
子どもの虫刺されとは?原因・症状・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説
子どもの虫刺されは、夏になると多くの保護者が悩む皮膚トラブルです。原因や症状、自宅でできるケア、受診の目安、虫よけの選び方まで、小児科医がわかりやすく解説します。
子どもの虫刺されでお困りの保護者の方へ
「蚊に刺されたところがパンパンに腫れてしまった…」
「何日もかゆがって眠れない…」
「掻きすぎてジュクジュクしてきた…」
「市販薬で様子を見ても大丈夫?」
夏になると、このようなご相談を受ける機会がとても増えます。
子どもの虫刺されは、多くの場合は数日で自然によくなる軽い皮膚の炎症です。
しかし、強いかゆみで掻き壊してしまうと「とびひ(伝染性膿痂疹)」などの細菌感染を起こし、治療が長引くことがあります。
また、一見虫刺されのように見えても、蜂窩織炎(ほうかしきえん)や皮膚感染症、アレルギー反応など別の病気が隠れていることもあります。
そのため、
- 強く腫れる
- 赤みがどんどん広がる
- 膿が出る
- 発熱を伴う
このような場合は、小児科で診察を受けることをおすすめします。
この記事では、小児科診療で実際によく相談される虫刺されについて、保護者の方にもわかりやすく解説します。
子どもの虫刺されとは?
虫刺されとは、蚊やダニ、ブヨ、ノミなどに刺されたり咬まれたりすることで起こる皮膚の炎症です。
虫が皮膚に注入する唾液や毒に対して、体の免疫が反応することで赤みやかゆみが起こります。
子どもは大人より皮膚が薄く、免疫反応も強く出やすいため、
- 大きく腫れる
- 赤くなる
- 水ぶくれになる
ことも珍しくありません。
特に乳幼児では、蚊に刺されただけでも数cm以上腫れることがあり、保護者の方が驚いて受診されることも多くあります。
なぜ子どもは虫刺されがひどくなりやすいの?
子どもの虫刺されが目立ちやすい理由には、いくつかあります。
①皮膚が薄い
皮膚のバリア機能が未熟なため、炎症が強く出やすくなります。
②免疫反応が強い
虫の唾液に対して敏感に反応するため、大人よりも赤く腫れやすくなります。
③かゆみを我慢できない
子どもは無意識に掻いてしまいます。
特に寝ている間は気付かないうちに掻き壊してしまうことも少なくありません。
④夏は汗をかきやすい
汗で皮膚が刺激されると、さらにかゆみが強くなります。
夏に子どもを刺しやすい虫

症状
最も多い症状は
- 赤い発疹
- かゆみ
- 軽い腫れ
です。
多くは数日で改善します。
しかし、以下のような症状が出ることもあります。
強く腫れる
子どもでは数cm以上腫れることがあります。
顔やまぶたでは特に目立ちます。
水ぶくれ
皮膚の反応が強いと水疱になることがあります。
熱感
触ると熱を持っていることがあります。
痛み
ブヨやハチでは痛みが強いことがあります。
掻き壊し
最も注意が必要なのが掻き壊しです。
掻き壊し(かきこわし)とは?
かゆみが強いと、子どもは何度も掻いてしまいます。
すると、
皮膚が傷つき
↓
細菌が入り込み
↓
炎症が悪化します。
これを掻き壊しといいます。
さらに黄色ブドウ球菌や溶連菌などが感染すると、
- とびひ
- 蜂窩織炎
- 化膿
へ進行することがあります。
そのため、
「虫刺されそのもの」よりも、「掻き壊し」を防ぐことが治療ではとても大切です。
子どもの虫刺されでよくある保護者の心配
診療で実際によくいただく質問があります。
「こんなに腫れて大丈夫?」
蚊でも大きく腫れることは珍しくありません。
数日以内に改善してくれば心配ないことがほとんどです。
「毎年ひどく腫れる」
虫刺されに対する体質で強く反応するお子さんもいます。
早めに塗り薬を開始することで悪化を防げる場合があります。
「かゆくて眠れません」
睡眠不足になるほどのかゆみでは、飲み薬や炎症を抑える塗り薬が必要になることがあります。
「ジュクジュクしています」
細菌感染を起こしている可能性があります。
早めの受診をおすすめします。
小児科ではどんな診察をするの?
ほとんどの場合は診察だけで診断できます。
診察では
- 発疹の場所
- 腫れ方
- 大きさ
- 水ぶくれの有無
- 熱感
- 膿の有無
- とびひになっていないか
などを確認します。
必要に応じて、
- 細菌感染
- アレルギー反応
- 他の皮膚疾患
との区別を行います。
実は虫刺されではないこともあります
小児科では、「虫刺されだと思っていたら別の病気だった」というケースも少なくありません。
例えば、
- とびひ
- あせも
- アトピー性皮膚炎
- 接触皮膚炎
- 蕁麻疹
- 手足口病
- 水痘
- 毛虫皮膚炎
などが虫刺されに似て見えることがあります。
当院でも「虫刺されが治らない」と受診されたお子さんの中に、実際にはアトピー性皮膚炎やとびひ、汗疹などが見つかることがあります。
特に何日も治らない場合や、同じ場所を何度も繰り返す場合は、一度診察を受けることをおすすめします。
横浜市・みなとみらいで子どもの虫刺されにお困りなら
夏は、公園や保育園、幼稚園、キャンプや海水浴など、外で遊ぶ機会が増えるため、虫刺されで受診されるお子さんが多くなります。
一方で、「虫刺されだと思っていたら、とびひだった」「虫刺されではなく湿疹やアトピー性皮膚炎だった」というケースも少なくありません。
みなとみらい小児科クリニックでは、虫刺されの診療はもちろん、掻き壊しによる皮膚感染症、とびひ、湿疹、アレルギー性皮膚炎なども含めて総合的に診察しています。
お子さん一人ひとりの皮膚の状態に合わせて、かゆみを抑える治療だけでなく、ご家庭でのスキンケアや掻き壊しを防ぐ方法まで丁寧にご説明しています。
「ただの虫刺されかな?」と迷うような場合でも、お気軽にご相談ください。
子どもの虫刺されの治療
虫刺されの多くは数日から1週間程度で自然に改善します。
しかし、かゆみが強かったり、掻き壊してしまった場合には治療が必要になることがあります。
小児科では、お子さんの症状に合わせて次のような治療を行います。
炎症を抑える塗り薬
赤みや腫れ、かゆみが強い場合には、炎症を抑える塗り薬(ステロイド外用薬)を使用します。
「ステロイド」と聞くと心配される保護者の方もいらっしゃいますが、小児科では皮膚の状態や年齢に合わせて適切な強さのお薬を選び、必要な期間だけ使用します。
短期間、正しく使用することで、かゆみを早く抑え、掻き壊しを防ぐ効果が期待できます。
かゆみを抑える飲み薬
夜も眠れないほどかゆみが強い場合や、広い範囲に虫刺されがある場合には、抗ヒスタミン薬などの飲み薬を併用することがあります。
かゆみが軽減すると、お子さんが掻く回数も減り、治りが早くなることがあります。
細菌感染を起こした場合
掻き壊した部分に細菌が入り込むと、
- とびひ(伝染性膿痂疹)
- 蜂窩織炎(ほうかしきえん)
などになることがあります。
この場合は、
- 抗菌薬の塗り薬
- 抗菌薬の飲み薬
が必要になることがあります。
家庭でできるケア
虫刺されを悪化させないためには、ご家庭でのケアもとても大切です。
冷やす
刺された直後は、冷たいタオルや保冷剤(タオルで包む)で5~10分ほど冷やすと、
- かゆみ
- 腫れ
- 熱感
が和らぐことがあります。
爪を短く切る
掻き壊しを防ぐためには、爪を短く整えておくことが大切です。
寝ている間に無意識に掻いてしまうお子さんも多いため、こまめに爪を切りましょう。
清潔を保つ
汗や汚れが付いたままだと、かゆみが強くなることがあります。
汗をかいた後はシャワーで流したり、濡れたタオルで優しく拭いたりしましょう。
保湿を続ける
皮膚が乾燥すると、かゆみが強くなります。
普段から保湿剤で皮膚のバリア機能を保つことも、虫刺されの悪化予防につながります。
市販薬は使っても大丈夫?
軽い虫刺されであれば、市販薬で改善することもあります。
かゆみ止めや抗ヒスタミン成分、弱いステロイドを含む塗り薬が販売されています。
ただし、
- 何日も治らない
- 赤みが広がる
- 膿が出ている
- 水ぶくれが大きい
- 強く腫れている
場合は、市販薬だけで様子を見るのではなく、小児科を受診しましょう。
また、自己判断で何種類もの塗り薬を重ねて使用することはおすすめできません。
虫よけは必要?
夏の虫刺されは、予防が何より大切です。
虫よけ剤を上手に使うことで、多くの虫刺されを防ぐことができます。
子どもの虫よけ剤の選び方
現在、日本で広く使用されている虫よけ成分は主に2種類です。成分特徴DEET(ディート)効果が高く、多くの虫に有効です。年齢に応じた使用回数や濃度を守って使用します。イカリジン年齢による使用回数の制限がなく、刺激が少ないため、小さなお子さんにも使いやすい成分です。
近年は、小さなお子さんにはイカリジン配合製品を選ばれるご家庭も増えています。
使用する際は、製品の説明書に従い、年齢や使用方法を守ることが大切です。
虫よけ剤の上手な使い方
虫よけ剤だけでは100%虫刺されを防ぐことはできません。
次のような工夫も効果的です。
- 長袖・長ズボンを着る
- 白や薄い色の服を選ぶ
- 草むらに長時間入らない
- 水たまりの近くでは注意する
- 外遊びの前に虫よけを塗る
- 汗をかいたら必要に応じて塗り直す
帽子をかぶることも、頭や顔への虫刺され予防に役立ちます。
こんなときは小児科を受診してください
次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
- 腫れがどんどん広がる
- 強い痛みがある
- 膿が出ている
- 発熱を伴う
- 顔やまぶたが大きく腫れている
- 水ぶくれが増えている
- 数日たっても改善しない
- 何度も同じような症状を繰り返す
また、ハチに刺されたあとに、
- 息苦しい
- 声がかれる
- 全身にじんましんが出る
- 顔色が悪い
- 意識がぼんやりする
などの症状がある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。
この場合は迷わず救急車を呼び、速やかに救急医療機関を受診してください。
小児科医から保護者の方へ
虫刺されは、「そのうち治るだろう」と様子を見られることが多い病気です。
しかし実際には、虫刺されそのものよりも、掻き壊しによる細菌感染で受診されるお子さんが非常に多くいらっしゃいます。
当院でも、「虫刺されだと思っていたら、とびひだった」「湿疹やアトピー性皮膚炎が隠れていた」というケースは少なくありません。
特に、
- かゆみが強い
- 夜眠れない
- 掻き壊してしまう
という場合は、早めに炎症を抑えることで悪化を防げることが少なくありません。
「まだ病院に行くほどではないかな」と迷われる段階でも、お気軽にご相談ください。
横浜市・みなとみらいで子どもの虫刺れにお困りなら
みなとみらい小児科クリニックでは、子どもの虫刺されをはじめ、
- とびひ
- あせも
- 湿疹
- アトピー性皮膚炎
- 蕁麻疹
- 接触皮膚炎
など、さまざまな皮膚トラブルの診療を行っています。
虫刺されは、適切な治療を早めに始めることで、かゆみや腫れを軽減し、掻き壊しや細菌感染を防げることがあります。
お子さんの皮膚の状態を丁寧に診察し、ご家庭でのスキンケアや虫よけの方法も含めてわかりやすくご説明いたします。
横浜市・みなとみらい周辺で、お子さんの虫刺されや皮膚トラブルでお困りの際は、お気軽にみなとみらい小児科クリニックへご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 虫刺されはうつりますか?
虫刺され自体はうつりません。
ただし、掻き壊して「とびひ」になると、細菌が他の部位や兄弟姉妹に広がることがあります。
Q. プールに入っても大丈夫ですか?
軽い虫刺されだけであれば、基本的にはプールに入ることができます。
ただし、掻き壊して出血している場合や、とびひを伴う場合は治るまで控えましょう。
Q. お風呂には入ってもいいですか?
入浴は問題ありません。
皮膚を清潔に保つことは、細菌感染の予防にもつながります。
熱いお湯はかゆみが強くなることがあるため、ぬるめのお湯がおすすめです。
Q. ステロイドの塗り薬は使っても大丈夫ですか?
適切な強さ・量・期間で使用すれば、安全性が高く、炎症やかゆみを早く改善できます。
自己判断で長期間使用せず、医師の指示に従って使用しましょう。
Q. 虫よけは毎日使っても大丈夫ですか?
年齢や製品の使用方法を守れば、毎日の外遊びや通園時にも使用できます。
特に虫が多い季節には、虫刺され予防として有効です。
参考資料
本記事は、以下の公的機関・学会・診療ガイドラインなどを参考に作成しています。
行政機関
- 厚生労働省
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS:旧 国立感染症研究所)
学会・関連団体
- 日本小児科学会
- 日本皮膚科学会
- 日本小児皮膚科学会
- 日本小児アレルギー学会
- 日本小児感染症学会
- 日本小児救急医学会
- 日本外来小児科学会
診療ガイドライン・参考資料
日本小児科学会 保護者向け啓発資料
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024
日本皮膚科学会「虫刺症診療に関する資料」
日本環境感染学会 感染対策に関する資料
厚生労働省「蚊媒介感染症に関するQ&A」
- 子どもの虫刺されの治療
- 家庭でできるケア
- 市販薬は使ってよい?
- 虫よけ剤(DEET・イカリジン)の選び方と使い方
- 虫に刺されにくくする予防法
- 小児科を受診する目安
- よくある質問(FAQ)
- 関連記事(スキンケア・とびひ・あせも・保湿剤・ステロイド)
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック


































