不活化ポリオワクチンの追加接種とは?対象年齢・必要性・副反応を小児科医がわかりやすく解説

お知らせ
2026.07.21

不活化ポリオワクチンの追加接種とは?対象年齢・必要性・副反応を小児科医がわかりやすく解説

不活化ポリオワクチンの就学前追加接種は、乳幼児期の予防接種で得たポリオへの免疫を高めるための任意接種です。日本小児科学会では、乳幼児期に受けた4回目の接種から6か月以上あけて、5歳以上7歳未満に不活化ポリオワクチンを1回追加接種することを推奨しています。

就学前は、三種混合ワクチンやMRワクチン第2期など、ほかの予防接種についても確認しておきたい時期です。

小学校入学前にポリオへの免疫を高める予防接種

保護者の皆さまへ

赤ちゃんの頃に5種混合ワクチンや4種混合ワクチンを予定どおり受けた保護者の方から、

「ポリオワクチンは乳幼児期の4回で終わりではないの?」
「日本ではポリオがほとんど発生していないのに、追加接種は必要?」
「任意接種なら受けなくても大丈夫?」
「副反応が心配……」

といったご質問をいただくことがあります。

日本の定期接種では、5種混合ワクチンなどを用いて、乳幼児期にポリオを含むワクチンを合計4回接種します。

これに加えて、日本小児科学会の予防接種スケジュールでは、ポリオに対する免疫を維持するため、5歳以上7歳未満に不活化ポリオワクチンを1回追加接種することが推奨されています。

この就学前の追加接種は、現在のところ国の定期接種ではなく、原則として費用を自己負担する任意接種です。

任意接種は「必要性がない」という意味ではありません。お子さんの年齢やこれまでの接種歴を確認しながら検討しましょう。

不活化ポリオワクチンとは?

不活化ポリオワクチンは、感染性をなくしたポリオウイルスを用いて作られたワクチンです。英語では「Inactivated Poliovirus Vaccine」と呼ばれ、IPVと表記されます。

日本では2012年9月から不活化ポリオワクチンが定期接種に導入されました。

現在は主に、5種混合ワクチン、4種混合ワクチン、単独の不活化ポリオワクチンにポリオの成分が含まれています。

2024年4月以降に定期接種を開始したお子さんは、原則として5種混合ワクチンを使用します。

就学前の追加接種では、単独の不活化ポリオワクチンが使用されます。不活化ワクチンには感染性のあるポリオウイルスは含まれていないため、接種によってポリオを発症することはありません。

ポリオとはどのような病気?

ポリオは、ポリオウイルスによって起こる感染症で、正式には「急性灰白髄炎」と呼ばれます。

主に感染者の便などに含まれるウイルスが、手や食べ物などを介して口から入り、腸管で増殖することで感染します。

感染しても多くの場合は症状が現れません。症状が出ても、発熱、のどの痛み、吐き気、頭痛などの症状で回復することがあります。

しかし、ごく一部ではウイルスが中枢神経に達し、手足に力が入らなくなる弛緩性麻痺を起こします。麻痺が後遺症として残ることがあり、呼吸に必要な筋肉が麻痺すると命に関わることもあります。

ポリオにはウイルスそのものを排除する特別な治療薬がないため、ワクチンによる予防が重要です。

日本で追加接種を検討する理由

日本では予防接種の普及によって、野生株ポリオウイルスによる国内感染は長年報告されていません。

しかし、ポリオは世界から完全になくなった病気ではありません。現在も世界の一部では野生株ポリオウイルスの感染が続いており、ワクチン由来ポリオウイルスによる流行が報告される地域もあります。

海外との人の行き来がある以上、日本へウイルスが持ち込まれる可能性を完全にゼロにすることはできません。

日本でポリオがほとんどみられなくなった背景には、予防接種によって社会全体で高い免疫が維持されてきたことがあります。病気をほとんど見かけなくなった現在も、必要な予防接種を受けることが大切です。

なぜ就学前に追加接種するのですか?

乳幼児期にポリオを含むワクチンを4回接種することで、ポリオに対する基礎的な免疫をつけることができます。

一方、ワクチン接種によって得られた抗体価は、時間の経過とともに低下することがあります。

そのため、日本小児科学会では、乳幼児期の4回目から6か月以上あけて、5歳以上7歳未満に不活化ポリオワクチンを1回追加接種することを推奨しています。

これは乳幼児期の接種を最初からやり直すものではありません。これまでの接種によって得られた免疫を再び刺激し、ポリオに対する免疫を高めることを目的としています。

不活化ポリオワクチンの接種スケジュール

乳幼児期の定期接種

現在の定期接種では、5種混合ワクチンなどを使用して、ポリオを含むワクチンを合計4回接種します。

初回接種は生後2か月から開始し、20日以上、標準的には20~56日の間隔をあけて3回接種します。

その後、初回3回の接種終了後6か月以上、標準的には6~18か月の間隔をあけて追加接種を1回行います。

就学前の追加接種

日本小児科学会では、乳幼児期の4回接種に加えて、

  • 5歳以上7歳未満
  • 乳幼児期の4回目から6か月以上あける
  • 不活化ポリオワクチンを1回接種する

ことを推奨しています。

この接種は現在、任意接種です。

年長児の時期には、MRワクチン第2期、おたふくかぜワクチン、三種混合ワクチンなども検討します。母子健康手帳を確認し、就学前に必要な予防接種が済んでいるか確認しておきましょう。

三種混合ワクチンも一緒に接種した方がよいですか?

日本小児科学会では、就学前の時期に三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンの任意接種を推奨しています。

三種混合ワクチンは、

  • 百日せき
  • ジフテリア
  • 破傷風

を予防するワクチンです。

一方、不活化ポリオワクチンはポリオを予防します。

乳幼児期の接種によって得られた百日せきに対する免疫も、時間の経過とともに低下することがあります。年長児や学童が百日せきに感染し、まだ予防接種が十分に進んでいない乳児へ感染させる可能性もあります。

就学前に三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンを接種することで、これら4つの病気に対する免疫を高めることが期待できます。

他のワクチンと同時接種できますか?

不活化ポリオワクチンは、医師が必要と判断した場合、他のワクチンと同時に接種できます。

例えば、

  • 三種混合ワクチン
  • MRワクチン
  • おたふくかぜワクチン
  • 日本脳炎ワクチン
  • インフルエンザワクチン

などとの同時接種が可能です。

同時接種によって、必要な予防接種を適切な時期に受けやすくなり、通院回数を減らすこともできます。

実際にどのワクチンを同時に接種するかは、お子さんの年齢、接種歴、当日の体調などを確認して医師と相談しましょう。

不活化ポリオワクチンの副反応

接種後には、ワクチンに対する免疫反応として副反応がみられることがあります。

主なものは、

  • 注射した部分の赤み
  • 腫れ
  • 痛み
  • しこり
  • 発熱
  • 不機嫌
  • だるさ

などです。

多くは軽い反応で、数日以内に改善します。

接種部位は強くこすったり、もんだりしないようにしましょう。入浴は通常どおり可能ですが、接種当日は激しい運動を避け、お子さんの体調を観察してください。

接種後に注意したい症状

頻度は非常に低いものの、ワクチン接種後にアナフィラキシーなどの重いアレルギー反応が起こる可能性があります。

  • 呼吸が苦しそう
  • 顔や唇が腫れている
  • 全身にじんましんが出ている
  • 顔色が悪い
  • 意識がぼんやりしている
  • ぐったりして反応が弱い
  • けいれんを起こした

などの症状がみられた場合は、速やかに医療機関へ相談・受診してください。

高熱や接種部位の強い腫れが続く場合など、普段と違う様子が気になる場合にも医療機関へご相談ください。

よくある質問

Q. 不活化ポリオワクチンの追加接種は何歳で受けますか?

A.
日本小児科学会では、乳幼児期に受けた4回目の接種から6か月以上あけて、5歳以上7歳未満に不活化ポリオワクチンを1回追加接種することを推奨しています。

就学前の年長児の時期に、母子健康手帳を確認しておくとよいでしょう。

Q. 就学前の不活化ポリオワクチンは定期接種ですか?

A.
乳幼児期に行うポリオを含む4回の接種は定期接種ですが、5歳以上7歳未満に行う就学前の不活化ポリオワクチン追加接種は、現在のところ任意接種です。

原則として接種費用は自己負担となります。

Q. 任意接種なら受けなくてもよいですか?

A.
任意接種は「医学的な必要性がない」という意味ではありません。

日本小児科学会では、ポリオに対する免疫を維持するため、就学前の追加接種を推奨しています。

接種するか迷う場合は、母子健康手帳を持参して小児科へご相談ください。

Q. 乳幼児期に5種混合ワクチンなどを4回受けていても追加接種が必要ですか?

A.
乳幼児期の4回接種は、ポリオに対する基礎的な免疫をつけるための大切な定期接種です。

一方、時間の経過とともに抗体価が低下することがあるため、日本小児科学会では就学前の追加接種を推奨しています。

これまでの接種をやり直すのではなく、得られた免疫をさらに高めるための追加接種です。

Q. 5歳以上7歳未満の時期を過ぎてしまいました。

A.
日本小児科学会が推奨している時期は5歳以上7歳未満ですが、その時期を過ぎた場合の対応は、年齢やこれまでの接種歴、海外渡航の予定などによって異なります。

母子健康手帳を持参して、小児科へご相談ください。

Q. 軽い鼻水や咳があっても接種できますか?

A.
軽い鼻水や咳があっても、発熱がなく元気で全身状態がよければ接種できる場合があります。

一方、高熱がある、ぐったりしている、食事や水分が十分に取れないなど、体調がよくない場合は延期することがあります。

接種当日に医師が診察し、接種できるか判断します。

Q. 海外へ行く予定があります。追加接種は必要ですか?

A.
渡航先や滞在期間、これまでのポリオワクチン接種歴によって、追加接種を検討する場合があります。

ポリオの発生が報告されている国や地域へ渡航する予定がある場合は、余裕をもって医療機関へご相談ください。

Q. 横浜市西区戸部町から不活化ポリオワクチンを接種できますか?

A.
はい。みなとみらい小児科クリニックは横浜市西区みなとみらいにあり、戸部町をはじめ、戸部本町・花咲町・紅葉ケ丘など周辺地域からも不活化ポリオワクチンについてご相談いただけます。

ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスによって起こる感染症で、まれに手足などに麻痺を残すことがあります。現在の乳幼児期の定期接種では、ポリオを含む5種混合ワクチンなどが使用されています。

「不活化ポリオワクチンの追加接種は必要?」「これまでの接種歴から何を接種すればよいか分からない」など、ポリオワクチンについて分からないことがありましたらご相談ください。母子健康手帳でこれまでの接種歴を確認しながら、お子さんの年齢や接種状況に応じてご案内します。

横浜市西区戸部町周辺で、お子さんの不活化ポリオワクチンについてお考えの方は、みなとみらい小児科クリニックへご相談ください。

不活化ポリオワクチン追加接種のまとめ

不活化ポリオワクチンは、手足の麻痺や呼吸筋麻痺などを起こすことがあるポリオを予防するワクチンです。

日本では乳幼児期に、5種混合ワクチンなどを使用してポリオを含むワクチンを合計4回接種します。

さらに日本小児科学会では、乳幼児期の4回目から6か月以上あけて、5歳以上7歳未満に不活化ポリオワクチンを1回追加接種することを推奨しています。この就学前の追加接種は、現在のところ任意接種です。

「追加接種を受けた方がよい?」
「三種混合ワクチンも必要?」
「どのワクチンが済んでいるか分からない」
「同時接種や副反応が心配」

という場合は、母子健康手帳を持参して小児科へ相談しましょう。

横浜市西区・中区・神奈川区で不活化ポリオワクチンの追加接種をご希望の方へ

みなとみらい小児科クリニックは、横浜市西区みなとみらいにある小児科クリニックで、不活化ポリオワクチンの就学前追加接種に対応しています。

当院では、生後2か月から始まる定期予防接種だけでなく、年長児の不活化ポリオワクチンや三種混合ワクチンなどの任意接種も積極的に行っています。

母子健康手帳を確認しながら、MRワクチン第2期、三種混合ワクチン、不活化ポリオワクチン、おたふくかぜワクチンなど、就学前に確認しておきたい予防接種についてご案内します。

「就学前に必要なワクチンをまとめて確認したい」
「三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンを同時に接種したい」
「接種時期を過ぎてしまった」
「過去の接種回数が分からない」

といった場合もご相談ください。

みなとみらい小児科クリニックへのアクセス

当院は横浜市西区みなとみらいにあり、新高島駅から徒歩約8分、みなとみらい駅から徒歩約10分です。横浜駅からも徒歩圏内です。

横浜市西区をはじめ、中区・神奈川区などから不活化ポリオワクチンの追加接種や就学前の予防接種をご検討の方は、みなとみらい小児科クリニックへご相談ください。

関連する予防接種について

就学前は、不活化ポリオワクチンだけでなく、複数の予防接種を確認しておきたい時期です。

当院ホームページでは、次の予防接種についても詳しく解説しています。

  • 5種混合ワクチン
  • 三種混合ワクチン
  • MR(麻しん・風しん混合)ワクチン
  • 1歳以降・就学前の予防接種

母子健康手帳を確認しながら、お子さんの年齢に応じた予防接種を計画しましょう。

参考資料

  • 厚生労働省「ポリオとポリオワクチンについて」
  • 日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール(2026年4月1日版)」
  • 国立健康危機管理研究機構「ポリオ(急性灰白髄炎)」
  • 世界保健機関(WHO)「Poliomyelitis」

公開日:2026年7月21日
最終更新日:2026年8月21日
監修:みなとみらい小児科クリニック院長

みなとみらい小児科クリニックへのアクセス

みなとみらい小児科クリニックは、横浜市西区みなとみらい6丁目の「プライムコーストみなとみらい」2階にあります。

横浜市西区・みなとみらいを中心に、西区各地域のほか、中区・神奈川区など周辺地域からも受診いただけます。

電車でお越しの方

みなとみらい線をご利用の場合、

  • 新高島駅から徒歩約8分
  • みなとみらい駅から徒歩約10分

です。

ベビーカーをご利用の方や、小さなお子さんを連れての受診にも便利な立地です。

お車でお越しの方

お車でお越しの方は、プライムコーストみなとみらいの大型立体駐車場をご利用いただけます。

駐車場は2時間まで無料です。

発熱などでお子さんを長時間歩かせることが難しい場合や、乳幼児・ご兄弟を連れて受診される場合にも、お車でお越しいただけます。

所在地

みなとみらい小児科クリニック
〒220-0012
神奈川県横浜市西区みなとみらい6-3-4
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お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

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