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皮膚のトラブル

乳児血管腫とは?いつ受診する?自然に治る?

子どもの乳児血管腫とは?いつ受診する?自然に治る?治療が必要な赤いあざを小児科医がわかりやすく解説

メタディスクリプション(約120文字)

赤ちゃんの赤いあざ「乳児血管腫」は、多くは自然に小さくなりますが、場所や大きさによっては早期治療が必要です。原因や症状、受診の目安、治療が必要なケースについて小児科医がわかりやすく解説します。

赤ちゃんの赤いあざで心配な保護者の方へ

乳児血管腫は、生後数週間から大きくなることが多い「赤いあざ」です。多くは自然に小さくなりますが、目や口の周りなどにできた場合や急速に大きくなる場合は、早めの診察が大切です。現在は飲み薬による治療が普及し、早期に治療を始めることで傷あとを少なくできる可能性があります。

「生まれたときはなかったのに赤いできものが出てきた」
「どんどん大きくなっている気がする」
「このまま様子を見ていて大丈夫?」
「将来あとが残らないか心配」

このようなご相談は、小児科外来でとても多くいただきます。

乳児血管腫は珍しい病気ではなく、赤ちゃんのおよそ5〜10%にみられる良性の血管の病変です。しかし、「自然に治る」と言われる一方で、「できるだけ早く治療した方がよい場合」もあります。

この記事では、保護者の方が安心して判断できるように、乳児血管腫についてわかりやすくご説明します。

乳児血管腫とは?

乳児血管腫(にゅうじけっかんしゅ)は、以前は**「いちご状血管腫」**とも呼ばれていた病気です。

皮膚の血管をつくる細胞が一時的に増えることでできる良性(がんではない)の腫瘍です。

特徴は、生まれた直後には目立たないことが多く、生後1〜4週間頃から赤くなり始めることです。

その後、生後数か月間は少しずつ大きくなり、やがて成長が止まり、数年かけて自然に小さくなっていきます。

つまり、

増える時期 → 止まる時期 → 自然に消えていく時期

という経過をたどることが、この病気の大きな特徴です。

なぜできるの?

実は、乳児血管腫ができるはっきりした原因はまだ分かっていません。

現在では、

  • 血管を作る細胞の発達過程
  • 胎児期の血管形成
  • 血管を増やす成長因子

などが関係していると考えられています。

保護者の方から

「私が妊娠中に何かしたからでしょうか?」

と聞かれることがありますが、

お母さんやお父さんの育て方や生活習慣が原因ではありません。

ご自身を責める必要はまったくありません。

どんな赤ちゃんに多いの?

乳児血管腫は、

  • 女の子
  • 低出生体重児
  • 早産児
  • 多胎妊娠(双子など)

でやや多いことが知られています。

ただし、健康に生まれた赤ちゃんにもよくみられる病気です。

乳児血管腫はどこにできる?

全身どこにでもできますが、特に多い場所があります。

  • 背中

顔にできると目立ちやすいため、不安になる保護者の方も少なくありません。

また、おむつの当たる場所や口の周囲では、こすれて傷ができることがあります。

どんな見た目?

乳児血管腫にはいくつかのタイプがあります。

表面型

もっとも多いタイプです。

  • 鮮やかな赤色
  • 少し盛り上がる
  • 表面がいちごのように見える

ことから「いちご状血管腫」と呼ばれていました。

深部型

皮膚の奥にできるタイプです。

  • 青紫色
  • やわらかい
  • 皮膚表面はそれほど赤くない

ことがあります。

混合型

表面型と深部型の両方の特徴を持つタイプです。

乳児血管腫はどのように大きくなる?

保護者の方が最も驚かれるのが、

「どんどん大きくなっている」

という変化です。

乳児血管腫は、

生後0〜1か月

小さな赤い点

生後1〜3か月

急速に大きくなる

生後5〜6か月頃

成長がゆっくりになる

1歳頃

ほぼ大きさが安定

数年かけて縮小

という経過が一般的です。

特に生後1〜3か月頃は最も大きくなりやすい時期で、この時期を「増殖期」と呼びます。

そのため、この時期に治療が必要かどうかを判断することが非常に重要です。

自然に治るの?

はい、多くの乳児血管腫は自然に小さくなります。

一般的には

  • 1歳頃から縮小し始め
  • 幼児期にかなり目立たなくなり
  • 学童期までにさらに改善

することが多いとされています。

しかし、

自然に小さくなっても

  • 皮膚がたるむ
  • 色が残る
  • 血管が少し残る
  • 傷あとのようになる

こともあります。

そのため、

「自然に治るから必ず様子を見る」のではなく、「将来あとが残りそうかどうか」も考えながら治療を検討する時代になっています。

小児科でよくあるご相談

当院でも、

  • 「最初は虫刺されだと思っていました」
  • 「急に大きくなって驚きました」
  • 「自然に治ると言われたけれど本当に大丈夫ですか?」
  • 「レーザーが必要でしょうか?」
  • 「飲み薬は安全ですか?」

というご相談をよくいただきます。

乳児血管腫は、治療を急がなくてもよいものと、できるだけ早く専門的な治療を始めた方がよいものがあります。

見た目だけで判断することは難しいため、小児科や皮膚科で診察を受けることをおすすめします。

また、増殖期である生後1〜3か月頃を逃さないことが、治療の選択肢を広げるポイントになります。

乳児血管腫はどのように診断するの?

多くの場合は、診察だけで診断できます。

医師は次のような点を確認します。

  • 生まれたときからあったか
  • いつ頃から大きくなったか
  • 増えるスピード
  • 色や盛り上がり
  • できている場所
  • 数や大きさ

典型的な乳児血管腫であれば、画像検査は必要ありません。

一方で、

  • 深い場所にある
  • 範囲が広い
  • 他の病気との区別が必要

と判断した場合には、

  • 超音波検査
  • MRI検査

などを行うことがあります。

また、顔に広範囲の乳児血管腫がある場合には、まれに脳や血管の異常などを伴うPHACE症候群、腰からお尻にかけて広範囲にある場合にはLUMBAR症候群などの関連疾患を考慮し、専門医療機関で詳しい検査が必要になることがあります。

治療は必要?

答えは、

「乳児血管腫によって異なります。」

以前は「様子を見ましょう」と言われることが多い病気でした。

しかし現在は、

将来の傷あとや機能障害を予防するため、必要なお子さんには早期治療を行う

という考え方が主流になっています。

経過観察だけでよい場合

次のような乳児血管腫では、経過観察になることが多くあります。

  • 小さい
  • 増殖が止まっている
  • 目立たない場所
  • 潰瘍がない
  • 日常生活に支障がない

定期的に診察しながら、自然に小さくなる経過を確認します。

ヘマンジオル®(プロプラノロール内服)

現在、乳児血管腫の第一選択治療となっているのが、

**ヘマンジオル®シロップ(プロプラノロール)**です。

血管が増える働きを抑え、乳児血管腫を小さくしていく効果があります。

治療を検討することが多いケース

  • 目の周囲
  • あご
  • 気道周囲
  • 急速に大きくなるもの
  • 潰瘍ができたもの
  • 将来変形が残る可能性が高いもの

治療開始時期

最も効果が期待できるのは、

生後1〜3か月頃の増殖期です。

一般的には、生後5〜6か月頃までに治療を開始すると効果が高いとされています。

そのため、「もう少し様子を見よう」と受診を遅らせるよりも、まず診断を受けることが大切です。

副作用

比較的安全に使用されていますが、

  • 低血糖
  • 血圧低下
  • 徐脈(脈が遅くなる)
  • 気管支が狭くなる
  • 手足が冷たくなる

などに注意が必要です。

そのため、専門医の管理のもとで開始し、体重に合わせて量を調整します。

レーザー治療は?

レーザー治療は、

すべての乳児血管腫に必要ではありません。

主に、

  • 赤みが残った場合
  • 表面の細い血管が目立つ場合
  • 潰瘍後の傷あと

などで行われます。

乳児血管腫そのものを小さくする目的では、まず内服治療が優先されることが多くなっています。

手術が必要になることは?

多くのお子さんでは必要ありません。

しかし、

  • 大きく皮膚が余った
  • 強い変形が残った
  • 自然に改善しない

場合には、形成外科で手術を検討することがあります。

家庭で気をつけること

乳児血管腫は、家庭で無理に治そうとする必要はありません。

次の点に注意しましょう。

写真を撮って記録する

スマートフォンで、

  • 正面
  • 大きさが分かる写真

を毎月撮影しておくと、変化が分かりやすくなります。

診察時にもとても役立ちます。

こすらない

衣類やおむつで擦れる場所では、

傷ができやすくなります。

やさしく保護しましょう。

出血しても慌てない

乳児血管腫は血管が多いため、傷つくと出血しやすいことがあります。

ガーゼなどで5〜10分ほどしっかり圧迫すると止血できることがほとんどです。

止血しない場合は医療機関を受診してください。

こんなときは早めに受診しましょう

次のような場合は、小児科や小児皮膚科への受診をおすすめします。

  • 生後数週間で赤いあざが急に大きくなってきた
  • 目・鼻・口・耳の近くにある
  • まぶたが開きにくい
  • 鼻の穴をふさいでいる
  • 唇の形が変わってきた
  • 首や気道付近にある
  • 傷(潰瘍)ができた
  • 出血を繰り返す
  • 5cm以上と大きい
  • 同じような血管腫が5個以上ある(肝臓にも血管腫があることがあるため、腹部超音波検査が勧められる場合があります。)
  • 保護者の方が「急に大きくなっている」と感じる

よくある質問(FAQ)

Q. 乳児血管腫はがんですか?

いいえ。

良性の血管腫瘍であり、がんではありません。

Q. 自然に消えますか?

多くは数年かけて自然に小さくなります。

ただし、

皮膚のたるみや赤みが残ることもあるため、治療が必要かどうかは早めに判断することが大切です。

Q. 市販薬で治りますか?

市販薬では治りません。

自己判断で塗り薬を使用するのではなく、小児科や皮膚科で相談しましょう。

Q. 予防できますか?

現在のところ、

予防する方法はありません。

妊娠中の生活や育児が原因ではありませんので、ご自身を責める必要はありません。

Q. ワクチンは受けられますか?

ほとんどの場合、通常どおり予防接種を受けられます。

ヘマンジオル®で治療中の場合も、多くは接種可能ですが、体調や治療状況によって判断するため、主治医にご相談ください。

小児科医としてお伝えしたいこと

診療をしていると、

「自然に治ると聞いたので様子を見ていました。」

という保護者の方が少なくありません。

もちろん、その判断で問題ない乳児血管腫も多くあります。

一方で、生後2〜3か月の急速に大きくなる時期を過ぎてから受診され、「もっと早く治療を始められたかもしれませんね」とお話しするケースもあります。

乳児血管腫は、「治療をするかどうか」よりも、「治療が必要かどうかを早く判断すること」が大切な病気です。

赤ちゃんの赤いあざが気になったら、「様子を見てよいものか」を確認するためにも、一度小児科で相談されることをおすすめします。

横浜市・みなとみらいで乳児血管腫が心配な方へ

「赤いあざが少しずつ大きくなってきた」「自然に治ると聞いたけれど、このまま様子を見ていて大丈夫?」と不安に感じる保護者の方は少なくありません。

乳児血管腫は、多くの場合は自然に小さくなる良性の病気ですが、できる場所や大きさ、増えるスピードによっては、早めの治療が必要になることがあります。 特に、生後1〜3か月頃は最も大きくなりやすい時期であり、この時期に適切な診断を受けることが、お子さんの将来の見た目や機能を守るためにとても重要です。

みなとみらい小児科クリニックでは、乳児血管腫の診療を行っています。赤いあざが乳児血管腫かどうかを丁寧に診察し、経過観察でよい場合と、早めの治療や専門医への紹介が望ましい場合を分かりやすくご説明いたします。

また、ヘマンジオル®による治療や形成外科・小児皮膚科での専門的な診療が必要と判断した場合には、適切な医療機関と連携し、速やかにご紹介しています。

**「この赤いあざは乳児血管腫かな?」「治療した方がいいのかな?」**と迷われたら、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。お子さん一人ひとりに合わせた最適な診療をご提案し、安心して成長を見守れるようお手伝いいたします。

参考文献

  • 厚生労働省
  • 日本小児科学会
  • 日本皮膚科学会「血管腫・血管奇形診療ガイドライン 2017」
  • 日本小児皮膚科学会
  • 日本形成外科学会
  • 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ヘマンジオル®シロップ 添付文書・適正使用ガイド」
  • American Academy of Pediatrics (AAP)「Clinical Practice Guideline for the Management of Infantile Hemangiomas(2019)」
  • International Society for the Study of Vascular Anomalies(ISSVA)Classification
  • Léauté-Labrèze C, et al. Propranolol for Severe Hemangiomas of Infancy. New England Journal of Medicine. 2008.
  • Drolet BA, et al. Initiation and Use of Propranolol for Infantile Hemangioma. Pediatrics.

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

子どものおむつかぶれとは?原因・症状・家庭でできるケア・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どものおむつかぶれとは?原因・症状・家庭でできるケア・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

赤ちゃんのおむつかぶれは、多くの保護者が経験する皮膚トラブルです。原因や症状、家庭でできるケア、受診の目安まで、小児科医が保護者の方にわかりやすく解説します。

おむつかぶれでお困りの保護者の方へ

おむつかぶれは、おしっこやうんち、蒸れや摩擦などの刺激によって起こる皮膚炎です。軽症であればご家庭で改善することも多いですが、赤みが強い、ジュクジュクしている、なかなか治らない場合は、小児科の受診がおすすめです。適切なスキンケアと治療で、多くのお子さんは早く良くなります。

「おしりが赤い…」そんなときはおむつかぶれかもしれません

「おむつ替えのたびに泣いてしまう」
「赤くなっていて痛そう」
「市販薬を塗ってもよくならない」
「カンジダって言われたけど何が違うの?」

赤ちゃんのお肌は大人よりも薄く、とてもデリケートです。

そのため、おむつの中の少しの刺激でも皮膚が傷つき、おむつかぶれを起こしてしまいます。

実は、小児科外来でも非常によく相談を受ける皮膚トラブルのひとつです。

しかし、一見おむつかぶれに見えても、

  • カンジダ皮膚炎
  • とびひ(伝染性膿痂疹)
  • アトピー性皮膚炎
  • 脂漏性皮膚炎
  • 接触皮膚炎

など、別の病気が隠れていることもあります。

「いつものおむつかぶれ」と思い込まず、治りが悪い場合は一度小児科で診てもらうことをおすすめします。

おむつかぶれとは?

おむつかぶれは正式には**「おむつ皮膚炎(Diaper dermatitis)」**と呼ばれます。

おむつが当たる部分の皮膚に炎症が起こる病気で、乳児では非常によくみられます。

特に

  • 新生児期
  • 生後2〜12か月
  • 下痢をしている時
  • 抗菌薬を飲んでいる時

などは発症しやすくなります。

命に関わる病気ではありませんが、痛みやかゆみのため機嫌が悪くなったり、おむつ替えを嫌がったりすることがあります。

早めにケアを始めることで悪化を防ぐことができます。

おむつかぶれの原因

おむつかぶれは、一つの原因ではなく、いくつかの刺激が重なって起こります。

① おしっこ・うんちによる刺激

最も大きな原因です。

尿や便には皮膚を刺激する成分が含まれています。

長時間皮膚についていると皮膚のバリア機能が壊れ、炎症が起こります。

特に下痢便は刺激が強く、おむつかぶれが急に悪化することがあります。

② 蒸れ

おむつの中は温かく湿度も高いため、皮膚がふやけやすくなります。

ふやけた皮膚は傷つきやすく、少しの刺激でも炎症を起こします。

夏場や発熱時は特に悪化しやすくなります。

③ 摩擦

おむつの擦れや、おしり拭きで何度も強くこすることも原因になります。

汚れを落とそうとしてゴシゴシ拭くと、さらに皮膚を傷つけてしまいます。

④ 皮膚のバリア機能が未熟

赤ちゃんの皮膚は大人の約半分ほどの厚さしかありません。

そのため刺激を受けやすく、炎症が起こりやすい特徴があります。

⑤ カンジダというカビ

おむつかぶれが長引くと、カンジダという真菌(カビ)が増えてしまうことがあります。

この場合は通常のおむつかぶれとは治療が異なります。

おむつかぶれの症状

症状は軽いものから重いものまでさまざまです。

よく見られる症状は

  • おしりが赤くなる
  • 肛門の周りが赤い
  • 太ももの付け根が赤い
  • 皮膚がカサカサする
  • ヒリヒリ痛む
  • おむつ替えで泣く
  • 入浴時にしみる
  • 湿ってジュクジュクする
  • 皮膚がむける
  • 出血する

などがあります。

軽症なら赤みだけですが、悪化すると皮膚がただれ、細菌やカンジダが感染しやすくなります。

カンジダ皮膚炎との違い

保護者の方が最も混乱しやすい病気の一つです。

通常のおむつかぶれでは、

  • おむつが当たる部分
  • 出っ張っている部分

が赤くなることが多いです。

一方、カンジダ皮膚炎では

  • 足の付け根のしわ
  • おしりのしわ

まで赤くなります。

さらに

  • 小さな赤いブツブツ(衛星病変)
  • 赤みが強い
  • なかなか治らない

という特徴があります。

抗真菌薬が必要になることもあるため、小児科で診断を受けることが大切です。

おむつかぶれはうつる?

通常のおむつかぶれはうつりません。

皮膚が刺激で炎症を起こしている状態なので、感染症ではありません。

ただし、

  • とびひ
  • カンジダ
  • 細菌感染

などを伴っている場合は注意が必要です。

診断によって治療方法が変わります。

小児科ではどのように診断するの?

多くの場合は診察だけで診断できます。

診察では

  • 赤みの場所
  • 赤みの広がり
  • 湿っているか
  • しわまで赤いか
  • ブツブツがあるか
  • 出血していないか
  • 発熱がないか

などを確認します。

通常は血液検査などは必要ありません。

ただし、カンジダや細菌感染が疑われる場合には、症状に応じて追加の検査や治療を検討することがあります。

当院でよくあるご相談

みなとみらい小児科クリニックでも、おむつかぶれは毎日のようにご相談をいただく症状です。

特に多いのは、

  • 「市販薬を塗っても治らない」
  • 「下痢をしてから急に悪くなった」
  • 「毎日洗っているのに赤い」
  • 「ステロイドを塗るのが心配」
  • 「カンジダと言われたけれど普通のおむつかぶれと何が違うの?」

といったご相談です。

実際には、おむつかぶれと思って受診されたお子さんの中に、カンジダ皮膚炎やとびひ、湿疹など別の皮膚疾患が見つかることも少なくありません。

そのため、「何日も良くならない」「いつもと違う」と感じた場合には、早めに小児科を受診することをおすすめしています。

家庭でできるおむつかぶれのケア

おむつかぶれは、皮膚への刺激を減らし、皮膚をしっかり守ることが改善への近道です。

① おむつはこまめに交換しましょう

最も大切なのは、おしっこやうんちが皮膚についたままにならないことです。

特に下痢をしているときは刺激が強いため、できるだけ早めに交換しましょう。

夜間も無理のない範囲で確認し、便をしたときは早めに替えてあげることが大切です。

② 強くこすらない

おしり拭きで何度もゴシゴシ拭くと、皮膚がさらに傷ついてしまいます。

おすすめは

  • やさしく押さえるように拭く
  • 汚れがひどいときはぬるま湯で洗い流す
  • 柔らかいガーゼやコットンを使う

という方法です。

洗った後は、タオルでこするのではなく、軽く押さえて水分を取りましょう。

③ おしりをしっかり乾かす

皮膚が湿ったままだと、おむつの中で蒸れやすくなります。

おむつをつける前に数分間乾かしたり、自然乾燥させたりすると皮膚への負担が減ります。

ドライヤーの温風はやけどの危険があるため使用しないようにしましょう。

④ 保湿・保護剤を使う

おむつかぶれでは、皮膚を刺激から守ることも重要です。

白色ワセリンや亜鉛華軟膏などの保護剤を薄くではなく、皮膚を覆うように適量塗ることで、おしっこやうんちから皮膚を守ることができます。

毎回完全に拭き取る必要はなく、汚れた部分だけをやさしく落とし、不足した分を塗り足すイメージで十分です。

市販薬は使っても大丈夫?

軽いおむつかぶれであれば、ワセリンなどの保護剤で改善することも少なくありません。

しかし、

  • 赤みがどんどん広がる
  • ジュクジュクしている
  • 出血している
  • 数日たっても改善しない
  • 下痢が続いている
  • カンジダが疑われる

場合は、市販薬だけで様子を見るよりも小児科を受診することをおすすめします。

ステロイド外用薬は炎症を抑える効果がありますが、カンジダ皮膚炎では悪化することがあるため、自己判断で使用するのは避けましょう。

小児科ではどのような治療をするの?

症状に合わせて治療を行います。

軽症の場合

  • スキンケアの見直し
  • おむつ交換方法の指導
  • 保護剤(ワセリン・亜鉛華軟膏など)

で改善することが多くあります。

炎症が強い場合

赤みや痛みが強い場合には、短期間だけ弱いステロイド外用薬を使用することがあります。

適切な強さ・期間で使用すれば、安全性は高く、炎症を早く改善することで皮膚へのダメージを減らすことができます。

カンジダ皮膚炎の場合

真菌(カビ)に対する抗真菌薬を使用します。

通常のおむつかぶれとは治療が異なるため、正しい診断が重要です。

細菌感染を起こしている場合

皮膚が黄色いかさぶたになったり、膿が出たりしている場合には、とびひなどの細菌感染を合併していることがあります。

この場合には抗菌薬による治療が必要になることがあります。

こんなときは小児科を受診しましょう

次のような場合は、一度小児科で診てもらうことをおすすめします。

  • 赤みがどんどん広がる
  • 強く痛がる
  • ジュクジュクしている
  • 出血している
  • 水ぶくれがある
  • 黄色いかさぶたや膿がある
  • 足の付け根のしわまで赤くなっている
  • 小さな赤いブツブツが増えている
  • 発熱を伴う
  • 下痢が続いている
  • 数日ケアをしても改善しない
  • 何度も繰り返す

早めに受診することで、お子さんの痛みを軽くし、悪化を防げることが少なくありません。

登園・登所はできる?

おむつかぶれだけであれば、登園・登所を控える必要はありません。

元気があり、発熱などほかの症状がなければ通常どおり通園できることがほとんどです。

ただし、

  • 下痢や嘔吐など感染性胃腸炎が原因の場合
  • とびひを合併している場合
  • 発熱など全身症状がある場合

は、おむつかぶれではなく原因となる病気に応じた登園基準を確認する必要があります。

当院でよくあるご相談

みなとみらい小児科クリニックでは、おむつかぶれの診療を日常的に行っています。

診療の中でよく感じるのは、「もっと早く受診すればよかった」とお話しされる保護者の方が少なくないことです。

おむつかぶれは、「少し赤いだけだから」と様子を見ているうちに悪化し、おしりを洗うだけでも痛がる状態になってしまうことがあります。

また、「おむつかぶれだと思っていたらカンジダ皮膚炎だった」「市販薬を続けても良くならず、実はとびひを合併していた」というケースも珍しくありません。

診察では、お子さんの皮膚の状態だけでなく、おむつ交換の回数や洗い方、使用している保湿剤や軟膏なども確認し、ご家庭で続けやすいケア方法をご提案しています。

よくある質問(FAQ)

Q. おむつかぶれはうつりますか?

通常のおむつかぶれはうつりません。ただし、とびひや感染症を伴っている場合は注意が必要です。

Q. お風呂に入っても大丈夫ですか?

はい。ぬるめのお湯でやさしく洗い、石けんは必要以上に使わず、入浴後はしっかり乾かして保護剤を塗りましょう。

Q. ワセリンは毎回塗ったほうがいいですか?

皮膚を刺激から守るため、おむつ交換ごとに保護剤を塗ることが効果的です。毎回きれいに拭き取る必要はありません。

Q. ステロイドは赤ちゃんにも使えますか?

医師の指示のもとで、適切な種類・量・期間を守って使用すれば、安全に使用できるお薬です。自己判断で長期間使用することは避けましょう。

Q. おむつを替えているのに何度も繰り返します。

下痢やカンジダ皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎など、別の原因が隠れていることがあります。繰り返す場合は一度小児科で相談しましょう。

横浜市・みなとみらい周辺でお子さんのおむつかぶれにお困りの方へ

みなとみらい小児科クリニックでは、おむつかぶれをはじめ、お子さんのさまざまな皮膚トラブルの診療を行っています。

「おむつかぶれがなかなか治らない」
「カンジダかどうか心配」
「市販薬で様子を見てよいの?」
「ステロイドを使っても大丈夫?」

など、不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

お子さん一人ひとりの症状に合わせて、適切なスキンケアや治療方法をご提案し、保護者の方にもわかりやすくご説明いたします。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

とびひ(伝染性膿痂疹)

子どものとびひ(伝染性膿痂疹)とは?原因・症状・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どものとびひは、かき壊した皮膚から細菌が入り、水ぶくれやかさぶたが広がる皮膚感染症です。原因や症状、家庭でできるケア、小児科を受診する目安まで、小児科医がわかりやすく解説します。

子どものとびひでお困りの保護者の方へ

とびひは、皮膚についた細菌が傷口から入り込み、水ぶくれやかさぶたが広がる皮膚の感染症です。早めに治療を始めれば多くは数日から1〜2週間ほどで改善しますが、かき壊しによって全身に広がることもあるため、できるだけ早めの受診がおすすめです。

「虫刺されをかいていたら急に広がった…」

「黄色いかさぶたがどんどん増えてきた…」

「兄弟にうつる?」

「プールには入ってもいいの?」

このようなご相談は、夏になると小児科で非常に多く寄せられます。

とびひは正式には**「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」**と呼ばれ、小さなお子さんによくみられる皮膚の細菌感染症です。

名前のとおり、昔は「火事の飛び火のように広がる」ことから「とびひ」と呼ばれるようになりました。

しかし、正しく治療すればほとんどのお子さんは良くなります。

この記事では、とびひの原因や症状、受診の目安について、小児科医の立場からわかりやすくご説明します。

とびひとは?

とびひは、皮膚に細菌が感染して起こる病気です。

子どもの皮膚は大人より薄く、虫刺されや湿疹、あせも、鼻の下のただれなどをかき壊しやすいため、そこから細菌が入り込んで感染します。

原因となる細菌は主に次の2種類です。

  • 黄色ブドウ球菌
  • A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)

これらは健康な人の皮膚や鼻の中にも存在することがある細菌ですが、皮膚のバリア機能が壊れることで感染を起こします。

特に夏は汗をかきやすく、虫刺されも増えるため、とびひが多くみられる季節です。

なぜ子どもはとびひになりやすいの?

保護者の方から

「うちの子だけ何度もなるのですが…」

と相談されることがあります。

実は、とびひは珍しい病気ではありません。

子どもがかかりやすい理由には次のような特徴があります。

① 皮膚が薄く傷つきやすい

子どもの皮膚は大人より未熟で、少し掻いただけでも傷ができます。

そこから細菌が侵入します。

② かゆみを我慢できない

虫刺され

あせも

湿疹

アトピー性皮膚炎

などがあると、どうしても掻いてしまいます。

掻くことで細菌が周囲へ広がり、新しい場所にも感染してしまいます。

③ 汗をかきやすい

汗で皮膚がふやけると、細菌が増えやすくなります。

そのため、夏場はとびひが特に増える季節です。

とびひの症状

とびひには大きく2つのタイプがあります。

水ぶくれができるタイプ(水疱性膿痂疹)

乳幼児に最も多いタイプです。

最初は小さな赤みができ、

その後

  • 水ぶくれ
  • 水疱が破れる
  • ジュクジュクする
  • 黄色いかさぶたになる

という経過をたどります。

水ぶくれの中には細菌が多く含まれているため、触った手で他の場所を掻くと、新しい発疹が次々に増えていきます。

かさぶたが厚くなるタイプ(痂皮性膿痂疹)

こちらは年長児にやや多いタイプです。

  • 赤く腫れる
  • 厚い黄色〜茶色のかさぶた
  • 強い痛み
  • 発熱

などを伴うことがあります。

原因として溶連菌が関係することもあります。

とびひはどこにできる?

とびひは全身どこにでもできますが、特によくみられる場所があります。

  • 顔(口や鼻の周り)
  • あご
  • 肘や膝
  • おしり

鼻水で鼻の下がただれているお子さんや、虫刺されを掻いた場所から始まることが非常に多くみられます。

保護者の方からよくあるご相談

診療中によく聞かれる質問をご紹介します。

「虫刺されだと思っていました」

最初は虫刺されと区別がつきにくいことがあります。

しかし、

  • 水ぶくれができる
  • ジュクジュクしてくる
  • 黄色いかさぶたになる
  • 周囲へどんどん広がる

このような変化があれば、とびひの可能性があります。

「市販薬を塗ったら広がりました」

かゆみ止めだけでは細菌感染は治りません。

抗菌薬による治療が必要になることがあります。

症状が広がる前に受診することをおすすめします。

「兄弟にも広がりそうで心配です」

とびひ自体は空気感染する病気ではありません。

しかし、

  • 手で触る
  • タオルを共用する
  • 爪で掻く

ことで細菌が広がることがあります。

家族みんなで手洗いを心がけ、タオルや衣類は共用しないようにしましょう。

小児科で実際によくあるケース

当院では「虫刺されだと思っていた」「あせもだと思って様子を見ていた」という理由で受診され、とびひと診断されるお子さんが少なくありません。

特にアトピー性皮膚炎や湿疹があるお子さんでは、皮膚のバリア機能が低下しているため、とびひを繰り返しやすい傾向があります。

一方で、とびひと思って受診されたものの、実際にはヘルペス感染症や湿疹、接触皮膚炎など別の病気であることもあります。

見た目だけでは判断が難しいこともあるため、自己判断で長く様子を見るよりも、早めに小児科や皮膚科で診察を受けることが大切です。

とびひはどのように診断するの?

多くの場合は、発疹の見た目や広がり方、経過を確認することで診断できます。

通常は特別な検査は必要ありません。

ただし、

  • 何度も繰り返す
  • 症状が非常に強い
  • 治療しても改善しない
  • 他の病気との区別が必要

といった場合には、細菌培養検査などを行うことがあります。

家庭でできるケア

ご家庭では次のことを心がけましょう。

  • 石けんでやさしく洗い、皮膚を清潔に保つ
  • 爪を短く切る
  • できるだけ掻かないようにする
  • 汗をかいたら着替える
  • タオルや衣類は家族で共用しない
  • 水ぶくれは自分でつぶさない

皮膚を清潔に保つことは大切ですが、ゴシゴシこする必要はありません。やさしく洗い、清潔なタオルで水分を押さえるように拭き取りましょう。

こんなときは早めに小児科を受診してください

次のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 水ぶくれや黄色いかさぶたが増えてきた
  • ジュクジュクした発疹が広がっている
  • 痛みや腫れが強い
  • 発熱を伴う
  • 顔やまぶたの近くにできている
  • 市販薬を使っても改善しない
  • アトピー性皮膚炎があり悪化している
  • 生後間もない赤ちゃんに発疹がある

早期に適切な治療を始めることで、症状の広がりや家族への感染リスクを抑えやすくなります。

とびひの治療

とびひは細菌による感染症であるため、症状の程度に応じて抗菌薬(抗生物質)を使って治療します。

治療の基本は、

  • 皮膚を清潔に保つ
  • 必要に応じて抗菌薬を使用する
  • 掻き壊さないようにする

この3つです。

多くのお子さんは適切な治療を始めることで数日以内に広がりが止まり、1〜2週間ほどで改善します。

塗り薬だけで治ることもあります

発疹が少なく、範囲が限られている場合は、抗菌薬の塗り薬だけで改善することがあります。

まず患部を石けんでやさしく洗い、十分に乾かした後に処方された塗り薬を使用します。

自己判断で市販のかゆみ止めやステロイド外用薬だけを使うと、細菌感染が改善せず悪化することもあります。自己判断ではなく、医師の診察を受けて適切な治療を受けることが大切です。

飲み薬が必要になることもあります

次のような場合には、抗菌薬の飲み薬を併用することがあります。

  • 発疹が全身に広がっている
  • 発熱を伴う
  • 赤みや腫れが強い
  • 痛みが強い
  • 塗り薬だけでは改善しない

症状が改善してきても、医師から指示された期間は最後まで飲み切ることが大切です。

途中でやめると細菌が残り、再発することがあります。

ガーゼで覆ったほうがいい?

「ガーゼを貼った方がいいですか?」

これは診療中によくいただく質問です。

ジュクジュクしている部分や、お子さんが無意識に掻いてしまう場所では、ガーゼで軽く覆うことで細菌の広がりを防ぎやすくなります。

ただし、強く密閉すると蒸れて悪化することがあります。

ガーゼは毎日交換し、皮膚を清潔に保つことが大切です。

プールに入っても大丈夫?

保護者の方から最も多くいただく質問の一つが、「とびひになったらプールに入れますか?」というものです。

とびひは、学校保健安全法でプールを一律に禁止する病気ではありません。

また、現在ではプールの水そのものによって感染が広がる可能性は低いと考えられています。

一方で、水ぶくれやジュクジュクした病変には細菌が含まれているため、患部への直接の接触や、タオル・ビート板などの共用によって感染が広がる可能性があります。

そのため、プールへの参加は、皮膚の状態や病変の範囲、施設(保育園・幼稚園・学校・スイミングスクール)のルールなどを踏まえ、主治医と相談しながら個別に判断することが大切です。

症状が改善し、新しい発疹がみられず、患部を適切に保護できる状態であれば、プールを再開できることもあります。

判断に迷う場合は、通園・通学先のルールを確認するとともに、受診時にお気軽にご相談ください。

保育園・幼稚園・学校はいつから行ける?

とびひは学校保健安全法による出席停止の対象ではありません。

適切な治療を開始し、患部をガーゼなどで覆うことができ、全身状態が良ければ登園・登校できる場合が多いとされています。

ただし、

  • 発疹が広範囲にある
  • ジュクジュクした病変が多く覆うことが難しい
  • 発熱など全身症状がある

場合には、症状が落ち着くまでお休みをおすすめすることがあります。

施設によって対応が異なる場合がありますので、園や学校のルールも確認しましょう。

とびひを予防するには?

完全に予防することは難しい病気ですが、日頃のスキンケアで発症リスクを減らすことができます。

虫刺されを早めに治療する

虫刺されを掻き壊すことが、とびひのきっかけになることは少なくありません。

かゆみが強い場合は早めに治療しましょう。

爪を短く切る

長い爪は皮膚を傷つけやすく、細菌を広げる原因になります。

汗をかいたら着替える

汗をそのままにすると皮膚がふやけ、細菌が増えやすくなります。

夏場はシャワーや着替えを上手に取り入れましょう。

アトピー性皮膚炎や湿疹をしっかり治療する

皮膚のバリア機能を整えることは、とびひの予防にもつながります。

湿疹を「少しだから」と放置せず、早めに治療することが大切です。

小児科医から保護者の方へ

診療をしていると、

「もう少し様子を見ようと思っていました。」

という保護者の方が多くいらっしゃいます。

もちろん、すべての発疹ですぐに受診が必要というわけではありません。

しかし、とびひは早い段階で治療を始めることで広がりを防ぎやすく、ご本人だけでなく兄弟や周囲のお子さんへの感染予防にもつながります。

当院では、とびひと思って受診されたお子さんが、実際には虫刺されやあせも、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、ヘルペス感染症など別の病気だったケースも少なくありません。

皮膚の病気は見た目が似ていることが多いため、「とびひかもしれない」と思ったら、自己判断せずお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. とびひはうつりますか?

はい。患部に触れた手やタオルなどを介してうつることがあります。

空気感染はしませんが、手洗いやタオルの共用を避けることが大切です。

Q. お風呂に入っても大丈夫ですか?

基本的には入浴できます。

石けんでやさしく洗い、患部を清潔に保つことが治療にもつながります。

家族で入浴する場合は、最後に入るようにすると安心です。

Q. 市販薬だけで治りますか?

軽い虫刺されであれば市販薬が役立つこともありますが、とびひは細菌感染です。

抗菌薬が必要になることも多いため、自己判断で治療を続けず、小児科や皮膚科を受診しましょう。

Q. とびひでもプールには入れますか?

とびひは、学校保健安全法でプールを一律に禁止する病気ではありません。

プールの水を介して感染が広がる可能性は低いと考えられていますが、水ぶくれやジュクジュクした病変には細菌が含まれているため、患部への接触やタオルなどを介して感染する可能性があります。

プールへの参加は、病変の状態や施設のルールを踏まえ、主治医と相談して判断することが望ましいとされています。不安な場合は、診察時にお気軽にご相談ください。

Q. 兄弟にうつらないようにするには?

  • 手洗いをしっかり行う
  • タオルや衣類を共用しない
  • 爪を短くする
  • 発疹を掻かないようにする

この4つが大切です。

横浜市・みなとみらいでお子さんのとびひでお困りの方へ

とびひは早めに治療を始めることで、症状の悪化や周囲への感染を防ぎやすい病気です。

みなとみらい小児科クリニックでは、お子さんの皮膚の状態を丁寧に診察し、とびひだけでなく、虫刺されやあせも、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎など、見た目が似ている皮膚疾患との鑑別も行っています。

また、ご家庭でのスキンケアや塗り薬の使い方、兄弟への感染予防、登園・登校やプール参加の目安についても、一人ひとりの症状に合わせてわかりやすくご説明しています。

「とびひかもしれない」「なかなか治らない」「繰り返してしまう」など、ご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

まとめ

とびひは、子どもによくみられる細菌による皮膚感染症です。

早めに適切な治療を始めることで、多くは1〜2週間ほどで改善します。

虫刺されや湿疹、あせもなどを掻き壊さないようにすることや、毎日のスキンケアで皮膚のバリア機能を保つことが予防につながります。

また、プールや登園・登校については一律の基準ではなく、症状や施設のルールを踏まえて個別に判断することが大切です。

症状が広がっている場合や、ジュクジュクした発疹、黄色いかさぶた、水ぶくれがみられる場合には、早めに小児科を受診しましょう。

※参考資料のリストはそのままで問題ありません。今回の修正内容は、日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、学校保健安全法および学校感染症関連資料の考え方と整合した内容になっています。

RSウイルス(RSV)は、乳幼児にとても多い呼吸器の感染症です。2歳までにほとんどのお子さんが一度は感染するといわれています。

多くは風邪のような症状で自然に良くなりますが、生後6か月未満の赤ちゃんでは細気管支炎や肺炎を起こし、入院が必要になることもあります。特に小さな赤ちゃんでは、呼吸の様子をよく観察することが大切です。

参考資料

本記事は、以下の公的機関・学会および診療ガイドラインを参考に作成しています。

行政機関

  • 厚生労働省「感染症に関する情報」
  • 厚生労働省「学校において予防すべき感染症」
  • 文部科学省「学校において予防すべき感染症の解説」
  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報(旧 国立感染症研究所)

小児・感染症関連学会

  • 日本小児科学会
  • 日本小児感染症学会
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児科医会

皮膚科関連学会

  • 日本皮膚科学会「伝染性膿痂疹(とびひ)」
  • 日本皮膚科学会『皮膚感染症診療ガイドライン』
  • 日本小児皮膚科学会
  • 日本臨床皮膚科医会

診療ガイドライン・専門書

  • 『皮膚感染症診療ガイドライン』(日本皮膚科学会)
  • 『今日の治療指針』
  • 『ネルソン小児科学(Nelson Textbook of Pediatrics)』
  • UpToDate「Impetigo」
  • DermNet NZ「Impetigo」

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

虫刺され

子どもの虫刺されとは?原因・症状・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どもの虫刺されは、夏になると多くの保護者が悩む皮膚トラブルです。原因や症状、自宅でできるケア、受診の目安、虫よけの選び方まで、小児科医がわかりやすく解説します。

子どもの虫刺されでお困りの保護者の方へ

「蚊に刺されたところがパンパンに腫れてしまった…」

「何日もかゆがって眠れない…」

「掻きすぎてジュクジュクしてきた…」

「市販薬で様子を見ても大丈夫?」

夏になると、このようなご相談を受ける機会がとても増えます。

子どもの虫刺されは、多くの場合は数日で自然によくなる軽い皮膚の炎症です。

しかし、強いかゆみで掻き壊してしまうと「とびひ(伝染性膿痂疹)」などの細菌感染を起こし、治療が長引くことがあります。

また、一見虫刺されのように見えても、蜂窩織炎(ほうかしきえん)や皮膚感染症、アレルギー反応など別の病気が隠れていることもあります。

そのため、

  • 強く腫れる
  • 赤みがどんどん広がる
  • 膿が出る
  • 発熱を伴う

このような場合は、小児科で診察を受けることをおすすめします。

この記事では、小児科診療で実際によく相談される虫刺されについて、保護者の方にもわかりやすく解説します。

子どもの虫刺されとは?

虫刺されとは、蚊やダニ、ブヨ、ノミなどに刺されたり咬まれたりすることで起こる皮膚の炎症です。

虫が皮膚に注入する唾液や毒に対して、体の免疫が反応することで赤みやかゆみが起こります。

子どもは大人より皮膚が薄く、免疫反応も強く出やすいため、

  • 大きく腫れる
  • 赤くなる
  • 水ぶくれになる

ことも珍しくありません。

特に乳幼児では、蚊に刺されただけでも数cm以上腫れることがあり、保護者の方が驚いて受診されることも多くあります。

なぜ子どもは虫刺されがひどくなりやすいの?

子どもの虫刺されが目立ちやすい理由には、いくつかあります。

①皮膚が薄い

皮膚のバリア機能が未熟なため、炎症が強く出やすくなります。

②免疫反応が強い

虫の唾液に対して敏感に反応するため、大人よりも赤く腫れやすくなります。

③かゆみを我慢できない

子どもは無意識に掻いてしまいます。

特に寝ている間は気付かないうちに掻き壊してしまうことも少なくありません。

④夏は汗をかきやすい

汗で皮膚が刺激されると、さらにかゆみが強くなります。

夏に子どもを刺しやすい虫

症状

最も多い症状は

  • 赤い発疹
  • かゆみ
  • 軽い腫れ

です。

多くは数日で改善します。

しかし、以下のような症状が出ることもあります。

強く腫れる

子どもでは数cm以上腫れることがあります。

顔やまぶたでは特に目立ちます。

水ぶくれ

皮膚の反応が強いと水疱になることがあります。

熱感

触ると熱を持っていることがあります。

痛み

ブヨやハチでは痛みが強いことがあります。

掻き壊し

最も注意が必要なのが掻き壊しです。

掻き壊し(かきこわし)とは?

かゆみが強いと、子どもは何度も掻いてしまいます。

すると、

皮膚が傷つき

細菌が入り込み

炎症が悪化します。

これを掻き壊しといいます。

さらに黄色ブドウ球菌や溶連菌などが感染すると、

  • とびひ
  • 蜂窩織炎
  • 化膿

へ進行することがあります。

そのため、

「虫刺されそのもの」よりも、「掻き壊し」を防ぐことが治療ではとても大切です。

子どもの虫刺されでよくある保護者の心配

診療で実際によくいただく質問があります。

「こんなに腫れて大丈夫?」

蚊でも大きく腫れることは珍しくありません。

数日以内に改善してくれば心配ないことがほとんどです。

「毎年ひどく腫れる」

虫刺されに対する体質で強く反応するお子さんもいます。

早めに塗り薬を開始することで悪化を防げる場合があります。

「かゆくて眠れません」

睡眠不足になるほどのかゆみでは、飲み薬や炎症を抑える塗り薬が必要になることがあります。

「ジュクジュクしています」

細菌感染を起こしている可能性があります。

早めの受診をおすすめします。

小児科ではどんな診察をするの?

ほとんどの場合は診察だけで診断できます。

診察では

  • 発疹の場所
  • 腫れ方
  • 大きさ
  • 水ぶくれの有無
  • 熱感
  • 膿の有無
  • とびひになっていないか

などを確認します。

必要に応じて、

  • 細菌感染
  • アレルギー反応
  • 他の皮膚疾患

との区別を行います。

実は虫刺されではないこともあります

小児科では、「虫刺されだと思っていたら別の病気だった」というケースも少なくありません。

例えば、

  • とびひ
  • あせも
  • アトピー性皮膚炎
  • 接触皮膚炎
  • 蕁麻疹
  • 手足口病
  • 水痘
  • 毛虫皮膚炎

などが虫刺されに似て見えることがあります。

当院でも「虫刺されが治らない」と受診されたお子さんの中に、実際にはアトピー性皮膚炎やとびひ、汗疹などが見つかることがあります。

特に何日も治らない場合や、同じ場所を何度も繰り返す場合は、一度診察を受けることをおすすめします。

横浜市・みなとみらいで子どもの虫刺されにお困りなら

夏は、公園や保育園、幼稚園、キャンプや海水浴など、外で遊ぶ機会が増えるため、虫刺されで受診されるお子さんが多くなります。

一方で、「虫刺されだと思っていたら、とびひだった」「虫刺されではなく湿疹やアトピー性皮膚炎だった」というケースも少なくありません。

みなとみらい小児科クリニックでは、虫刺されの診療はもちろん、掻き壊しによる皮膚感染症、とびひ、湿疹、アレルギー性皮膚炎なども含めて総合的に診察しています。

お子さん一人ひとりの皮膚の状態に合わせて、かゆみを抑える治療だけでなく、ご家庭でのスキンケアや掻き壊しを防ぐ方法まで丁寧にご説明しています。

「ただの虫刺されかな?」と迷うような場合でも、お気軽にご相談ください。

子どもの虫刺されの治療

虫刺されの多くは数日から1週間程度で自然に改善します。

しかし、かゆみが強かったり、掻き壊してしまった場合には治療が必要になることがあります。

小児科では、お子さんの症状に合わせて次のような治療を行います。

炎症を抑える塗り薬

赤みや腫れ、かゆみが強い場合には、炎症を抑える塗り薬(ステロイド外用薬)を使用します。

「ステロイド」と聞くと心配される保護者の方もいらっしゃいますが、小児科では皮膚の状態や年齢に合わせて適切な強さのお薬を選び、必要な期間だけ使用します。

短期間、正しく使用することで、かゆみを早く抑え、掻き壊しを防ぐ効果が期待できます。

かゆみを抑える飲み薬

夜も眠れないほどかゆみが強い場合や、広い範囲に虫刺されがある場合には、抗ヒスタミン薬などの飲み薬を併用することがあります。

かゆみが軽減すると、お子さんが掻く回数も減り、治りが早くなることがあります。

細菌感染を起こした場合

掻き壊した部分に細菌が入り込むと、

  • とびひ(伝染性膿痂疹)
  • 蜂窩織炎(ほうかしきえん)

などになることがあります。

この場合は、

  • 抗菌薬の塗り薬
  • 抗菌薬の飲み薬

が必要になることがあります。

家庭でできるケア

虫刺されを悪化させないためには、ご家庭でのケアもとても大切です。

冷やす

刺された直後は、冷たいタオルや保冷剤(タオルで包む)で5~10分ほど冷やすと、

  • かゆみ
  • 腫れ
  • 熱感

が和らぐことがあります。

爪を短く切る

掻き壊しを防ぐためには、爪を短く整えておくことが大切です。

寝ている間に無意識に掻いてしまうお子さんも多いため、こまめに爪を切りましょう。

清潔を保つ

汗や汚れが付いたままだと、かゆみが強くなることがあります。

汗をかいた後はシャワーで流したり、濡れたタオルで優しく拭いたりしましょう。

保湿を続ける

皮膚が乾燥すると、かゆみが強くなります。

普段から保湿剤で皮膚のバリア機能を保つことも、虫刺されの悪化予防につながります。

市販薬は使っても大丈夫?

軽い虫刺されであれば、市販薬で改善することもあります。

かゆみ止めや抗ヒスタミン成分、弱いステロイドを含む塗り薬が販売されています。

ただし、

  • 何日も治らない
  • 赤みが広がる
  • 膿が出ている
  • 水ぶくれが大きい
  • 強く腫れている

場合は、市販薬だけで様子を見るのではなく、小児科を受診しましょう。

また、自己判断で何種類もの塗り薬を重ねて使用することはおすすめできません。

虫よけは必要?

夏の虫刺されは、予防が何より大切です。

虫よけ剤を上手に使うことで、多くの虫刺されを防ぐことができます。

子どもの虫よけ剤の選び方

現在、日本で広く使用されている虫よけ成分は主に2種類です。成分特徴DEET(ディート)効果が高く、多くの虫に有効です。年齢に応じた使用回数や濃度を守って使用します。イカリジン年齢による使用回数の制限がなく、刺激が少ないため、小さなお子さんにも使いやすい成分です。

近年は、小さなお子さんにはイカリジン配合製品を選ばれるご家庭も増えています。

使用する際は、製品の説明書に従い、年齢や使用方法を守ることが大切です。

虫よけ剤の上手な使い方

虫よけ剤だけでは100%虫刺されを防ぐことはできません。

次のような工夫も効果的です。

  • 長袖・長ズボンを着る
  • 白や薄い色の服を選ぶ
  • 草むらに長時間入らない
  • 水たまりの近くでは注意する
  • 外遊びの前に虫よけを塗る
  • 汗をかいたら必要に応じて塗り直す

帽子をかぶることも、頭や顔への虫刺され予防に役立ちます。

こんなときは小児科を受診してください

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 腫れがどんどん広がる
  • 強い痛みがある
  • 膿が出ている
  • 発熱を伴う
  • 顔やまぶたが大きく腫れている
  • 水ぶくれが増えている
  • 数日たっても改善しない
  • 何度も同じような症状を繰り返す

また、ハチに刺されたあとに、

  • 息苦しい
  • 声がかれる
  • 全身にじんましんが出る
  • 顔色が悪い
  • 意識がぼんやりする

などの症状がある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。

この場合は迷わず救急車を呼び、速やかに救急医療機関を受診してください。

小児科医から保護者の方へ

虫刺されは、「そのうち治るだろう」と様子を見られることが多い病気です。

しかし実際には、虫刺されそのものよりも、掻き壊しによる細菌感染で受診されるお子さんが非常に多くいらっしゃいます。

当院でも、「虫刺されだと思っていたら、とびひだった」「湿疹やアトピー性皮膚炎が隠れていた」というケースは少なくありません。

特に、

  • かゆみが強い
  • 夜眠れない
  • 掻き壊してしまう

という場合は、早めに炎症を抑えることで悪化を防げることが少なくありません。

「まだ病院に行くほどではないかな」と迷われる段階でも、お気軽にご相談ください。

横浜市・みなとみらいで子どもの虫刺れにお困りなら

みなとみらい小児科クリニックでは、子どもの虫刺されをはじめ、

  • とびひ
  • あせも
  • 湿疹
  • アトピー性皮膚炎
  • 蕁麻疹
  • 接触皮膚炎

など、さまざまな皮膚トラブルの診療を行っています。

虫刺されは、適切な治療を早めに始めることで、かゆみや腫れを軽減し、掻き壊しや細菌感染を防げることがあります。

お子さんの皮膚の状態を丁寧に診察し、ご家庭でのスキンケアや虫よけの方法も含めてわかりやすくご説明いたします。

横浜市・みなとみらい周辺で、お子さんの虫刺されや皮膚トラブルでお困りの際は、お気軽にみなとみらい小児科クリニックへご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 虫刺されはうつりますか?

虫刺され自体はうつりません。

ただし、掻き壊して「とびひ」になると、細菌が他の部位や兄弟姉妹に広がることがあります。

Q. プールに入っても大丈夫ですか?

軽い虫刺されだけであれば、基本的にはプールに入ることができます。

ただし、掻き壊して出血している場合や、とびひを伴う場合は治るまで控えましょう。

Q. お風呂には入ってもいいですか?

入浴は問題ありません。

皮膚を清潔に保つことは、細菌感染の予防にもつながります。

熱いお湯はかゆみが強くなることがあるため、ぬるめのお湯がおすすめです。

Q. ステロイドの塗り薬は使っても大丈夫ですか?

適切な強さ・量・期間で使用すれば、安全性が高く、炎症やかゆみを早く改善できます。

自己判断で長期間使用せず、医師の指示に従って使用しましょう。

Q. 虫よけは毎日使っても大丈夫ですか?

年齢や製品の使用方法を守れば、毎日の外遊びや通園時にも使用できます。

特に虫が多い季節には、虫刺され予防として有効です。

参考資料

本記事は、以下の公的機関・学会・診療ガイドラインなどを参考に作成しています。

行政機関

  • 厚生労働省
  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS:旧 国立感染症研究所)

学会・関連団体

  • 日本小児科学会
  • 日本皮膚科学会
  • 日本小児皮膚科学会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児感染症学会
  • 日本小児救急医学会
  • 日本外来小児科学会

診療ガイドライン・参考資料

日本小児科学会 保護者向け啓発資料

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024

日本皮膚科学会「虫刺症診療に関する資料」

日本環境感染学会 感染対策に関する資料

厚生労働省「蚊媒介感染症に関するQ&A」

  • 子どもの虫刺されの治療
  • 家庭でできるケア
  • 市販薬は使ってよい?
  • 虫よけ剤(DEET・イカリジン)の選び方と使い方
  • 虫に刺されにくくする予防法
  • 小児科を受診する目安
  • よくある質問(FAQ)
  • 関連記事(スキンケア・とびひ・あせも・保湿剤・ステロイド)

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

子どものスキンケアとは?乾燥肌・湿疹を防ぐための毎日のケアと受診の目安

子どものスキンケアとは?乾燥肌・湿疹を防ぐための毎日のケアと受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どもの肌トラブルは「毎日のスキンケア」が予防の第一歩です

「肌がカサカサしているけれど様子を見て大丈夫?」「保湿剤は毎日塗った方がいい?」「湿疹が治ったら保湿もやめてもいいの?」——このようなご相談を、小児科では毎日のようにいただきます。

子どもの皮膚は大人よりも薄く、とてもデリケートです。そのため、乾燥や汗、摩擦などのちょっとした刺激でも湿疹やかゆみ、あせも、とびひなどの皮膚トラブルが起こりやすくなります。毎日の正しいスキンケアは、こうした皮膚トラブルを予防するだけでなく、アトピー性皮膚炎の悪化を防ぐことにもつながります。

この記事では、保護者の皆さんがご家庭で実践できるスキンケアの方法や保湿剤の使い方、受診の目安について、小児科医の立場からわかりやすく解説します。

子どものスキンケアとは?

スキンケアとは、「皮膚を清潔に保ち、十分な保湿を行い、皮膚のバリア機能を守ること」です。

皮膚には、体の水分が逃げるのを防ぎ、細菌やウイルス、アレルゲンなどの刺激から体を守る「バリア機能」があります。しかし、子どもの皮膚は大人の約半分ほどの厚さしかなく、角質層も未熟なため、水分が蒸発しやすく乾燥しやすい特徴があります。

皮膚が乾燥すると、かゆみや湿疹が起こりやすくなり、掻きこわすことで細菌感染(とびひ)につながることもあります。そのため、症状がないときから毎日のスキンケアを続けることが大切です。

なぜ子どもの肌は乾燥しやすいのでしょうか?

子どもの皮膚は皮脂の分泌が少なく、水分を保持する力も未熟です。また、汗やよだれ、おむつによる蒸れ、衣類との摩擦など、皮膚に刺激が加わる機会も多くあります。

特に冬は空気が乾燥しやすく、夏は汗による刺激が増えるため、一年を通して保湿が必要です。

毎日のスキンケアの基本

① やさしく洗う

皮膚についた汗や汚れは、湿疹やあせもの原因になります。

毎日のお風呂では、

  • 石けんをよく泡立てる
  • 手でやさしく洗う
  • ナイロンタオルなどでゴシゴシこすらない
  • 泡をしっかり洗い流す

ことが大切です。

熱すぎるお湯は皮脂を取りすぎるため、38〜40℃程度のお湯がおすすめです。

② 入浴後はできるだけ早く保湿する

入浴後は皮膚の水分が急速に蒸発します。

そのため、入浴後5分以内を目安に保湿剤を塗ることが推奨されています。

乾燥が強いお子さんでは、朝や日中も追加して、1日2〜3回保湿するとより効果的です。

保湿剤の正しい使い方

保湿剤は「少し塗る」のではなく、「十分な量を塗る」ことが重要です。

診察では「ベタベタするから少なめに塗っています」というお話をよく伺いますが、塗る量が少ないと十分な保湿効果は得られません。

目安として使われるのが**フィンガーチップユニット(FTU)**です。

**大人の人差し指の先から第一関節まで、指の腹にチューブから出した軟膏の量(約0.5g)**を1FTUといい、大人の手のひら約2枚分の面積に塗ることができます。

保湿剤は数か所に置いてから手のひら全体でやさしく伸ばし、すり込まずに皮膚の表面をなでるように塗りましょう。

塗った後に肌が少しツヤっとして、ティッシュが軽く貼り付く程度が適量です。

保湿剤にはどんな種類がある?

保湿剤にはいくつか種類があります。

  • ローション:伸びが良く、夏や汗をかきやすい季節に向いています。
  • 乳液:しっとり感と塗りやすさのバランスが良く、一年中使いやすいタイプです。
  • クリーム:保湿力が高く、秋から冬の乾燥しやすい時期に適しています。
  • 軟膏:最も保湿力が高く、乾燥が強い部位や湿疹がある部分に適しています。

肌の状態や季節によって使い分けることが大切です。

ステロイド外用薬は怖い薬ですか?

湿疹が強い場合には、ステロイド外用薬を使用することがあります。

「子どもにステロイドを使っても大丈夫ですか?」という質問はとても多くありますが、日本皮膚科学会や日本小児皮膚科学会では、適切な強さのステロイド外用薬を必要な期間使用することは、安全で効果的な治療とされています。

一方で、湿疹を放置すると炎症が長引き、かゆみや皮膚のバリア機能の低下が続いてしまいます。

保湿剤だけで改善しない湿疹は、早めに医師へ相談しましょう。

子どもによくみられる皮膚トラブル

毎日の診療では、

  • 乾燥肌
  • 乳児湿疹
  • あせも
  • おむつかぶれ
  • アトピー性皮膚炎
  • とびひ
  • 虫刺されによる皮膚炎

などをよく診療しています。

当院でも「あせもだと思っていたらアトピー性皮膚炎だった」「乾燥だけだと思っていたら細菌感染を起こしていた」というケースは少なくありません。

早めに診察を受けることで、悪化を防ぎ、治療期間を短くできることも多くあります。

小児科を受診する目安

次のような場合は、小児科や皮膚科を受診しましょう。

  • 保湿しても乾燥が改善しない
  • 赤みや湿疹が広がる
  • 強いかゆみが続く
  • 黄色いかさぶたや膿が出ている
  • ジュクジュクしている
  • 夜眠れないほどかゆがる
  • 同じ場所に湿疹を繰り返す
  • 市販薬を使用しても改善しない

保護者の方からよくいただくご質問

Q. 保湿剤は湿疹が治ったらやめてもいいですか?

湿疹が治っても皮膚のバリア機能は十分に回復していないことがあります。再発予防のためにも、毎日の保湿を続けることがおすすめです。

Q. 夏も保湿は必要ですか?

必要です。汗をかく季節でも皮膚は乾燥するため、ローションなど塗りやすい保湿剤を使用すると続けやすくなります。

Q. 市販の保湿剤でも大丈夫ですか?

軽い乾燥には使用できますが、湿疹やかゆみがある場合は治療が必要なことがあります。改善しない場合は受診をおすすめします。

横浜市・みなとみらいでお子さんの皮膚トラブルにお困りの方へ

みなとみらい小児科クリニックでは、お子さん一人ひとりの肌の状態に合わせたスキンケア指導を行っています。

診療では、保湿剤の選び方や塗る量(フィンガーチップユニット:FTU)、ステロイド外用薬の正しい使い方、ご家庭で続けやすいスキンケアの方法まで、実際にわかりやすくご説明しています。

乾燥肌や乳児湿疹、アトピー性皮膚炎、あせも、とびひ、おむつかぶれなど、子どもの皮膚トラブルは早めに適切なケアを始めることで悪化を防ぎやすくなります。

横浜市西区、みなとみらい周辺、中区、神奈川区で、お子さんの肌の乾燥や湿疹、スキンケアについてお困りのことがありましたら、どうぞお気軽にみなとみらい小児科クリニックへご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

汗疹(あせも)はどうしたらいいの?

子どものあせも(汗疹)とは?

原因・症状・治療・家庭でできるケア・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どものあせも(汗疹)の原因や症状、家庭でできるケア、市販薬の使い方、登園の目安、小児科受診のタイミングまで小児科医がわかりやすく解説します。横浜市・みなとみらい周辺でお子さんの皮膚トラブルにお困りの方もぜひ参考にしてください。

子どものあせもでお困りの保護者の方へ

あせも(汗疹)は、汗が原因で起こる皮膚の炎症です。多くはご家庭でのスキンケアで改善しますが、強いかゆみや赤み、膿がある場合は治療が必要になることがあります。乳幼児は掻き壊して悪化しやすいため、「あせもかな?」と思ったら早めに小児科へご相談ください。

あせも(汗疹)とは?

あせも(汗疹)は、汗を出す管(汗管)が詰まり、汗が皮膚の中にたまることで起こる皮膚の炎症です。

赤ちゃんや小さなお子さんは汗をかきやすく、汗腺も未熟なため、夏場や湿度の高い時期によくみられます。首や胸、背中、脇の下、おむつの中など、汗がたまりやすい場所にできやすいのが特徴です。

あせもの原因

あせもは次のような環境で起こりやすくなります。

  • 暑い日や湿度の高い日
  • 汗をかいたまま過ごしている
  • 発熱して汗を多くかいている
  • 通気性の悪い衣類を着ている
  • 抱っこひもやチャイルドシートで蒸れている
  • おむつの中が蒸れている

乳幼児は体の大きさに比べて汗腺が多く、大人よりも汗をかきやすいため、あせもができやすくなります。

あせもの症状

最も多いのは「赤いあせも(紅色汗疹)」です。

主な症状は

  • 赤い小さなぶつぶつ
  • かゆみ
  • チクチクした痛み
  • 掻くことで湿疹が広がる

さらに掻き壊すと、とびひ(伝染性膿痂疹)などの細菌感染を起こすことがあります。

あせもの診断

多くは皮膚の状態を診察するだけで診断できます。

通常は特別な検査は必要ありませんが、

  • アトピー性皮膚炎
  • 接触皮膚炎
  • 虫刺され
  • 真菌感染
  • とびひ

などとの区別が必要なことがあります。

あせもの治療

治療で最も大切なのは汗をためないことです。

ご家庭では

  • 汗をかいたらシャワーや濡れタオルでやさしく拭く
  • 着替えをこまめに行う
  • エアコンを利用して室温を調整する
  • 綿など通気性の良い衣類を選ぶ
  • 爪を短く切り、掻き壊しを防ぐ

症状が強い場合には、

  • 保湿剤
  • 弱いステロイド外用薬
  • 細菌感染がある場合は抗菌薬

を使用することがあります。

家庭でできるあせものケア

毎日のスキンケアが予防にも治療にも大切です。

  • 汗をかいたら早めに着替える
  • 毎日入浴やシャワーで汗を流す
  • 石けんはよく泡立ててやさしく洗う
  • ゴシゴシこすらない
  • 必要に応じて保湿剤を使う

「汗をかくから保湿は必要ない」と思われがちですが、皮膚が乾燥しているお子さんでは保湿が皮膚のバリア機能を保つのに役立ちます。

市販薬は使える?

軽いあせもでは市販薬で改善することもあります。

しかし、

  • 赤みが強い
  • 膿がある
  • かゆみが強い
  • 何度も繰り返す
  • 市販薬を使っても改善しない

場合は、小児科や皮膚科を受診しましょう。

こんな時は小児科を受診しましょう

次のような症状がある場合は受診をおすすめします。

  • 赤みが急速に広がる
  • 黄色いかさぶたや膿がある
  • 強いかゆみで眠れない
  • 発熱を伴う
  • 数日ケアしても改善しない
  • あせもか他の病気か判断できない

登園・登校の目安

あせもは感染症ではないため、基本的に登園・登校は可能です。

ただし、

  • 掻き壊して出血している
  • とびひを合併している
  • 発熱など他の病気を伴っている

場合は医師に相談しましょう。

小児科医からお伝えしたいこと

当院では、「あせもだと思って受診したらアトピー性皮膚炎だった」「掻き壊して、とびひになっていた」というお子さんを診療することが少なくありません。

乳幼児の湿疹は見た目だけでは区別が難しいこともあります。早めに診察することで悪化を防ぎ、適切な治療につながります。

また、保護者の方からは「保湿剤を塗った方がいいですか?」「汗をかくからシャワーは何回浴びても大丈夫ですか?」といったご相談も多くいただきます。お子さんの肌の状態によって適切なスキンケアは異なりますので、「これくらいで受診してもいいのかな」と迷う段階でもお気軽にご相談ください。

横浜市・みなとみらい周辺で子どものあせもにお困りなら

みなとみらい小児科クリニックでは、あせも(汗疹)をはじめ、アトピー性皮膚炎、とびひ、湿疹など、お子さんのさまざまな皮膚トラブルの診療を行っています。

お子さん一人ひとりの皮膚の状態に合わせて、スキンケアの方法や保湿剤・ステロイド外用薬の適切な使い方まで丁寧にご説明いたします。

横浜市・みなとみらい周辺で、お子さんのあせもや湿疹でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. あせもはうつりますか?

A. いいえ。あせもは汗による皮膚の炎症であり、人にうつる病気ではありません。

Q. プールには入れますか?

A. 軽いあせもであれば基本的に入れます。

Q. 市販薬で治りますか?

A. 軽症では改善することもありますが、症状が強い場合や繰り返す場合は自己判断を続けず、小児科や皮膚科を受診することをおすすめします。

Q. ステロイド外用薬は使っても大丈夫ですか?

A. 医師の指示どおり適切な強さ・期間で使用すれば、安全性が高く、炎症を早く改善する効果が期待できます。

Q. あせもを繰り返すのはなぜですか?

A. 汗をかきやすい環境だけでなく、アトピー性皮膚炎や皮膚のバリア機能の低下が関係していることもあります。繰り返す場合は一度ご相談ください。

参考文献

本記事は、以下の公的機関および学会が公開している資料や診療ガイドラインを参考に、最新の医学的知見に基づいて作成しています。

  • 厚生労働省「健康づくり・皮膚の健康に関する情報」
  • 厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2023年改訂版)」
  • 日本小児科学会 小児の皮膚疾患・スキンケアに関する公開資料
  • 日本小児皮膚科学会 保護者向け皮膚疾患情報・診療情報
  • 日本皮膚科学会『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024』
  • 日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン 2020』
  • 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A(汗疹・湿疹など)」
  • 日本小児アレルギー学会 アトピー性皮膚炎・スキンケアに関する資料
  • 日本小児感染症学会 伝染性膿痂疹(とびひ)など小児皮膚感染症に関する資料
  • MSDマニュアル プロフェッショナル版「汗疹(Miliaria)」
  • MSDマニュアル 家庭版「汗疹(あせも)」

監修・記事について

本記事は、みなとみらい小児科クリニックが、厚生労働省、日本小児科学会、日本小児皮膚科学会、日本皮膚科学会などが公表している診療ガイドラインや最新の医学的知見をもとに作成しています。また、日常診療で多くの保護者の方から寄せられるご相談や診療経験を踏まえ、「保護者の皆さまにわかりやすく、安心して読んでいただけること」を大切にまとめています。

なお、掲載内容は最新の医学的知見に基づき定期的に見直し、必要に応じて更新しています。

お子さんの皮膚のことで気になることがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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