ロタウイルスワクチンとは?接種時期・副反応・腸重積を小児科医がわかりやすく解説

お知らせ
2026.07.18

ロタウイルスワクチンとは?接種時期・副反応・腸重積を小児科医がわかりやすく解説

結論|ロタウイルスワクチンは生後2か月から早めに始めましょう

ロタウイルスワクチンは、乳幼児の重い胃腸炎、脱水、点滴、入院などを減らすための定期予防接種です。

注射ではなく、液体のワクチンを口から飲んで接種します。標準的には生後2か月から開始し、初回接種は生後14週6日までに受けることが推奨されています。

接種できる期間が限られているため、赤ちゃんが生後2か月を迎えたら、5種混合ワクチンや小児肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンなどとあわせて、計画的に接種を始めることが大切です。

ロタウイルスワクチンとは

ロタウイルスワクチンは、ロタウイルスによる重症胃腸炎を予防するための経口生ワクチンです。

ワクチンを接種しても、ロタウイルスへの感染や軽い胃腸炎を完全に防げるわけではありません。しかし、感染したときに症状が重くなることや、脱水によって点滴・入院が必要になることを減らします。

日本では2020年10月から定期予防接種となっています。

ロタウイルス感染症とは

ロタウイルス感染症は、乳幼児に多い急性胃腸炎です。ロタウイルスが口から体内に入り、腸で増えることで発症します。

主な症状は次のとおりです。

  • 水のような下痢
  • 嘔吐
  • 吐き気
  • 発熱
  • 腹痛
  • 食欲低下
  • 元気がなくなる

便が黄色や白っぽく見えることもありますが、便の色だけでロタウイルス感染症かどうかを判断することはできません。

感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、一般に2~4日程度です。多くは1週間ほどで回復しますが、小さな赤ちゃんでは脱水が進みやすく、点滴や入院が必要になることがあります。

ロタウイルスは感染力が強く、感染した子どもの便には大量のウイルスが含まれます。おむつ交換後の手指などを介して、家庭内や保育園で広がることがあります。

なぜロタウイルスワクチンが必要なのでしょうか

赤ちゃんは脱水になりやすいためです

乳幼児は大人に比べて体が小さく、体内の水分バランスが変化しやすいため、嘔吐や下痢が続くと短時間で脱水になることがあります。

次のような症状がある場合は注意が必要です。

  • おしっこの回数や量が減る
  • 口や唇が乾く
  • 泣いても涙が少ない
  • 目がくぼんで見える
  • 顔色が悪い
  • 水分をほとんど飲めない
  • ぐったりしている
  • 呼びかけへの反応が弱い

重い脱水では、医療機関で点滴や入院治療が必要になります。

初めて感染したときに重症化しやすいためです

ロタウイルスには繰り返し感染することがありますが、一般的には初めて感染したときに症状が重くなりやすいとされています。

特に、生後6か月から2歳頃の初感染で重症例が多いことが報告されています。そのため、生後早い時期からワクチンによって免疫をつけておくことが重要です。

ロタウイルス感染症で起こりうる合併症

脱水症

ロタウイルス感染症で特に注意が必要な合併症です。

嘔吐や水様便によって水分と塩分が失われると、乳幼児では短時間で状態が悪化することがあります。

水分をほとんど飲めない、おしっこが長時間出ない、ぐったりしている場合は、早めに医療機関を受診してください。

けいれん

ロタウイルスを含む胃腸炎に伴い、発熱が目立たなくてもけいれんを起こすことがあります。

短時間のけいれんを繰り返すこともあるため、けいれんがみられた場合は医療機関を受診してください。

脳炎・脳症など

非常にまれですが、ロタウイルス感染症に伴って脳炎・脳症、腎機能障害、肝機能障害などが起こることがあります。

ロタウイルスワクチンの接種スケジュール

ロタウイルスワクチンには、ロタリックス®とロタテック®の2種類があります。項目ロタリックス®ロタテック®ワクチンの種類1価5価接種回数2回3回接種方法経口経口接種間隔27日以上各回27日以上接種完了期限出生24週0日後まで出生32週0日後まで

どちらも生後6週から接種できますが、標準的には生後2か月から開始します。

初回接種は、どちらのワクチンも生後14週6日までに受けることが推奨されています。

月齢が進むにつれて、ワクチンと関係なく自然に腸重積を発症する子どもが増えるため、早い時期に初回接種を行うことが大切です。

原則として、最初に接種したワクチンと同じ種類で最後まで接種します。

接種時期が遅れている場合や、以前接種したワクチンの種類が分からない場合は、母子手帳を持って早めに小児科へご相談ください。

ほかのワクチンと同時接種できますか

ロタウイルスワクチンは、次のようなワクチンと同時接種できます。

  • 5種混合ワクチン
  • 小児肺炎球菌ワクチン
  • B型肝炎ワクチン

生後2か月では複数の定期予防接種が始まります。同時接種を行うことで、必要な免疫を早い時期につけ、接種の遅れを防ぎやすくなります。

接種するワクチンの組み合わせは、お子さんの月齢、体調、これまでの接種歴を確認したうえで医師が判断します。

ロタウイルスワクチンの副反応

接種後には、次のような症状がみられることがあります。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 発熱
  • 食欲低下
  • ぐずり
  • おなかの張り
  • 腹痛
  • 便秘

多くは一時的で、自然に改善します。

ただし、嘔吐や下痢を繰り返す、水分が飲めない、ぐったりしているなど、いつもと様子が違う場合は医療機関へご相談ください。

腸重積の症状と受診の目安

ロタウイルスワクチンの副反応として、特に注意が必要なのが腸重積です。

腸重積とは、腸の一部が隣の腸の中に入り込み、腸の血流が悪くなる病気です。

腸重積は、ロタウイルスワクチンを接種していない乳児にも自然に起こります。ただし、ワクチン接種後、特に初回接種後の約1~2週間は、発症する可能性がわずかに高まることが知られています。

接種後に次の症状がみられた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

  • 突然激しく泣く
  • 激しく泣いた後に落ち着き、再び泣くことを繰り返す
  • 嘔吐を繰り返す
  • 血便が出る
  • 顔色が悪い
  • ぐったりする
  • いつもと明らかに様子が違う

「いちごジャムのような血便」がみられることもありますが、血便は必ず現れるとは限りません。

腸重積は早く診断して治療することが大切です。早期であれば、肛門から空気や液体を入れて腸を元の位置に戻す治療が可能な場合があります。腸の状態によっては手術が必要になることもあります。

腸重積が心配でも接種した方がよいですか

ロタウイルスワクチンでは、接種後に腸重積の発症リスクがわずかに上昇することが知られています。

一方で、ロタウイルス感染症は乳幼児に強い嘔吐や下痢を起こし、重い脱水や入院の原因となる病気です。

ロタウイルスワクチンによる重症胃腸炎や入院を予防する利益は、腸重積のリスクを上回ると評価されており、日本では定期予防接種として実施されています。

不安がある場合は、自己判断で接種を見合わせるのではなく、事前に小児科医へご相談ください。

ロタウイルスワクチンを接種できない場合

次のような場合は、接種できない、または接種前に慎重な判断が必要になることがあります。

  • 過去にロタウイルスワクチンで強いアレルギー反応を起こした
  • 腸重積になったことがある
  • 腸重積を起こしやすい先天性の消化管疾患がある
  • 重症複合型免疫不全症がある
  • 発熱や急性の病気で体調が悪い

持病がある場合や、免疫に関係する病気・治療がある場合は、接種前に必ず医師へお伝えください。

よくある質問

Q. ワクチンを飲んだ後に吐いた場合は、もう一度接種しますか

接種後に吐いたり、口からこぼれたりしても、一般的には同じ日に追加で接種する必要はありません。

自己判断で飲み直すことはせず、接種した医療機関の指示に従ってください。

Q. 接種前に授乳を控える必要はありますか

通常、接種前後の授乳を一律に中止する必要はありません。

ただし、満腹直後は吐き戻しやすいことがあるため、医療機関から授乳時間について案内がある場合は、その指示に従ってください。

Q. 少し風邪気味でも接種できますか

軽い鼻水や咳があっても、元気があり、全身状態がよければ接種できる場合があります。

高熱がある、嘔吐や下痢が強い、全身状態が悪い場合などは、接種を延期することがあります。接種当日に医師が診察し、安全に接種できるか判断します。

Q. 接種時期が遅れてしまいました

ロタウイルスワクチンは、接種できる期間が限られています。

初回接種は生後14週6日までに行うことが推奨されており、ワクチンごとに最終接種期限も決められています。

母子手帳を確認し、できるだけ早く小児科へご相談ください。

Q. 接種すれば胃腸炎にはなりませんか

ロタウイルスワクチンは、すべての胃腸炎を予防するワクチンではありません。

胃腸炎は、ノロウイルス、アデノウイルス、細菌など、さまざまな原因で起こります。また、接種していてもロタウイルスに感染し、軽い症状が出ることがあります。

ワクチンの主な目的は、ロタウイルスによる胃腸炎の重症化、脱水、点滴、入院を減らすことです。

まとめ

ロタウイルスワクチンは、乳幼児の重い胃腸炎、脱水、点滴、入院を減らすための大切な定期予防接種です。

標準的には生後2か月から開始し、初回接種は生後14週6日までに受けることが推奨されています。

ロタリックス®は2回、ロタテック®は3回接種し、それぞれ接種を完了できる期限が異なります。

接種後、特に初回接種後の約1~2週間は、腸重積の症状に注意してください。突然激しく泣く、嘔吐を繰り返す、血便が出る、顔色が悪い、ぐったりするなどの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

横浜市西区・中区・神奈川区でロタウイルスワクチン接種をご希望の方へ

横浜市西区みなとみらいにあるみなとみらい小児科クリニックでは、生後2か月からのロタウイルスワクチンをはじめ、5種混合ワクチン、小児肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンなどの定期予防接種を行っています。

新高島駅から徒歩約8分、みなとみらい駅から徒歩約10分の場所にあり、予防接種はWEBからご予約いただけます。

接種前には小児科医が問診と診察を行い、お子さんの体調、月齢、これまでの接種歴を確認します。

「ロタリックスとロタテックはどう違うの?」
「ほかのワクチンと同時接種して大丈夫?」
「腸重積が心配」
「接種スケジュールが分からない」

このようなご相談にも、お子さんの状況に合わせて分かりやすくご説明します。

横浜市西区・中区・神奈川区、みなとみらい周辺でロタウイルスワクチンをご希望の方は、お気軽にご相談ください。

参考資料

  • 厚生労働省「ロタウイルスワクチン」
  • 日本小児科学会「予防接種スケジュール」
  • 国立健康危機管理研究機構「ロタウイルス感染症」
  • ロタリックス®電子添文
  • ロタテック®電子添文

公開日:2026年7月18日
最終更新日:2026年7月28日
監修:みなとみらい小児科クリニック 院長

みなとみらい小児科クリニック