
肺炎球菌ワクチンとは?接種時期・回数・副反応を小児科医がわかりやすく解説
赤ちゃんを重い細菌感染症から守る大切なワクチン
保護者の皆さまへ
赤ちゃんが生まれると、生後2か月頃から予防接種が始まります。
「こんなに小さいうちから受けても大丈夫?」
「肺炎球菌ワクチンは本当に必要?」
「副反応が心配…」
このような疑問や不安を感じる保護者の方は少なくありません。
生後数か月は、お母さんから受け継いだ免疫が少しずつ減り、赤ちゃん自身の免疫もまだ十分に発達していない時期です。そのため、重い感染症にかかりやすいことがあります。
肺炎球菌は、乳幼児に重い細菌感染症を起こすことがある細菌です。
肺炎球菌ワクチンは、特に細菌性髄膜炎や菌血症などの重い肺炎球菌感染症を予防するため、生後2か月から定期接種として行われています。
肺炎球菌ワクチンとは?
肺炎球菌ワクチンは、ワクチンに含まれる血清型の肺炎球菌による感染症、特に重い感染症を予防するためのワクチンです。
肺炎球菌には多くの血清型があります。
現在、日本の小児の定期接種では、原則として20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)が使用されています。15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)も使用可能です。
PCV15で接種を開始した場合は、原則としてPCV15で残りの接種を行います。
PCV20は20種類、PCV15は15種類の肺炎球菌の血清型に対する免疫をつけることを目的としたワクチンです。
なぜ肺炎球菌ワクチンが必要なのでしょうか?
肺炎球菌は、乳幼児の鼻やのどに存在することがある細菌です。
菌を持っていても必ず病気になるわけではありませんが、何らかのきっかけで菌が体内へ広がり、
- 細菌性髄膜炎
- 菌血症・敗血症
- 肺炎
- 急性中耳炎
などを起こすことがあります。
特に、肺炎球菌が血液や髄液、関節液など、本来細菌が存在しない場所へ侵入して起こる感染症を「侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)」といいます。
乳幼児、特に0歳児ではIPDを発症するリスクが高く、重症になると入院治療が必要になったり、後遺症が残ったり、命に関わったりすることがあります。
小児用肺炎球菌ワクチンが定期接種として普及したことで、日本では小児の侵襲性肺炎球菌感染症は大きく減少しています。
肺炎球菌ワクチンで予防が期待できる病気
細菌性髄膜炎
肺炎球菌が脳や脊髄を包む髄膜に感染する病気です。
発熱、けいれん、意識障害などを起こすことがあります。
重症の場合には、難聴、神経障害、発達への影響などの後遺症が残ったり、命に関わったりすることがあります。
菌血症・敗血症
肺炎球菌が血液の中に入り込むことで起こります。
感染が全身へ広がり重症化すると、血圧が低下したり、複数の臓器に影響したりすることがあります。
早期の診断と治療が重要です。
肺炎
肺炎球菌は、子どもの細菌性肺炎の原因となる細菌の一つです。
発熱、咳、呼吸が速い、呼吸が苦しそうなどの症状がみられ、重症の場合には入院治療が必要になることがあります。
急性中耳炎
肺炎球菌は急性中耳炎の原因菌の一つです。
耳の痛み、発熱、機嫌が悪い、耳を気にするなどの症状がみられることがあります。
肺炎球菌ワクチンによって肺炎球菌による中耳炎を減らす効果が期待できますが、中耳炎はほかの細菌やウイルスでも起こるため、すべての中耳炎を予防できるわけではありません。
肺炎球菌ワクチンですべての感染を防げますか?
肺炎球菌ワクチンを接種していても、すべての肺炎球菌感染症を完全に防げるわけではありません。
肺炎球菌には多くの血清型があり、ワクチンに含まれていない血清型による感染症などが起こる可能性があります。
それでも、ワクチンに含まれる血清型による侵襲性肺炎球菌感染症などの重い感染症を予防するため、乳幼児期の肺炎球菌ワクチンは大切な定期予防接種です。
肺炎球菌ワクチンの接種スケジュール
標準的には、生後2か月から接種を開始します。
生後2か月以上7か月未満で接種を開始した場合は、初回接種3回と追加接種1回の合計4回接種します。
初回接種はおよそ1か月ごとに3回行い、その後、最後の初回接種から60日以上あけて、生後12か月以降に追加接種を1回行います。
標準的な追加接種の時期は、生後12〜15か月頃です。
接種開始が遅れた場合は何回接種しますか?
肺炎球菌ワクチンは、接種を始める月齢・年齢によって必要な接種回数が異なります。

接種時期が遅れた場合でも、通常は最初からやり直す必要はありません。
実際の接種回数や間隔は、それまでの接種歴や年齢によって判断します。母子健康手帳を持参して小児科へご相談ください。
他のワクチンと同時接種できますか?
肺炎球菌ワクチンは、
- 5種混合ワクチン
- B型肝炎ワクチン
- ロタウイルスワクチン
など、乳児期に行うほかのワクチンと同時接種することができます。
乳児期には短期間に複数のワクチンを受ける必要があるため、同時接種を行うことで、必要な免疫を適切な時期につけていくことができます。
肺炎球菌ワクチンの副反応
接種後には、
- 注射した部分の赤み、腫れ、痛み
- 発熱
- 機嫌が悪くなる
- 食欲が低下する
などがみられることがあります。
多くは一時的な反応です。
まれですが、ショック、アナフィラキシー、けいれん、血小板減少性紫斑病などの重い副反応が報告されています。
接種後に、
「呼吸が苦しい」
「顔色が悪い」
「全身にじんましんが広がる」
「ぐったりして反応が悪い」
「けいれんが続く」
など、普段と明らかに異なる症状がみられた場合は、速やかに医療機関へご相談ください。
肺炎球菌ワクチンを接種できないことはありますか?
明らかな発熱がある場合や、重い急性疾患にかかっている場合などは、その日の接種を見合わせます。
また、肺炎球菌ワクチンの成分などによって過去にアナフィラキシーを起こしたことがある場合は、接種できないことがあります。
一方、軽い鼻水や咳があるだけで接種できないとは限りません。
当日の体温だけでなく、元気や食欲、呼吸状態などを確認し、医師が接種可能か判断します。
肺炎球菌ワクチンについてよくある質問
Q. 少し風邪気味ですが接種できますか?
A. 軽い鼻水や咳があっても、全身状態がよければ接種できる場合があります。
明らかな発熱がある場合や、全身状態がよくない場合などは延期することがあります。
接種当日に診察を行い、接種できるか判断します。
Q. 接種が遅れてしまいました。最初からやり直しますか?
A. 通常は最初からやり直す必要はありません。
ただし、接種を開始した月齢・年齢によって必要な接種回数が異なります。
母子健康手帳でこれまでの接種歴を確認し、残りのスケジュールを決めます。
Q. PCV20とPCV15は何が違いますか?
A. PCV20は20種類、PCV15は15種類の肺炎球菌の血清型を対象としたワクチンです。
現在、小児の定期接種では原則としてPCV20が使用されていますが、PCV15も使用可能です。
PCV15で接種を開始した場合は、原則としてPCV15で接種を完了します。
Q. 肺炎球菌ワクチンを接種すれば感染症にはかかりませんか?
A. すべての肺炎球菌感染症を完全に防ぐことはできません。
肺炎球菌には多くの血清型があり、ワクチンに含まれていない血清型による感染症などが起こる可能性があります。
一方、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)などの重い感染症を予防するうえで重要なワクチンです。
Q. 接種すれば中耳炎にならなくなりますか?
A. すべての中耳炎を防げるわけではありません。
急性中耳炎は肺炎球菌以外の細菌やウイルスなどでも起こります。
肺炎球菌ワクチンには、肺炎球菌による中耳炎を減らす効果が期待されています。
横浜市西区・みなとみらいで肺炎球菌ワクチンをご希望の方へ
みなとみらい小児科クリニックでは、生後2か月から始まる肺炎球菌ワクチンをはじめ、乳幼児期の定期予防接種を行っています。
「初めての予防接種でスケジュールが分からない」
「5種混合やB型肝炎、ロタウイルスワクチンと一緒に受けたい」
「接種が途中で遅れてしまった」
「これまでにPCV15を接種している」
「副反応が心配」
といった場合もご相談ください。
母子健康手帳でこれまでの接種歴を確認し、お子さんの月齢やこれまでに使用したワクチンの種類を確認しながら、今後の接種スケジュールをご案内します。
横浜市西区・みなとみらいをはじめ、周辺地域でお子さんの予防接種についてお困りの際は、お気軽にご相談ください。
まとめ
肺炎球菌ワクチンは、細菌性髄膜炎や菌血症など、乳幼児で重症化することのある肺炎球菌感染症を予防する大切な定期予防接種です。
標準的には生後2か月から接種を開始し、合計4回接種します。開始が遅れた場合は、接種を始める月齢・年齢によって必要な回数が異なります。
ワクチンを接種していても、すべての肺炎球菌感染症を完全に防ぐことはできません。しかし、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)などの重い感染症を予防するうえで重要です。
接種時期やこれまでの接種歴が分からない場合は、母子健康手帳を確認しながら小児科へご相談ください。
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参考資料
- 厚生労働省「子どもの肺炎球菌ワクチン」
- 厚生労働省「予防接種法施行規則」
- 日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」
- 日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種キャッチアップスケジュール」
- 国立健康危機管理研究機構「侵襲性肺炎球菌感染症」
- PMDA「プレベナー20水性懸濁注 電子添文」
公開日:2026年7月17日
更新日:2026年9月16日
監修:みなとみらい小児科クリニック
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- 新高島駅から徒歩約8分
- みなとみらい駅から徒歩約10分
です。
ベビーカーをご利用の方や、小さなお子さんを連れての受診にも便利な立地です。
お車でお越しの方
お車でお越しの方は、プライムコーストみなとみらいの大型立体駐車場をご利用いただけます。
駐車場は2時間まで無料です。
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所在地
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