子どもの発熱の原因はどこを見る?年齢と熱の出方から考える視点

お知らせ
2026.06.24

子どもが急に熱を出すと、「いったい何が原因なのか」「重い病気ではないか」と心配になります。インターネットで調べると、突発性発疹や溶連菌、アデノウイルスといった病名がずらりと並んでいて、かえってどれが我が子に当てはまるのか分からなくなった経験はないでしょうか。

多くの記事は原因となる病気を一覧で並べていますが、保護者が本当に知りたいのは、病名のリストそのものではなく「うちの子の年齢と熱の出方から、どんな原因が考えられて、どう動けばいいか」という見立ての軸ではないかと思います。横浜・みなとみらいで小児医療に携わる立場から、発熱の原因を年齢と熱のパターンという二つの切り口で読み解く考え方をお伝えします。

そもそも、なぜ子どもは熱を出すのか

原因を考える前に、発熱という現象そのものを理解しておくと、過度に慌てずに済みます。発熱は、体に侵入したウイルスや細菌と免疫が闘っている証拠です。体温を上げることで病原体の増殖を抑え、同時に免疫の働きを高めているため、熱が出ること自体は体を守る防御反応だといえます。

つまり、熱の高さがそのまま病気の重さを表すわけではありません。40度近い高熱でも数日で回復する感染症は多く、逆に38度台でもぐったりしている場合は注意が必要なこともあります。子どもが大人より頻繁に熱を出すのは、まだ多くの病原体に出会っておらず、免疫が経験を積んでいる途中だからです。保育園や幼稚園に通い始めた時期に熱が増えるのも、新しい病原体に次々と接するためで、成長の過程でよく見られます。

ここで覚えておきたいのは、原因を見極めるうえで体温の数字だけを追いかけても答えにたどり着きにくいということです。大切なのは、年齢ごとにかかりやすい病気の傾向と、熱の出方や他の症状を組み合わせて考えることです。

年齢で変わる発熱の原因の傾向

子どもの発熱は、年齢によってかかりやすい病気が大きく変わります。同じ「熱」でも、月齢や年齢を手がかりにすると、考えられる原因をぐっと絞り込めます。

生後3か月未満は特別な注意が必要

まず押さえておきたいのが、生後3か月未満の赤ちゃんの発熱は、ほかの年齢とは別格に考えるという点です。この時期は母親から受け継いだ免疫に守られているため、本来は熱を出しにくい時期にあたります。それにもかかわらず38度以上の熱が出た場合、重い細菌感染が隠れている可能性があり、特別な警戒が必要です。

実際に、生後90日以下の発熱を調べた国内の研究では、生後28日以下の赤ちゃんで重い細菌感染が見つかる割合が比較的高いことが報告されています。この月齢で38度以上の熱を確認したら、自宅で様子を見るのではなく、速やかに医療機関を受診してください。

生後6か月から2歳ごろに多い発熱

母親からの免疫が薄れてくる生後6か月以降は、感染症にかかりやすくなる時期です。とくにこの時期に多いのが突発性発疹で、生後6か月から1歳半ごろの赤ちゃんがかかりやすいウイルス感染症です。高い熱が3日ほど続いた後、熱が下がるタイミングで全身に発疹が出るという特徴的な経過をたどります。

突発性発疹は、初めての発熱として経験することも多く、熱が高い割に比較的機嫌が保たれることもあります。ただ、熱が上がったり下がったりを繰り返すため、保護者が不安に感じやすい病気でもあります。

幼児期から学童期に増える発熱

集団生活が始まる幼児期以降は、さらに多様な感染症にさらされやすくなります。代表的なのが溶連菌感染症で、好発年齢は2歳から10歳、ピークは4歳から6歳とされています。A群β溶血性連鎖球菌という細菌がのどに感染し、39度から40度の高熱とのどの痛みを引き起こすのが特徴です。

この年代では、アデノウイルス感染症も多く見られます。アデノウイルスには季節性がなく一年を通して見られ、発熱に加えてのどの炎症や目の充血を伴うこともあるようです。学童期になると、自分で症状を訴えられるようになるため、のどの痛みや頭痛といった手がかりも原因の見立てに役立ちます。

熱の出方のパターンから原因を読み解く

年齢の次に手がかりになるのが、熱の出方のパターンです。同じ発熱でも、急に上がったのか、上がったり下がったりを繰り返すのか、何日続いているのかによって、考えられる原因が変わってきます。

急に高熱が出て、のどや目に症状がある場合

突然39度を超える高熱が出て、のどの強い痛みを伴う場合は、溶連菌感染症やアデノウイルスといった、のどに感染するタイプの病気が考えられます。溶連菌では、舌の表面が赤くブツブツした「イチゴ舌」と呼ばれる症状や、体に細かい発疹が出ることもあります。

これらは見た目だけで区別するのが難しいため、検査で原因を確かめることが診断の助けになります。とくに溶連菌は、放置すると腎臓や心臓に影響が及ぶことがあるため、適切な治療が必要な病気です。

熱が上がったり下がったりを繰り返す場合

「熱 上がったり下がったり」という検索が非常に多いことからも分かるとおり、この熱の動きに不安を感じる保護者は多いものです。多くのウイルス感染症では、解熱剤が効いている間は熱が下がり、薬が切れると再び上がるという波を繰り返します。これ自体は経過として珍しくありません。

ただし、注意したいパターンもあります。発熱が5日以上続く場合は、川崎病など別の病気の可能性も考える必要が出てきます。熱が長引くときや、発疹、目の充血、唇の赤みといった症状が加わるときは、自己判断で様子を見続けず、医療機関で相談することが大切です。

熱はあるけれど機嫌がよい場合

「熱があるけど元気」「熱だけで他に症状がない」という状況も、多くの保護者が経験します。子どもは大人と違い、高い熱があっても遊んだり食べたりできることが少なくありません。水分が取れていて機嫌も悪くないようであれば、慌てて夜間に駆け込むより、落ち着いて経過を見ながら翌日にかかりつけを受診する判断もできます。

ただし「元気そう」の裏に注意すべきサインが隠れていないかは、確認しておきたいところです。

発熱に伴うけいれんを知っておく

発熱の経過で保護者が最も驚く症状の一つが、熱性けいれんです。急な発熱や高熱のときに起こりやすく、手足がつっぱったり、白目になったりするため、初めて見ると非常に心配になります。

熱性けいれんは、小児全体の7%から10%に見られる比較的よくある症状で、ほとんどの場合は数分で自然に落ち着きます。けいれんが起きたときは、慌てて体を揺すったり口に物を入れたりせず、平らな場所に横向きに寝かせ、様子と持続時間を見守ることが大切です。多くは短時間でおさまりますが、5分以上続く場合や、けいれんを繰り返す場合は救急の対応が必要になります。

一度経験すると再発を心配される方も多いですが、適切に対応すれば過度に恐れる必要はありません。気になる場合は、かかりつけ医に対応方法を相談しておくと、いざというときに落ち着いて行動できます。

みなとみらい小児科クリニックにご相談ください

横浜市西区みなとみらいに位置するみなとみらい小児科クリニックは、新高島駅から徒歩8分、みなとみらい駅から徒歩10分の場所にあります。小児科一般の診療に加え、各種予防接種、乳幼児健診、アレルギー関連の症状まで幅広く対応しています。

発熱の診療では、お子さんの年齢や熱の経過、他の症状を丁寧に確認し、必要に応じて感染症の迅速検査や血液検査を行いながら原因を見極めていきます。院内で溶連菌やアデノウイルスなどの迅速診断や、感染症の検査ができる体制を整えており、その場で原因の手がかりをつかめることもあるでしょう。継続して通っていただくことで、「いつものこの子」と比べた変化を捉えやすくなり、急な発熱の際にもより的確な判断につながります。受診のタイミングに迷ったときは、別記事もあわせて参考にしてください。

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「熱の原因が分からず不安」「熱を繰り返していて心配」「どのタイミングで受診すべきか迷っている」といったご相談を歓迎しています。お子さんの発熱で気になることがあれば、一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。