MRワクチンとは?接種時期・副反応・同時接種を小児科医がわかりやすく解説

お知らせ
2026.07.18

MRワクチンとは?麻しん・風しんを予防する大切な定期予防接種

MRワクチンは、麻しん(はしか)と風しんを予防する注射生ワクチンです。日本では、1歳と小学校入学前の1年間に、合計2回の定期接種を行います。

麻しんは感染力が非常に強く、肺炎や脳炎、急性脳症などの重い合併症を起こすことがあります。風しんは子どもでは比較的軽く経過することが多い一方、妊娠中の女性が感染すると、お腹の赤ちゃんに先天性風しん症候群が起こる可能性があります。

MRワクチンは、お子さん自身を感染症から守るだけでなく、家族や地域の人への感染拡大を防ぐためにも大切な予防接種です。

「麻しんは昔の病気ではないの?」
「風しんは子どもなら軽く済むの?」
「副反応が心配」

このような疑問や不安がある方に向けて、接種時期や副反応、同時接種について分かりやすく解説します。

MRワクチンとは

MRワクチンは、次の2つの感染症を1回の注射で予防する混合ワクチンです。

  • 麻しん(はしか)
  • 風しん(三日はしか)

MRの「M」は、麻しんを意味するMeasles、「R」は風しんを意味するRubellaの頭文字です。

病原性を弱めたウイルスを使用する注射生ワクチンで、日本では定期予防接種として原則2回接種します。

MRワクチンで予防できる病気

麻しん(はしか)

麻しんは、麻しんウイルスによる感染症です。空気感染、飛沫感染、接触感染によって広がり、非常に感染力が強いことが特徴です。

感染すると、発熱、咳、鼻水、目の充血などの症状が現れます。いったん熱が少し下がったあと、再び高熱となり、全身に発疹が広がることがあります。

麻しんでは、次のような合併症を起こすことがあります。

  • 中耳炎
  • 肺炎
  • 脳炎
  • 急性脳症

まれですが、感染から数年後に、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という進行性の重い神経疾患を発症することもあります。

麻しんそのものに対する特別な治療薬はなく、治療は症状を和らげる対応が中心です。そのため、ワクチンによる予防がとても重要です。

風しん

風しんは、風しんウイルスによる感染症です。

主な症状は、発熱、発疹、耳の後ろや首のリンパ節の腫れです。症状が軽い場合や、感染しても症状がほとんど現れない場合もあります。

子どもでは比較的軽く経過することが多い一方、まれに次のような合併症を起こします。

  • 血小板減少性紫斑病
  • 脳炎

また、風しんに対する免疫が十分でない妊婦さんが、妊娠初期を中心に感染すると、お腹の赤ちゃんに先天性風しん症候群が起こる可能性があります。

先天性風しん症候群では、次のような症状がみられることがあります。

  • 難聴
  • 先天性心疾患
  • 白内障
  • 発達への影響

お子さんがMRワクチンを受けることは、お子さん自身だけでなく、妊婦さんや生まれてくる赤ちゃんを守ることにもつながります。

MRワクチンを接種する目的

MRワクチンには、主に3つの目的があります。

お子さん自身を守る

麻しんや風しんへの感染を予防し、肺炎や脳炎などの重い合併症を防ぐことが期待されます。

周囲の人を守る

多くの人が予防接種を受けることで感染の広がりを抑え、まだワクチンを受けられない赤ちゃんや、免疫機能が低下している方を守ることにつながります。

先天性風しん症候群を防ぐ

社会全体で風しんの流行を抑えることは、妊婦さんとお腹の赤ちゃんを守るためにも重要です。

MRワクチンの接種スケジュール

MRワクチンの定期接種は、原則として2回です。

第1期

対象は、1歳以上2歳未満です。

1歳の誕生日の前日から2歳の誕生日の前日までが定期接種の対象期間です。麻しんは感染力が非常に強いため、1歳になったらできるだけ早く接種しましょう。

第2期

対象は、5歳以上7歳未満で、小学校入学前の1年間です。

一般的には、幼稚園や保育園の年長にあたる年度に接種します。

1回目の接種だけでは十分な免疫が得られないことがあるため、より確実な予防につなげる目的で2回目を接種します。

年長児になったら母子健康手帳を確認し、接種を忘れていないか確認しましょう。

接種時期を過ぎてしまった場合

「忙しくて受けそびれてしまった」
「接種したかどうか分からない」

という場合は、まず母子健康手帳を確認してください。

定期接種の対象期間内であれば、できるだけ早めに接種しましょう。対象期間を過ぎた場合でも、任意接種として自費で接種できることがあります。

自治体によって特例措置が設けられる場合もあるため、お住まいの自治体または医療機関へご相談ください。

他のワクチンと同時接種できますか?

MRワクチンは、医師が必要と判断した場合には、ほかのワクチンと同時接種できます。

1歳頃には、MRワクチンとあわせて、次のワクチンも接種時期を迎えることがあります。

  • 水痘ワクチン
  • おたふくかぜワクチン
  • 小児用肺炎球菌ワクチンの追加接種

同時接種には、必要な予防接種を適切な時期に受けやすくし、接種の遅れを防ぐ利点があります。

MRワクチンと水痘ワクチンなどの注射生ワクチンを別の日に接種する場合は、原則として27日以上の間隔が必要です。同じ日に同時接種することは可能です。

接種するワクチンの組み合わせは、お子さんの年齢、接種歴、体調などを確認して決めます。

MRワクチンの副反応

MRワクチンの接種後には、次のような症状がみられることがあります。

  • 発熱
  • 発疹
  • 鼻水
  • 注射した部分の赤み
  • 注射した部分の腫れ

MRワクチンは生ワクチンのため、接種直後ではなく、接種から数日後に発熱や発疹が現れることがあります。

多くは一時的で、自然に改善します。発熱した場合は、水分が取れているか、元気があるか、呼吸が苦しくないかなどを確認してください。

接種後に受診した方がよい症状

非常にまれですが、MRワクチン接種後に次のような症状が報告されています。

  • アナフィラキシー
  • けいれん
  • 血小板減少性紫斑病
  • 急性散在性脳脊髄炎
  • 脳炎・脳症

これらには、ワクチンとの因果関係が明らかでない報告も含まれています。

接種後に次のような症状がみられた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

  • 呼吸が苦しそう
  • 顔色が悪い
  • 全身にじんましんが出た
  • 意識がはっきりしない
  • けいれんした
  • 強くぐったりしている
  • 高熱が続いている

よくある質問

卵アレルギーがあっても接種できますか?

一般的な卵アレルギーだけを理由に、MRワクチンを避ける必要はないとされています。

MRワクチンはニワトリの胚細胞を用いて製造されていますが、卵そのものを使って製造しているわけではありません。

ただし、過去のワクチン接種でアナフィラキシーを起こしたことがある場合や、重いアレルギーの既往がある場合は、接種前に医師へお伝えください。

少し風邪気味でも接種できますか?

軽い鼻水や咳があっても、元気があり、発熱や強い体調不良がなければ接種できることがあります。

一方で、明らかな発熱がある場合や、重い急性疾患にかかっている場合は、接種を延期します。

接種できるかどうかは、症状の名前だけではなく、お子さんの全身状態を確認して判断します。

MRワクチンを受けられないことはありますか?

次のような場合は、接種できないことがあります。

  • 明らかな発熱がある
  • 重い急性疾患にかかっている
  • MRワクチンの成分でアナフィラキシーを起こしたことがある
  • 免疫機能に異常がある
  • 免疫を抑える治療を受けている

基礎疾患がある場合、けいれんを起こしたことがある場合、過去の予防接種後に強い体調変化があった場合は、事前に医師へご相談ください。

副反応が心配なお父さん、お母さんへ

MRワクチンでは、発熱や発疹などがみられることがありますが、多くは一時的なものです。

一方で、麻しんに感染すると、肺炎、脳炎、急性脳症などの重い合併症を起こす可能性があります。風しんも、妊婦さんへの感染を通じて先天性風しん症候群につながることがあります。

MRワクチンは、接種による利益が副反応などのリスクを上回ると考えられているため、日本で定期予防接種として実施されています。

不安なことがある場合は、一人で悩まず、接種前に小児科医へご相談ください。

横浜市西区・中区・神奈川区でMRワクチン接種をご希望の方へ

横浜市西区みなとみらいに位置するみなとみらい小児科クリニックは、新高島駅から徒歩8分、みなとみらい駅から徒歩10分の場所にあります。

当院では、MRワクチンをはじめ、生後2か月からの定期予防接種・任意予防接種を行っています。

1歳頃は、MRワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの追加接種などが重なりやすい時期です。

「どのワクチンを同じ日に受ければよいか分からない」
「接種の順番が分からない」
「受け忘れているワクチンがないか心配」

このようなご相談も多くいただきます。

当院では母子健康手帳を確認し、お子さん一人ひとりの年齢や接種歴に合わせて、今後の接種スケジュールをご案内しています。

接種前には小児科医が問診と診察を行い、体調、予防接種歴、アレルギー歴などを確認したうえで、安全に配慮して接種します。

当院の予防接種は完全予約制です。ご来院の際は、次のものをお持ちください。

  • 予診票
  • 母子健康手帳
  • マイナンバーカードまたは資格確認証
  • 小児医療証
  • おくすり手帳

横浜市西区・中区・神奈川区や、みなとみらい周辺でMRワクチン接種をご希望の方は、お気軽にご相談ください。

参考資料

NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会「MRワクチン」

厚生労働省「MRワクチン」

厚生労働省「風しんについて」

国立健康危機管理研究機構「麻しん」

日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック