子どもが離乳食を食べてくれない…どうしたらいい?

お知らせ
2026.07.06

子どもが離乳食を食べてくれない…どうしたらいい?原因・進め方・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

赤ちゃんが離乳食を食べてくれない原因や家庭でできる工夫、食べない時期の考え方、小児科を受診する目安まで、小児科医がわかりやすく解説します。不安になりやすい保護者の方へ、安心して進めるポイントをお伝えします。

子どもが離乳食を食べてくれなくて困っている保護者の方へ

離乳食を食べないことだけで、すぐに病気とは限りません。

多くの赤ちゃんは、「食べない時期」と「よく食べる時期」を繰り返しながら成長していきます。

「せっかく作ったのに全部残された…」
「周りの子は食べているのに、うちの子だけ食べない」
「栄養が足りているの?」
「ミルクばかり飲みたがるけど大丈夫?」

このような相談は、小児科でも非常によくあります。

厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」や日本小児科学会でも、離乳食は『決められた量を食べること』ではなく、『食べる楽しさを育てること』が最も大切とされています。

また、小児科医・小児科専門医の大山牧子先生も著書や講演で、「食べる量だけを見るのではなく、その子の発達や親子の関わりを大切にすることが重要」と繰り返し伝えられています。

この記事では、「離乳食を食べない理由」と「無理なく進めるコツ」について、小児科医の立場からわかりやすく解説します。

離乳食を食べないのはよくあること?

結論から言うと、

離乳食をあまり食べない赤ちゃんは決して珍しくありません。

特に

  • 生後6〜8か月頃
  • 生後9〜10か月頃
  • 1歳前後

には、「急に食べなくなった」という相談が増えます。

離乳食は「練習」の期間でもあります。

大人でも初めて食べる料理に戸惑うことがあるように、赤ちゃんも新しい味や食感に慣れるまで時間がかかります。

今日は一口しか食べなくても、数週間後には驚くほど食べるようになることも珍しくありません。

離乳食を食べない主な原因

離乳食を食べない理由は一つではありません。

① まだお腹が空いていない

最も多い原因です。

例えば

  • ミルクを飲んだ直後
  • 授乳間隔が短い
  • おやつを食べた後

では、お腹がいっぱいで食べられません。

離乳食の前は、適度にお腹が空く生活リズムを作ることが大切です。

② 初めての食感に慣れていない

赤ちゃんは

  • ドロドロ
  • つぶつぶ
  • やわらかい固形

など、新しい食感を一つずつ覚えていきます。

嫌がったからといって、その食材が嫌いとは限りません。

10回以上試して初めて食べられるようになることもあります。

③ 味よりも遊びたい時期

生後8〜10か月頃になると、

  • 周囲を見る
  • おもちゃが気になる
  • スプーンで遊ぶ
  • 食べ物を投げる

ことが増えます。

これは発達の一つであり、決してしつけが悪いわけではありません。

④ 自分で食べたい気持ちが強くなっている

1歳頃になると、

「自分でやりたい!」

という気持ちが強くなります。

スプーンを持ちたがったり、手づかみ食べをしたがるのも自然な成長です。

多少散らかっても、自分で食べる経験はとても大切です。

⑤ 体調が悪い

以下のような時は、一時的に食欲が落ちます。

  • 風邪
  • 発熱
  • 鼻づまり
  • 中耳炎
  • 下痢
  • 便秘

また、歯が生える時期(歯ぐずり)にも口の違和感から食べにくくなることがあります。

⑥ 離乳食の硬さや大きさが合っていない

意外と多い原因です。

例えば

  • 少し硬い
  • 粒が大きい
  • 水分が少ない

だけで食べなくなることがあります。

月齢だけで判断せず、お子さんに合わせて調整することが大切です。

「食べない=栄養不足」ではありません

保護者が最も心配されることの一つが、

「栄養が足りていないのでは?」

ということです。

しかし、離乳食初期では栄養の多くを母乳やミルクから補っています。

そのため、

「今日は少ししか食べなかった」

という日があっても、それだけで大きな問題になることは少なくありません。

一方で、離乳後期から幼児期にかけては、少しずつ食事から栄養をとる割合が増えていきます。そのため、「全く食べない状態」が長く続く場合や、体重増加が不十分な場合には、小児科での相談が勧められます。

保護者が焦らなくてよい理由

離乳食は、

「食べる練習」

であり、

「完食すること」が目的ではありません。

厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」でも、赤ちゃん一人ひとりの発達や個性に合わせて進めることが推奨されています。

大山牧子先生も、「離乳食は親が頑張りすぎるほど苦しくなってしまうことがある。まずは食卓が楽しい場所になることを目標にしましょう」と述べています。

保護者が笑顔で接することは、食べる量以上に大切なことです。

診療でよくあるご相談【みなとみらい小児科クリニック】

当院でも、

  • 「ほとんど食べません」
  • 「ミルクしか飲みません」
  • 「口に入れても全部出してしまいます」
  • 「体重が増えているか心配です」

といったご相談を数多くいただきます。

実際には、発育が順調であれば経過を見守れるケースが多く、「食べないこと」そのものよりも、食べ方や発達、体重の増え方、生活リズムを総合的に評価することが大切です。

一方で、まれに鉄欠乏や口腔機能の問題、発達特性、消化器疾患などが背景に隠れていることもあるため、必要に応じて詳しく診察を行います。

当院では、お子さん一人ひとりの発達や生活リズムに合わせて、無理のない離乳食の進め方をご提案しています。

離乳食を食べてもらうための工夫

「何をしても食べない…」

そんなときは、無理に食べさせるのではなく、環境やタイミングを少し変えてみましょう。

① お腹が空いたタイミングで食べる

離乳食の前に母乳やミルクをたくさん飲むと、お腹がいっぱいで食べられません。

例えば

  • 朝起きて少し遊んだ後
  • お昼寝の後
  • 適度に体を動かした後

など、お腹が空いている時間帯を選ぶと食べやすくなります。

② 無理に食べさせない

口を閉じたり顔を背けたりしているのに無理に食べさせると、

「食事=嫌な時間」

になってしまいます。

食べない日は、「今日はここまで」と切り上げる勇気も大切です。

③ 家族と一緒に食卓を囲む

赤ちゃんは大人のまねをすることが大好きです。

家族がおいしそうに食べている姿を見ることで、

「自分も食べてみようかな」

という気持ちが育っていきます。

④ 手づかみ食べを取り入れる

9〜12か月頃になると、

  • やわらかくゆでた野菜
  • スティック状のパン
  • おやき
  • バナナ

など、手で持ちやすい食材を好む赤ちゃんも増えます。

散らかることもありますが、自分で食べる意欲を育てる大切な時期です。

⑤ 食材を変えてみる

同じ栄養でも、

  • 温度
  • 硬さ
  • 味付け
  • 盛り付け

を変えるだけで食べることがあります。

例えば、にんじんを食べなくても、スープやハンバーグに混ぜると食べられることも珍しくありません。

⑥ 同じ食材をあきらめない

赤ちゃんは、新しい味に慣れるまで時間がかかります。

一度食べなかったからといって、「嫌い」と決めつける必要はありません。

数日あけて、少量ずつ繰り返し試すことが大切です。

やってはいけない対応

保護者が一生懸命だからこそ、逆効果になってしまうこともあります。

避けたい対応として、

  • 無理やり口に入れる
  • 長時間食べ続けさせる
  • 食べるまで終わらない
  • 食べないことを叱る
  • 他の子と比べる
  • テレビや動画だけに頼って食べさせる

などがあります。

特に、「全部食べたら褒める」「食べないと怒る」を繰り返すと、食事そのものがストレスになってしまうことがあります。

大山牧子先生も、「親子ともに笑顔で食卓を囲めることが、将来の食習慣につながる」と述べられています。

月齢ごとのよくある悩み

生後5〜6か月

「スプーンを嫌がる」

まずは一口でも十分です。

母乳やミルクが栄養の中心なので、焦る必要はありません。

生後7〜8か月

「口から出してしまう」

舌で押し出す反射がまだ残っていることがあります。

少し時間をおいて再挑戦すると食べられることもあります。

生後9〜11か月

「遊び始める」

遊ぶことも発達の一つです。

20〜30分程度で食事を終えましょう。

1歳頃

「好き嫌いが増える」

自我の発達によって、自分の好みを表現できるようになります。

この時期だけで終わることも多く、無理に克服させようとしなくても大丈夫です。

こんな時は小児科を受診しましょう

離乳食を食べないことだけでは、病気とは限りません。

しかし、次のような場合には小児科で相談することをおすすめします。

  • 体重が増えない、または減ってきた
  • 母乳やミルクも飲めない
  • 水分が十分に取れない
  • 元気がなくぐったりしている
  • 嘔吐や下痢が続く
  • 発熱がある
  • 食べると毎回むせる
  • 飲み込みにくそうにしている
  • 口の中を痛がる
  • 生後7〜8か月を過ぎても全く食べようとしない
  • 保護者の不安が強く、食事の時間がつらくなっている

食べない原因として、まれに鉄欠乏、口腔機能の問題、食物アレルギー、慢性疾患、発達特性などが隠れていることもあります。

診療でよくあるケース【みなとみらい小児科クリニック】

当院では、

「離乳食を全然食べません」

というご相談をいただいても、診察をすると、

  • ミルクの量が少し多かった
  • 月齢より硬めの食事だった
  • 便秘で食欲が落ちていた
  • 鼻づまりで食べにくかった
  • 食事時間が長くなりすぎていた

など、ご家庭で改善できる原因が見つかることが少なくありません。

一方で、体重増加が思わしくないお子さんや、食べる機能に課題が疑われる場合には、必要に応じて専門医療機関とも連携しながら診療を進めています。

離乳食は毎日のことだからこそ、一人で悩まず、早めに相談することが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. 母乳やミルクばかり飲んでいて大丈夫ですか?

離乳初期では大きな問題になることは少なくありません。

ただし、月齢が進んでも食事量が極端に少ない場合は、一度小児科へご相談ください。

Q. 市販のベビーフードばかりでも大丈夫ですか?

大丈夫です。

市販のベビーフードは栄養バランスや安全性に配慮して作られています。

手作りと上手に組み合わせることで、保護者の負担を減らすことも大切です。

Q. 食べる量はどれくらい必要ですか?

赤ちゃんによって大きく異なります。

他のお子さんと比べるのではなく、

  • 元気がある
  • 発達している
  • 体重が増えている

ことを目安に考えましょう。

Q. 好きなものだけあげてもいいですか?

好きな食材をきっかけに食べることは悪いことではありません。

ただし、栄養が偏らないよう、少しずつ新しい食材にも挑戦していきましょう。

横浜市・みなとみらいで離乳食のお悩みなら、みなとみらい小児科クリニックへ

「離乳食を食べてくれない」「好き嫌いが増えてきた」「ミルクばかり飲んでいて大丈夫?」「体重が増えているか心配」など、離乳食に関するお悩みは、多くの保護者の方が経験されます。

実際には、赤ちゃん一人ひとりで食べる量や食べ方、食べられるようになる時期は大きく異なります。食欲には日による波もあり、「昨日はよく食べたのに今日はほとんど食べない」ということも珍しくありません。大切なのは、食べた量だけではなく、お子さんの発育や体重の増え方、生活リズム、発達を総合的にみることです。

一方で、便秘や鼻づまり、鉄欠乏、口の中のトラブル、食物アレルギー、摂食・嚥下機能の問題などが食べにくさの原因となっている場合や、まれに発達や消化器疾患などが背景に隠れていることもあります。そのため、「食べないから様子を見よう」と悩み続けるのではなく、不安なことがあれば早めに相談することをおすすめします。

みなとみらい小児科クリニックでは、離乳食が進まないお子さんに対して、食事の内容だけでなく、発育状況や生活リズム、便秘の有無、口腔内の状態、発達の様子などを総合的に診察し、お子さん一人ひとりの成長に合わせた無理のない離乳食の進め方をご提案しています。

「これくらいのことで受診してもいいのかな」と思われるようなご相談でも構いません。

横浜市・みなとみらい周辺で離乳食やお子さんの食事についてお悩みの方は、どうぞお気軽にみなとみらい小児科クリニックへご相談ください。保護者の皆さまの不安に寄り添いながら、お子さんの健やかな成長を一緒にサポートいたします。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック