
赤ちゃんが泣き止まないのは乳児疝痛(コリック)?原因・症状を小児科医がわかりやすく解説
赤ちゃんが何時間も泣き止まない……乳児疝痛(コリック)かもしれません
「おむつを替えたのに泣き止まない」「母乳やミルクを飲ませても泣いている」「毎日夕方になると何時間も泣き続ける」――このような赤ちゃんの泣き方に、不安を感じる保護者の方は少なくありません。
乳児疝痛(コリック)は、明らかな病気がない赤ちゃんに、理由のはっきりしない長時間の泣きやぐずりが繰り返しみられる状態です。多くは成長とともに自然に落ち着いていきます。
一方で、赤ちゃんが激しく泣く背景に、治療が必要な病気が隠れていることもあります。「いつもと泣き方が違う」「何かおかしい」と感じたときは、乳児疝痛と決めつけず、赤ちゃんの全身状態を確認することが大切です。
「何をしても赤ちゃんが泣き止まない」と心配なお父さん・お母さんへ
「抱っこしても泣き止まない」
「お腹が痛いのでは?」
「母乳が足りないのでは?」
「自分の育て方が悪いのでは?」
このように悩まれる保護者の方もいらっしゃいます。
しかし、乳児疝痛は、保護者の育て方や愛情不足が原因で起こるものではありません。
赤ちゃんは泣くことで空腹や眠気、不快感などを伝えます。さらに乳児期には、明らかな理由が見つからないまま長時間泣き続けることもあります。
泣き止まないからといって、「自分のあやし方が悪い」と考える必要はありません。
乳児疝痛(コリック)とは?
乳児疝痛とは、発育が順調で明らかな病気が認められない乳児に、理由のはっきりしない長時間の泣きやぐずりが繰り返しみられる状態です。
国際的な消化管機能異常症の診断基準であるRome IVでは、乳児疝痛について、
- 生後5か月未満に症状が始まり、落ち着く
- 明らかな原因なく、繰り返し長時間泣いたり、ぐずったりする
- 保護者が容易に予防したり泣き止ませたりできない
- 発育不良、発熱、明らかな病気が認められない
といった特徴が示されています。
以前は、
- 1日3時間以上
- 週3日以上
- 3週間以上
泣くという「3のルール(Rule of Three)」が広く知られていました。
現在は、この条件だけで乳児疝痛かどうかを判断するわけではありません。泣いている時間だけではなく、赤ちゃんの全身状態や発育、ほかの症状がないかを確認することが重要です。
乳児疝痛はいつ頃みられますか?
乳児疝痛は生後早期からみられ、一般的には生後数週間頃から泣く時間が増えていきます。
特に夕方から夜にかけて泣くことが多く、「夕方になると急に泣き始める」「毎日同じような時間になると激しく泣く」ということがあります。
多くの場合は月齢が進むにつれて泣く時間が減少し、生後3〜4か月頃から改善していきます。
ただし、赤ちゃんによって経過には個人差があります。
乳児疝痛の原因は?
「お腹が痛いから泣いているのでしょうか?」というご質問もありますが、乳児疝痛の原因は現在も完全には解明されていません。
一つの原因だけで起こるのではなく、赤ちゃんの発達や消化管の機能など、複数の要因が関係している可能性が考えられています。
研究では、
- 神経系の発達
- 睡眠や生活リズムの発達
- 消化管機能
- お腹の張りやガス
- 外からの刺激への反応
などとの関連が検討されています。
ただし、これらのどれか一つが乳児疝痛の原因として確立しているわけではありません。
「ガスがたまっているから」「母乳が悪いから」などと、一つの原因に決めつけないことが大切です。
母乳やミルクが原因ですか?
乳児疝痛の多くは、母乳やミルクそのものが原因で起こるわけではありません。
そのため、赤ちゃんが泣き続けるという理由だけで、自己判断で母乳を中止したり、次々とミルクの種類を変更したりする必要はありません。
ただし、
- 母乳やミルクを十分に飲めていない
- 体重が十分に増えていない
- 繰り返し吐く
- 血便がみられる
などの場合には、乳児疝痛以外の原因について確認する必要があります。
乳児疝痛ではどのような泣き方をしますか?
乳児疝痛では、次のような様子がみられることがあります。
- 特に夕方から夜にかけて激しく泣く
- なかなか泣き止まない
- 抱っこや授乳をしても泣き続ける
- 顔を赤くして泣く
- 足を曲げたり、お腹に力を入れたりする
- 泣いていない時間帯は比較的普段どおりに過ごしている
- 発育はおおむね順調である
泣き方には個人差があるため、これらすべてがそろうわけではありません。
また、赤ちゃんが足を曲げたり、お腹に力を入れたりしているからといって、必ずしも腹痛があるとは限りません。
「泣き止まない=乳児疝痛」と決めつけないことが大切です
乳児疝痛そのものは、多くの場合、成長とともに改善していきます。
しかし、赤ちゃんは「痛い」「苦しい」と言葉で伝えることができません。そのため、病気や体調不良のサインとして激しく泣いている場合もあります。
赤ちゃんが激しく泣いているときに確認が必要な病気には、
- 中耳炎
- 尿路感染症
- 便秘
- 胃食道逆流症
- 食物アレルギーなど消化管に関係する病気
- 腸重積
- 鼠径ヘルニアの嵌頓
- 外傷
などがあります。
これらが頻繁に乳児疝痛の原因になるという意味ではありませんが、泣き方や赤ちゃんの状態によっては鑑別が必要です。
特に、これまでと明らかに違う激しい泣き方や、発熱、哺乳不良、繰り返す嘔吐などを伴う場合は、「いつもの泣き方」と決めつけないことが大切です。
小児科ではどのように診断するの?
乳児疝痛だけを診断するための特別な血液検査や画像検査はありません。
小児科では、まず次のようなことを確認します。
- いつから泣くようになったか
- 何時頃に泣くことが多いか
- どのくらいの時間続くか
- 母乳やミルクを飲めているか
- 体重が順調に増えているか
- おしっこやうんちの状態
- 発熱がないか
- 嘔吐や血便がないか
- 普段と違う様子がないか
そのうえで、赤ちゃんの全身状態、呼吸、心音、お腹、耳、皮膚などを診察します。
問診や診察から乳児疝痛が考えられ、赤ちゃんの全身状態や発育に問題がなければ、特別な検査を必要としないこともあります。
一方、ほかの病気が疑われる場合には、尿検査、血液検査、超音波検査などを必要に応じて検討します。
「いつもと違う」という保護者の感覚も大切です
赤ちゃんの泣き方には大きな個人差があります。
毎日赤ちゃんと接している保護者の方だからこそ、
「今日はいつもと違う」
「今まで聞いたことのない泣き方をしている」
「なんとなく元気がない」
と気づくことがあります。
赤ちゃんの診療では、このようなご家族の気づきも大切な情報になります。
乳児疝痛かどうかをご家庭だけで判断する必要はありません。「何かおかしい」「病気ではないか心配」と感じる場合は、小児科へ相談してください。
赤ちゃんが泣き止まないときはどうする?乳児疝痛(コリック)の対処法・受診の目安
乳児疝痛(コリック)には、すぐに泣き止ませることのできる特効薬や、すべての赤ちゃんに効果のある方法はありません。
大切なのは、「何とかして泣き止ませなければ」と無理をするのではなく、まず赤ちゃんに空腹や不快なことがないかを確認し、安全を確保しながら対応することです。
また、長時間泣き続ける赤ちゃんのお世話は、保護者の方にとっても大きな負担になります。赤ちゃんへの対応だけでなく、保護者の方が無理をしすぎないことも大切です。
まずは赤ちゃんが不快に感じていないか確認しましょう
赤ちゃんが泣いているときは、まず日常的な原因がないか一つずつ確認してみましょう。
- お腹が空いていないか
- おむつが濡れていないか
- 暑すぎたり寒すぎたりしないか
- 衣類がきつくないか
- 眠いのにうまく眠れない状態ではないか
- 鼻づまりなどで苦しそうではないか
特に問題が見つからない場合は、無理に原因を探し続ける必要はありません。
抱っこなどで安心できるようにしましょう
赤ちゃんによっては、抱っこや穏やかな刺激で落ち着くことがあります。
例えば、
- 優しく抱っこする
- 抱っこしながらゆっくり歩く
- 優しく背中をトントンする
- 静かな声で話しかける
- テレビや大きな音を控える
- 部屋の刺激を少なくする
などを試してみてもよいでしょう。
どの方法が合うかは赤ちゃんによって異なり、これらを行っても泣き止まないことがあります。
抱っこしても泣き止まないからといって、保護者の抱き方や接し方が悪いわけではありません。
おくるみを使用するときは安全に注意してください
月齢の低い赤ちゃんでは、おくるみなどで優しく包むと落ち着くことがあります。
ただし、安全な睡眠環境を守ることが最優先です。
使用する場合は、
- 顔や口を覆わない
- きつく巻きすぎない
- 股関節を強く締め付けない
- 寝かせるときは仰向けにする
- 寝返りを始める兆候がみられたら使用をやめる
などに注意してください。
赤ちゃんをうつ伏せの状態で寝かせることは避けましょう。
赤ちゃんを激しく揺さぶらないでください
赤ちゃんが何時間も泣き続けると、保護者の方も疲れ、「もうどうしたらいいのかわからない」と感じることがあります。
そのようなときでも、赤ちゃんを激しく揺さぶることは絶対に避けてください。
乳児の頭を激しく揺さぶると、脳や目などに重大な損傷を起こす危険があります。
「もう限界」と感じたときは、無理に抱っこを続ける必要はありません。赤ちゃんをベビーベッドなどの安全な場所に仰向けで寝かせ、安全を確認したうえで、いったん離れて気持ちを落ち着けましょう。
ご家族などに赤ちゃんをお願いして休むことも大切です。
保護者の方が休むことも大切です
毎日のように赤ちゃんが長時間泣き続けると、
- 「どうして泣き止まないの?」
- 「自分の対応が間違っているのでは?」
- 「また夕方になるのが不安」
と感じることがあります。
長時間の泣きに対応し続けることは、保護者の方にとって大きな心身の負担になります。
一人で対応し続けるのではなく、ご家族や周囲の方と交代しながら休息をとりましょう。
赤ちゃんが泣き止まないことは、保護者の育て方や愛情不足を意味するものではありません。
乳児疝痛(コリック)の治療は?
乳児疝痛そのものを確実に治す特効薬はありません。
対応の中心となるのは、
- 病気が隠れていないか確認する
- 赤ちゃんが安心して過ごせる環境を整える
- 保護者の負担を軽減する
ことです。
赤ちゃんの発育や全身状態に問題がなく、乳児疝痛と考えられる場合には、多くは成長に伴う変化をみながら経過をみていきます。
一方、診察によって乳児疝痛以外の病気が見つかった場合には、その病気に応じた治療を行います。
母乳をやめたり、ミルクを変更したりした方がいいですか?
乳児疝痛があるという理由だけで、母乳を中止したり、自己判断で次々とミルクを変更したりする必要はありません。
ただし、
- 母乳やミルクを十分に飲めない
- 体重が十分に増えていない
- 繰り返し吐く
- 血便がある
- 授乳後に強い症状が繰り返される
などがある場合には、哺乳量の問題や消化管の病気、食物アレルギーなどを検討する必要があります。
このような場合は、自己判断で食事やミルクを制限せず、小児科へ相談してください。
こんなときは小児科を受診してください
「赤ちゃんが泣き止まないけれど、乳児疝痛だから大丈夫」と自己判断しないことも大切です。
特に次のような症状がある場合は、小児科を受診してください。
- 発熱がある
- 母乳やミルクをほとんど飲まない
- 繰り返し吐いている
- 緑色のものを吐く
- 血便が出る
- お腹が強く張っている
- 呼吸が苦しそう
- 顔色が悪い
- ぐったりしている
- けいれんがある
- 触ると強く痛がるところがある
- 泣き方が普段と明らかに違う
特に、生後3か月未満の赤ちゃんに発熱がある場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。
また、症状の有無にかかわらず、保護者の方が「いつもの泣き方とは違う」「何かおかしい」と感じる場合も、小児科へ相談してください。
夜間や休日に泣き止まないときは?
夜間や休日であっても、
- ぐったりしている
- 呼吸が苦しそう
- 顔色が明らかに悪い
- けいれんしている
- 緑色の嘔吐がある
- 意識や反応がおかしい
など、緊急性が疑われる場合には、時間帯にかかわらず医療機関への相談・受診を検討してください。
一方、赤ちゃんが泣いていても、泣いていない時間には普段どおりで、母乳やミルクを飲めており、発熱などの症状もない場合には、慌てず全身の様子を確認することが大切です。
判断に迷う場合には、小児救急電話相談などを利用する方法もあります。
よくある質問
Q. 毎日夕方になると泣きます。病気でしょうか?
乳児疝痛では、夕方から夜にかけて泣くことがあります。
ただし、「夕方に泣くから乳児疝痛」と決めることはできません。発熱、哺乳不良、嘔吐、血便、ぐったりしているなどの症状がある場合や、いつもと明らかに様子が違う場合は小児科へ相談してください。
Q. 抱っこしても泣き止まりません。抱き方が悪いのでしょうか?
乳児疝痛では、保護者の方がいろいろ工夫しても泣き続けることがあります。
抱っこしても泣き止まないからといって、抱き方や保護者の接し方に問題があるわけではありません。
Q. 抱き癖がつくのが心配です。抱っこしすぎない方がいいですか?
乳児期に泣いている赤ちゃんを抱っこすることを避ける必要はありません。
赤ちゃんの様子をみながら、抱っこしたり優しく声をかけたりして、安心できるようにしてあげましょう。
Q. 泣き止まないとき、少し離れても大丈夫ですか?
はい。保護者の方がつらくなった場合には、赤ちゃんを安全なベビーベッドなどに仰向けで寝かせ、安全を確認したうえで、いったん離れて気持ちを落ち着けることも大切です。
赤ちゃんを激しく揺さぶることは絶対に避けてください。
Q. 乳児疝痛はいつ頃まで続きますか?
多くの場合は月齢が進むにつれて泣く時間が減り、生後3〜4か月頃から改善していきます。
国際的なRome IV基準では、乳児疝痛は生後5か月未満にみられる状態として定義されています。経過には個人差があるため、長く続く場合やほかの症状を伴う場合は小児科へ相談してください。
Q. 横浜市西区戸部町から赤ちゃんが泣き止まないことについて相談できますか?
はい。みなとみらい小児科クリニックは横浜市西区みなとみらいにあり、戸部町をはじめ、戸部本町・花咲町・紅葉ケ丘など周辺地域からも受診いただけます。
「抱っこしてもなかなか泣き止まない」「夕方から夜になると激しく泣く」「いつもと泣き方が違う」「どこか具合が悪いのではないか」と心配になることもあると思います。
赤ちゃんが長時間泣く場合、乳児疝痛(コリック)など成長の過程でみられることもありますが、発熱や体調不良、病気が隠れていることもあります。そのため、「泣き止まない=乳児疝痛」と自己判断せず、気になる場合は小児科へご相談ください。
診察では、発熱や嘔吐、母乳・ミルクの飲み方、尿や便の状態、普段との様子の違いなどを確認し、赤ちゃんの全身を診察します。必要に応じて、泣き続ける原因となる病気が隠れていないかを確認します。
横浜市西区戸部町周辺で「赤ちゃんがなかなか泣き止まない」「いつもと泣き方が違う」「病気ではないか心配」と感じることがありましたら、みなとみらい小児科クリニックへご相談ください。
横浜市・みなとみらいで赤ちゃんが泣き止まずお困りの方へ
赤ちゃんが長時間泣き続けると、「どこか痛いのではないか」「病気ではないか」「このまま様子を見ていて大丈夫なのか」と不安になる保護者の方は少なくありません。
乳児疝痛であれば、多くは成長とともに自然に落ち着いていきます。しかし、赤ちゃんは自分の症状を言葉で伝えることができないため、泣いている原因が乳児疝痛なのか、病気や体調不良によるものなのかを確認することが大切です。
みなとみらい小児科クリニックでは、乳児疝痛(コリック)をはじめ、「赤ちゃんが泣き止まない」「機嫌が悪い」「授乳がうまくいかない」「いつもと泣き方が違う」といったご相談について診療を行っています。
診察では、赤ちゃんの全身状態や発育、授乳、排尿・排便などを確認し、病気が隠れていないかを丁寧に診察します。必要に応じて検査や治療を検討するとともに、ご家庭での対応についてもご説明します。
「受診するほどではないかもしれない」「泣いているだけで小児科に相談してもいいのかな」と迷われる場合でも構いません。
横浜市・みなとみらい周辺で赤ちゃんが泣き止まずお困りの方は、お気軽にご相談ください。
参考資料
日本外来小児科学会 乳幼児の育児支援に関する情報
Rome Foundation「Rome IV Diagnostic Criteria for Infant Colic」
厚生労働省 乳幼児の泣き・揺さぶりに関する啓発資料
こども家庭庁 乳幼児の健康・育児支援に関する資料
日本小児科学会 乳幼児の安全・事故予防に関する資料
日本小児救急医学会 小児救急に関する情報
公開日: 2026年7月5日
更新日: 2026年8月15日
監修者: みなとみらい小児科クリニック院長
みなとみらい小児科クリニックへのアクセス
みなとみらい小児科クリニックは、横浜市西区みなとみらい6丁目の「プライムコーストみなとみらい」2階にあります。
横浜市西区・みなとみらいを中心に、西区各地域のほか、中区・神奈川区など周辺地域からも受診いただけます。
電車でお越しの方
みなとみらい線をご利用の場合、
- 新高島駅から徒歩約8分
- みなとみらい駅から徒歩約10分
です。
ベビーカーをご利用の方や、小さなお子さんを連れての受診にも便利な立地です。
お車でお越しの方
お車でお越しの方は、プライムコーストみなとみらいの大型立体駐車場をご利用いただけます。
駐車場は2時間まで無料です。
発熱などでお子さんを長時間歩かせることが難しい場合や、乳幼児・ご兄弟を連れて受診される場合にも、お車でお越しいただけます。
所在地
みなとみらい小児科クリニック
〒220-0012
神奈川県横浜市西区みなとみらい6-3-4
プライムコーストみなとみらい2階
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。


































