
インフルエンザは子どもにとって重症化に注意が必要な感染症です
秋から冬にかけて流行するインフルエンザ。
「インフルエンザワクチンは毎年受けた方がいいの?」
「注射しかないの?」
「鼻から接種するフルミスト®ってどんなワクチン?」
「副反応が心配…」
このような疑問や不安をお持ちの保護者の方は少なくありません。
インフルエンザは「ただの風邪」と思われることがありますが、小さなお子さんでは肺炎やインフルエンザ脳症などの重い合併症を起こし、入院が必要になったり、まれに命に関わったりすることがあります。
現在、日本では従来から行われている注射による不活化インフルエンザワクチンに加え、**鼻に噴霧して接種する経鼻弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト®」**も選択できるようになりました。
どちらのワクチンも感染を100%防ぐものではありませんが、発症や重症化を予防することを目的として接種されています。
インフルエンザとは?
インフルエンザはインフルエンザウイルスによって起こる感染症です。
毎年冬を中心に流行し、咳やくしゃみなどによる飛沫感染や接触感染で広がります。
一般的なかぜと比べて、
- 突然の高熱
- 強いだるさ
- 頭痛
- 筋肉痛・関節痛
- 咳
- のどの痛み
- 鼻水
などの症状が急に現れることが特徴です。
多くのお子さんは1週間ほどで回復しますが、乳幼児や基礎疾患のあるお子さんでは重症化することがあります。
保育園や幼稚園、学校などでは集団感染が起こりやすく、家庭内で兄弟や保護者へ感染が広がることも少なくありません。
インフルエンザワクチンには2種類あります
現在、日本で子どもに使用できるインフルエンザワクチンには2種類あります。
注射するインフルエンザワクチン(不活化ワクチン)
最も広く使用されているワクチンです。
生後6か月から接種でき、長年にわたり使用されているため、有効性と安全性について多くの知見が蓄積されています。
フルミスト®(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン)
フルミスト®は鼻にスプレーして接種するワクチンです。
対象年齢は2歳以上19歳未満で、注射を使わないことが大きな特徴です。
鼻の粘膜で免疫を誘導し、インフルエンザの予防を目的として接種されます。
日本小児科学会では、対象年齢のお子さんについて、注射ワクチンとフルミスト®のいずれも推奨しています。
なぜ子どもにインフルエンザワクチンが必要なのでしょうか?
子どもはインフルエンザにかかりやすく、家庭や保育園、幼稚園、学校で感染が広がりやすい年代です。
特に5歳未満、なかでも2歳未満では重症化するリスクが高いことが知られています。
また、
- 気管支喘息
- 心臓病
- 腎臓病
- 糖尿病
- 神経・筋疾患
- 免疫機能が低下する病気
などの基礎疾患があるお子さんでは、さらに重症化しやすくなります。
そのため、日本小児科学会では小児へのインフルエンザワクチン接種を推奨しています。
インフルエンザワクチンの目的
インフルエンザワクチンの最大の目的は、重症化を防ぐことです。
ワクチンを接種していてもインフルエンザにかかることはありますが、
- 発症を予防する
- 発症しても症状を軽くする
- 入院するリスクを減らす
- 肺炎や脳症など重い合併症を予防する
ことが期待されています。
インフルエンザで起こることがある合併症
インフルエンザ脳症
乳幼児に多くみられる重い合併症です。
高熱のあとに、
- けいれん
- 呼びかけへの反応が悪い
- 意識がもうろうとする
- 異常な言動
- ぐったりしている
などの症状が現れることがあります。
後遺症が残ったり、命に関わったりすることもあるため、早急な治療が必要です。
肺炎
インフルエンザウイルスそのものや細菌感染によって肺炎になることがあります。
呼吸が苦しそう、顔色が悪い、水分が十分に取れない場合は早めの受診が必要です。
熱性けいれん
乳幼児では高熱に伴って熱性けいれんを起こすことがあります。
初めてのけいれんや5分以上続く場合は医療機関を受診しましょう。
中耳炎
耳を痛がる、機嫌が悪い、耳だれが出るなどの症状があれば、小児科や耳鼻咽喉科を受診してください。
気管支炎・喘息発作
喘息のあるお子さんでは、インフルエンザをきっかけに喘息発作が悪化することがあります。
毎年ワクチンを接種する理由
インフルエンザワクチンが毎年推奨される理由は2つあります。
流行するウイルスが毎年変化するため
インフルエンザウイルスは毎年少しずつ変化します。
そのため、その年に流行すると予想されるウイルスに合わせてワクチンの成分も毎年見直されています。
ワクチンによる免疫は時間とともに低下するため
ワクチンによって得られた免疫は時間の経過とともに低下します。
毎年流行前に接種することで、そのシーズンのインフルエンザに対する十分な予防効果が期待できます。
インフルエンザワクチンの接種回数と接種時期
インフルエンザワクチンは、お子さんの年齢やワクチンの種類によって接種回数が異なります。
流行が始まる前に十分な免疫をつけるためには、10~12月頃までに接種を済ませることが望ましいとされています。
注射ワクチン(不活化ワクチン)の接種回数
- 生後6か月以上13歳未満:2回接種(通常2~4週間隔)
- 13歳以上:原則1回接種
13歳未満では、十分な免疫を得るために2回接種が推奨されています。
フルミスト®の接種回数
フルミスト®は2歳以上19歳未満のお子さんを対象としたワクチンで、1シーズン1回の接種です。
注射が苦手なお子さんにとって選択しやすいワクチンですが、年齢や健康状態によっては接種できない場合があります。
フルミスト®を接種できない、または慎重な判断が必要な場合
フルミスト®は多くのお子さんが接種できますが、次のような場合には接種できない、または慎重な判断が必要です。
- 2歳未満のお子さん
- 妊娠している方
- 免疫機能が著しく低下している方
- ゼラチンに対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方
- アスピリン製剤を長期間服用しているお子さん
- 喘息の状態によって医師が適さないと判断した場合
- 発熱など体調がすぐれない場合
基礎疾患や治療内容によって適応が異なることがあるため、接種前に医師へ相談しましょう。
注射ワクチンとフルミスト®はどちらを選べばよいですか?
どちらのワクチンも、日本小児科学会で推奨されており、現時点では予防効果に明らかな優劣は示されていません。
それぞれに特徴があるため、お子さんに合った方法を選択することが大切です。
注射ワクチンが選ばれることが多いお子さん
- 生後6か月~1歳のお子さん
- 基礎疾患があるお子さん
- 喘息のコントロールが十分でないお子さん
- フルミスト®の対象外となるお子さん
フルミスト®が選択肢となるお子さん
- 2歳以上19歳未満
- 注射が苦手なお子さん
- 鼻への噴霧による接種を希望される場合
ワクチン選びに迷われた際は、お子さんの年齢や体調、基礎疾患などを考慮しながらご相談ください。
他のワクチンとの同時接種はできますか?
インフルエンザワクチンは、医師が必要と判断した場合には他のワクチンとの同時接種が可能です。
例えば、
- MR(麻しん・風しん)ワクチン
- 水痘ワクチン
- 日本脳炎ワクチン
- おたふくかぜワクチン
- HPVワクチン
などと同時に接種できる場合があります。
同時接種を希望される場合は、接種スケジュールを含めてご相談ください。
接種後によくみられる副反応
ワクチン接種後には、一時的な副反応がみられることがあります。
注射ワクチン
よくみられる副反応は、
- 注射した部位の痛み
- 赤み
- 腫れ
- 発熱
- 頭痛
- 倦怠感
などです。
多くは数日以内に自然に改善します。
フルミスト®
よくみられる副反応は、
- 鼻水
- 鼻づまり
- のどの痛み
- 咳
- 発熱
- 食欲低下
などです。
これらも多くは軽症で、一時的な症状です。
接種後に早めの受診が必要な症状
非常にまれですが、重い副反応が起こることがあります。
次のような症状がみられた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 呼吸が苦しそう
- 顔や唇が急に腫れる
- 全身にじんましんが広がる
- 呼びかけへの反応が悪い
- 強いぐったり感がある
- けいれんが続く
よくある質問
卵アレルギーでも接種できますか?
卵アレルギーがあるだけで接種できないわけではありません。
ただし、これまでに卵やワクチンで重いアレルギー反応を起こしたことがある場合は、事前にご相談ください。
ワクチンを接種してもインフルエンザにかかることはありますか?
あります。
インフルエンザワクチンは感染を完全に防ぐものではありません。
しかし、発症や重症化を防ぎ、肺炎やインフルエンザ脳症など重い合併症のリスクを減らすことが期待されています。
接種した日はお風呂に入れますか?
体調が良ければ入浴は可能です。
ただし、激しい運動や長時間の入浴は避け、普段どおりの生活を心がけましょう。
発熱やかぜ症状があるときは接種できますか?
37.5℃以上の発熱がある場合は接種できません。
また、発熱がなくても体調が悪い場合には、接種を延期した方がよいことがあります。
受診時に医師が体調を確認し、接種可能かどうかを判断します。
横浜市西区・中区・神奈川区でインフルエンザワクチンをご希望の方へ
みなとみらい小児科クリニックでは、注射による不活化インフルエンザワクチンに加え、対象年齢のお子さんにはフルミスト®による接種にも対応しています。
接種前には、お子さんの年齢や体調、基礎疾患、これまでの接種歴などを確認し、それぞれに適したワクチンをご提案しています。
「フルミスト®を受けられる?」「喘息があるけれど大丈夫?」「注射とどちらが合っている?」など、ご不安な点がありましたらお気軽にご相談ください。
横浜市西区みなとみらいに位置するみなとみらい小児科クリニックは、新高島駅から徒歩8分、みなとみらい駅から徒歩10分の場所にあります。横浜市西区をはじめ、中区・神奈川区など幅広い地域のお子さんにご来院いただいています。
参考文献
国立健康危機管理研究機構(JIHS)
厚生労働省
日本小児科学会
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
公開日:2026年7月21日
更新日:2026年7月26日
監修:みなとみらい小児科クリニック 院長
みなとみらい小児科クリニックへのアクセス
みなとみらい小児科クリニックは、横浜市西区みなとみらい6丁目の「プライムコーストみなとみらい」2階にあります。
横浜市西区・みなとみらいを中心に、西区各地域のほか、中区・神奈川区など周辺地域からも受診いただけます。
電車でお越しの方
みなとみらい線をご利用の場合、
- 新高島駅から徒歩約8分
- みなとみらい駅から徒歩約10分
です。
ベビーカーをご利用の方や、小さなお子さんを連れての受診にも便利な立地です。
お車でお越しの方
お車でお越しの方は、プライムコーストみなとみらいの大型立体駐車場をご利用いただけます。
駐車場は2時間まで無料です。
発熱などでお子さんを長時間歩かせることが難しい場合や、乳幼児・ご兄弟を連れて受診される場合にも、お車でお越しいただけます。
所在地
みなとみらい小児科クリニック
〒220-0012
神奈川県横浜市西区みなとみらい6-3-4
プライムコーストみなとみらい2階
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック


































