
BCGワクチンとは?接種時期・副反応・接種後の経過を小児科医がわかりやすく解説
赤ちゃんを重症結核から守る大切な予防接種
「BCGは何を予防するワクチン?」「結核は昔の病気ではないの?」「接種した跡が残ると聞いて心配」と感じるお母さん、お父さんも多いのではないでしょうか。
BCGワクチンは、乳児が結核に感染したときに起こりやすい、結核性髄膜炎や粟粒(ぞくりゅう)結核などの重症結核を予防するための定期予防接種です。
日本では結核患者数は以前より減少していますが、現在も発生が続いており、決して過去の病気ではありません。
ここでは、BCGワクチンの目的や必要性、結核という病気、接種時期について分かりやすく解説します。
BCGワクチンとは?
BCG(Bacillus Calmette-Guérin)ワクチンは、弱毒化したウシ型結核菌を利用した生ワクチンです。
一般的な注射とは異なり、専用の器具を使って上腕にスタンプを押すように接種します。
BCGワクチンは、結核菌への感染そのものを完全に防ぐワクチンではありません。一方で、乳児が結核に感染した際に起こりやすい、結核性髄膜炎や粟粒結核などの重症結核を予防する効果が期待されています。
日本では、接種できない事情がある場合を除き、1歳未満のお子さんを対象とした定期予防接種として行われています。
結核とはどのような病気?
結核は、結核菌によって起こる感染症です。
感染性の肺結核患者の咳などによって空気中に漂った結核菌を吸い込むことで感染します。一般的な風邪のような飛沫感染ではなく、空気感染する病気です。
大人では肺結核が多くみられますが、赤ちゃんは免疫機能が未熟なため、結核菌に感染すると全身へ広がり、重症化することがあります。
特に乳児期に注意したいのが、結核性髄膜炎と粟粒結核です。
BCGワクチンで予防が期待できる重症結核
結核性髄膜炎
結核性髄膜炎は、結核菌が脳や脊髄を包む髄膜に感染する病気です。
乳児では、初めから特徴的な症状が現れるとは限りません。
発熱、機嫌が悪い、母乳やミルクを飲む量が減る、嘔吐などで始まり、進行すると、けいれんや意識障害などを起こすことがあります。
重症になると命に関わるほか、治療を行っても神経学的な後遺症が残ることがあります。
BCGワクチンは、このような乳幼児の結核性髄膜炎を予防するために重要な役割を果たします。
粟粒結核
粟粒結核は、結核菌が血液の流れに乗って全身へ広がる重い結核です。
肺だけでなく、脳、肝臓、腎臓など、さまざまな臓器に結核菌が広がることがあります。
特に免疫機能が未熟な乳児では重症化する可能性があるため、注意が必要です。
BCGワクチンの大きな目的は、このような結核性髄膜炎や粟粒結核など、乳児期の重症結核を予防することにあります。
なぜ赤ちゃんのうちにBCGワクチンを接種するの?
「結核の患者さんは少なくなっているのに、なぜ赤ちゃんのうちにワクチンを受ける必要があるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
その理由は、赤ちゃんが結核に感染した場合、大人に比べて重症化しやすいためです。
乳児は免疫機能がまだ十分に発達しておらず、結核菌が体内に入ると全身へ広がりやすく、結核性髄膜炎や粟粒結核などを起こすことがあります。
そのため、重症化しやすい乳児期に備えて、適切な時期にBCGワクチンを接種することが大切です。
BCGワクチンの接種時期は?
BCGワクチンは定期予防接種です。
標準的な接種時期
生後5か月から8か月未満です。
定期接種の対象期間
1歳になる前までです。
体調不良などで予定していた日に接種できず、延期になることもあります。1歳未満であれば定期接種として受けることができますが、重症結核から守られない期間をできるだけ短くするためにも、標準的な時期に接種することが大切です。
接種時期を過ぎてしまった、ほかの予防接種との予定が重なっているなど、スケジュールについて分からないことがある場合は、小児科へ相談しましょう。
他のワクチンと同時接種できますか?
BCGワクチンは、他のワクチンと同じ日に別の部位へ接種する「同時接種」が可能です。
お子さんの接種時期によっては、
- 5種混合ワクチン
- 小児用肺炎球菌ワクチン
- B型肝炎ワクチン
- ロタウイルスワクチン
など、ほかの予防接種と同じ日に接種することがあります。
同時接種によって、必要なワクチンを適切な時期に遅れず受けやすくなり、通院回数や接種忘れを減らすことにもつながります。
実際の接種スケジュールについては、お子さんの月齢、これまでの接種歴、当日の体調などを確認しながら調整します。
BCGワクチン接種後はどのような経過になりますか?
BCGワクチンは、接種後に赤みや小さな膿疱(膿をもったできもの)が現れることがあります。
「膿が出ているけれど大丈夫?」「接種したところが赤くなってきた」と心配になることもあるでしょう。
多くはBCGワクチン接種後に予想される正常な反応ですが、通常より早く強い反応が現れた場合などには、医療機関への相談が必要になることがあります。
BCGワクチン接種後の正常な経過
一般的には、接種後10日頃から針の跡に一致して赤い点が現れ、その後、赤みや腫れが強くなったり、小さな膿疱ができたりすることがあります。
反応は5〜6週間頃に最も目立つことがあり、その後はかさぶたになり、数か月かけて自然に落ち着いていきます。
このような赤み、膿疱、かさぶたは、多くのお子さんにみられる通常の接種後反応です。治った後に小さな接種痕が残ることがありますが、異常ではありません。
BCGワクチンのコッホ現象とは?
通常のBCG接種後反応は、接種後10日頃から徐々に現れます。
一方、接種後1週間〜10日以内、特に多くは3日以内に、通常より早く強い赤み、腫れ、化膿などが現れることがあります。これを「コッホ現象」といいます。
コッホ現象は、すでに結核菌に感染している場合にみられることがあります。ただし、非結核性抗酸菌への感染などによって起こることもあり、コッホ現象だけで結核感染が確定するわけではありません。
接種後すぐに強い反応が現れた場合は、接種した医療機関やかかりつけの小児科へ相談してください。
BCGワクチンの副反応について
接種部位の赤み、小さな膿疱、かさぶたなどは、多くの場合、通常の接種後反応です。
一方、まれに次のような副反応がみられることがあります。
- 接種部位の大きな潰瘍
- わきの下などのリンパ節の強い腫れ
- 骨炎・骨髄炎
- 播種性BCG感染症
- アナフィラキシー
また、重い免疫不全があるお子さんでは、生ワクチンであるBCGを接種できない場合があります。
接種前には、お子さんの体調やこれまでの病気、治療内容などを確認し、接種できる状態かどうかを医師が判断します。
BCGワクチン接種後のお手入れ
BCGワクチン接種後は、特別なお手入れは必要ありません。
- 入浴は当日から可能です
- 接種部位を強くこすらない
- 消毒はしない
- ガーゼや絆創膏は貼らない
- 軟膏やクリームを自己判断で塗らない
- 膿疱をつぶしたり、かさぶたを無理にはがしたりしない
接種部位を清潔に保ち、自然に治っていくのを待ちましょう。
BCGワクチン接種後、こんなときは小児科へ相談しましょう
次のような場合は、接種した医療機関やかかりつけの小児科へ相談してください。
- 接種後すぐに強い赤みや腫れが現れた
- 接種部位の腫れや潰瘍が大きくなってきた
- 膿が多く、なかなか改善しない
- わきの下などのリンパ節が大きく腫れてきた
- 高熱が続く
- ぐったりしている、哺乳量が明らかに減っている
高熱や元気のなさはBCGワクチンに特有の反応とは限りません。別の感染症などが重なっている可能性もあるため、普段と様子が違う場合は小児科へ相談しましょう。
BCGワクチンについてよくある質問
Q. BCGワクチンを接種した跡は残りますか?
A. 多くのお子さんで小さな接種痕が残ります。
BCGワクチンでは一般的な経過であり、接種痕が残ること自体は異常ではありません。また、接種痕の大きさだけで免疫の強さを判断することはできません。
Q. BCG接種後に膿が出ています。大丈夫ですか?
A. 接種から数週間たって小さな膿疱ができることは、通常の接種後反応としてみられます。
無理につぶしたり消毒したりせず、自然に治るのを待ちましょう。膿が非常に多い、潰瘍が広がっている、腫れが強くなっている場合は小児科へ相談してください。
Q. BCGワクチンを接種した日にお風呂へ入れますか?
A. はい。接種当日から入浴できます。
接種部位を強くこすらず、優しく洗ってください。入浴後に消毒したり、ガーゼや絆創膏を貼ったりする必要はありません。
Q. BCG接種後に発熱したら副反応ですか?
A. BCGワクチンでは、発熱は典型的な接種後反応ではありません。
高熱が続く、ぐったりしている、哺乳量が減っているなどの場合は、BCG以外の病気が重なっている可能性も含めて小児科へ相談してください。
Q. 横浜市西区花咲町からBCGワクチンを接種できますか?
A. はい。みなとみらい小児科クリニックは横浜市西区みなとみらいにあり、花咲町をはじめ、桜木町・紅葉ケ丘・戸部町など周辺地域からもBCGワクチンの接種で受診いただけます。
BCGワクチンは1歳未満が定期接種の対象で、標準的な接種時期は生後5か月から8か月未満です。「接種時期が遅れてしまった」「ほかのワクチンとのスケジュールが分からない」などの場合も、母子健康手帳などで接種歴を確認しながらご相談いただけます。
横浜市西区・みなとみらいでBCGワクチン接種をご希望の方へ
みなとみらい小児科クリニックでは、BCGワクチンをはじめ、生後2か月から始まる各種定期予防接種を行っています。
接種前には小児科医がお子さんの体調やこれまでの予防接種歴を確認し、安全面に十分配慮して接種を行っています。
「BCGをいつ接種すればいい?」「ほかのワクチンとのスケジュールが分からない」「接種後の赤みや膿が正常なのか心配」など、予防接種について分からないことがありましたらご相談ください。
当院は横浜市西区みなとみらいにあり、新高島駅から徒歩約8分、みなとみらい駅から徒歩約10分です。西区をはじめ、中区・神奈川区など周辺地域からも受診いただけます。
参考資料
世界保健機関(WHO)「BCG vaccines: WHO position paper」
厚生労働省「BCGワクチン」
厚生労働省「結核とBCGワクチンに関するQ&A」
国立健康危機管理研究機構(JIHS)「結核」
日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」
日本結核・非結核性抗酸菌症学会
日本BCG製造株式会社「BCGワクチンに関する資料」
公開日: 2026年7月18日
更新日: 2026年8月17日
監修者: みなとみらい小児科クリニック院長
みなとみらい小児科クリニックへのアクセス
みなとみらい小児科クリニックは、横浜市西区みなとみらい6丁目の「プライムコーストみなとみらい」2階にあります。
横浜市西区・みなとみらいを中心に、西区各地域のほか、中区・神奈川区など周辺地域からも受診いただけます。
電車でお越しの方
みなとみらい線をご利用の場合、
- 新高島駅から徒歩約8分
- みなとみらい駅から徒歩約10分
です。
ベビーカーをご利用の方や、小さなお子さんを連れての受診にも便利な立地です。
お車でお越しの方
お車でお越しの方は、プライムコーストみなとみらいの大型立体駐車場をご利用いただけます。
駐車場は2時間まで無料です。
発熱などでお子さんを長時間歩かせることが難しい場合や、乳幼児・ご兄弟を連れて受診される場合にも、お車でお越しいただけます。
所在地
みなとみらい小児科クリニック
〒220-0012
神奈川県横浜市西区みなとみらい6-3-4
プライムコーストみなとみらい2階
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック


































