秋に子どもの鼻水が続くのは花粉症?ダニと風邪を見分ける視点

小児アレルギー科
2026.09.20

涼しくなってきたのに、お子さんの鼻水とくしゃみが止まらないことはありませんか。風邪が長引いているのか、それとも秋の花粉症なのか、判断に迷う保護者の方は多いのではないでしょうか。

秋にも花粉は飛んでいます。ただし、秋に続く鼻の症状の原因は花粉だけではありません。この季節は室内のダニも症状に関わってきますし、風邪と重なる時期でもあります。ここでは秋に飛ぶ花粉の種類を整理したうえで、ダニや風邪との見分け方と、受診を考える目安をお伝えします。

秋に続く子どもの鼻水は花粉症とは限らない

秋の鼻の症状には、花粉によるものとダニなどによるものの2通りがあります。日本アレルギー学会が運営するアレルギーポータルでは、アレルギー性鼻炎は、ダニやホコリなどが原因で1年を通して鼻炎症状が認められる通年性アレルギー性鼻炎と、スギやヒノキの花粉などが原因で花粉の飛散時期だけに症状が認められる季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)に分けられると説明されています。

秋に症状が出たからといって、原因が秋の花粉だとは限りません。もともとダニに反応するお子さんの症状が、この季節に強く出ているだけという場合もあるでしょう。両方が重なっている場合も少なくありません。

どちらであるかによって、家庭で取るべき対策が変わります。花粉であれば外から持ち込まないことが中心になりますし、ダニであれば寝具と掃除が中心になります。原因を思い込みで決めてしまうと、対策の方向がずれてしまうでしょう。

秋に飛ぶ花粉はブタクサ・ヨモギ・カナムグラ

秋に飛ぶ主な花粉は、キク科のブタクサとヨモギ、アサ科のカナムグラです。環境省の花粉症環境保健マニュアルでは、ブタクサやヨモギなどのキク科とカナムグラは夏の終わりから秋にかけて飛散していると説明されています。

これらはスギやヒノキと違って、背の低い草です。河川敷や空き地、公園の植え込み、通園路の脇といった生活圏のすぐそばに生えるため、外遊びや通園の道すがらに花粉を浴びることになります。飛ぶ距離は樹木の花粉ほど長くありませんが、そのぶん発生源との距離が近いという特徴があるでしょう。

同じマニュアルには、意外に思われる記述もあります。スギやヒノキは春が中心であるものの、秋にも少量の花粉が飛散することがあるとされています。秋にスギの反応が出ているお子さんもいますので、春の花粉症だから秋は関係ないとは言い切れません。

なお、イネ科の花粉は春から初秋までの長い期間飛びますが、同マニュアルには、春のイネ科には抗原性があるものの秋のイネ科にはないという注記があります。秋の症状をイネ科だけで説明するのは難しいと考えてください。

秋はダニの影響が出やすい時期

秋に鼻の症状が強くなるお子さんでは、ダニが関わっていることが少なくありません。ダニは高温多湿の夏に数を増やし、その死がいやフンが室内のほこりに混じってアレルゲンとなります。夏に増えた分が秋のほこりに乗ってくるため、涼しくなってから症状が目立つという経過をたどるでしょう。

秋は窓を開ける機会が減り、寝具を使う時間が長くなる季節でもあります。就寝中や起床直後に症状が強い、朝にくしゃみが続く、休日に家で過ごした日ほどつらそうだといった場合は、屋外の花粉よりも室内の環境を疑ってみてください。

前出のアレルギーポータルでは、ダニ対策として、布団を干してこまめに丁寧に掃除機をかけることが基本であり、布団乾燥機も有用だと説明されています。あわせて、ダニを殺すには60℃以上の熱水処理や熱風での乾燥が必要だとも書かれています。天日干しだけでは不十分で、干した後に掃除機をかける手順まで含めて対策になると考えましょう。

風邪との見分けは鼻水の性状と続き方

風邪とアレルギーの見分けで、最も分かりやすい手がかりは鼻水の性状です。アレルギーポータルには、アレルギー性鼻炎の症状はくしゃみ、透明な水様性の鼻水、鼻づまりが特徴であり、鼻水は風邪などの感染症の鼻水のように粘り気があるものではなく、無色で粘り気がなくサラサラしていると記されています。

続き方にも違いが出ます。風邪であれば、鼻水は数日で色がつき、粘り気を帯びて、1週間から10日ほどで治まっていくのが一般的な経過です。一方でアレルギーによる鼻水は、サラサラのまま2週間、3週間と続きます。熱が出ないこと、のどの痛みを伴わないことも、見分けの助けになるでしょう。

もう1つ見ていただきたいのが、目です。目のかゆみやこすり癖、白目の充血がそろっているなら、風邪よりアレルギーを考えます。お子さんが無意識に目や鼻をこすっている回数は、保護者の方のほうが気づきやすいはずです。

とはいえ、家庭で完全に区別する必要はありません。サラサラの鼻水が2週間以上続く、毎年同じ時期に繰り返す、朝にくしゃみが集中するといった点が当てはまるなら、一度ご相談ください。

花粉症は小さな子どもにも起こる

花粉症は大人の病気ではありません。環境省の花粉症環境保健マニュアルには、近年は飛散する花粉量が増加しているために感作までの期間が短くなり、小さな子供でも花粉症にかかるようになったと明記されています。

年齢によって、訴え方は変わります。言葉で症状を説明できない年齢では、鼻をこする、口を開けて呼吸している、夜中に何度も目を覚ます、食事の途中で機嫌が悪くなるといった様子が手がかりになるでしょう。鼻がつまって眠りが浅くなると、日中の機嫌や集中の続き方にも影響が出てきます。

学童期であれば、症状そのものより生活への影響が先に見えることもあります。授業に集中できない、宿題に時間がかかる、外遊びを嫌がるようになったといった変化の背景に、鼻づまりが隠れている場合があるでしょう。年齢が上がるほど、本人は症状を「いつものこと」として受け止めてしまい、訴えなくなる傾向もあります。

よくある質問(FAQ)

秋の花粉症は何歳から起こる?

年齢の下限は決まっていません。環境省のマニュアルでは、飛散する花粉量の増加によって感作までの期間が短くなり、小さな子供でも花粉症にかかるようになったと説明されています。1歳や2歳で症状が出るお子さんもいますので、年齢だけで否定しないでください。

春に花粉症がなければ秋も心配ない?

原因となる植物が違うため、春に症状がなくても秋に出ることがあります。春はスギやヒノキ、秋はブタクサやヨモギ、カナムグラが中心です。反応する花粉が異なれば、症状の出る季節も変わってきます。

秋の花粉症と風邪はどう違う?

鼻水の性状と続く期間が手がかりになります。風邪の鼻水は数日で粘り気を帯びて1週間から10日ほどで治まりますが、アレルギーの鼻水はサラサラのまま何週間も続きます。発熱やのどの痛みを伴わない点も、見分けの参考になるでしょう。

検査を受ければ原因は分かる?

血液検査で、原因として疑われるアレルゲンへの反応を調べられます。ただし検査の結果だけで判断するのではなく、症状が出る季節や場所、経過と照らし合わせて解釈することが大切でしょう。当院では、経過を伺ったうえで調べる項目を絞り込んでいます。

家庭ではどんな対策をすればよい?

花粉であれば、帰宅時に衣類や髪についた花粉を落とし、洗濯物や布団の外干しを避けることが中心になります。ダニであれば、寝具を干して乾燥させ、こまめに掃除機をかけることが基本です。原因によって手の打ちどころが変わりますので、まず原因を確かめましょう。

秋の花粉症は薬を飲んだほうがよい?

症状の強さと生活への影響によって判断します。眠れない、集中できない、外遊びを嫌がるといった状態であれば、治療を検討する理由になります。市販薬を自己判断で続けるのではなく、年齢に合った薬を医師と相談して選んでください。

秋の鼻水の原因を調べたいときはみなとみらい小児科クリニックへ

原因が分かると、家庭でできることがはっきりします。花粉なのかダニなのか、あるいは両方なのかによって、対策の中心が変わるためです。

みなとみらい小児科クリニックには、日本アレルギー学会の専門医が在籍しています。当院のアレルギー検査では、お子さんの症状や経過に合わせて、原因として考えられる食べ物や花粉などを1つずつ調べる血液検査を行っています。手当たり次第に調べるのではなく、経過から絞り込んだうえで確かめる方針です。

アレルギー外来は予約制で、実施日が限られています。ご希望の場合は、前日までにアレルギー外来からご予約ください。一般の診療時間内でも、鼻の症状についてのご相談は受け付けています。また、朝7時から診療する「おはよう外来」も実施しています。登園前の時間帯に相談したいというご希望にも対応できる体制です。

鼻水が続いている、夜よく眠れていない、目をこすってばかりいるといった段階でのご相談も歓迎しております。季節が過ぎるまで我慢せず、お気軽にお声がけください。