生後3か月未満の赤ちゃんの発熱|38℃以上は受診が必要? 小児科医がわかりやすく解説

お知らせ
2026.06.30

生後3か月未満の赤ちゃんの発熱|38℃以上は受診が必要?原因・検査・治療を小児科医がわかりやすく解説

生後3か月未満の赤ちゃんが38℃以上の発熱をした場合は、早めの受診が必要です。原因や症状、病院で行う検査、治療、入院が必要になる場合まで、小児科医が保護者の方にもわかりやすく解説します。

生後3か月未満で38℃以上の熱があったら、できるだけ早く受診しましょう

生後3か月未満の赤ちゃんが38.0℃以上の発熱をした場合は、元気そうに見えても早めの小児科受診が大切です。この時期は免疫機能がまだ十分に発達しておらず、風邪などのウイルス感染だけでなく、尿路感染症や敗血症、髄膜炎などの重い細菌感染症が隠れていることがあります。特に生後28日未満では入院して詳しい検査や治療が必要になることもあるため、「少し様子を見よう」と自己判断せず、できるだけ早く医療機関へ相談しましょう。

「熱はあるけれど元気そう…」それでも受診した方がいいの?

保護者の方からよくいただくご相談に、

「熱はあるけれど機嫌はいいです。」

「母乳やミルクも飲めています。」

「夜まで様子を見ても大丈夫でしょうか?」

というものがあります。

年長のお子さんでは元気さを参考に様子を見ることもありますが、生後3か月未満の赤ちゃんでは事情が異なります。

この時期は、見た目では重い病気かどうかを判断することが難しく、発熱だけが唯一のサインであることも少なくありません。

そのため、日本小児科学会や日本小児感染症学会などでも、生後3か月未満の38℃以上の発熱は慎重に診療することが推奨されています。

「元気だから大丈夫」と安心せず、一度小児科で診察を受けることが赤ちゃんを守ることにつながります。

生後3か月未満の発熱とは?

一般的に38.0℃以上を発熱といいます。

赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、泣いた後や厚着、室温が高いことで体温が少し上がることがあります。しかし、そのような場合でも38℃以上が続くときは感染症などの病気を考える必要があります。

体温を測るときは、できるだけ脇の下を乾かし、電子体温計を正しく挟んで測定しましょう。

家庭で何度か測って38℃以上が確認できた場合は、小児科へ相談してください。

なぜ生後3か月未満の発熱は特別なのでしょうか?

赤ちゃんは、お母さんから受け継いだ免疫に守られている一方、自分自身の免疫機能はまだ十分に成熟していません。

そのため、細菌が体内に入り込むと短時間で重症化してしまうことがあります。

特に注意が必要なのは、

  • 敗血症
  • 細菌性髄膜炎
  • 尿路感染症
  • 肺炎

などです。

これらは早期に診断し、適切な治療を始めることで重症化を防げる可能性があります。

そのため、生後3か月未満の発熱は「様子を見る病気」ではなく、「原因を調べる必要があるサイン」と考えられています。

発熱の原因

最も多いのはウイルス感染

発熱の原因として最も多いのはウイルス感染です。

代表的なものには

  • ライノウイルス(かぜ)
  • RSウイルス
  • ヒトメタニューモウイルス
  • インフルエンザウイルス
  • 新型コロナウイルス

などがあります。

ウイルス感染では咳や鼻水を伴うことが多いですが、熱だけが最初の症状であることもあります。

注意が必要な細菌感染症

生後3か月未満では細菌感染症にも十分注意が必要です。

代表的なものは

  • 尿路感染症
  • 敗血症
  • 細菌性髄膜炎
  • 肺炎

です。

なかでも尿路感染症は乳児の発熱の原因として比較的多く、咳や鼻水がなく、熱だけで受診されることも珍しくありません。

発熱だけだからといって軽い風邪とは限らないため、尿検査を行うことがあります。

症状

発熱以外には次のような症状がみられることがあります。

  • 母乳・ミルクの飲みが悪い
  • 元気がない
  • ぐったりしている
  • 泣き方が弱い
  • 呼吸が速い
  • 呼吸が苦しそう
  • 鼻水
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 顔色が悪い

一方で、重い感染症であっても発熱以外にほとんど症状がないことがあります。

そのため、保護者の方が「いつもより少し様子が違う」と感じることも大切なサインになります。

病院ではどんな検査をするの?

診察では、赤ちゃんの顔色や呼吸、機嫌、水分摂取の様子などを丁寧に確認します。

そのうえで必要に応じて、

  • 血液検査
  • 尿検査
  • 尿培養検査
  • 血液培養検査
  • 鼻やのどの迅速検査
  • 胸部レントゲン検査

などを行います。

また、髄膜炎が疑われる場合には髄液検査を行うことがあります。

検査内容はすべてのお子さんに同じではなく、月齢や診察所見、全身状態を総合的に判断して決定します。

入院になることはありますか?

保護者の方から最も多い質問の一つが、

「元気そうなのに入院になりますか?」

というものです。

特に生後28日未満では、重い細菌感染症を否定できないため、入院して詳しい検査や点滴による抗菌薬治療を行うことが一般的です。

生後1〜3か月では、赤ちゃんの月齢や診察所見、検査結果を総合的に判断し、外来で経過を見る場合と入院が必要になる場合があります。

入院と聞くと驚かれる保護者の方も多いですが、安全を第一に考えた結果であり、赤ちゃんを守るための大切な判断です。

治療

治療は原因によって異なります。

ウイルス感染では十分な水分補給を行いながら自然に回復を待つことが多く、必要に応じて解熱剤などを使用します。

一方、細菌感染症が疑われる場合には、点滴による抗菌薬(抗生物質)の治療が必要になります。

特に新生児期は病気の進行が早いことがあるため、診断がつく前から抗菌薬を開始することもあります。

保護者の方にとっては「検査が多い」「入院になるかもしれない」と不安に感じられるかもしれません。しかし、これらは重い感染症を見逃さず、赤ちゃんを安全に治療するために重要な対応です。

家庭でできるケア

生後3か月未満の赤ちゃんが発熱した場合は、無理に熱を下げることよりも、早めに医療機関を受診することが大切です。

受診までの間は、次のような点に気を付けましょう。

  • 母乳やミルクは欲しがる分だけ少しずつ飲ませる
  • 厚着をさせすぎず、室温を快適に保つ
  • 顔色や呼吸の様子をよく観察する
  • おしっこの回数や量を確認する

熱があるからといって、厚着や毛布でたくさん包む必要はありません。赤ちゃんが快適に過ごせる環境を整えることが大切です。

また、市販の風邪薬や解熱剤を自己判断で使用することはおすすめできません。月齢によって使用できる薬が限られるため、必ず医師の指示に従ってください。

こんな時はすぐに受診してください

生後3か月未満の赤ちゃんでは、38.0℃以上の発熱があれば、できるだけ早く小児科を受診してください。

さらに次のような症状がある場合は、夜間や休日であっても救急受診を検討しましょう。

  • 母乳・ミルクをほとんど飲めない
  • ぐったりしている
  • 呼びかけへの反応が弱い
  • 呼吸が苦しそう、呼吸が速い
  • 顔色が悪い
  • 唇の色が紫色っぽい
  • 繰り返し吐いている
  • けいれんを起こした
  • おしっこが極端に少ない

「受診した方がいいか迷う」という場合も、自己判断せず医療機関へ相談することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q. 熱があっても機嫌がよければ様子を見てもいいですか?

いいえ。

生後3か月未満では、元気そうに見えても重い細菌感染症が隠れていることがあります。38℃以上の発熱があれば早めの受診をおすすめします。

Q. 母乳やミルクが飲めていれば安心ですか?

飲めていても安心とは言えません。

飲めていることは良いサインですが、細菌感染症では初期には飲めていることもあります。医師による診察を受けましょう。

Q. ワクチン接種後の発熱でも受診した方がよいですか?

ワクチン接種後には発熱することがあります。

しかし、生後3か月未満ではワクチンによる発熱だけとは限りません。不安な場合は接種後であっても小児科へご相談ください。

Q. 解熱剤は使った方がいいですか?

自己判断では使用しないようにしましょう。

生後3か月未満では使用できる薬が限られており、原因が分からないまま解熱剤を使用すると診断の妨げになる場合もあります。

Q. 夜中に熱が出たら朝まで待ってもいいですか?

生後3か月未満で38℃以上の発熱がある場合は、夜間であっても医療機関へ相談することをおすすめします。

夜間救急や小児救急相談窓口(#8000)も活用してください。

参考資料

本記事は以下の資料を参考に作成しています。

  • 厚生労働省
  • 日本小児科学会
  • 日本小児感染症学会
  • 日本新生児成育医学会
  • 日本小児救急医学会
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児呼吸器学会
  • 日本小児神経学会
  • 日本小児循環器学会
  • 日本小児腎臓病学会
  • 日本小児内分泌学会
  • 日本小児血液・がん学会
  • 日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 日本小児リウマチ学会
  • 日本川崎病学会
  • 日本小児在宅医学会
  • 日本国際小児保健学会
  • 日本小児心身医学会
  • 日本子ども虐待医学会
  • 日本先天代謝異常学会
  • 日本小児体液研究会
  • 日本マススクリーニング学会
  • 日本小児東洋医学会
  • 国立健康危機管理研究機構 感染症情報サイト(旧 国立感染症研究所)
  • Nelson Textbook of Pediatrics
  • Red Book: Report of the Committee on Infectious Diseases

みなとみらい小児科クリニックでの診療

みなとみらい小児科クリニックでは、生後3か月未満の赤ちゃんの発熱診療を行っています。

当院では、「熱はあるけれど元気そう」「母乳やミルクは飲めているけれど受診した方がよいのか分からない」「夜間に熱が出て心配」といったご相談を多くいただきます。

生後3か月未満の赤ちゃんでは、見た目だけで重い感染症を判断することは困難です。当院では月齢や全身状態を丁寧に診察し、必要に応じて血液検査や尿検査を行っています。また、入院や専門的な治療が必要と判断した場合には、速やかに高次医療機関へご紹介できる体制を整えています。

横浜市西区・みなとみらい周辺で、生後3か月未満のお子さんの発熱でご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック