起立性調節障害とは?朝起きられない・立ちくらみの原因と症状を小児科医が解説

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2026.08.27

子どもの起立性調節障害とは?朝起きられない原因・症状・診断を解説

「朝、何度声をかけても起きられない」
「立ち上がると、めまいや立ちくらみがする」
「午前中はつらそうなのに、午後になると元気になる」

お子さんにこのような症状が続くと、「何か病気があるの?」「学校に行きたくないだけなの?」と心配になる保護者の方も多いと思います。

起立性調節障害(OD)は、立ち上がったときの血圧や心拍数などの調節がうまくいかず、朝の起床困難、立ちくらみ、頭痛、だるさなどが現れる病気です。

特に思春期のお子さんにみられ、本人の怠けや気持ちの問題だけで起こるものではありません。

一方、似た症状はほかの病気でも起こります。症状が続く場合には、小児科で原因を確認することが大切です。

起立性調節障害とは?

起立性調節障害は、自律神経などによる循環調節がうまく働かず、起き上がったときや立っているときなどに体調不良が現れる病気です。

自律神経とは、血圧や心拍数、体温などを無意識のうちに調節する神経です。

横になった状態から立ち上がると、重力によって血液が下半身へ移動します。

通常は血管の収縮や心拍数の調節によって、血圧や脳への血流が保たれます。

起立性調節障害では、この調節が十分に働かないことがあります。

起立性調節障害の原因と症状を悪化させる要因

起立性調節障害には、起立時の循環調節機能の異常が関係しています。

ただし、一つの原因だけで起こる病気ではありません。

また、発症や症状の悪化には、次のような要因が関係することがあります。

これらは、すべてのお子さんに共通する発症原因ではありません。

睡眠の問題や生活リズムの乱れが重なる場合もあります。

心理的なストレスだけが原因とは限らず、身体面と心理社会面の両方を確認することが大切です。

起立性調節障害の主な症状

起立性調節障害では、朝の起床困難、立ちくらみ、頭痛、だるさ、動悸など、さまざまな症状がみられます。

すべての症状が現れるわけではありません。

症状の種類や強さには個人差があり、日によって変化することもあります。

朝起きられない・午後になると元気になるのはなぜ?

起立性調節障害では、午前中に症状が強く、午後から夕方になると軽くなることがあります。

このような時間帯による症状の変化を「日内変動」といいます。

例えば、

  • 朝、声をかけてもなかなか起きられない
  • 起き上がると立ちくらみや気分不良が現れる
  • 午前中は体がだるく、横になっていたい
  • 午後になると少しずつ活動できる

といった様子がみられることがあります。

また、立っていると症状が強くなり、横になると軽くなる場合もあります。

ただし、すべてのお子さんに同じ症状や日内変動がみられるわけではありません。

朝起きられないという症状だけで起立性調節障害と診断することはできません。

睡眠不足や睡眠・覚醒リズムの問題などでも、似た症状が現れます。

起立性調節障害は「怠け」ではありません

朝起きられないことを、本人の怠けや気持ちの弱さだけで判断しないことが重要です。

朝は学校に行けないほどつらくても、夕方には元気そうに見える場合があります。

そのため、周囲から症状を理解してもらえず、本人がつらい思いをすることがあります。

起立性調節障害では、実際に循環調節の問題が関係しています。

本人を責めるのではなく、体調の変化を理解し、適切な診察や支援につなげることが大切です。

起立性調節障害にはどんなタイプがある?

起立性調節障害には、起立時の血圧や心拍数の変化などによって、いくつかのタイプがあります。

血管迷走神経性失神では、痛みや恐怖などが誘因になることもあり、心拍数の低下を伴う場合もあります。

タイプによって体の反応が異なるため、症状だけで判断することはできません。

起立性調節障害はどのように診断する?

診断では、症状や生活状況を確認し、ほかの病気の可能性を検討したうえで、起立試験などによって評価します。

診察では、症状が始まった時期、時間帯による変化、失神の有無、睡眠、食事、水分摂取、学校生活への影響などを確認します。

特に失神がある場合には、運動中に起きたか、胸痛や動悸を伴ったかなども重要です。

家族に若い年齢での突然死、不整脈、遺伝性の心臓病がある場合は、医師に伝えてください。

ほかの病気や併存症がないか確認します

起立性調節障害と似た症状は、次のような病気でも現れることがあります。

  • 鉄欠乏性貧血
  • 不整脈などの心臓の病気
  • 甲状腺などの内分泌疾患
  • てんかんなどの神経疾患
  • 睡眠障害

また、起立性調節障害では、片頭痛や緊張型頭痛、機能性消化管障害、睡眠障害などを併せ持つことがあります。

頭痛や腹痛、朝の起床困難がすべて起立性調節障害によるとは限りません。

例えば、頭痛を繰り返す場合は、起立性調節障害に伴う症状だけでなく、片頭痛などの可能性も考える必要があります。

腹痛が続く場合も、便秘や機能性腹痛症など、ほかの原因を検討します。

必要に応じて、それぞれの症状を評価することが大切です。

起立試験とは?

起立試験は、横になった状態から立ち上がったときの血圧や心拍数、症状の変化を調べる検査です。

日本小児心身医学会の診断体系では「新起立試験」が用いられています。

検査結果と日常生活での症状、ほかの病気の可能性などを合わせて総合的に判断します。

起立試験や心電図などの実施体制は医療機関によって異なります。

専門的な評価が必要な場合には、対応可能な医療機関への紹介を検討します。

保護者の方に知っていただきたいこと

起立性調節障害は、外見だけではつらさが分かりにくい病気です。

受診前には、起床時刻、症状が強い時間帯、立ちくらみや失神の有無、水分摂取の状況、学校生活への影響などを記録しておくと、診察時の参考になります。

お子さんの訴えを受け止めながら、症状が続いている場合には小児科へご相談ください。

起立性調節障害の治療

起立性調節障害の治療では、病気を正しく理解し、生活上の工夫や学校との連携を行いながら、必要に応じて薬物療法などを組み合わせます。

症状の強さや日常生活への影響は、お子さんによって異なります。

主な治療・対応は次のとおりです。

家庭でできる起立性調節障害のケア

水分・塩分摂取、ゆっくり立ち上がること、無理のない運動などが基本的な対策です。

水分を十分にとりましょう

日本小児心身医学会の一般向け情報では、1日1.5〜2L程度の水分摂取が目安として示されています。

一度に大量に飲むのではなく、こまめに水分をとりましょう。

ただし、この数値をすべての年齢のお子さんに一律に適用するわけではありません。

年齢や体格、活動量、持病などによって適切な量は異なります。特に心臓や腎臓などの病気がある場合は、主治医に相談してください。

塩分を適切にとりましょう

日本小児心身医学会では、通常の食事に加えて1日3g程度の食塩摂取が目安として示されています。

これは食塩の量であり、ナトリウムそのものの量ではありません。

ただし、すべてのお子さんに同じ量が適しているわけではありません。

年齢、体格、持病などを考慮し、医師と相談して調整してください。高血圧や心臓・腎臓の病気などがある場合には、塩分を増やすことが適切でないこともあります。

急に立ち上がらないようにしましょう

起き上がるときは急に立たず、ゆっくり体を起こします。

また、長時間じっと立ち続けないようにしましょう。

立っているときに足を交差させるなどの工夫もあります。

立ちくらみが起きたときは、転倒を防ぐため、安全な場所で座るか横になりましょう。

無理のない範囲で体を動かしましょう

適度な運動は、体力や筋力の低下を防ぐために大切です。

日本小児心身医学会では、毎日30分程度の歩行が目安の一つとして示されています。

ただし、症状が強い場合には無理をせず、医師と相談しながら運動量を調整します。

運動中に失神した場合は、心臓の病気が隠れている可能性があります。速やかに医療機関で評価を受け、原因が確認されるまでは激しい運動を控えてください。

生活リズムを整えましょう

起床・就寝時刻をできるだけ整え、昼夜逆転を避けるようにします。

ただし、「早く寝れば治る」「朝、無理に起こせば治る」という病気ではありません。

体調に合わせて、できることから少しずつ取り組むことが大切です。

起立性調節障害の薬による治療

生活上の工夫を行っても症状が強い場合には、薬物療法を検討することがあります。

起立性調節障害では、ミドドリンなどが使用される場合があります。

薬の必要性や種類は、症状、病型、血圧や心拍数の変化などによって異なります。

すべてのお子さんに薬が必要なわけではありません。

薬の効果や副作用を確認しながら、医師の指示に従って使用します。

心理的なストレスへの対応も大切です

起立性調節障害では、身体的な不調に加えて、学校生活への不安や周囲の理解不足が負担になることがあります。

本人のつらさを否定せず、困っていることを丁寧に聞くことが大切です。

必要に応じて心理的な支援を組み合わせることもあります。

起立性調節障害と学校生活

起立性調節障害では、学校側に病気の特徴を理解してもらい、お子さんの状態に合わせた配慮を相談することが大切です。

例えば、

  • 朝礼など長時間立つ活動への配慮
  • 体育などの運動量の調整
  • 体調が悪くなったときに休める環境
  • 欠席した授業や学習についての相談

などを検討します。

症状によって必要な配慮は異なります。

本人・家族・学校・医療機関が情報を共有しながら対応を考えていきましょう。

起立性調節障害の登校の目安

起立性調節障害は感染症ではないため、一律に決められた出席停止期間はありません。

体調がよければ登校できます。

一方、朝の症状が強い場合には、通常どおりの時間に登校することが難しいこともあります。

そのような場合は、遅れて登校する、授業の一部に参加するなど、体調に合わせた方法を学校と相談します。

学校に病状を説明するため、診断書や医師からの情報提供が必要になる場合もあります。

無理に登校を続けることだけを目標にせず、学習や友人とのつながりも大切にしながら支援します。

起立性調節障害はどのくらいで改善する?

起立性調節障害の改善までの期間には、大きな個人差があります。

日本小児心身医学会の一般向け情報では、軽症例では適切な治療によって2〜3か月で改善することがあるとされています。

一方、長期欠席を伴う重症例では、社会復帰まで2〜3年以上を要する場合があるとされています。

ただし、これらは個々のお子さんの回復期間を予測する数字ではありません。

焦らず、症状や生活状況に合わせて治療を続けることが大切です。

小児科を受診したほうがよい目安

朝起きられない、立ちくらみ、頭痛などが繰り返しみられ、日常生活や学校生活に支障が出ている場合には、小児科へ相談してください。

例えば、

  • 朝起きられない状態が続く
  • 立ちくらみやめまいを繰り返す
  • 頭痛や腹痛、だるさが続く
  • 動悸や失神がある
  • 遅刻や欠席が増えている

といった場合が受診の目安です。

受診までの日数に一律の基準はありません。

症状が強い場合や失神がある場合には、日数にかかわらず早めに相談してください。

早めの受診・救急受診が必要な症状

失神には、心臓や神経などの病気が隠れている場合があります。

特に、

  • 運動中に失神した
  • 胸痛や強い動悸を伴って失神した
  • 繰り返し意識を失う
  • けいれんのような症状がある
  • 転倒して強く頭を打った

場合には、速やかな医療機関での評価が必要です。

意識が戻らない、正常な呼吸が確認できない、反応が著しく悪い場合には、直ちに119番へ連絡してください。

起立性調節障害についてよくある質問

Q. 起立性調節障害は何科を受診すればよいですか?

A. お子さんの場合は、まず小児科への相談をおすすめします。

必要に応じて専門医療機関での評価を検討します。

Q. 起立性調節障害ではどんな検査をしますか?

A. 症状や経過を確認し、必要に応じて起立試験などで評価します。

ほかの病気が疑われる場合には、血液検査や心電図なども検討します。実施できる検査は医療機関によって異なります。

Q. 午後になると元気になることはありますか?

A. はい。午前中に症状が強く、午後になると軽くなることがあります。

ただし、すべてのお子さんにみられるわけではありません。

Q. 学校は休ませたほうがよいですか?

A. 一律に休ませる必要はありません。

症状に合わせて、登校時間や学校での過ごし方を調整します。

Q. 起立性調節障害は治りますか?

A. 改善が期待できますが、経過には個人差があります。

症状や生活状況に合わせ、無理のない方法で治療や支援を続けることが大切です。

横浜市・みなとみらいで起立性調節障害が心配なお子さんへ

「朝起きられず学校に間に合わない」
「午前中に体調が悪く、学校生活に影響している」
「立ち上がるとふらつく」

このような症状が続くと、お子さん本人だけでなく、ご家族も心配になると思います。

みなとみらい小児科クリニックでは、起立性調節障害が疑われるお子さんの診療を行っています。

当院では、症状が始まった時期や時間帯による変化、睡眠、生活リズム、学校生活への影響などを確認しながら診察します。

また、起立性調節障害以外の病気が隠れていないかも検討します。

専門的な検査や評価が必要と判断した場合には、対応可能な医療機関への紹介を検討します。

横浜市西区・みなとみらい周辺で、お子さんの朝の起床困難や立ちくらみなどが続いている場合には、ご相談ください。

一般診療について

起立性調節障害だけでなく、発熱、咳・鼻水、嘔吐、下痢、腹痛、発疹・湿疹など、子どもによくみられる症状について一般小児科診療を行っています。

お子さんの症状について「何科を受診すればよいか分からない」「受診した方がよいか迷っている」といった場合もご相談ください。

→ 小児科一般診療|発熱・咳・腹痛・湿疹など子どもの症状をご相談ください

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参考資料

公開日:2026年8月27日
更新日:2026年10月20日
監修:みなとみらい小児科クリニック院長

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お車でお越しの方は、プライムコーストみなとみらいの大型立体駐車場をご利用いただけます。

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