
子どもが「ケンケン」と咳をするときに知っておきたいこと
クループ症候群は、主にウイルス感染によって、のどの奥にある空気の通り道が腫れて狭くなる病気です。
乳幼児に多く、犬やオットセイの鳴き声に似た「ケンケン」という咳、声のかすれ、息を吸うときの音が特徴です。
多くのお子さんは適切な治療によって改善しますが、安静にしていても呼吸音がする、胸や首がへこむ、顔色が悪いなどの症状がある場合は、早めの受診が必要です。
この記事では、クループ症候群の症状、原因、感染経路、潜伏期間、診断について、保護者の方に分かりやすく解説します。
クループ症候群とは?
クループ症候群とは、主にウイルス感染によって、喉頭(こうとう:声帯のある部分)から気管の上部に炎症が起こり、空気の通り道が狭くなる病気です。
医学的には「急性喉頭気管炎」や「喉頭気管支炎」「仮性クループ」と呼ばれることがあります。
乳幼児は、もともと気道が大人より細いため、わずかな腫れでも呼吸がしにくくなります。そのため、鼻水や発熱などの風邪症状に続いて、突然「ケンケン」という特徴的な咳や呼吸音が現れることがあります。
特に生後6か月頃から3歳頃のお子さんに多くみられますが、年長児でも発症することがあります。
また、症状は夜間から明け方に強くなることがあるのが特徴です。昼間は元気に過ごしていても、夜になって急に咳が悪化することがあります。
日本小児感染症学会・日本小児呼吸器学会による『小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022』でも、クループ症候群は、症状の強さや呼吸状態を確認しながら重症度を評価し、治療方針を決めることが示されています。
クループ症候群の特徴
項目内容多い年齢生後6か月頃~3歳頃主な原因パラインフルエンザウイルスなど特徴的な症状「ケンケン」という咳、声のかすれ呼吸音息を吸うときの「ヒュー」という音悪化しやすい時間夜間~明け方診断症状と診察所見から総合的に判断主な感染経路飛沫感染・接触感染潜伏期間原因ウイルスによって異なる
クループ症候群ではどのような症状が出ますか?
代表的な症状は、次の3つです。
- 犬やオットセイの鳴き声に似た「ケンケン」という咳
- 声がかすれる
- 息を吸うときに「ヒュー」「ヒューヒュー」という音がする
この呼吸音は、医学的には吸気性喘鳴(きゅうきせいぜんめい)またはストライダーと呼ばれます。
気管支喘息では「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が主に息を吐くときに聞こえますが、クループ症候群では、息を吸うときに音が目立つことが特徴です。
ただし、ご家庭で呼吸音を正確に聞き分けるのは難しいことがあります。呼吸音が気になる場合は、音の違いだけで自己判断せず、小児科を受診してください。
最初は風邪のような症状から始まります
クループ症候群は、初めから特徴的な咳が出るとは限りません。
多くの場合、最初は次のような一般的な風邪症状から始まります。
- 鼻水
- 軽い咳
- 発熱
- のどの違和感
- 食欲の低下
その後、夜間になって突然「ケンケン」という咳が現れることがあります。
また、泣いたり興奮したりすると呼吸が速くなり、吸気性喘鳴や陥没呼吸が一時的に強くなることがあります。
呼吸が苦しいサインを確認しましょう
軽症の場合は、咳をしたときや泣いたときだけ呼吸音が聞こえ、落ち着いているときには比較的呼吸が安定しています。
一方、次のような症状がある場合は、空気の通り道の腫れが強くなっている可能性があります。
- 安静にしていても「ヒュー」という音がする
- 息をするたびに胸や首の付け根がへこむ
- 呼吸が速い
- 肩で息をしている
- 苦しくて横になれない
- 声や泣き声が弱い
- 水分が飲めない
- 顔色が悪い
- 唇が青紫色になる
- ぐったりしている
- 呼びかけへの反応が弱い
胸や首の付け根が呼吸のたびにへこむ状態を、陥没呼吸といいます。
特に、安静時にも呼吸音が聞こえる、陥没呼吸がある、顔色が悪い場合は、夜間であっても速やかに医療機関を受診してください。
クループ症候群の原因は?
クループ症候群の多くは、ウイルス感染によって起こります。
代表的な原因は、パラインフルエンザウイルスです。
そのほか、次のようなウイルスが原因になることがあります。
- RSウイルス
- ヒトメタニューモウイルス
- インフルエンザウイルス
- アデノウイルス
- ライノウイルス
- 新型コロナウイルス など
同じウイルスに感染しても、すべてのお子さんがクループ症候群になるわけではありません。
乳幼児は気道が細いため、年長児や大人では普通の風邪症状だけで済む感染症でも、クループ症候群を起こすことがあります。
クループに似た症状を起こす病気
「ケンケン」という咳や息を吸うときの音があっても、すべてが一般的なウイルス性クループとは限りません。
似た症状を起こす病気には、次のようなものがあります。
- 気道異物
- 急性喉頭蓋炎
- 細菌性気管炎
- 咽後膿瘍
- アレルギー反応による喉頭の腫れ
これらの病気は、緊急の治療が必要になることがあります。
突然症状が始まった、食べ物や小さな物を口にしている途中でむせた、よだれが多く唾液を飲み込めない、強いのどの痛みがあるなどの場合は、一般的なクループ以外の病気も考える必要があります。
クループ症候群はどのように感染しますか?
クループ症候群という状態そのものが人から人へうつるわけではありません。
原因となったウイルスが、主に飛沫感染と接触感染によって周囲へ広がります。
飛沫感染
感染した人の咳やくしゃみ、会話などで飛び散ったしぶきを吸い込むことで感染します。
接触感染
ウイルスが付着した手、おもちゃ、ドアノブなどに触れたあと、その手で口や鼻、目を触ることで感染します。
同じウイルスに感染しても、乳幼児ではクループ症候群になり、年長児や大人では鼻水や一般的な咳だけで終わることがあります。
潜伏期間はどのくらいですか?
潜伏期間とは、ウイルスに感染してから症状が現れるまでの期間です。
潜伏期間は、原因となったウイルスによって異なります。
代表的な原因であるパラインフルエンザウイルスでは、一般に2~6日程度とされています。
家庭内で感染を広げないためには、次のような基本的な感染対策が大切です。
- 外出後や食事前に手を洗う
- 咳やくしゃみをするときは口や鼻を覆う
- 鼻水や唾液が付いたティッシュを早めに捨てる
- タオルの共用をできるだけ避ける
- よく触るおもちゃや場所を清潔にする
クループ症候群はどのように診断しますか?
クループ症候群は、多くの場合、特徴的な咳や声のかすれ、呼吸音、呼吸状態などを総合的にみて診断します。
診察では、主に次の点を確認します。
- 安静時にも呼吸音が聞こえるか
- 胸や首がへこんでいないか
- 呼吸の回数や速さ
- 顔色
- 意識や反応の状態
- 水分を飲めているか
- 発症までの経過
- 症状が突然始まっていないか
- 異物を吸い込んだ可能性がないか
必要に応じて、指先などで**酸素飽和度(SpO₂)**を測定し、体に十分な酸素が届いているかを確認します。
ただし、クループ症候群では、症状が強くても酸素飽和度が保たれていることがあります。SpO₂の数値だけではなく、呼吸音、陥没呼吸、顔色、意識状態などを合わせて評価することが重要です。
レントゲンやウイルス検査は必要ですか?
典型的なクループ症候群では、レントゲン検査や血液検査を必ず行うわけではありません。
多くの場合は、特徴的な咳や呼吸音、診察時の呼吸状態から診断します。
ただし、次のような場合には、ほかの病気との区別のために検査を検討することがあります。
- 呼吸状態が悪い
- 症状が典型的ではない
- 高熱が続いている
- 強いのどの痛みがある
- 異物を吸い込んだ可能性がある
- 症状を何度も繰り返している
- 一般的な治療で改善しない
ウイルス検査は、原因を調べる補助として行うことがありますが、すべての医療機関でパラインフルエンザウイルスを調べられるわけではありません。
また、原因ウイルスが分かっても、クループ症候群の重症度は呼吸状態によって判断します。そのため、検査結果よりも、診察時のお子さんの様子を確認することが重要です。
受診時に咳や呼吸音の動画は役立ちますか?
クループ症候群は、夜間に症状が強くなり、朝や受診時には落ち着いていることがあります。
安全に撮影できる場合には、ご自宅での「ケンケン」という咳や呼吸音を、スマートフォンで短時間記録しておくと、診察時の参考になることがあります。
ただし、次のような場合は、撮影よりも受診を優先してください。
- 呼吸が苦しそう
- 胸や首が大きくへこんでいる
- 顔色が悪い
- 水分が飲めない
- ぐったりしている
動画を撮るために受診が遅れることがないようにしましょう。
保護者の方からよく受けるご相談
外来では、次のようなご相談をいただくことが少なくありません。
- 「昼間は元気だったのに、夜になって急にケンケンという咳が出ました」
- 「喘息のゼーゼーとの違いが分かりません」
- 「朝には落ち着いたので、受診しなくても大丈夫でしょうか」
- 「一度治ったと思ったら、次の日の夜もまた咳が出ました」
クループ症候群は、時間帯によって症状が変化しやすい病気です。
朝になって症状が軽くなっていても、次の夜に再び悪化することがあります。特徴的な咳や呼吸音がみられた場合は、現在の呼吸が落ち着いていても、小児科へ相談してください。
クループ症候群はどのように治療しますか?
クループ症候群の治療では、のどの腫れを抑え、呼吸を楽にすることが大切です。
治療内容は、安静にしているときの呼吸音、胸や首のへこみ、顔色、水分摂取の状態などを確認し、症状の重さに応じて決めます。
ステロイド薬による治療
クループ症候群では、症状に応じてデキサメタゾンなどのステロイド薬を使用します。
ステロイド薬には、喉頭周囲の炎症や腫れを抑える作用があります。特に、安静にしていても息を吸うときの呼吸音が聞こえる場合など、中等症以上では重要な治療です。
軽症の場合にも、症状の程度や経過、夜間に悪化する可能性などを考慮し、医師が投与の必要性を判断します。
デキサメタゾンは、多くの場合、1回の内服で使用します。ただし、症状が強い場合や改善が不十分な場合には、追加の治療や経過観察が必要です。
アドレナリン吸入による治療
安静にしていても吸気性喘鳴がある、陥没呼吸が目立つなど、中等症から重症の場合には、アドレナリンの吸入を行うことがあります。
アドレナリン吸入は、腫れた気道を一時的に広げ、比較的速やかに呼吸症状を和らげる治療です。
ただし、効果が薄れたあとに呼吸症状が再び現れることがあります。そのため、吸入後は医療機関で一定時間、呼吸状態を観察します。
酸素投与や入院が必要になる場合
次のような場合には、酸素投与や点滴、入院による経過観察が必要になることがあります。
- 安静にしていても呼吸が苦しい
- 酸素飽和度が低下している
- 水分を飲めない
- アドレナリン吸入後も症状が改善しない
- 顔色や反応が悪い
- 全身状態が悪い
重症の場合には、高次医療機関での治療が必要になることもあります。
抗菌薬は必要ですか?
一般的なクループ症候群の多くは、ウイルス感染によって起こるため、通常は抗菌薬を使用しません。
ただし、細菌性気管炎や急性喉頭蓋炎など、細菌感染による別の病気が疑われる場合には、抗菌薬を含む治療が必要です。
家庭でできるケア
軽症で呼吸状態が安定している場合は、自宅で様子を見ながら回復を待つことができます。
ご家庭では、次の点を心がけましょう。
- 水分を少しずつ、こまめに飲ませる
- 食欲がなくても無理に食べさせない
- 泣いたり興奮したりしないよう、安心できる環境をつくる
- 抱っこなど、お子さんが楽な姿勢で過ごさせる
- 夜間は呼吸の様子を普段より注意して確認する
- 処方された薬は医師の指示どおり使用する
泣いたり興奮したりすると呼吸が速くなり、吸気性喘鳴や陥没呼吸が強くなることがあります。できるだけ安心させ、落ち着いて過ごせるようにしましょう。
加湿や蒸気は効果がありますか?
加湿によってクループ症候群が改善するという十分な医学的根拠はありません。
室内が極端に乾燥している場合に、お子さんが過ごしやすい環境を整えることは構いませんが、加湿だけで治療できる病気ではありません。
また、熱い蒸気を吸わせる方法は、やけどの危険があります。浴室に熱い蒸気を充満させたり、熱湯の近くで蒸気を吸わせたりすることは避けてください。
小児科を受診する目安
次のような症状がある場合は、小児科を受診しましょう。
- 「ケンケン」という特徴的な咳が出ている
- 声がかすれている
- 息を吸うときに「ヒュー」という音がする
- 夜になると咳が強くなる
- 発熱が続いている
- 初めてクループ症候群と思われる症状が出た
- 一度落ち着いたあとに、再び咳や呼吸音が強くなった
- 症状を繰り返している
乳幼児は気道が細く、短時間で症状が変化することがあります。受診するか迷う場合も、早めに小児科へ相談してください。
すぐに受診が必要な症状
次のような症状がある場合は、時間帯にかかわらず、速やかに医療機関を受診してください。
- 安静にしていても「ヒュー」という呼吸音がする
- 息をするたびに胸や首が大きくへこむ
- 呼吸が非常に速い
- 肩で息をしている
- 苦しくて横になれない
- 水分がほとんど飲めない
- 顔色が悪い
- 唇が青紫色になっている
- 声や泣き声が弱い
- ぐったりしている
- 呼びかけへの反応が弱い
それまで聞こえていた呼吸音が小さくなった場合でも、顔色や反応が悪くなっているときは注意が必要です。
音が弱くなったからといって、必ずしも改善したとは限りません。呼吸する力が弱くなり、十分に空気を動かせていない可能性があります。
よだれが多く、飲み込めない場合
よだれが多く、唾液を飲み込めない、強いのどの痛みがある、座ったまま前かがみになって呼吸しているなどの症状は、一般的なウイルス性クループ以外の病気を考える必要があります。
急性喉頭蓋炎、咽後膿瘍、気道異物など、緊急性の高い病気が隠れている可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。
のどを無理にのぞいたり、舌を押さえたりすると、呼吸状態が悪化する可能性があります。ご家庭で無理に確認しないようにしましょう。
登園・登校の目安
クループ症候群は、一律の登園・登校停止期間が定められている病気ではありません。
登園・登校を再開する目安は、次のとおりです。
- 咳や呼吸が安定している
- 発熱などの症状が改善している
- 食事や水分を無理なく取れる
- 元気があり、普段どおり集団生活を送れる
「ケンケン」という咳が完全になくなるまで、必ず休まなければならないわけではありません。咳が少し残っていても、呼吸が安定し、全身状態がよければ登園・登校できる場合があります。
ただし、原因となった感染症によっては、別の登園・登校基準が設けられている場合があります。保育園、幼稚園、学校の決まりも確認してください。
クループ症候群は予防できますか?
クループ症候群を完全に予防することは難しいですが、原因となるウイルスへの感染を減らすことはできます。
日頃から、次の感染対策を心がけましょう。
- 外出後や食事前に手を洗う
- 咳やくしゃみをするときは口や鼻を覆う
- 鼻水や唾液が付いたティッシュを早めに処分する
- タオルの共用をできるだけ避ける
- よく触るおもちゃや場所を清潔にする
- 体調不良時は無理に登園や外出をしない
インフルエンザなど、予防接種で防げる感染症については、適切な時期にワクチンを受けることも大切です。
よくある質問
Q. クループ症候群は家族にうつりますか?
クループ症候群という状態そのものがうつるわけではありません。
原因となるウイルスが、咳やくしゃみのしぶき、手、おもちゃなどを介して家族や周囲の人に感染します。
同じウイルスに感染しても、乳幼児ではクループ症候群になり、年長児や大人では一般的な風邪症状だけで終わることがあります。
Q. なぜ夜になると悪化するのですか?
クループ症候群は、夜間から明け方に咳や呼吸音が強くなることがあります。
昼間に症状が落ち着いていても、次の夜に再び悪化する可能性があります。症状が出てから数日間は、夜間の呼吸状態を注意して確認しましょう。
Q. お風呂に入っても大丈夫ですか?
呼吸が落ち着き、全身状態がよければ、入浴しても構いません。
ただし、入浴によって咳や呼吸の苦しさが増す場合や、ぐったりしている場合は控えましょう。長時間の入浴や、熱い蒸気を吸わせることは避けてください。
Q. 食事は何を食べさせればよいですか?
食欲がないときは、無理に食べさせる必要はありません。まずは、水分を少しずつ飲めているかを確認しましょう。
食べられる場合は、お子さんが食べやすいものを無理のない量で与えてください。特定の食べ物によってクループ症候群が早く治るわけではありません。
Q. 市販の咳止めを使ってもよいですか?
クループ症候群の咳は、のどの腫れによって起こります。一般的な咳止めだけでは十分な効果が得られないことがあります。
自己判断で薬を追加せず、小児科で呼吸状態を確認してもらいましょう。特に、息を吸うときに音がする場合は、咳止めで様子を見るのではなく受診が必要です。
Q. クループ症候群は繰り返しますか?
繰り返すことがあります。
乳幼児では、風邪をひくたびにクループのような咳が出る場合があります。ただし、頻繁に繰り返す、年齢が上がっても続く、症状が長引く場合には、気道の形やほかの病気が関係していないか確認することがあります。
Q. 気管支喘息とは違いますか?
クループ症候群は、主に喉頭などの上側の気道が腫れる病気です。一方、気管支喘息は、肺につながる気管支が狭くなる病気です。
クループでは、息を吸うときに「ヒュー」という音が聞こえやすく、気管支喘息では、息を吐くときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が聞こえやすいという違いがあります。
ただし、ご家庭で音の違いを正確に判断することは難しいため、呼吸音が気になる場合は小児科を受診してください。
Q. 何日くらいで治りますか?
多くの場合、強い症状は数日以内に改善します。特徴的な咳は、最初の1~2晩に強くなることがあります。
一般的な風邪症状や軽い咳は、その後もしばらく残ることがあります。症状が長引く、再び悪化する、高熱が続く場合は、再度受診してください。
横浜市・みなとみらいで「ケンケン」という咳が心配なお子さんへ
横浜市西区みなとみらいに位置するみなとみらい小児科クリニックは、新高島駅から徒歩8分、みなとみらい駅から徒歩10分の場所にあります。
当院では、クループ症候群の診療を行っています。
診察では、特徴的な咳や呼吸音だけでなく、次のような点を丁寧に確認します。
- 安静時の吸気性喘鳴
- 胸や首のへこみ
- 呼吸の速さ
- 顔色や反応
- 水分摂取の状態
- 酸素飽和度(SpO₂)
症状の程度に応じて治療を行い、呼吸状態が悪い場合や入院治療が必要と判断した場合には、高次医療機関へ速やかにご紹介します。
実際の診療では、
- 夜になって突然「ケンケン」という咳が出た
- 喘息の「ゼーゼー」との違いが分からない
- 朝には落ち着いたため、受診するか迷っている
- 次の夜にまた悪くならないか心配
といったご相談をいただくことが少なくありません。
受診時に症状が落ち着いている場合には、ご自宅で撮影した咳や呼吸音の動画が診断の参考になることがあります。ただし、呼吸が苦しそうな場合には、撮影よりも受診を優先してください。
クループ症候群は、適切な治療によって改善することが多い病気です。一方で、夜間に急に悪化することもあります。
お子さんの呼吸や咳が心配なときは、早めにご相談ください。
まとめ
クループ症候群は、主にウイルス感染によって喉頭周囲が腫れ、「ケンケン」という特徴的な咳や、息を吸うときの呼吸音が現れる病気です。
軽症であれば自然に改善することもありますが、安静時にも呼吸音がする、胸や首がへこむ、顔色が悪い、水分が飲めないなどの症状がある場合は、速やかな受診が必要です。
治療では、症状に応じてステロイド薬やアドレナリン吸入を行います。ご家庭では、お子さんをできるだけ落ち着かせ、水分を少しずつ飲ませながら、特に夜間の呼吸状態を注意して確認しましょう。
参考資料
- 日本小児感染症学会・日本小児呼吸器学会『小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022』
- 日本小児科学会「パラインフルエンザウイルス感染症」
- 日本小児科学会『学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説』
- 日本小児呼吸器学会 診療ガイドライン・学会発行資料
- 日本小児感染症学会 小児呼吸器感染症に関する資料
- 日本小児救急医学会 小児救急診療に関する資料
公開日:2026年6月30日
更新日:2026年7月26日
監修者:みなとみらい小児科クリニック院長
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック


































