
子どもの頭の形のゆがみとは?
原因・受診の目安・ヘルメット治療を小児科医がわかりやすく解説
赤ちゃんの頭の形が気になる保護者の方へ。頭の形のゆがみの原因や症状、家庭でできるケア、受診の目安について小児科医がわかりやすく解説します。横浜市・みなとみらい小児科クリニックでは頭の形外来を行っています。
赤ちゃんの頭の形が気になる保護者の方へ
「頭の形が左右で違う」「後頭部が平らになってきた」「ヘルメット治療を受けた方がいいのかな?」
赤ちゃんの頭の形について、このような不安を感じて受診される保護者の方が年々増えています。
実は、赤ちゃんの頭の形のゆがみの多くは向きぐせによる『位置的頭蓋変形』であり、病気ではありません。しかし、まれに頭蓋縫合早期癒合症という治療が必要な病気が隠れていることがあります。
また、ヘルメット治療は生後3〜6か月頃に開始すると最も効果が期待できるため、「様子を見よう」と迷っているうちに適切な治療時期を過ぎてしまうこともあります。
そのため、「治療が必要かどうか知りたい」という段階で一度小児科へ相談することをおすすめします。
赤ちゃんの頭の形でこんなお悩みはありませんか?
- 後頭部が平らになっている
- 左右で頭の形が違う
- 耳の高さが違うように見える
- おでこが左右で出っ張っている
- 向きぐせが強い
- 写真を撮ると左右差が目立つ
- ヘルメット治療が必要か知りたい
- いつ受診すればよいかわからない
このようなお悩みで受診される赤ちゃんは決して少なくありません。
頭の形のゆがみ(位置的頭蓋変形)とは?
赤ちゃんの頭の骨は、大人と違ってまだ完全につながっておらず、とてもやわらかい状態です。
これは脳が急速に大きくなる時期に、頭が成長しやすいようにするためです。
そのため、同じ方向を向いて寝る時間が長いと、頭にかかる圧力によって一部が平らになり、左右差が生じることがあります。
これを**位置的頭蓋変形(Positional Plagiocephaly)**といいます。
位置的頭蓋変形は病気ではなく、多くの赤ちゃんにみられる状態です。特に乳幼児突然死症候群(SIDS)予防のために仰向け寝が推奨されるようになってから、頭の形について相談されるご家庭は世界的にも増えています。
一方で、まれに頭の骨のつなぎ目(頭蓋縫合)が通常より早く閉じてしまう頭蓋縫合早期癒合症という病気が原因の場合があります。この病気では自然に改善することはなく、専門的な治療が必要になるため、早期診断が重要です。
なぜ赤ちゃんの頭はゆがむの?
最も多い原因は向きぐせです。
赤ちゃんは首の筋肉がまだ未熟なため、同じ方向ばかり向いて寝ることがあります。その結果、同じ場所に圧力がかかり続け、頭の形に左右差が生じます。
主な原因には次のようなものがあります。
- 向きぐせがある
- 首が片側に向きやすい(筋性斜頸)
- 仰向けで寝る時間が長い
- 早産
- 多胎妊娠
- 子宮内での姿勢
- 首の動きが少ない
ただし、仰向け寝は乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防のために非常に大切です。
頭の形が気になるからといって、寝かせるときにうつぶせ寝へ変更することはおすすめできません。
頭蓋縫合早期癒合症との違い
保護者の方が最も心配されるのが、
「ただの向きぐせなのか、それとも病気なのか?」
という点です。
位置的頭蓋変形
- 最も多いタイプ
- 向きぐせが原因
- 発達への影響はほとんどない
- 月齢や程度によって自然改善やヘルメット治療を検討
頭蓋縫合早期癒合症
- 頭の骨のつなぎ目が早く閉じる病気
- 自然には改善しない
- 手術が必要になる場合がある
- 早期診断が重要
見た目だけで両者を区別することは難しい場合もあります。
そのため、小児科では頭の形だけでなく、頭囲の成長や耳の位置、首の動き、発達の様子などを総合的に確認します。
頭の形のゆがみでみられる症状
位置的頭蓋変形では、次のような特徴がみられます。
- 後頭部が平らになっている
- 左右で頭の形が違う
- おでこが左右で出っ張って見える
- 耳の位置が左右で少し違う
- 写真で左右差が目立つ
- 向きぐせがある
多くの場合、発達や知能に影響することはありません。
しかし、頭蓋縫合早期癒合症など別の病気が隠れていることもあるため、「少し気になる」という段階でも相談することが大切です。
小児科ではどのような診察をするの?
頭の形が気になる場合、小児科では次のような点を確認します。
- 頭の形や左右差
- おでこや耳の位置
- 向きぐせの有無
- 首の動き(斜頸の有無)
- 頭囲の成長
- 発達の様子
頭の形だけではなく、赤ちゃん全体の発育や発達を確認することで、位置的頭蓋変形なのか、ほかの病気が隠れていないかを総合的に判断します。
家庭でできるケア
軽いゆがみでは、ご家庭での工夫によって改善が期待できることがあります。
おすすめしている方法は、
- 授乳や抱っこの向きを左右で変える
- 保護者が見守りながらタミータイム(うつぶせ遊び)を行う
- 起きている時間に抱っこや遊ぶ時間を増やす
- 向きぐせが強い場合は反対側から話しかけたり、おもちゃを置いたりする
首の動きに左右差がある場合には、理学療法(リハビリ)が必要になることもあります。
**日本小児科学会や日本新生児成育医学会では、乳幼児突然死症候群(SIDS)予防のため、赤ちゃんは仰向けで寝かせることを推奨しています。**そのため、頭の形が気になる場合でも、寝かせる姿勢は仰向けを続け、起きている時間の姿勢やタミータイムを工夫することが大切です。
ヘルメット治療とは?
頭のゆがみが中等度以上の場合や、ご家庭でのケアだけでは改善が難しい場合には、ヘルメット治療が有効な治療法です。
ヘルメット治療は、赤ちゃん専用のヘルメットを装着し、頭の成長する力を利用して自然できれいな頭の形へ導く治療です。頭を締め付ける治療ではなく、成長するスペースをコントロールすることで、平らな部分の成長を促します。
一般的には、
- 生後3〜6か月頃に開始すると最も効果が期待できる
- 生後3〜12か月頃までが治療の適応となることが多い
- 1日約23時間装着する
- 治療期間は3〜6か月程度(個人差があります)
とされています。
「頭蓋変形診療ガイドライン」でも、月齢や頭の形の程度を総合的に評価し、適応がある場合にはヘルメット治療を検討することが推奨されています。
早い時期に治療を開始するほど頭の成長を活かしやすく、より良い改善が期待できます。
Baby Band3によるヘルメット治療
みなとみらい小児科クリニックでは、株式会社BERRYのBaby Band®3を採用しています。
Baby Band®3は、日本人の赤ちゃんの頭の形に合わせて設計されたオーダーメイドの医療用ヘルメットです。
特徴は、
- 3Dデータをもとにオーダーメイドで作製
- 軽量で赤ちゃんへの負担が少ない
- 通気性が良く蒸れにくい
- 成長に合わせて調整が可能
赤ちゃんの日常生活への負担をできるだけ少なくしながら、安全で効果的な治療を目指しています。
みなとみらい小児科クリニックの「頭のかたち外来」
みなとみらい小児科クリニックでは、お子さん一人ひとりの頭の形を丁寧に評価し、ヘルメット治療が本当に必要かどうかをわかりやすくご説明しています。
当院では、ヘルメット治療をご希望のお子さんに対し、まず頭部レントゲン撮影を行い、頭蓋縫合早期癒合症など治療方針が異なる病気がないことを確認しています。
頭蓋縫合早期癒合症を適切に鑑別したうえで、安全に株式会社BERRYのBaby Band®3によるヘルメット治療を開始しています。
また、
- 月齢
- 頭の形の左右差
- 頭囲の成長
- 向きぐせや首の動き
- 発達の様子
を総合的に評価し、それぞれのお子さんに最適な治療をご提案します。
必要に応じて小児脳神経外科など専門医療機関へのご紹介も行っています。
「ヘルメット治療が必要なのかわからない」
「今の月齢でも間に合う?」
「まずは相談だけしたい」
という方も、お気軽にご相談ください。
当院でよくあるご相談
診察では、次のようなご相談を多くいただきます。
- 「様子を見ていたら治ると言われました。」
- 「4か月ですが、まだ間に合いますか?」
- 「ヘルメットはかわいそうではありませんか?」
- 「兄弟も頭の形が悪かったので心配です。」
- 「写真で左右差が気になります。」
実際には、「もっと早く相談すればよかった」と話される保護者の方も少なくありません。
頭の形は月齢によって治療方法が変わるため、気になった時点で一度相談されることをおすすめしています。
横浜市・みなとみらいで赤ちゃんの頭の形が気になる方へ
頭の形のゆがみは珍しいものではありませんが、早めの診察によって安心につながることが多くあります。
横浜市やみなとみらい周辺で、
- 頭の形が気になる
- 向きぐせが強い
- ヘルメット治療について知りたい
- Baby Band3について相談したい
という方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 頭の形は自然に治りますか?
軽いゆがみでは自然に改善することがありますが、中等度以上ではヘルメット治療が効果的な場合があります。
Q. ヘルメット治療は痛くありませんか?
頭を締め付ける治療ではなく、痛みはほとんどありません。多くの赤ちゃんは数日で慣れて普段どおり生活しています。
Q. 生後6か月からでも間に合いますか?
生後6か月でも治療できることは多くあります。ただし、月齢が低いほど効果が期待しやすいため、早めの受診がおすすめです。
Q. Baby Band3はどのようなヘルメットですか?
株式会社BERRYが開発したオーダーメイドの医療用ヘルメットです。赤ちゃん一人ひとりの頭の形に合わせて作製されます。
Q. 頭部レントゲンは被ばくが心配です。
当院では必要性を十分に判断したうえで撮影を行っています。頭蓋縫合早期癒合症などの病気を見逃さず、安全にヘルメット治療を行うための大切な検査です。
参考文献・参照資料
本記事は、以下の公的機関・学会・診療ガイドラインなどを参考に作成しています。
- 厚生労働省
- こども家庭庁
- 日本小児科学会
- 日本新生児成育医学会
- 日本小児神経学会
- 日本外来小児科学会
- 日本脳神経外科学会
- 日本形成外科学会
- 日本頭蓋顎顔面外科学会
- 日本小児放射線学会
- 日本小児整形外科学会
- 日本小児リハビリテーション医学会
- 一般社団法人 日本頭蓋健診治療研究会
- 頭蓋変形診療ガイドライン(日本頭蓋健診治療研究会)
- 頭蓋縫合早期癒合症診療ガイドライン
- American Academy of Pediatrics(AAP)
Prevention and Management of Positional Skull Deformities in Infants - Congress of Neurological Surgeons (CNS)
Evidence-Based Guideline for the Management of Patients with Positional Plagiocephaly - 株式会社BERRY Baby Band®3 医療従事者向け資料・製品情報
- 国立成育医療研究センター 小児頭蓋疾患に関する資料
- MSDマニュアル家庭版・プロフェッショナル版(頭蓋縫合早期癒合症)
- 日本小児神経外科学関連資料
- 各専門施設の頭蓋変形診療に関する公開資料
お子さんの頭の形が気になったら、お気軽にご相談ください
みなとみらい小児科クリニックでは、赤ちゃんの頭の形や向きぐせに関する診療を行っています。
頭部レントゲンによる評価を行い、頭蓋縫合早期癒合症などの病気がないことを確認したうえで、安全に株式会社BERRYのBaby Band3によるヘルメット治療をご提供しています。
お子さん一人ひとりの月齢や頭の形に合わせて、最適な治療方法をご提案いたします。
「これくらいで受診していいのかな?」という段階でも構いません。
横浜市・みなとみらい周辺で赤ちゃんの頭の形が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック







































