます。

必要に応じて

  • 酸素飽和度(SpO₂)
  • レントゲン検査
  • ウイルス検査

などを行うことがあります。

治療

『小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022』では、ステロイド治療がクループ症候群の基本治療とされています。

ステロイド内服

軽症でも夜間に悪化することがあるため、デキサメタゾンなどのステロイド薬を内服します。

1回の内服で十分な効果が期待でき、のどの腫れを抑えて呼吸を楽にします。

アドレナリン吸入

呼吸が苦しい場合にはネブライザーでアドレナリン吸入を行います。

症状が強い場合には酸素投与や入院が必要になることもあります。

抗菌薬(抗生物質)は、細菌感染が疑われる場合を除き通常は必要ありません。

家庭でできるケア

  • 水分を少しずつこまめに飲む
  • 泣くと悪化するため安心させる
  • 夜間は呼吸の様子をよく観察する
  • 無理に咳を止めようとしない

こんな時はすぐ受診してください

  • 呼吸が苦しそう
  • 胸や首が大きくへこむ
  • 唇が紫色
  • 水分が飲めない
  • ぐったりしている
  • 夜中に急に悪化した

登園の目安

クループ症候群自体には登園停止期間はありません。

発熱がなく、

  • 呼吸が落ち着いている
  • ケンケンという咳が改善している
  • 普段どおり食事や遊びができる

ようになれば登園できます。

よくある質問(FAQ)

Q. クループ症候群はうつりますか?

クループ症候群そのものではなく、原因となるウイルスはうつります。

Q. 夜だけ咳が悪くなるのはなぜ?

夜間は気道が狭くなりやすく、炎症も強くなるためです。

Q. 市販の咳止めは効きますか?

クループ症候群では効果が十分ではないことが多く、自己判断で使用するより小児科を受診しましょう。

Q. ステロイドは何回飲みますか?

多くの場合は1回の内服で十分な効果が期待できます。追加の内服が必要かどうかは症状をみながら医師が判断します。

参考資料

  • 厚生労働省 感染症対策・小児の呼吸器感染症に関する資料
  • 日本小児科学会 小児の急性呼吸器感染症・小児救急に関する提言
  • 日本小児感染症学会 小児呼吸器感染症に関する診療・学会資料
  • 日本小児呼吸器学会 小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022
  • 日本小児救急医学会 小児救急診療ガイドライン・教育資料
  • 日本外来小児科学会 小児急性呼吸器感染症に関する診療資料
  • 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト(旧 国立感染症研究所 感染症情報センター) パラインフルエンザウイルス感染症・RSウイルス感染症など
  • 日本呼吸器学会 急性気道感染症に関する診療情報
  • UpToDate “Croup in infants and children: Clinical features, evaluation, and diagnosis”
  • UpToDate “Croup: Management”
  • BMJ Best Practice “Croup”

横浜市・みなとみらいで「ケンケン」という咳が気になるお子さんはご相談ください

みなとみらい小児科クリニックでは、クループ症候群の診療を行っています。

酸素飽和度(SpO₂)の測定や重症度の評価を行い、お子さんの状態に応じてステロイド内服や吸入治療を行っています。必要に応じて高次医療機関とも連携し、適切な診療を行っています。

「夜になると咳が悪化する」「息が苦しそう」「ケンケンという咳が続く」など、ご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

インフルエンザ

子どものインフルエンザとは?原因・症状・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どものインフルエンザの原因や症状、迅速検査、抗インフルエンザ薬による治療、家庭でのケア、受診の目安まで、小児科医がわかりやすく解説します。横浜市・みなとみらいで小児科をお探しの方もぜひ参考にしてください。

子どものインフルエンザでお困りの保護者の方へ

お子さんが急に高い熱を出すと、「インフルエンザかもしれない」「病院へ行くタイミングは?」「検査はいつ受ければいいの?」と不安になりますよね。

インフルエンザは毎年冬に流行する感染症ですが、早めに適切な診断と治療を受けることで症状を軽くし、合併症を予防できる可能性があります。特に高熱が続く、ぐったりしている、水分が飲めないなどの症状がある場合は、小児科を受診しましょう。

この記事では、保護者の皆さまが安心して対応できるよう、インフルエンザについてわかりやすくご説明します。

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こる感染症です。

一般的なかぜと比べて、38℃以上の高熱、強いだるさ、頭痛、筋肉痛などの全身症状が強く現れることが特徴です。

毎年冬になると全国的に流行し、保育園や幼稚園、学校など集団生活を送る子どもたちは感染しやすくなります。

ほとんどのお子さんは1週間ほどで回復しますが、乳幼児では熱性けいれん、まれにインフルエンザ脳症や肺炎など重い合併症を起こすことがあるため注意が必要です。

インフルエンザの原因

原因はインフルエンザウイルス(A型・B型など)です。

感染した人のせきやくしゃみに含まれる飛沫を吸い込む飛沫感染や、ウイルスが付着したドアノブやおもちゃなどを触った手で口・鼻・目を触る接触感染によって広がります。

症状が出る前日頃から周囲へ感染させることもあり、家族内で広がることも少なくありません。

流行時期には、

  • 手洗い
  • 咳エチケット
  • 十分な睡眠
  • バランスのよい食事
  • ワクチン接種

などが予防につながります。

子どものインフルエンザの症状

代表的な症状は次のとおりです。

  • 38℃以上の急な発熱
  • 強い寒気
  • 頭痛
  • 全身のだるさ
  • 筋肉痛・関節痛
  • 鼻水
  • のどの痛み
  • 食欲低下

小さなお子さんでは、「機嫌が悪い」「抱っこばかり求める」「水分を飲みたがらない」などが最初のサインになることもあります。

また、高熱によって熱性けいれんを起こすことがあります。

さらに頻度は高くありませんが、

  • インフルエンザ脳症
  • 肺炎
  • 中耳炎

などの合併症を起こすこともあります。

ぐったりして呼びかけへの反応が悪い、けいれんを繰り返す、意味不明な言動がある、呼吸が苦しそうな場合は、早急な受診が必要です。

インフルエンザの診断

診断では、症状や流行状況を確認したうえで、必要に応じて鼻の奥をぬぐう迅速抗原検査を行います。

最近では発熱後約8時間頃から検査可能な高感度迅速検査も普及しています。

一方で、発熱直後は体内のウイルス量が少ないため、どの検査でも陰性となることがあります。

そのため小児科では、

  • 発熱してからの時間
  • お子さんの症状
  • ご家族の感染状況
  • 地域での流行状況

などを総合的に判断し、最適なタイミングで検査を行います。

検査結果だけではなく、診察所見を含めて診断することが大切です。

インフルエンザの治療

治療の基本は、

  • 十分な水分補給
  • 安静
  • 必要に応じた解熱薬

です。

さらに、インフルエンザでは抗インフルエンザ薬による治療が有効です。

抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に開始することで、

  • 発熱期間を短くする
  • 症状を軽くする
  • 肺炎や中耳炎などの合併症を減らす

効果が期待されています。

お子さんの年齢や体重、症状に応じて、

  • オセルタミビル
  • バロキサビル
  • ザナミビル
  • ラニナミビル

などから適切なお薬を選択します。

診療では、「薬を飲んだ方がよいのか」「副作用は大丈夫か」といったご相談を受けることがよくあります。

現在使用されている抗インフルエンザ薬は多くの小児で使用実績があり、ガイドラインでも推奨されている治療です。発症早期に開始することで、お子さんが少しでも早く楽になることが期待できます。

家庭でできるケア

インフルエンザでは脱水を防ぐことがとても大切です。

一度にたくさん飲めない場合は、

  • 麦茶
  • 経口補水液

などを少量ずつこまめに飲ませましょう。

無理に食事を食べさせる必要はありませんが、食欲が出てきたら消化のよいものから少しずつ始めます。

また、十分な睡眠と安静を保つことも回復への近道です。

高熱があってつらそうな場合には、小児科で処方された解熱薬を使用しましょう。

市販薬は使える?

「市販のかぜ薬で様子をみてもよいですか?」というご相談をよくいただきます。

市販薬の中には症状を和らげるものもありますが、インフルエンザそのものを治す薬ではありません。

また、小さなお子さんでは年齢によって使用できない成分もあります。

熱が高くつらそうな場合は、小児科で処方された解熱薬を使用しましょう。自己判断で薬を飲ませるのではなく、不安な場合は医師や薬剤師へご相談ください。

小児科を受診する目安

インフルエンザが疑われる場合は、できるだけ早めの受診をおすすめします。

現在は発熱後約8時間頃から検査可能な高感度迅速検査もあります。一方で、発熱直後は陰性となることもあるため、検査を受けるタイミングは症状や経過をみながら判断します。

また、抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に開始すると効果が期待できるため、高熱や強い全身症状がある場合は、検査のタイミングを待ちすぎず受診することが大切です。

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 38℃以上の発熱がある
  • 水分や食事があまりとれない
  • 強い咳が続く
  • 元気がなくぐったりしている
  • 家族にインフルエンザの方がいる

次のような場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 呼吸が苦しそう
  • 水分がほとんど飲めない
  • おしっこが少ない
  • けいれんを起こした
  • 呼びかけても反応が悪い
  • 意味不明な言動がある
  • 生後3か月未満のお子さんが発熱した

登園・登校の目安

学校保健安全法では、

「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」

は登園・登校を控えることとされています。

熱が下がっていても、食事がとれ、普段どおり元気に遊べるようになってから登園・登校することが大切です。

インフルエンザワクチンについて

インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐものではありませんが、

  • 発症を予防する
  • 重症化を防ぐ
  • 入院や合併症のリスクを減らす

効果が期待されています。

特に、

  • 乳幼児
  • 基礎疾患のあるお子さん
  • 受験を控えたお子さん

では、ワクチン接種が推奨されています。

毎年流行するウイルスが変わるため、毎年接種することが大切です。

当院でよくいただくご相談

診療をしていると、保護者の方から次のようなご質問をいただくことがよくあります。

「熱が出てすぐ受診したほうがいいですか?」

「検査が陰性でしたが、本当にインフルエンザではないのでしょうか?」

「薬を飲んだほうが早く治りますか?」

発熱直後は検査で陰性となることもあります。そのため当院では、症状だけでなく、発熱からの時間、ご家族の感染状況、地域の流行状況などもあわせて総合的に判断しています。

また、抗インフルエンザ薬は発症早期に開始することで効果が期待できるため、お子さんの年齢や症状を確認したうえで、適切な治療をご提案しています。

よくある質問(FAQ)

Q. インフルエンザは普通のかぜと何が違いますか?

A. インフルエンザは急な高熱や強いだるさ、筋肉痛など全身症状が強いことが特徴です。

Q. 熱が出てすぐ検査できますか?

A. 高感度迅速検査では発熱後約8時間頃から検査できる場合があります。ただし、発熱直後は陰性になることもあるため、診察で適切な検査時期を判断します。

Q. 抗インフルエンザ薬は飲んだほうがよいですか?

A. 発症から48時間以内に開始すると、症状を軽くし、発熱期間を短縮する効果が期待できます。年齢や症状に合わせて使用します。

Q. 家族にうつさないためにはどうすればよいですか?

A. 手洗い、咳エチケット、換気を心がけ、タオルの共用を避けましょう。可能であれば療養する部屋を分けることも有効です。

Q. 解熱したらすぐ登園できますか?

A. できません。学校保健安全法で定められた出席停止期間を守り、元気に過ごせるようになってから登園・登校しましょう。

参考文献

本記事は以下の資料を参考に作成しました。

インフルエンザ診療ガイドライン

厚生労働省「インフルエンザ総合ページ」

国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト(旧 国立感染症研究所)

日本小児科学会

日本小児感染症学会

日本小児救急医学会

日本外来小児科学会

日本小児呼吸器学会

日本小児神経学会

日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会

横浜市・みなとみらいでお子さんのインフルエンザでお困りの方へ

みなとみらい小児科クリニックでは、インフルエンザの診断・治療を行っています。

高感度迅速検査を用いた診断や、お子さん一人ひとりに合わせた抗インフルエンザ薬の選択、ご家庭での過ごし方まで丁寧にご説明しています。

「インフルエンザかもしれない」
「いつ受診すればよいかわからない」
「検査を受けるタイミングを相談したい」

このような場合も、お気軽にご相談ください。

まとめ

インフルエンザは、毎年多くのお子さんがかかる感染症ですが、早めに診断を受け、適切な治療を開始することで、症状を軽くし、重症化を防ぐことが期待できます。

発熱後約8時間頃から検査可能な高感度迅速検査も普及していますが、検査のタイミングや治療の必要性は、お子さん一人ひとりで異なります。

「インフルエンザかもしれない」「受診したほうがよいか迷う」というときは、一人で悩まず、早めにご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

りんご病(伝染性紅斑)

🍎 りんご病(伝染性紅斑)について

~ほっぺが赤くなったら、りんご病かもしれません~

お子さんのほっぺが急に赤くなると、「大丈夫かな?」と心配になりますよね。

りんご病(伝染性紅斑)は、多くのお子さんでは自然に良くなる病気ですが、特徴を知っておくと安心です。

りんご病とは?

りんご病(伝染性紅斑)は、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。

幼児から小学生に多くみられ、春から初夏を中心に流行します。

最大の特徴は、両方のほっぺがりんごのように赤くなることです。その後、腕や足、お腹にレース(網目)状の発疹が現れることがあります。

原因・感染経路

感染した人の咳やくしゃみによる飛沫感染や、接触によって感染します。

約**20~30%のお子さんは症状がほとんど出ない「不顕性感染」**で終わることがあります。

また、最も感染力が強いのは発疹が出る前の風邪のような症状がある時期です。そのため、発疹が現れた頃には感染力はほとんどなくなっています。

症状

**初期症状は目立たないことが多く、気づかれないまま経過するお子さんも少なくありません。**また、不顕性感染となることもあります。

初期(数日間)

  • 微熱
  • 鼻水
  • のどの痛み
  • 軽い咳
  • 少しだるそうにする

これらは風邪と区別がつきにくく、この時期に感染力が最も強くなります。

その後

数日たつと、

  • 両方のほっぺがりんごのように赤くなる
  • 腕や足、お腹にレース(網目)状の発疹が広がる

ことがあります。

発疹は日光や入浴、運動などで一時的に濃く見えることがありますが、多くは1~3週間ほどで自然に薄くなります。

診断

多くの場合は、

  • 特徴的な頬の赤み
  • レース状の発疹
  • 症状の経過

から診断できます。

通常は血液検査は必要ありません。

ただし、発疹が典型的でない場合や、ご家族に妊婦さんがいる場合、血液の病気があるお子さんなどでは、必要に応じて**パルボウイルスB19抗体検査(IgM・IgG)血算(貧血の有無を調べる検査)**を行うことがあります。

治療

りんご病に効く特別な薬はありません。

治療は症状を和らげることが中心です。

  • 水分を十分にとる
  • ゆっくり休養する
  • 発熱や痛みが強い場合は解熱鎮痛薬を使用することがあります

ほとんどのお子さんは自然に回復します。

登園・登校の目安

発疹が出た時点では感染力はほとんどありません。

そのため、発熱がなく全身状態が良ければ登園・登校できます。

学校保健安全法でも、伝染性紅斑は出席停止の対象ではありません。

妊婦さんへの注意

妊娠中、特に妊娠20週頃までに初めて感染すると、まれに赤ちゃんに影響を及ぼすことがあります。

ご家族に妊婦さんがいる場合は、お子さんが風邪のような症状を示した時点から、手洗いや咳エチケットを心がけ、心配な場合は産婦人科へ相談しましょう。

こんなときは受診しましょう

  • 高熱が続く
  • 水分が十分にとれない
  • ぐったりしている
  • 顔色が悪い
  • 強い関節痛や痛みがある
  • 発疹以外にも気になる症状がある

みなとみらい小児科クリニック

みなとみらい小児科クリニックでは、りんご病(伝染性紅斑)の診療を行っています。

発疹がりんご病かどうか心配なときや、ご家族に妊婦さんがいる場合なども、お気軽にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

アデノウイルス感染症(プール熱・流行り目以外)

アデノウイルス感染症

~流行性角結膜炎・咽頭結膜熱以外について~

お子さんが高い熱や咳、下痢などの症状が続くと、とても心配になりますね。

アデノウイルスは、「プール熱(咽頭結膜熱)」や「はやり目(流行性角結膜炎)」だけでなく、かぜや胃腸炎、気管支炎などの原因にもなる身近なウイルスです。多くのお子さんは自然に回復しますが、水分不足や肺炎などに注意が必要なこともあります。

アデノウイルス感染症とは?

アデノウイルスは多くの種類(型)があり、感染する型によって症状が異なります。

今回ご紹介するのは、プール熱やはやり目以外のアデノウイルス感染症です。

主に次のような病気を起こします。

  • かぜ(上気道炎)
  • 気管支炎・肺炎
  • 胃腸炎
  • 中耳炎 など

乳幼児から学童まで幅広い年齢でみられ、年間を通して感染します。

原因

アデノウイルスは、

  • 咳やくしゃみによる飛沫感染
  • 手やおもちゃなどを介した接触感染
  • 便を介した経口感染

でうつります。

感染力が強く、家族や保育園・幼稚園で広がることがあります。

主な症状

呼吸器感染

  • 38~40℃の発熱
  • 鼻水
  • のどの痛み

熱は4~7日ほど続くこともあり、一般的な風邪より長引くことがあります。

胃腸炎

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 発熱

下痢が数日続くことがあり、乳幼児では脱水症に注意が必要です。

治療

アデノウイルスに効く特別な治療薬はありません。

お子さん自身の免疫で治るため、症状を和らげながら回復を待ちます。

ご家庭では、

  • 水分をこまめに補給する
  • 食べられるものを少しずつ食べる
  • 十分に休養をとる
  • 高熱でつらいときは、医師の指示で解熱剤を使用する

ことが大切です。

抗菌薬(抗生物質)はウイルスには効果がないため、通常は使用しません。

受診の目安

次のような症状があるときは早めに受診しましょう。

  • 水分がほとんど飲めない
  • 尿が半日以上出ない
  • 高熱が5日以上続く
  • 呼吸が苦しそう
  • ぐったりして元気がない
  • 嘔吐や下痢が続く
  • けいれんを起こした

登園・登校の目安

プール熱(咽頭結膜熱)やはやり目(流行性角結膜炎)以外のアデノウイルス感染症では、一律の出席停止期間はありません。

登園・登校の目安は、

  • 熱が下がっている
  • 水分や食事が十分にとれる
  • 下痢や嘔吐が落ち着いている
  • 普段どおり元気に過ごせる

ことです。

※園や学校によって基準が異なる場合がありますので、確認してから登園・登校しましょう。

保護者のみなさまへ

アデノウイルス感染症は、高熱が数日続くこともあり、不安になる保護者の方も多い感染症です。しかし、多くのお子さんは十分な水分補給と休養によって自然に回復します。水分が飲めない、ぐったりしている、呼吸が苦しそうなど、気になる様子があれば無理をせず早めに受診しましょう。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜熱(プール熱)

子どもの流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜熱(プール熱)とは?原因・症状・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どもの流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜熱(プール熱)の原因、症状、感染経路、受診の目安を小児科医がわかりやすく解説します。横浜市・みなとみらいで目の充血や発熱が気になるお子さんは、みなとみらい小児科クリニックへご相談ください。

子どもの目が赤い・目やに・発熱…それは「はやり目」や「プール熱」かもしれません

お子さんの目が赤くなり、目やにが増えたり、熱やのどの痛みが出たりしたら、「流行性角結膜炎(はやり目)」や「咽頭結膜熱(プール熱)」の可能性があります。どちらもアデノウイルスによる感染症で、感染力が非常に強いことが特徴です。多くは自然に回復しますが、家庭内や保育園・幼稚園・学校で広がりやすいため、早めに診断を受け、適切な感染対策を行うことが大切です。

「ただの結膜炎かな?」
「プールに入ったから感染したの?」
「兄弟にうつらないようにするにはどうすればいい?」

このようなご相談は、小児科でもよくいただきます。

この記事では、保護者の方が安心して対応できるように、流行性角結膜炎とは何か、咽頭結膜熱との違い、症状や受診の目安についてわかりやすくご説明します。

流行性角結膜炎(はやり目)とは?

流行性角結膜炎は、アデノウイルスによって起こる目の感染症です。

「はやり目」という名前のとおり非常に感染力が強く、保育園や幼稚園、学校、ご家庭の中でも広がりやすい病気です。

子どもだけでなく大人にも感染します。

症状が強い場合には角膜(黒目)にも炎症が及ぶことがあり、一時的に見えにくくなることもあります。

咽頭結膜熱(プール熱)とは?

咽頭結膜熱もアデノウイルスによる感染症です。

発熱・のどの痛み・結膜炎(目の充血)の3つがそろうことが特徴です。

以前はプールで感染することが多かったため「プール熱」と呼ばれていますが、現在は咳やくしゃみ、手についたウイルスなどから感染することが多く、プールだけが原因ではありません。

原因は?

どちらも原因はアデノウイルスです。

流行性角結膜炎では主に8型、19型、37型、54型などが知られています。

咽頭結膜熱では主に3型や7型などが原因になります。

感染経路は

  • 接触感染
  • 飛沫感染

が中心です。

特に目やにや涙には大量のウイルスが含まれています。

そのため

  • 手で目をこする
  • タオルを共用する
  • ドアノブやおもちゃを触る

などで簡単に感染が広がります。

症状の違い

流行性角結膜炎(はやり目)

代表的な症状は

  • 白目が真っ赤になる
  • 目やにがたくさん出る
  • 涙が止まらない
  • 目がゴロゴロする
  • まぶしい
  • まぶたが腫れる
  • 耳の前のリンパ節が腫れる

最初は片目だけでも、数日後に反対の目にも広がることがよくあります。

咽頭結膜熱(プール熱)

代表的な症状は

  • 38〜39℃程度の発熱
  • のどの痛み
  • 目の充血
  • 目やに
  • 食欲低下
  • 首のリンパ節の腫れ

熱は3〜5日ほど続くことが多く、その後ゆっくり改善します。

よくある保護者の心配

診療をしていると、次のような質問をいただくことがよくあります。

「目やにだけでも受診した方がいいですか?」

はい。

特に朝、目やにで目が開かないほどの場合は、流行性角結膜炎の可能性があります。

感染力が強いため、早めに診察を受けることをおすすめします。

「プールでうつったのでしょうか?」

現在はプールそのものよりも、家族や友達との接触で感染することが多いと考えられています。

「兄弟にうつりますか?」

感染力が非常に強いため、ご兄弟や保護者へ感染することも少なくありません。

家庭内では

  • 手洗い
  • タオルを分ける
  • 目を触らない

ことがとても大切です。

小児科ではどのように診断するの?

診断はまず症状や診察所見から行います。

目の充血の程度や目やにの状態、発熱やのどの赤みなどを総合的に判断します。

必要に応じてアデノウイルス迅速検査を行うことがあります。

迅速検査は診断の助けになりますが、症状や経過によっては検査を行わず診断する場合もあります。

また、角膜の炎症が疑われる場合や、見えにくさ・強い痛み・光をまぶしがる症状がある場合には、眼科で詳しい診察が必要になります。

こんな時は早めに受診しましょう

次のような症状がある場合は、できるだけ早めに医療機関を受診してください。

  • 高熱が続く
  • 水分が十分飲めない
  • 元気がなくぐったりしている
  • 目が開けられないほど痛い
  • 光を極端にまぶしがる
  • 見えにくそうにしている
  • 生後3か月未満で発熱している
  • 目の症状が急速に悪化している

横浜市・みなとみらいで「目の充血」「目やに」「発熱」でお困りの方へ

流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は感染力が強く、早期に診断して感染対策を行うことが、ご本人だけでなくご家族や周囲のお子さんを守ることにもつながります。

みなとみらい小児科クリニックでは、目の充血や目やに、発熱を伴う感染症の診療を行っています。

診察では症状を丁寧に確認し、必要に応じて迅速検査や眼科への紹介を行い、お子さん一人ひとりに合わせた治療やご家庭での過ごし方をご説明しています。

「はやり目かもしれない」「保育園へ行ってよいのか分からない」など、ご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

治療

アデノウイルスに効く特効薬はありません

流行性角結膜炎や咽頭結膜熱はウイルス感染症のため、現在のところアデノウイルスそのものを退治する飲み薬はありません。

そのため、治療は症状を和らげながら、お子さん自身の免疫で治るのを待つ「対症療法」が中心になります。

多くのお子さんは1~2週間ほどで改善しますが、流行性角結膜炎では目の充血や涙、見えにくさが数週間続くこともあります。

点眼薬は必要?

保護者の方から最も多い質問の一つが、

「目薬を使えば早く治りますか?」

というものです。

結論から言うと、

点眼薬だけでアデノウイルスを退治することはできません。

それでも点眼薬を使用する理由があります。

抗菌点眼薬

アデノウイルスには効きませんが、細菌による二次感染を予防・治療する目的で処方されることがあります。

炎症を抑える点眼薬

炎症が非常に強く、角膜への影響が心配される場合には、眼科医の判断で炎症を抑える点眼薬(ステロイド点眼薬など)が使用されることがあります。

ただし、ステロイド点眼薬は自己判断で使用すると、症状を悪化させたり他の病気を見逃したりする可能性があります。

市販薬や以前処方された点眼薬を自己判断で使用することは避け、必ず医師の指示に従いましょう。

家庭でできるケア

ご家庭では、お子さんが少しでも楽に過ごせるよう、次のことを心掛けましょう。

  • 水分をこまめに飲ませる
  • 食べられるものを少しずつ食べる
  • 十分な睡眠をとる
  • 目をこすらないようにする
  • 目やには清潔なガーゼやティッシュで優しく拭き取る

目を冷たいタオルで軽く冷やすと、違和感が和らぐこともあります。

家族にうつさないためには?

アデノウイルスは非常に感染力が強く、家庭内で兄弟や保護者へ広がることも少なくありません。

感染予防のために、

  • 石けんでしっかり手洗いをする
  • タオルや洗面用具を共用しない
  • 枕カバーをこまめに交換する
  • 目やにを拭いたティッシュはすぐに捨てる
  • ドアノブやおもちゃを定期的に拭く

ことが大切です。

特に目やにや涙には多くのウイルスが含まれているため、触れた後は必ず手を洗いましょう。

登園・登校の目安

流行性角結膜炎(はやり目)

学校保健安全法では第三種感染症に分類されています。

医師が感染のおそれがないと判断するまで登園・登校はできません。

感染力が非常に強いため、無理に登園すると集団感染につながる可能性があります。

咽頭結膜熱(プール熱)

学校保健安全法では第二種感染症に分類されています。

主要な症状(発熱・のどの痛み・目の症状)がなくなってから2日を経過するまで登園・登校はできません。

保育園や幼稚園によっては登園届や医師の意見書が必要になることがありますので、施設のルールをご確認ください。

小児科医としてお伝えしたいこと

診療をしていると、

「目が赤いだけだから様子を見ていました。」

という保護者の方も少なくありません。

しかし実際には、流行性角結膜炎と思って受診されたお子さんの中に、

  • 細菌性結膜炎
  • アレルギー性結膜炎
  • 咽頭結膜熱
  • 角膜炎

など、治療や対応が異なる病気が見つかることがあります。

また、強い角膜炎を起こすと、一時的に見えにくくなることもあるため、目の症状が強い場合は早めの受診をおすすめしています。

当院では、お子さんの症状を丁寧に診察し、必要に応じて迅速検査や眼科への紹介を行い、安心して治療を受けていただけるよう努めています。

よくある質問(FAQ)

Q. はやり目やプール熱はプールでしか感染しませんか?

いいえ。

現在は家庭や保育園・幼稚園・学校での接触感染や飛沫感染がほとんどです。

Q. 市販の目薬を使っても大丈夫ですか?

自己判断での使用はおすすめできません。

特にステロイドを含む点眼薬は、病気によっては悪化させることがあります。

Q. 兄弟も受診した方がいいですか?

目の充血や発熱、目やになどの症状が出た場合は受診をおすすめします。

症状がない場合は、手洗いやタオルの使い分けなど感染予防を徹底しましょう。

Q. 一度かかったらもう感染しませんか?

アデノウイルスには多くの型があるため、別の型に感染して再び発症することがあります。

横浜市・みなとみらいで目の充血や発熱が気になるお子さんへ

流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は、多くのお子さんが経験する感染症です。感染力は強いものの、早めに診断を受け、適切な治療と感染対策を行うことで、多くは後遺症なく回復します。

みなとみらい小児科クリニックでは、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱をはじめ、お子さんの感染症全般の診療を行っています。

「目やにが多い」「目が真っ赤」「熱とのどの痛みがある」「保育園に行ってよいか分からない」など、お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

参考文献

本記事は、以下の公的機関・学会等の資料を参考に作成しています。

行政機関

  • 厚生労働省「感染症情報」「学校保健安全法」
  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報(旧 国立感染症研究所)
  • こども家庭庁

学会

  • 日本小児科学会
  • 日本小児感染症学会
  • 日本眼科学会
  • 日本眼科医会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児循環器学会
  • 日本小児神経学会
  • 日本小児腎臓病学会
  • 日本小児内分泌学会
  • 日本小児血液・がん学会
  • 日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 日本小児呼吸器学会
  • 日本小児リウマチ学会
  • 日本川崎病学会
  • 日本新生児成育医学会
  • 日本小児救急医学会
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児在宅医学会
  • 日本国際小児保健学会
  • 日本小児心身医学会
  • 日本子ども虐待医学会
  • 日本先天代謝異常学会
  • 日本小児体液研究会
  • 日本マススクリーニング学会
  • 日本小児東洋医学会

その他参考資料

  • 学校保健安全法における学校感染症の登校・登園基準
  • アデノウイルス感染症に関する国内診療ガイド・専門家向け資料
  • 小児感染症診療に関する各学会公開資料

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎について

~せきが長引くときに知っておきたいこと~

お子さんのせきが何日も続くと、「肺炎ではないかな?」と心配になりますよね。マイコプラズマ肺炎は学童期のお子さんに多い感染症ですが、多くは適切な治療で良くなります。気になる症状があるときは、早めにご相談ください。

マイコプラズマ肺炎とは?

マイコプラズマ肺炎は、「マイコプラズマ・ニューモニエ」という細菌の一種が原因で起こる呼吸器感染症です。

飛まつ(せき・くしゃみ)によって人から人へ感染し、学校や家庭で広がることがあります。特に5~15歳くらいのお子さんに多くみられますが、小さなお子さんでもかかることがあります。

潜伏期間は2~3週間と長く、ゆっくり症状が現れるのが特徴です。

主な症状

初めは風邪のような症状から始まります。

  • 発熱(38~39℃程度)
  • 長引くせき(2~4週間続くこともあります)
  • のどの痛み
  • 鼻水
  • だるさ
  • 頭痛

特に**「熱が下がってもせきだけが続く」**ことが特徴です。

肺炎になっても元気に見えるお子さんもいますが、息苦しさやゼーゼーが強い場合は注意が必要です。

治療について

抗生剤による治療が中心です

マイコプラズマ肺炎では、原因となる細菌に効果のある抗生剤を使用します。

小児では主に**マクロライド系抗生剤(アジスロマイシン、クラリスロマイシンなど)**が第一選択となります。

ただし、近年はマクロライド耐性マイコプラズマが増えており、薬が効きにくいことがあります。その場合には、年齢や症状を考慮しながら別の種類の抗生剤へ変更することがあります。

抗生剤を飲み始めても、せきはすぐには止まらず、数週間続くことも珍しくありません。 症状が良くなっても、自己判断で薬を中止せず、処方された日数を飲み切ることが大切です。

症状を和らげる治療

抗生剤に加えて、

  • 水分をしっかりとる
  • 十分に休養する
  • 必要に応じて解熱剤やせき止めなどを使用する

など、お子さんのつらい症状を和らげる治療も行います。

登園・登校の目安

マイコプラズマ肺炎は学校保健安全法で出席停止が義務付けられている病気ではありません。

発熱がなく全身状態が良く、普段どおり食事ができるようになれば登園・登校は可能です。ただし、せきが強い間は周囲への感染を広げる可能性があるため、無理をせず、医師と相談して再開しましょう。

こんなときは早めに受診しましょう

  • 高い熱が続く
  • せきがどんどんひどくなる
  • 息苦しそう、呼吸が速い
  • 顔色が悪い
  • 水分が取れずぐったりしている

保護者の方へ

マイコプラズマ肺炎は、長引くせきのため心配になる病気ですが、多くのお子さんは適切な抗生剤治療と十分な休養で回復します。せきが続く場合や熱が長引く場合は、肺炎になっていないか確認することが大切です。気になる症状がありましたら、お早めにご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌感染症)

溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌感染症)

お子さんが「溶連菌ですね」と言われると、不安になる保護者の方も多いと思います。溶連菌感染症は子どもによくみられる病気ですが、**適切な診断と抗菌薬による治療を受ければ、多くは数日で元気になります。**大切なのは、処方された薬を最後まで飲み切ることです。

溶連菌感染症とは?

溶連菌感染症は、「A群溶血性レンサ球菌」という細菌が原因で起こる感染症です。主に3~15歳のお子さんに多くみられ、せきやくしゃみのしぶき(飛沫感染)や手を介した接触によってうつります。

冬から春にかけて流行しやすい病気ですが、一年を通してみられます。

主な症状

  • 突然の発熱
  • 強いのどの痛み
  • のどが赤く腫れる
  • 首のリンパ節が腫れる
  • 頭痛や腹痛、吐き気
  • 舌が赤くブツブツする「いちご舌」
  • 細かい赤い発疹(猩紅熱)

一方で、咳や鼻水はあまり目立たないことが特徴です。

迅速検査について

溶連菌感染症が疑われる場合は、のどを綿棒でこすって行う迅速抗原検査を行います。

検査は数分で結果が分かり、診断にとても役立ちます。ただし、発症早期では陰性になることもあるため、症状によっては再検査や培養検査を行うことがあります。

治療

治療の基本は抗菌薬(抗生物質)の内服です。

多くの場合、ペニシリン系やアモキシシリンなどの抗菌薬を10日間ほど服用します。熱やのどの痛みは2~3日で楽になることが多いですが、症状が良くなっても自己判断で薬をやめず、最後まで飲み切ることが大切です。

薬をきちんと飲み切ることで、再発や周囲への感染を防ぐだけでなく、まれな合併症の予防にもつながります。

発熱やのどの痛みには、必要に応じて解熱鎮痛薬を使用します。十分な水分補給と安静を心がけましょう。

登園・登校の目安

学校保健安全法では、

抗菌薬を飲み始めて24時間以上経過し、発熱がなく全身状態が良ければ登園・登校が可能とされています。

施設によって対応が異なる場合があるため、園や学校の指示にも従ってください。

急性糸球体腎炎について

溶連菌感染症のあと、1~3週間ほどして「急性糸球体腎炎」という腎臓の病気を起こすことがまれにあります。

免疫反応によって腎臓に炎症が起こる病気で、次のような症状がみられます。

  • 尿が赤茶色になる(コーラ色の尿)
  • 顔やまぶた、足のむくみ
  • 尿の量が減る
  • 血圧が高くなる

小児では適切な治療により良くなることがほとんどですが、このような症状がみられた場合は早めに受診してください。

保護者の方へ

溶連菌感染症は、お子さんによくみられる病気ですが、早めに診断し、抗菌薬を最後まで飲み切ることで、多くは問題なく回復します。

**「熱が続く」「水分がとれない」「ぐったりしている」「尿の色が赤い」「顔がむくんできた」**など、気になる症状があるときは、遠慮なく医療機関へご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

風疹(三日はしか)

風疹(三日はしか)について

保護者の方へ

風疹は「三日はしか」とも呼ばれるウイルス感染症です。多くのお子さんは軽く回復しますが、妊婦さんが感染すると、おなかの赤ちゃんに大きな影響を及ぼすことがある病気です。そのため、お子さん自身だけでなく、ご家族や周囲の人を守るためにも予防がとても大切です。

風疹とは

風疹ウイルスによる感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつによってうつります。感染してから**2〜3週間(14〜21日程度)**で発症し、多くは軽症ですが、まれに重い合併症を起こすことがあります。

原因

  • 風疹ウイルスへの感染
  • せき・くしゃみによる飛まつ感染
  • 発疹が出る約7日前から、発疹が消える頃まで周囲に感染させる可能性があります。

主な症状

  • 細かい赤い発疹(顔から始まり全身へ広がる)
  • 38℃前後の発熱
  • 耳の後ろや首のリンパ節の腫れ(風疹に特徴的です)
  • 鼻水、せき、のどの痛み
  • 軽い目の充血

多くは3〜7日程度で自然に回復します。

まれに脳炎血小板減少性紫斑病などの合併症を起こすことがあります。

治療

風疹に効く特別な治療薬はありません。

治療は症状を和らげる対症療法が中心です。

  • 十分な水分補給
  • 安静に過ごす
  • 必要に応じて解熱鎮痛薬を使用

抗菌薬(抗生剤)はウイルスには効果がないため、通常は使用しません。

登園・登校の目安

学校保健安全法では、

「発疹が消失するまで」

出席停止となります。

登園・登校の再開は、症状の回復を確認し、医師の指示に従いましょう。

予防接種について

風疹は予防接種が最も効果的な予防法です。

日本では**MRワクチン(麻しん・風疹混合ワクチン)**として定期接種が行われています。

  • 第1期:1歳
  • 第2期:小学校入学前1年間(年長児)

2回接種することで、多くの方が十分な免疫を獲得できます。

横浜市風しん対策事業

横浜市では、先天性風しん症候群を予防するため、対象者に風しん抗体検査と予防接種費用の助成を実施しています。

対象は、妊娠を希望する女性やそのパートナー・同居家族、妊婦のパートナー・同居家族などです。対象となる方は、抗体検査(原則無料)や予防接種費用の助成を受けられます。

**妊娠中は風疹ワクチンを接種できません。**妊娠を希望される方やご家族は、妊娠前に抗体の有無を確認しておくことが大切です。

先天性風疹症候群(CRS)とは

妊娠初期のお母さんが風疹に感染すると、おなかの赤ちゃんも感染し、

  • 難聴
  • 白内障
  • 先天性心疾患

などがみられることがあります。これを**先天性風疹症候群(CRS)**といいます。

赤ちゃんを守るためには、妊娠前に予防接種を済ませておくことが最も大切です。

受診の目安

次のような場合は早めに受診しましょう。

  • 高熱が続く
  • 水分が十分に取れない
  • ぐったりしている
  • けいれんや意識がもうろうとしている
  • 妊婦さんとの接触があった
  • 発熱と発疹があり、風疹が疑われる

保護者の皆さまへ

風疹は多くのお子さんでは軽く経過しますが、妊婦さんや生まれてくる赤ちゃんに大きな影響を及ぼす可能性がある感染症です。お子さんの定期予防接種を忘れずに受け、ご家族も必要に応じて抗体検査やワクチン接種を受けることで、大切な命を守ることにつながります。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもお気軽にご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

どのように感染するの?

麻疹は次の3つの経路で感染します。

  • 空気感染(最も感染力が強い)
  • 飛沫感染(咳やくしゃみ)
  • 接触感染(手や物を介して)

感染力は非常に強く、同じ部屋にいるだけでも感染することがあります。

主な症状

最初は風邪のような症状から始まります。

  • 38~39℃以上の発熱
  • 咳・鼻水
  • 目の充血や目やに
  • 元気や食欲がなくなる

いったん熱が少し下がったあと、再び高熱となり、顔から全身へ赤い発疹が広がります。口の中に「コプリック斑」という白い小さな斑点が見られることもあります。

治療

麻疹そのものを治す薬はありません。

  • 十分な水分補給
  • 安静
  • 解熱薬などでつらい症状を和らげる

細菌感染を合併した場合には抗菌薬が必要になることがあります。

予防接種について

麻疹を予防する最も確実な方法はMR(麻しん・風しん混合)ワクチンです。

定期接種

  • 第1期:1歳
  • 第2期:小学校入学前の1年間(年長児)

この2回接種で高い予防効果が期待できます。

生後6か月以降の任意接種について

海外渡航を予定している場合や、地域で流行している場合などには、生後6か月以降に任意でMRワクチンを接種することがあります。

ただし、この接種は定期接種には含まれないため、**1歳以降の第1期、第2期の定期接種は予定どおり受ける必要があります。**接種の必要性については小児科でご相談ください。

予後(治ったあと)

多くのお子さんは回復しますが、麻疹は「ただの発疹の病気」ではありません。

  • 中耳炎
  • 肺炎
  • 脱水

などを合併することがあります。まれですが重い合併症として脳炎を起こすことがあり、命に関わったり、後遺症が残ったりする場合があります。また、ごくまれに数年後に**亜急性硬化性全脳炎(SSPE)**という重い脳の病気を発症することも知られています。

麻疹脳炎について

麻疹患者さん約1,000人に1人程度で脳炎を起こすとされ、高熱やけいれん、意識がぼんやりするなどの症状が現れます。重い後遺症が残ることもあるため、麻疹は予防が何より大切です。

保護者の皆さまへ

麻疹は現在でも流行がみられる感染症です。特にワクチン未接種のお子さんは重症化する可能性があります。

「高熱が続く」「発疹が出てきた」「麻疹の患者さんと接触した可能性がある」という場合は、受診前に医療機関へ電話で相談し、麻疹の可能性があることを伝えてから受診しましょう。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

水痘(みずぼうそう)

水痘(みずぼうそう)について

保護者の方へ

お子さんが「水ぼうそう」と診断されると、不安に感じる方も多いと思います。水痘は子どもによくみられる感染症ですが、多くは適切なケアで自然に良くなります。ここでは、ご家庭で知っておきたいポイントをわかりやすくまとめました。

水痘(みずぼうそう)とは

水痘は**水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)**による感染症です。

非常に感染力が強く、せきやくしゃみ(飛沫感染)空気感染、**発疹に触れること(接触感染)**で広がります。潜伏期間は約2週間(10〜21日)です。

原因

原因は水痘・帯状疱疹ウイルスです。

一度感染すると多くの場合は免疫ができますが、ウイルスは体内に残り、大人になってから帯状疱疹として発症することがあります。

主な症状

最初は軽い発熱やだるさがみられ、その後、赤い発疹が現れます。

発疹は次のように変化します。

  • 赤い発疹
  • 水ぶくれ(水疱)
  • かさぶた

これらが同時に混ざって見られることが水痘の特徴です。

また、

  • 強いかゆみ
  • 37〜39℃程度の発熱
  • 頭や顔、体、手足へ広がる発疹

がよくみられます。

かき壊すと細菌感染を起こし、とびひや傷あとが残ることがあるため、爪を短く切るなどの工夫も大切です。

治療

アシクロビルの早期投与が大切です

水痘では発症から24時間以内(遅くとも48時間以内)に抗ウイルス薬「アシクロビル」を開始すると、発熱期間や発疹の数を減らし、症状を軽くできることが分かっています。

そのため、水痘が疑われる場合はできるだけ早く受診することが重要です。

治療では次のようなことを行います。

十分な水分補給と安静

アシクロビル(抗ウイルス薬)の内服

発症早期ほど効果があります。

医師の指示どおり最後まで飲み切りましょう。

発熱には解熱薬(アセトアミノフェン)

かゆみにはかゆみ止めや塗り薬

登園・登校の目安

学校保健安全法では、

すべての発疹がかさぶたになってから

登園・登校が可能とされています。

新しい水ぶくれが出ている間は感染力があるため、お休みが必要です。

予防接種について

水痘ワクチンは定期予防接種です。

  • 1歳になったら接種開始
  • 合計2回接種

2回接種することで、水痘の発症を大きく減らし、かかっても軽症で済むことが期待できます。

また、感染した方と接触した後でも、**72時間以内(できれば早め)**にワクチンを接種すると、発症予防や軽症化が期待できる場合があります。

受診を急いだほうがよい症状

次のような場合は早めに医療機関を受診してください。

  • 水分が取れない
  • 高熱が続く
  • 元気がなくぐったりしている
  • 呼吸が苦しそう
  • 発疹が赤く腫れ、膿が出てきた
  • 強い頭痛、繰り返す嘔吐、けいれんなどがある

保護者の方へ

水痘は多くのお子さんが経験する感染症ですが、適切な治療とご家庭でのケアにより、多くは1週間ほどで回復します。かゆみや発熱でつらそうなときは無理をせず、十分な休養と水分補給を心がけましょう。

ワクチンは水痘を予防し、重症化を防ぐ大切な方法です。接種がまだのお子さんは、ぜひ主治医にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

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