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水痘(みずぼうそう)

水痘(みずぼうそう)について

保護者の方へ

お子さんが「水ぼうそう」と診断されると、不安に感じる方も多いと思います。水痘は子どもによくみられる感染症ですが、多くは適切なケアで自然に良くなります。ここでは、ご家庭で知っておきたいポイントをわかりやすくまとめました。

水痘(みずぼうそう)とは

水痘は**水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)**による感染症です。

非常に感染力が強く、せきやくしゃみ(飛沫感染)空気感染、**発疹に触れること(接触感染)**で広がります。潜伏期間は約2週間(10〜21日)です。

原因

原因は水痘・帯状疱疹ウイルスです。

一度感染すると多くの場合は免疫ができますが、ウイルスは体内に残り、大人になってから帯状疱疹として発症することがあります。

主な症状

最初は軽い発熱やだるさがみられ、その後、赤い発疹が現れます。

発疹は次のように変化します。

  • 赤い発疹
  • 水ぶくれ(水疱)
  • かさぶた

これらが同時に混ざって見られることが水痘の特徴です。

また、

  • 強いかゆみ
  • 37〜39℃程度の発熱
  • 頭や顔、体、手足へ広がる発疹

がよくみられます。

かき壊すと細菌感染を起こし、とびひや傷あとが残ることがあるため、爪を短く切るなどの工夫も大切です。

治療

アシクロビルの早期投与が大切です

水痘では発症から24時間以内(遅くとも48時間以内)に抗ウイルス薬「アシクロビル」を開始すると、発熱期間や発疹の数を減らし、症状を軽くできることが分かっています。

そのため、水痘が疑われる場合はできるだけ早く受診することが重要です。

治療では次のようなことを行います。

十分な水分補給と安静

アシクロビル(抗ウイルス薬)の内服

発症早期ほど効果があります。

医師の指示どおり最後まで飲み切りましょう。

発熱には解熱薬(アセトアミノフェン)

かゆみにはかゆみ止めや塗り薬

登園・登校の目安

学校保健安全法では、

すべての発疹がかさぶたになってから

登園・登校が可能とされています。

新しい水ぶくれが出ている間は感染力があるため、お休みが必要です。

予防接種について

水痘ワクチンは定期予防接種です。

  • 1歳になったら接種開始
  • 合計2回接種

2回接種することで、水痘の発症を大きく減らし、かかっても軽症で済むことが期待できます。

また、感染した方と接触した後でも、**72時間以内(できれば早め)**にワクチンを接種すると、発症予防や軽症化が期待できる場合があります。

受診を急いだほうがよい症状

次のような場合は早めに医療機関を受診してください。

  • 水分が取れない
  • 高熱が続く
  • 元気がなくぐったりしている
  • 呼吸が苦しそう
  • 発疹が赤く腫れ、膿が出てきた
  • 強い頭痛、繰り返す嘔吐、けいれんなどがある

保護者の方へ

水痘は多くのお子さんが経験する感染症ですが、適切な治療とご家庭でのケアにより、多くは1週間ほどで回復します。かゆみや発熱でつらそうなときは無理をせず、十分な休養と水分補給を心がけましょう。

ワクチンは水痘を予防し、重症化を防ぐ大切な方法です。接種がまだのお子さんは、ぜひ主治医にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

赤ちゃんの頭の形を放置するリスクとは?見極めたい2つの分かれ道

赤ちゃんの頭の形が左右非対称だったり、後頭部が平らだったりすると、「このまま放っておいて大丈夫なのか」「将来に影響が出るのではないか」と不安になる保護者は多いものです。インターネットで調べると、「放置すると危険」という記事と「自然に治るから心配ない」という記事の両方が出てきて、どちらを信じればよいか分からなくなってしまうのではないでしょうか。

実は、この二つの情報はどちらも一面では正しく、どちらも不完全です。頭の形には、放置しても問題ないケースと、早めの対応を考えたほうがよいケースがあり、その見極めこそが本当に大切です。横浜・みなとみらいで小児医療に携わる立場から、不安を煽るのでも軽視するのでもなく、二つの分かれ道をどう見極めるかをお伝えします。

「放置して大丈夫」と「放置は危険」が混在する理由

なぜネット上で正反対の情報が飛び交うのでしょうか。その答えは、頭の形のゆがみには程度の差があり、ひとくくりに語れないからです。

赤ちゃんの頭の形のゆがみは、多くが「向き癖」によるものです。いつも同じ方向を向いて寝ることで、その面の後頭部が平らになっていきます。こうしたゆがみは、医学的には位置的頭蓋変形と呼ばれ、軽度であれば成長とともに自然に目立たなくなることが多いものです。寝返りやおすわりで頭にかかる圧が分散され、改善していきます。

一方で、ゆがみが中等度以上になると、自然には十分に改善せず、そのまま残ってしまうこともあります。つまり、「自然に治る」も「放置は危険」も、どちらもゆがみの程度によって正しかったり正しくなかったりするのです。大切なのは、自分の子どものゆがみがどの程度なのかを正しく把握することです。

放置しても問題が少ないケース

まず、過度に心配しなくてよいケースから整理します。すべての頭の形のゆがみが治療を必要とするわけではありません。

向き癖による軽度のゆがみであれば、脳の発達に影響することはなく、基本的に治療は必要ないとされています。赤ちゃんが成長して自分で寝返りを打つようになり、起きている時間が増えてくると、頭にかかる圧力が一点に集中しなくなるのです。頭が大きくなる過程で、相対的にゆがみが目立たなくなっていくことも期待できます。

とくに生後2か月ごろまでの頭蓋骨がやわらかい時期は、寝る向きを工夫したり、後述するタミータイムを取り入れたりすることで、ある程度の改善が見込めます。この段階で軽度であれば、家庭でのケアを続けながら経過を見るという選択は十分に合理的です。周囲から「気にしすぎ」と言われて不安になることもあるかもしれませんが、軽度のゆがみに限れば、その言葉もあながち間違いではありません。

見逃してはいけない「病的なゆがみ」のサイン

ここからが、この記事で最もお伝えしたい大切なポイントです。頭の形のゆがみの中には、向き癖とは異なる、病気が原因のものが隠れていることがあります。

頭蓋骨は、いくつかの骨が縫い目のようにつながって構成されています。この縫い目が通常より早く閉じてしまう「頭蓋骨縫合早期癒合症」という病気があり、これが原因でゆがみが生じている場合は、向き癖によるものとは対応がまったく異なります。この病気は脳の発達に影響を及ぼすことがあり、程度によっては手術が必要になることもあるため、見逃すわけにはいきません。

頻度としては向き癖による位置的頭蓋変形のほうが圧倒的に多く、病的なゆがみはまれです。ただ、まれだからこそ、知らずに見過ごされやすいという側面もあります。向き癖による位置的頭蓋変形と、病気による頭蓋変形を、見た目だけで保護者が見分けるのは困難です。だからこそ、頭の形が気になったときに最も重要なのは、「放置するか治療するか」を自分で決めることではなく、まず専門家に診てもらって、病気が隠れていないかを確認することです。ここを押さえておけば、過度に怖がる必要も、逆に油断する必要もなくなります。気になる症状があるか迷うときは、別記事もあわせて参考にしてください。

<関連記事>
小児科のかかりつけはいつから?月齢別に見る受診開始のタイミング

対応できる時期には限りがあるという事実

放置を考えるうえで、もう一つ知っておきたいのが時間の制約です。頭の形への対応には、向き不向きの時期があります。

赤ちゃんの頭蓋骨はやわらかく形が変わりやすい状態ですが、生後6か月を過ぎると徐々にかたくなり、1歳ごろにはほぼ定まるとされています。つまり、家庭でのケアや、必要に応じたヘルメット治療といった対応が効果を発揮しやすいのは、頭がやわらかい早い時期に限られます。

ここで難しいのは、「自然に治るかもしれないから様子を見たい」という気持ちと、「対応に適した時期は限られている」という事実が、ときに相反することです。様子を見ているうちに頭が固まり、対応の選択肢が狭まってしまうこともあるでしょう。だからこそ、たとえ最終的に経過観察を選ぶとしても、早い段階で一度プロの評価を受けておくことが、後悔しないための鍵になります。評価を受けたうえで様子を見るのと、何も確認せずに放置するのは、まったく意味が違います。

家庭でできる予防と日々のケア

経過を見る場合も、対応を考える場合も、家庭でできるケアがあります。特別な道具は必要なく、日々のちょっとした工夫でゆがみの進行を抑えられます。

基本となるのが体位変換です。いつも同じ向きで寝かせず、寝る向きや抱っこ、授乳の向きをこまめに変えることで、頭の一点に圧力が集中するのを防げます。赤ちゃんが興味を持つ方向に光や音、おもちゃを配置して、自然と向きが変わるよう促す工夫も役立ちます。

もう一つ取り入れたいのが、タミータイムと呼ばれるうつぶせ遊びです。起きている間に、保護者が見守るなかで短時間うつぶせの姿勢をとらせると、後頭部への圧力が分散され、首や背中の筋肉の発達にもつながります。ただし、うつぶせ寝は乳幼児突然死症候群のリスクがあるため、必ず赤ちゃんから目を離さず、起きている時間に限って行ってください。これらのケアは軽度のゆがみに有効ですが、ゆがみが強い場合や病的なものが疑われる場合は、家庭のケアだけに頼らず医療機関に相談することが欠かせません。

みなとみらい小児科クリニックにご相談ください

横浜市西区みなとみらいに位置するみなとみらい小児科クリニックは、新高島駅から徒歩8分、みなとみらい駅から徒歩10分の場所にあります。小児科一般の診療に加え、乳幼児健診や各種予防接種、お子さんの成長・発達に関するご相談に幅広く対応しています。

赤ちゃんの頭の形が気になる場合も、まずはお気軽にご相談ください。頭の形のゆがみが向き癖によるものか、それとも病気が隠れていないかを含めて状態を確認し、家庭でのケアで経過を見て十分かどうか、あるいは頭のかたち外来を持つ専門医療機関への紹介が望ましいかを、お子さんの状況に合わせてご案内します。放置するか対応するかを一人で抱え込んで決める必要はありません。

「頭の形が左右で違う気がする」「後頭部が平らで心配」「様子を見ていいのか判断がつかない」といったご相談を歓迎しています。早めに評価を受けておくことで、安心して経過を見守れるようになるはずです。お子さんの成長に寄り添いながら、長くお付き合いできる関係づくりを大切にしています。

ヒトメタニューモウイルス感染症

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)感染症について

~お子さんが咳や熱でつらそうなときに~

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は、風邪の原因となるウイルスの一つです。乳幼児を中心に流行し、特に**冬から春(2~6月頃)**に多くみられます。多くのお子さんは数日~1週間ほどで良くなりますが、乳児や基礎疾患のあるお子さんでは気管支炎や肺炎になることもあるため、注意が必要です。

原因

ヒトメタニューモウイルスは、感染した人の**せきやくしゃみのしぶき(飛沫感染)**や、ウイルスが付いた手や物を触ったあとに口や鼻に触れることで感染します。

兄弟や保育園・幼稚園などで広がることも多く、一度かかっても再び感染することがあります。

主な症状

感染してから3~6日ほどで症状が出ます。

  • 発熱(38~39℃以上になることもあります)
  • 鼻水・鼻づまり
  • せき(長引くことがあります)
  • のどの痛み
  • ゼーゼー・ヒューヒュー(喘鳴)
  • 食欲低下
  • 元気がない

乳児では細気管支炎、年齢によっては肺炎を起こすことがあります。

早めの受診が必要な症状

次のような場合は早めに小児科を受診しましょう。

  • 呼吸が苦しそう、肩で息をしている
  • 顔色や唇の色が悪い
  • 水分が飲めず、おしっこが少ない
  • ぐったりしている
  • 生後3か月未満の発熱
  • 高熱が続く、症状が悪化してきた

迅速検査について

ヒトメタニューモウイルスには鼻の奥を綿棒でぬぐって調べる迅速検査があります。

ただし、**すべてのお子さんに行う検査ではありません。**保険診療では対象が限られており、症状や年齢などを考慮して医師が必要と判断した場合に行われます。検査をしなくても、症状や診察から診断・治療を行うことも多くあります。

治療

ヒトメタニューモウイルスに特効薬はありません。

治療は症状を和らげ、お子さんが楽に過ごせるようにすることが中心です。

  • 十分な水分補給
  • 解熱剤などによる発熱への対応
  • 鼻水やせきを和らげる治療
  • 呼吸が苦しい場合は吸入治療を行うことがあります
  • 肺炎や脱水が強い場合には入院が必要になることもあります

抗菌薬(抗生物質)は細菌には有効ですが、ウイルスには効果がないため、通常は必要ありません。

登園・登校の目安

ヒトメタニューモウイルス感染症は、学校保健安全法で出席停止が定められている病気ではありません。

次の状態を目安に登園・登校できます。

  • 熱が下がっている
  • 呼吸が苦しくない
  • 食事や水分がとれ、普段どおり遊べるくらい元気になっている

園や学校によって基準が異なることがあるため、施設のルールも確認しましょう。

保護者の方へ

ヒトメタニューモウイルスは、多くのお子さんが一度はかかる身近な感染症です。ほとんどは自然に回復しますが、乳幼児では呼吸状態が急に悪くなることがあります。

特に「息が苦しそう」「水分が飲めない」「ぐったりしている」と感じたら、早めに小児科を受診してください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

RSウイルス(RSV)感染症

RSウイルス(RSV)感染症

~お子さんの「ゼーゼーする咳」が気になったら~

RSウイルス(RSV)は、乳幼児にとても多い呼吸器の感染症です。2歳までにほとんどのお子さんが一度は感染するといわれています。

多くは風邪のような症状で自然に良くなりますが、生後6か月未満の赤ちゃんでは細気管支炎や肺炎を起こし、入院が必要になることもあります。特に小さな赤ちゃんでは、呼吸の様子をよく観察することが大切です。

RSウイルス感染症とは?

RSウイルスは、鼻やのど、気管支に感染するウイルスです。

毎年流行を繰り返し、乳幼児では最も入院が多い呼吸器感染症の一つです。

年長のお子さんや大人も感染しますが、軽い風邪症状で済むことが多く、気づかないうちに赤ちゃんへうつしてしまうことがあります。

原因・感染経路

RSウイルスは次のように感染します。

  • 咳やくしゃみによる飛沫感染
  • 手やおもちゃ、ドアノブなどを介した接触感染

ウイルスは手に付着しやすいため、家庭内で兄弟姉妹から赤ちゃんへ感染することも少なくありません。

主な症状

感染後2〜8日ほどで症状が現れます。

初期症状

  • 鼻水
  • 発熱

症状が進むと

  • 咳が強くなる
  • 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸(喘鳴)
  • 呼吸が速い
  • ミルクや食事が進まない
  • 機嫌が悪い

乳児では、細気管支炎肺炎を起こすことがあります。また、生後数か月までの赤ちゃんでは、咳よりも**無呼吸(呼吸が止まる)**が最初の症状になることもあります。

治療について

RSウイルスを直接治す特効薬はありません。

治療は症状を和らげながら、お子さんが回復するのを助ける「対症療法」が中心です。

  • 十分な水分補給
  • 鼻水を吸引して呼吸を楽にする
  • 必要に応じて解熱剤を使用する
  • 呼吸状態が悪い場合は酸素投与や点滴、入院治療

咳は熱が下がったあともしばらく続くことがありますが、多くは1〜2週間ほどで改善します。

こんな時は早めに受診しましょう

次のような症状がある場合は早めの受診をおすすめします。

  • 呼吸が速い、苦しそう
  • 胸がペコペコへこむ
  • 顔色や唇の色が悪い
  • ミルクや水分が飲めない
  • おしっこの回数が少ない
  • ぐったりしている
  • 生後3か月未満で発熱がある
  • 呼吸が止まるように見える

予防接種について

現在、赤ちゃん自身への定期予防接種はありません。

一方で、妊婦さんを対象としたRSウイルスワクチン アブリスボ が使用されています。

妊娠中に接種することで、お母さんが作った抗体が赤ちゃんへ移行し、生後早期のRSウイルス感染症による重症化を予防する効果が期待されています。

また、ご家族全員で

  • 手洗い
  • 咳エチケット
  • 体調不良時の接触を避ける
  • おもちゃやドアノブの消毒

を心がけることも大切です。

登園・登校の目安

RSウイルス感染症には法律で定められた出席停止期間はありません。

熱が下がり、呼吸が落ち着き、普段どおり食事や水分がとれ、元気に過ごせるようになれば登園・登校が可能です。

ただし、咳が強く残っている間は周囲へ感染させる可能性があるため、園や学校の方針も確認しましょう。

保護者のみなさまへ

RSウイルス感染症は、小さなお子さんでは心配になる病気ですが、多くは適切なケアで回復します。

一方で、赤ちゃんは短時間で呼吸状態が悪くなることがあります。「呼吸が苦しそう」「ミルクが飲めない」「いつもより元気がない」と感じたら、無理をせず早めに医療機関へご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

手足口病

子どもの手足口病とは?

原因・症状・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

手足口病は乳幼児に多いウイルス感染症です。原因や症状、家庭でのケア、治療、受診の目安、登園のタイミングまで、小児科医が保護者の方にもわかりやすく解説します。

子どもの手足口病とは?

「手や足に赤い発疹が出てきた」「口の中が痛くてご飯を食べられない」「保育園で流行していると言われた」。

このような症状で受診されるお子さんは、毎年初夏から夏にかけて増えてきます。

**手足口病は子どもによくみられるウイルス感染症で、多くは1週間ほどで自然に回復します。**一方で、口の痛みが強く水分が飲めなくなったり、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症を起こしたりすることもあるため、症状に応じた対応が大切です。

この記事では、厚生労働省、日本小児科学会、日本小児感染症学会などの情報を参考に、手足口病の原因や症状、治療、家庭でできるケア、受診の目安について、小児科医の立場からわかりやすく解説します。

手足口病とは

手足口病(Hand, Foot and Mouth Disease:HFMD)は、主に乳幼児にみられるウイルス感染症です。

名前のとおり、

  • 手のひら
  • 足の裏
  • 指先
  • 足の指
  • 口の中

に小さな赤い発疹や水ぶくれができることが特徴です。

おしりや膝、肘などに発疹が出ることも珍しくありません。

日本では毎年夏を中心に流行しますが、秋頃まで患者さんがみられる年もあります。

保育園や幼稚園などで集団生活を送るお子さんでは感染が広がりやすく、兄弟や家族へうつることもあります。

多くのお子さんは軽症で自然に治りますが、口内炎の痛みで食事や水分が十分に取れず、脱水になることがあるため注意が必要です。

手足口病の原因

手足口病は細菌ではなく、エンテロウイルスという種類のウイルスが原因です。

代表的なものは

  • コクサッキーウイルスA6
  • コクサッキーウイルスA16
  • エンテロウイルス71(EV71)

などがあります。

年によって流行するウイルスの種類が異なるため、

  • 発熱が強い年
  • 発疹が広がりやすい年
  • 爪が一時的にはがれる症状(爪甲脱落症)が多い年

など、症状に違いがみられることがあります。

一度かかった後でも、別の種類のウイルスに感染すると再び手足口病になることがあります。

どのように感染するの?

手足口病は感染力が比較的強く、次のような経路で感染します。

飛沫感染

咳やくしゃみ、会話などで飛び散った唾液から感染します。

接触感染

発疹や唾液が付着した手、おもちゃ、ドアノブなどを触った後、口や鼻にウイルスが入ることで感染します。

糞口感染

便の中には症状が治ったあとも数週間から1か月程度ウイルスが排出されることがあります。

おむつ交換のあとに十分な手洗いをしないと、家庭内で感染が広がる原因になります。

そのため、

  • 石けんを使った手洗い
  • おむつ交換後の手洗い
  • タオルの共用を避ける
  • おもちゃの消毒

などが感染予防として大切です。

手足口病の症状

症状には個人差がありますが、多くは次のような経過をたどります。

発熱

最初に38℃前後の発熱がみられることがあります。

ただし、熱が出ないお子さんも少なくありません。

高熱が何日も続く病気ではなく、多くは1~2日で熱が下がります。

発疹

熱と前後して、

  • 手のひら
  • 足の裏
  • 指先
  • おしり

などに赤い発疹や小さな水ぶくれが現れます。

強いかゆみは少なく、痛みも軽いことがほとんどです。

コクサッキーウイルスA6では全身に発疹が広がることもあります。

口内炎

保護者の方が最も困る症状が口内炎です。

舌や頬の内側、上あごなどに小さな水ぶくれができ、その後浅い潰瘍になります。

このため、

  • ご飯を食べたがらない
  • 飲み物を嫌がる
  • よだれが増える
  • 機嫌が悪い

といった様子がみられます。

特に乳幼児では脱水の原因になることがあるため注意が必要です。

爪がはがれることがあります

手足口病が治ってから1~2か月後に、手や足の爪が根元から浮いたり、一部がはがれたりすることがあります。

これはウイルスの影響で一時的に爪の成長が止まるためと考えられており、多くは自然に新しい爪が生えて治ります。

慌てて爪を切ったり、特別な治療をしたりする必要はありません。

手足口病の診断

手足口病は、特徴的な発疹や口内炎、周囲での流行状況などを総合的にみて診断します。

通常は採血やレントゲンなどの検査は必要ありません。

また、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のような迅速検査は一般的には行われません。

発疹が似ている病気として、

  • ヘルパンギーナ
  • 咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症)
  • 水痘
  • とびひ
  • 突発性発疹
  • アレルギーによる発疹

などがあり、小児科ではこれらとの区別を行いながら診断します。

実際の診療では、「手足口病だと思って受診したら、とびひや水痘だった」というケースも少なくありません。発疹の出方や全身状態を確認し、適切な診断を行うことが大切です。

手足口病の治療

現在、手足口病を治す特効薬はありません。

治療は、症状を和らげながら自然に治るのを待つ対症療法が基本です。

水分補給を最優先に

最も大切なのは脱水を防ぐことです。

口の中が痛くても、

  • 麦茶
  • 経口補水液
  • 牛乳
  • 冷ましたスープ

など、飲めるものを少量ずつこまめに飲ませましょう。

一度にたくさん飲ませるよりも、少量を何回も飲む方が飲みやすいことがあります。

食事のポイント

口内炎が痛い間は無理に食べさせる必要はありません。

おすすめなのは、

  • ゼリー
  • プリン
  • ヨーグルト
  • 豆腐
  • 茶碗蒸し
  • おかゆ
  • 冷たいうどん

など、やわらかく、刺激の少ない食べ物です。

一方で、

  • オレンジジュース
  • 炭酸飲料
  • カレー
  • 香辛料の多い料理
  • 熱すぎる食べ物

は口内炎にしみるため避けた方がよいでしょう。

家庭でできるケア

手足口病は、多くの場合ご家庭で安静に過ごしながら回復を待つ病気です。お子さんが少しでも楽に過ごせるよう、次の点を心がけましょう。

水分補給をこまめに

最も大切なのは脱水を防ぐことです。

口の中が痛いと、一度にたくさん飲むことは難しいため、

  • 少量ずつ何回にも分けて飲ませる
  • 冷たい飲み物やゼリーを利用する
  • 水分が取れない場合は経口補水液を試す

などがおすすめです。

特に乳幼児では、おしっこの回数や量が減っていないか確認しましょう。

食事は無理をしなくても大丈夫

数日間食事が少なくても、水分が十分に取れていれば大きな心配はいりません。

口当たりがよく刺激の少ない食べ物を選びましょう。

おすすめは

  • おかゆ
  • うどん
  • 豆腐
  • 茶碗蒸し
  • ヨーグルト
  • ゼリー
  • プリン
  • アイスクリーム

などです。

発疹は触りすぎない

手足の発疹は、強いかゆみが出ることは少なく、多くは自然に治ります。

無理に水ぶくれをつぶしたり、市販の消毒薬を塗ったりする必要はありません。

市販薬は使える?

「薬局で薬を買った方がいいですか?」という質問をよくいただきます。

手足口病そのものを治す市販薬はありません。

発熱や痛みが強い場合は、医師の指示に従って解熱鎮痛薬を使用することがあります。

市販薬を使用する前に、小児科へ相談することをおすすめします。

また、抗菌薬(抗生物質)はウイルスには効果がないため、通常は使用しません。

小児科を受診する目安

次のような場合は、小児科を受診しましょう。

  • 水分がほとんど飲めない
  • おしっこが少ない
  • ぐったりしている
  • 高熱が続く
  • 頭痛や嘔吐、けいれんがある
  • いつもと様子が違う

特に乳幼児は脱水の判断が難しいため、「飲めているか心配」「機嫌が悪くぐったりしている」と感じたら、早めの受診をおすすめします。

登園・登校の目安

手足口病は学校保健安全法で出席停止期間が決められている病気ではありません。

一般的には、

  • 熱が下がっている
  • 普段どおり食事や水分が取れる
  • 元気に遊べる

ようになれば登園・登校できます。

発疹が残っていても、全身状態が良ければ登園できることがほとんどです。

ただし、保育園や幼稚園によって基準が異なる場合がありますので、園の方針をご確認ください。

手足口病でよくある質問

Q. 手足口病は兄弟にうつりますか?

はい。家庭内で感染することは珍しくありません。

石けんによる手洗い、おむつ交換後の手洗い、タオルの共用を避けることが予防につながります。

Q. 大人にも感染しますか?

感染します。

大人では子どもより症状が強く、発熱や手足の痛み、口内炎が強く出ることがあります。

Q. 発疹が治るまで外出しない方がいいですか?

熱があり体調が悪い間は自宅でゆっくり休みましょう。

元気になれば短時間の外出は可能ですが、周囲への感染予防として手洗いや咳エチケットを心がけましょう。

Q. プールには入れますか?

熱がなく元気であっても、発疹や口内炎が残っている間は控えるよう指導している園や学校が多くあります。

施設のルールをご確認ください。

Q. 一度かかればもう感染しませんか?

いいえ。

手足口病の原因となるウイルスは複数あるため、違う種類のウイルスに感染すると再び手足口病になることがあります。

小児科で実際によくあるご相談

当院では、

「口の中が痛くて全く食べられません。」

「発疹が手だけではなく全身に広がっています。」

「手足口病と言われたけれど、本当にそうでしょうか。」

といったご相談をよくいただきます。

実際には、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱、水痘、とびひ、突発性発疹など、似た症状の病気が見つかることも少なくありません。

また、コクサッキーウイルスA6が原因の場合には、通常より広い範囲に発疹が出たり、高熱を伴ったりすることもあります。

そのため、「手足口病だと思うから様子を見よう」と自己判断せず、気になる症状があれば小児科へご相談ください。

参考資料

本記事は、以下の信頼できる資料を参考に作成しています。

  • 厚生労働省「手足口病に関する情報」
  • 厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2023年改訂版)」
  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報サイト「手足口病」
  • 日本小児科学会 小児感染症に関する診療・啓発資料
  • 日本小児感染症学会 小児感染症診療に関する資料
  • 日本小児救急医学会 小児救急診療に関する資料
  • 日本外来小児科学会 外来小児感染症診療に関する資料
  • 日本小児呼吸器学会 小児ウイルス感染症に関する資料
  • 日本小児アレルギー学会 感染症とアレルギー疾患に関する資料
  • 日本小児神経学会 ウイルス感染症に伴う神経合併症に関する資料
  • 日本新生児成育医学会 新生児・乳児感染症に関する資料

横浜市・みなとみらいで手足口病にお困りの方へ

みなとみらい小児科クリニックでは、手足口病をはじめ、お子さんの発熱や発疹を伴う感染症の診療を行っています。

手足口病では、

  • 正しく診断すること
  • 脱水の有無を確認すること
  • ご家庭での水分補給や食事の工夫をお伝えすること
  • 登園・登校の目安をご説明すること

を大切にしています。

「口の中が痛くて食べられない」「発疹が増えてきた」「手足口病かどうかわからない」など、ご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

急性耳下腺炎

急性耳下腺炎(おたふくかぜを含む)について

~保護者の皆さまへ~

耳の下が急に腫れてしまうと、とても心配になりますよね。
急性耳下腺炎は、耳の下にある「耳下腺」という唾液を作る腺が炎症を起こす病気です。子どもでは**おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)**がよく知られていますが、細菌感染やほかのウイルスが原因になることもあります。多くは適切な治療と安静で良くなりますので、症状に合わせて対応していきましょう。

急性耳下腺炎とは

耳の前からあごにかけてある耳下腺が腫れ、痛みを伴う病気です。

主な原因

  • おたふくかぜ(ムンプスウイルス):最もよく知られる原因
  • 細菌感染(黄色ブドウ球菌など)
  • インフルエンザやEBウイルスなど、ほかのウイルス感染
  • 脱水や口の中の衛生状態の悪化がきっかけになることもあります

主な症状

  • 耳の下やあごの腫れ
  • 押すと痛い、食事で痛みが強くなる
  • 発熱
  • 飲み込みにくい
  • 口が開けにくいことがある
  • 両側が腫れることもあれば、片側だけのこともあります

こんな時は早めに受診しましょう

  • 高熱が続く
  • 腫れや痛みが急に強くなる
  • 水分が取れない
  • ぐったりしている
  • 呼吸や飲み込みが苦しそう

治療

原因によって治療が異なります。

おたふくかぜの場合

  • ウイルスが原因のため特効薬はありません。
  • 解熱鎮痛薬を使いながら、水分補給と安静が基本です。
  • 酸っぱいものは痛みが強くなるため控えると楽です。

細菌性耳下腺炎の場合

  • **抗菌薬(抗生物質)**で治療します。
  • 膿がたまっている場合には処置が必要になることがあります。

登園・登校の目安

原因によって異なります。

おたふくかぜ

  • 耳下腺・顎下腺・舌下腺の腫れが出てから5日を経過し、全身状態が良好になってから登園・登校できます。

細菌性・その他の耳下腺炎

  • 発熱や腫れが改善し、食事や普段の生活ができるようになれば登園可能です。医師の指示に従ってください。

予防接種について

おたふくかぜは予防接種で予防できる病気です。

日本では現在任意接種(自費)ですが、日本小児科学会では2回接種が推奨されています。

  • 1回目:1歳頃
  • 2回目:小学校入学前(5~6歳頃)

予防接種により発症や重症化を減らすことが期待できます。

おたふくかぜで注意したい合併症

多くは自然に回復しますが、まれに次のような合併症がみられます。

  • 無菌性髄膜炎
  • 難聴(まれですが片耳の高度難聴になることがあります)
  • 精巣炎(思春期以降の男児)
  • 卵巣炎
  • 膵炎

強い頭痛や繰り返す嘔吐、意識がぼんやりする、聞こえにくさを訴える場合は早めに受診しましょう。

保護者の方へ

耳の下が腫れると驚かれると思いますが、多くのお子さんは適切な治療で元気になります。水分補給を心がけ、痛みが強いときは無理に食べさせず、食べやすい柔らかいものを選びましょう。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

参考資料:厚生労働省、国立健康危機管理研究機構(感染症情報)、日本小児科学会、日本小児感染症学会

下痢・急性胃腸炎

お子さんの急性胃腸炎について

~あわてず、脱水を防ぐことが一番大切です~

お子さんが急に吐いたり下痢をしたりすると、とても心配になりますよね。急性胃腸炎の多くは数日~1週間ほどで自然に良くなりますが、小さなお子さんでは脱水症に注意が必要です。症状に合わせて水分補給を行い、つらい症状を和らげながら回復を待ちましょう。

急性胃腸炎とは?

急性胃腸炎とは、ウイルスや細菌などが原因で胃や腸に炎症が起こり、嘔吐・下痢・腹痛・発熱などの症状が現れる病気です。

子どもの急性胃腸炎の約7割はウイルスが原因で、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが代表的です。多くは自然に回復しますが、乳幼児では脱水が進みやすいため注意が必要です。

原因

  • ウイルス(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)
  • 細菌(カンピロバクター、サルモネラなど)
  • まれに寄生虫

感染した人の便や嘔吐物、汚染された手や食べ物を介してうつることがあります。家族内で広がりやすいため、手洗いをしっかり行いましょう。

主な症状

  • 突然の嘔吐
  • 水のような下痢
  • 腹痛
  • 発熱
  • 食欲低下
  • 元気がない

特に注意したいのは脱水症です。

次のような様子があれば、早めに医療機関を受診してください。

  • 水分がほとんど飲めない
  • 半日以上おしっこが出ない
  • ぐったりしている
  • 呼びかけへの反応が悪い
  • 血便や強い腹痛がある

嘔吐したときは

急性胃腸炎では、最初に嘔吐が目立つことがよくあります。無理に飲ませると再び吐いてしまうため、吐いた直後は20~30分ほど胃を休ませ、その後に経口補水液(OS-1®など)をスプーン1杯(5~10mL)ずつ、5分おきに少量ずつ飲ませることが大切です。

嘔吐がおさまれば、少しずつ飲む量を増やしていきましょう。

治療

急性胃腸炎では脱水を防ぐことが最も大切な治療です。

  • 経口補水液による水分補給
  • 年齢に応じた食事を少しずつ再開
  • 必要に応じて整腸剤
  • 脱水が強い場合は点滴治療

制吐剤(吐き気止め)について

嘔吐が続いて水分が飲めない場合には、医師の判断で制吐剤を使用することがあります。 制吐剤によって嘔吐が軽くなると、水分補給がしやすくなり、脱水や点滴が必要になるリスクを減らせる場合があります。すべてのお子さんに必要ではありませんが、症状に応じて有効な治療の一つです。

ロタウイルスワクチンについて

ロタウイルスは乳幼児の重症胃腸炎の代表的な原因です。ロタウイルスワクチンは定期接種となっており、重症化や入院を大きく減らすことが確認されています。

接種は生後早い時期から開始する必要があり、標準的には生後2か月頃(生後8~14週)に初回接種を行います。対象年齢を過ぎると開始できないため、早めの接種がおすすめです。

保護者の方へ

子どもは脱水になりやすく、その程度をご家庭で判断することは難しいため、嘔吐や下痢がみられたら早めに小児科を受診しましょう。医師が脱水の有無を確認し、必要に応じて経口補水の方法やお薬、点滴治療を行います。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

百日咳

百日咳について

長引く咳に注意しましょう

百日咳は、百日せき菌という細菌が原因で起こる病気です。名前のとおり、咳が長く続くことがあります。最初は鼻水や軽い咳など、ふつうの風邪のように始まるため、はじめの頃は見分けがつきにくい病気です。

特に生後6か月未満の赤ちゃんは重くなることがあり、注意が必要です。

原因

咳やくしゃみに含まれる菌を吸い込むことでうつります。家族やきょうだいから赤ちゃんにうつることもあります。

症状

はじめは、鼻水、軽い咳、微熱などです。熱が出ないこともよくあります。

その後、次のような咳が目立ってきます。

・咳が何回も続けて出る
・咳き込んで吐いてしまう
・夜に咳が強くなる
・息を吸うときに「ヒュー」と音がする
・咳が何週間も続く

赤ちゃんでは、強い咳ではなく、息が止まる、顔色が悪くなる、ミルクが飲めないという形で気づくこともあります。

風邪との違い

ふつうの風邪は、数日から1週間ほどで少しずつよくなることが多いです。

百日咳では、熱はあまり高くないのに、咳だけがどんどん強くなったり、長く続いたりします。
「咳で吐く」「夜中に咳き込む」「2週間以上咳が続く」ときは、百日咳の可能性があります。

検査

百日咳が疑われるときは、鼻の奥を綿棒でこすって調べる迅速検査を行うことがあります。

ただし、検査の時期によっては、百日咳でも陰性になることがあります。そのため、症状やまわりの流行もあわせて判断します。

治療

治療には、百日咳の菌に効く**抗菌薬(抗生剤)**を使います。

早い時期に飲むと、症状を軽くしたり、周りにうつす期間を短くしたりできます。咳が長く続く時期になると、薬を飲んでも咳がすぐに止まらないことがありますが、感染を広げないために治療が大切です。

水分を少しずつとり、無理をせず休みましょう。

予防接種

百日咳はワクチンで予防できます。赤ちゃんの定期接種に含まれる5種混合ワクチンなどで予防します。

ただし、年齢が上がると免疫が弱くなることがあります。そのため、小学校入学前の年長さんで、3種混合ワクチンを追加で受けることがすすめられています(任意接種)。

赤ちゃんを守るためには、きょうだいや家族の予防も大切です。

受診の目安

次のようなときは小児科にご相談ください。

・咳が2週間以上続く
・咳き込んで吐く
・夜に強い咳が続く
・周りで百日咳が流行している
・赤ちゃんに咳がある

特に、息が苦しそう、顔色が悪い、唇が青い、息が止まる、水分やミルクが飲めないときは、早めに受診してください。

保護者の方へ

百日咳は、最初は風邪のように見えるため、気づきにくい病気です。咳が長引くときや、咳込みが強いときは、早めに相談することで、お子さん自身だけでなく、赤ちゃんや周りの人を守ることにもつながります。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

麻疹(はしか)

麻疹(はしか)について

~お子さんを守るために知っておきたいこと~

麻疹(はしか)とは

麻疹は、麻疹ウイルスによって起こる感染症です。とても感染力が強く、免疫のない人が感染するとほぼ100%発症するといわれています。発熱や咳、鼻水から始まり、その後全身に発疹が現れます。特効薬はなく、予防接種が最も大切な予防法です。

最近の日本での流行状況

2026年は、日本国内で麻疹患者の報告が増えています。海外で感染した人から国内へ広がるケースだけでなく、国内で感染する例もみられています。海外旅行や人の移動が増えたことも影響しており、厚生労働省や日本小児科学会は、MR(麻しん・風しん)ワクチンを決められた時期に2回接種することを強く勧めています。

どのように感染するの?

麻疹は次の3つの経路で感染します。

  • 空気感染(最も感染力が強い)
  • 飛沫感染(咳やくしゃみ)
  • 接触感染(手や物を介して)

感染力は非常に強く、同じ部屋にいるだけでも感染することがあります。

主な症状

最初は風邪のような症状から始まります。

  • 38~39℃以上の発熱
  • 咳・鼻水
  • 目の充血や目やに
  • 元気や食欲がなくなる

いったん熱が少し下がったあと、再び高熱となり、顔から全身へ赤い発疹が広がります。口の中に「コプリック斑」という白い小さな斑点が見られることもあります。

治療

麻疹そのものを治す薬はありません。

  • 十分な水分補給
  • 安静
  • 解熱薬などでつらい症状を和らげる

細菌感染を合併した場合には抗菌薬が必要になることがあります。

予防接種について

麻疹を予防する最も確実な方法はMR(麻しん・風しん混合)ワクチンです。

定期接種

  • 第1期:1歳
  • 第2期:小学校入学前の1年間(年長児)

この2回接種で高い予防効果が期待できます。

生後6か月以降の任意接種について

海外渡航を予定している場合や、地域で流行している場合などには、生後6か月以降に任意でMRワクチンを接種することがあります。

ただし、この接種は定期接種には含まれないため、**1歳以降の第1期、第2期の定期接種は予定どおり受ける必要があります。**接種の必要性については小児科でご相談ください。

予後(治ったあと)

多くのお子さんは回復しますが、麻疹は「ただの発疹の病気」ではありません。

  • 中耳炎
  • 肺炎
  • 脱水

などを合併することがあります。まれですが重い合併症として脳炎を起こすことがあり、命に関わったり、後遺症が残ったりする場合があります。また、ごくまれに数年後に**亜急性硬化性全脳炎(SSPE)**という重い脳の病気を発症することも知られています。

麻疹脳炎について

麻疹患者さん約1,000人に1人程度で脳炎を起こすとされ、高熱やけいれん、意識がぼんやりするなどの症状が現れます。重い後遺症が残ることもあるため、麻疹は予防が何より大切です。

保護者の皆さまへ

麻疹は現在でも流行がみられる感染症です。特にワクチン未接種のお子さんは重症化する可能性があります。

「高熱が続く」「発疹が出てきた」「麻疹の患者さんと接触した可能性がある」という場合は、受診前に医療機関へ電話で相談し、麻疹の可能性があることを伝えてから受診しましょう。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

ヘルパンギーナ

子どものヘルパンギーナとは?原因・症状・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どものヘルパンギーナは突然の高熱とのどの痛みが特徴の夏風邪です。原因や症状、家庭でできるケア、受診の目安まで、小児科医の視点で保護者の方にわかりやすく解説します。

子どものヘルパンギーナでお困りの保護者の方へ

「急に39℃の熱が出た…」
「のどが痛くて何も食べられない…」
「水分も飲めなくて大丈夫?」
「手足口病とは違うの?」

ヘルパンギーナは、突然の高熱とのどの強い痛みが特徴のウイルス感染症です。ほとんどのお子さんは1週間ほどで自然に回復しますが、**最も注意が必要なのは『のどの痛みによって水分が飲めなくなり、脱水を起こすこと』**です。

「熱はあるけれど様子を見ていて大丈夫?」
「食べられないけれど受診した方がいい?」

と迷われる保護者の方も多い病気です。水分が飲めない、ぐったりしている、おしっこが少ないなどの症状がある場合は、早めに小児科を受診しましょう。

横浜市・みなとみらい周辺でお子さんの発熱やのどの痛みでお困りの際は、みなとみらい小児科クリニックまでお気軽にご相談ください。

ヘルパンギーナとは?

ヘルパンギーナは、**エンテロウイルス(主にコクサッキーウイルスA群)**によって起こる感染症です。

毎年5〜8月頃に流行することが多く、「夏風邪」の代表的な病気として知られています。特に1〜5歳くらいのお子さんに多くみられますが、年齢を問わず感染することがあります。

特徴は

  • 突然の高熱
  • のどの強い痛み
  • のどの奥(軟口蓋・口蓋垂付近)にできる小さな水ぶくれや潰瘍

です。

手足口病や咽頭結膜熱(プール熱)と並ぶ、代表的な夏風邪の一つです。

ヘルパンギーナの原因

原因となるのは主に

  • コクサッキーウイルスA群
  • エンテロウイルス

です。

感染経路は

  • 飛沫感染(せき・くしゃみ)
  • 接触感染
  • 便口感染

の3つがあります。

特に乳幼児では、おむつ交換やおもちゃの共有などを通して感染しやすく、保育園や幼稚園で流行することが少なくありません。

また、便の中には症状が治まった後もしばらくウイルスが排泄されるため、熱が下がっても手洗いを続けることが感染予防には大切です。

どんな症状が出ますか?

ヘルパンギーナは、突然38〜40℃の高熱で始まることが多い病気です。しかし、実際にお子さんが最もつらいと感じるのは**「のどの強い痛み」**です。

発熱から1〜2日ほどすると、**のどの奥(軟口蓋や口蓋垂付近)に小さな水ぶくれ(水疱)や潰瘍(口内炎のような傷)**ができます。

この水ぶくれや潰瘍は、舌や唇、頬の内側ではなく、「のどの奥」にできることがヘルパンギーナの大きな特徴です。

食べ物や飲み物が潰瘍に触れるたびに強い痛みが生じるため、

  • 水分を飲みたがらない
  • 食事がほとんど食べられない
  • 飲み込むたびに泣いてしまう
  • 哺乳を嫌がる
  • よだれが増える
  • 機嫌が悪くなる

といった症状がよくみられます。

特に乳幼児では、「のどが痛い」とうまく伝えられないため、

  • 急に食べなくなった
  • ミルクを飲まなくなった
  • 飲み物を口に入れてもすぐ吐き出す
  • ずっと機嫌が悪い

といった様子で気付かれることも少なくありません。

ヘルパンギーナの主な症状

  • 38〜40℃の突然の高熱
  • のどの強い痛み
  • のどの奥(軟口蓋・口蓋垂付近)の小さな水ぶくれや潰瘍
  • 食欲低下
  • 水分を飲みたがらない
  • よだれが増えることがある
  • 機嫌が悪い

熱は2〜4日ほどで下がることが多く、のどの痛みも数日かけて改善していきます。

最も注意が必要なのは脱水です

ヘルパンギーナ自体は自然に治る病気ですが、最も注意しなければならないのは、「のどが痛くて水分が飲めなくなることによる脱水」です。

乳幼児は体内の水分量が多く、大人より短時間で脱水になることがあります。

次のような症状がみられる場合は注意が必要です。

  • おしっこの回数が減る
  • 唇や口の中が乾く
  • 泣いても涙が少ない
  • 元気がない
  • ぐったりしている

「食べられないこと」よりも、**「水分が飲めているか」「おしっこが出ているか」**を確認することがとても大切です。

ヘルパンギーナの診断

多くの場合は、

  • 発熱
  • のどの痛み
  • のどの奥(軟口蓋・口蓋垂付近)の特徴的な水ぶくれや潰瘍

を診察することで診断できます。

通常は血液検査や迅速検査は必要ありません。

ただし、

  • 川崎病
  • 溶連菌感染症
  • 手足口病
  • 咽頭結膜熱(プール熱)
  • 扁桃炎
  • アデノウイルス感染症

など、似た症状を示す病気との区別が必要になることがあります。

治療

ヘルパンギーナを治す特効薬や抗ウイルス薬、抗生物質はありません。

治療は症状を和らげる対症療法が中心です。

具体的には、

  • 十分な水分補給
  • 必要に応じた解熱鎮痛薬
  • 安静
  • 十分な睡眠

が基本になります。

特に重要なのは水分補給です。

一度にたくさん飲ませるのではなく、少量ずつ何回にも分けて飲ませる方が、お子さんも飲みやすくなります。

食事は無理に食べさせる必要はありません。

おすすめなのは

  • ゼリー
  • プリン
  • ヨーグルト
  • アイスクリーム
  • 冷ましたスープ
  • おかゆ
  • 経口補水液

など、冷たくて飲み込みやすいものです。

一方で、

  • オレンジジュースなど酸味の強い飲み物
  • 熱い食べ物
  • カレーなど香辛料の強い料理
  • 炭酸飲料

は潰瘍にしみて痛みが強くなるため、避けた方がよいでしょう。

小児科で実際によく相談されること【みなとみらい小児科クリニックより】

ヘルパンギーナで受診される保護者の方から最も多いご相談は、

「熱よりものどが痛くて全く飲めません。」

というものです。

実際には、高熱そのものよりも、のどの痛みによって水分が飲めず、脱水になることが心配になるケースが少なくありません。

また、「口内炎が口の前の方にできる病気だと思っていました」という保護者の方も多くいらっしゃいますが、ヘルパンギーナでは発疹や潰瘍は軟口蓋や口蓋垂付近など『のどの奥』にできることが特徴です。

みなとみらい小児科クリニックでは、お子さんの全身状態や脱水の程度を丁寧に確認し、ご家庭での水分補給の方法や食事の工夫まで詳しくご説明しています。

また、「ヘルパンギーナだと思っていたら手足口病だった」「溶連菌感染症や川崎病だった」ということもありますので、必要に応じて適切な診察・検査を行い、安心してご自宅で過ごせるようサポートしています。

少しでも気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

子どものヘルパンギーナとは?原因・症状・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説【前編】

メタディスクリプション(約120文字)

子どものヘルパンギーナは突然の高熱とのどの痛みが特徴の夏風邪です。原因や症状、家庭でできるケア、受診の目安まで、小児科医の視点で保護者の方にわかりやすく解説します。

子どものヘルパンギーナでお困りの保護者の方へ

「急に39℃の熱が出た…」
「のどが痛くて何も食べられない…」
「水分も飲めなくて大丈夫?」
「手足口病とは違うの?」

ヘルパンギーナは、突然の高熱とのどの強い痛みが特徴のウイルス感染症です。ほとんどのお子さんは1週間ほどで自然に回復しますが、**最も注意が必要なのは『のどの痛みによって水分が飲めなくなり、脱水を起こすこと』**です。

「熱はあるけれど様子を見ていて大丈夫?」
「食べられないけれど受診した方がいい?」

と迷われる保護者の方も多い病気です。水分が飲めない、ぐったりしている、おしっこが少ないなどの症状がある場合は、早めに小児科を受診しましょう。

横浜市・みなとみらい周辺でお子さんの発熱やのどの痛みでお困りの際は、みなとみらい小児科クリニックまでお気軽にご相談ください。

ヘルパンギーナとは?

ヘルパンギーナは、**エンテロウイルス(主にコクサッキーウイルスA群)**によって起こる感染症です。

毎年5〜8月頃に流行することが多く、「夏風邪」の代表的な病気として知られています。特に1〜5歳くらいのお子さんに多くみられますが、年齢を問わず感染することがあります。

特徴は

  • 突然の高熱
  • のどの強い痛み
  • のどの奥(軟口蓋・口蓋垂付近)にできる小さな水ぶくれや潰瘍

です。

手足口病や咽頭結膜熱(プール熱)と並ぶ、代表的な夏風邪の一つです。

ヘルパンギーナの原因

原因となるのは主に

  • コクサッキーウイルスA群
  • エンテロウイルス

です。

感染経路は

  • 飛沫感染(せき・くしゃみ)
  • 接触感染
  • 便口感染

の3つがあります。

特に乳幼児では、おむつ交換やおもちゃの共有などを通して感染しやすく、保育園や幼稚園で流行することが少なくありません。

また、便の中には症状が治まった後もしばらくウイルスが排泄されるため、熱が下がっても手洗いを続けることが感染予防には大切です。

どんな症状が出ますか?

ヘルパンギーナは、突然38〜40℃の高熱で始まることが多い病気です。しかし、実際にお子さんが最もつらいと感じるのは**「のどの強い痛み」**です。

発熱から1〜2日ほどすると、**のどの奥(軟口蓋や口蓋垂付近)に小さな水ぶくれ(水疱)や潰瘍(口内炎のような傷)**ができます。

この水ぶくれや潰瘍は、舌や唇、頬の内側ではなく、「のどの奥」にできることがヘルパンギーナの大きな特徴です。

食べ物や飲み物が潰瘍に触れるたびに強い痛みが生じるため、

  • 水分を飲みたがらない
  • 食事がほとんど食べられない
  • 飲み込むたびに泣いてしまう
  • 哺乳を嫌がる
  • よだれが増える
  • 機嫌が悪くなる

といった症状がよくみられます。

特に乳幼児では、「のどが痛い」とうまく伝えられないため、

  • 急に食べなくなった
  • ミルクを飲まなくなった
  • 飲み物を口に入れてもすぐ吐き出す
  • ずっと機嫌が悪い

といった様子で気付かれることも少なくありません。

ヘルパンギーナの主な症状

  • 38〜40℃の突然の高熱
  • のどの強い痛み
  • のどの奥(軟口蓋・口蓋垂付近)の小さな水ぶくれや潰瘍
  • 食欲低下
  • 水分を飲みたがらない
  • よだれが増えることがある
  • 機嫌が悪い

熱は2〜4日ほどで下がることが多く、のどの痛みも数日かけて改善していきます。

最も注意が必要なのは脱水です

ヘルパンギーナ自体は自然に治る病気ですが、最も注意しなければならないのは、「のどが痛くて水分が飲めなくなることによる脱水」です。

乳幼児は体内の水分量が多く、大人より短時間で脱水になることがあります。

次のような症状がみられる場合は注意が必要です。

  • おしっこの回数が減る
  • 唇や口の中が乾く
  • 泣いても涙が少ない
  • 元気がない
  • ぐったりしている

「食べられないこと」よりも、**「水分が飲めているか」「おしっこが出ているか」**を確認することがとても大切です。

ヘルパンギーナの診断

多くの場合は、

  • 発熱
  • のどの痛み
  • のどの奥(軟口蓋・口蓋垂付近)の特徴的な水ぶくれや潰瘍

を診察することで診断できます。

通常は血液検査や迅速検査は必要ありません。

ただし、

  • 川崎病
  • 溶連菌感染症
  • 手足口病
  • 咽頭結膜熱(プール熱)
  • 扁桃炎
  • アデノウイルス感染症

など、似た症状を示す病気との区別が必要になることがあります。

治療

ヘルパンギーナを治す特効薬や抗ウイルス薬、抗生物質はありません。

治療は症状を和らげる対症療法が中心です。

具体的には、

  • 十分な水分補給
  • 必要に応じた解熱鎮痛薬
  • 安静
  • 十分な睡眠

が基本になります。

特に重要なのは水分補給です。

一度にたくさん飲ませるのではなく、少量ずつ何回にも分けて飲ませる方が、お子さんも飲みやすくなります。

食事は無理に食べさせる必要はありません。

おすすめなのは

  • ゼリー
  • プリン
  • ヨーグルト
  • アイスクリーム
  • 冷ましたスープ
  • おかゆ
  • 経口補水液

など、冷たくて飲み込みやすいものです。

一方で、

  • オレンジジュースなど酸味の強い飲み物
  • 熱い食べ物
  • カレーなど香辛料の強い料理
  • 炭酸飲料

は潰瘍にしみて痛みが強くなるため、避けた方がよいでしょう。

小児科で実際によく相談されること【みなとみらい小児科クリニックより】

ヘルパンギーナで受診される保護者の方から最も多いご相談は、

「熱よりものどが痛くて全く飲めません。」

というものです。

実際には、高熱そのものよりも、のどの痛みによって水分が飲めず、脱水になることが心配になるケースが少なくありません。

また、「口内炎が口の前の方にできる病気だと思っていました」という保護者の方も多くいらっしゃいますが、ヘルパンギーナでは発疹や潰瘍は軟口蓋や口蓋垂付近など『のどの奥』にできることが特徴です。

みなとみらい小児科クリニックでは、お子さんの全身状態や脱水の程度を丁寧に確認し、ご家庭での水分補給の方法や食事の工夫まで詳しくご説明しています。

また、「ヘルパンギーナだと思っていたら手足口病だった」「溶連菌感染症や川崎病だった」ということもありますので、必要に応じて適切な診察・検査を行い、安心してご自宅で過ごせるようサポートしています。

少しでも気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

ヘルパンギーナで小児科を受診する目安

ヘルパンギーナの多くは自然に治る病気ですが、「どのタイミングで病院へ行けばよいの?」と迷われる保護者の方は少なくありません。

特に乳幼児では、高熱そのものよりも水分が飲めなくなることによる脱水が最も心配です。

次のような症状がある場合は、早めに小児科を受診しましょう。

早めの受診をおすすめする症状

  • 水分をほとんど飲めない
  • 食事が全くとれない
  • 半日以上おしっこが少ない
  • 泣いても涙が少ない
  • 唇や口の中が乾いている
  • 元気がなく、ぐったりしている
  • 高熱が3〜4日以上続く
  • 呼びかけへの反応が悪い
  • 強い頭痛や繰り返す嘔吐がある
  • けいれんを起こした
  • 呼吸が苦しそう

特に、生後3か月未満のお子さんで38℃以上の発熱がある場合は、ヘルパンギーナに限らず早急な診察が必要です。

ご家庭でできるケア

ヘルパンギーナでは、ご家庭でのケアが回復を助けます。

水分補給を最優先にしましょう

最も大切なのは、水分不足を防ぐことです。

のどが痛いため、一度にたくさん飲ませようとすると嫌がったり、吐いてしまったりすることがあります。

おすすめは、

  • スプーン1杯(5〜10mL)ずつ
  • 1〜2分ごとに少しずつ
  • 冷たい飲み物を利用する

という方法です。

飲み物は

  • 麦茶
  • 経口補水液
  • 冷ましたスープ

などがおすすめです。

食事は無理をさせなくて大丈夫です

数日間食事量が減っても、元気で水分が飲めていれば過度に心配する必要はありません。

おすすめの食べ物は

  • ゼリー
  • プリン
  • ヨーグルト
  • 豆腐
  • おかゆ
  • アイスクリーム
  • 冷ましたうどん

などです。

反対に

  • オレンジジュース
  • トマト
  • 炭酸飲料
  • カレー
  • 香辛料の多い料理
  • 熱い食べ物

は痛みが強くなることがあります。

登園・登校の目安

ヘルパンギーナは学校保健安全法で明確な出席停止期間は定められていません。

そのため、

発熱がなく、全身状態が良く、普段どおり食事や水分がとれるようになれば登園・登校が可能です。

ただし、

  • 保育園
  • 幼稚園
  • 学校

によって基準が異なることがありますので、それぞれの施設のルールをご確認ください。

なお、便の中には回復後もしばらくウイルスが排泄されるため、登園後もしっかり手洗いを続けることが大切です。

ご家庭でできる予防

ヘルパンギーナを完全に防ぐワクチンはありません。

そのため、日頃から感染予防を心掛けることが重要です。

ご家庭では

  • 石けんで十分な手洗いを行う
  • おむつ交換後は必ず手洗いをする
  • タオルの共用を避ける
  • おもちゃやドアノブを清潔に保つ
  • 咳エチケットを守る

ことをおすすめします。

特に、おむつ交換後の手洗いは非常に重要です。

便中のウイルスは症状が改善したあとも数週間排泄されるため、「熱が下がったからもう安心」と考えず、引き続き感染対策を続けましょう。

保護者の方からよくいただく質問(FAQ)

Q. ヘルパンギーナはうつりますか?

はい。

飛沫感染、接触感染、便口感染によって人から人へ感染します。

兄弟姉妹や保育園で広がることも少なくありません。

Q. 何度もかかることがありますか?

あります。

ヘルパンギーナの原因となるウイルスにはさまざまな種類があるため、一度かかっても別の型のウイルスに感染すると再び発症することがあります。

Q. 抗生物質は必要ですか?

必要ありません。

ヘルパンギーナはウイルス感染症のため、抗生物質は効果がありません。

細菌感染が疑われる場合を除き、対症療法が基本となります。

Q. 市販薬だけで様子を見てもいいですか?

水分が飲めて元気があり、症状が軽い場合はご家庭で経過をみることも可能です。

しかし、

  • 水分が飲めない
  • 高熱が続く
  • 元気がない

などの場合は、市販薬だけに頼らず医療機関を受診してください。

Q. プールには入れますか?

発熱やのどの痛みがある間は控えましょう。

症状が改善し、園や学校の許可があれば再開できます。

横浜市・みなとみらいでヘルパンギーナが心配なお子さんへ

みなとみらい小児科クリニックでは、ヘルパンギーナをはじめとする小児感染症の診療を行っています。

ヘルパンギーナと思って受診されたお子さんの中には、

  • 手足口病
  • 咽頭結膜熱(プール熱)
  • 溶連菌感染症
  • 川崎病
  • 扁桃炎

など、別の病気が見つかることもあります。

当院では、お子さんの全身状態を丁寧に診察し、必要に応じて適切な検査や治療をご提案しています。

また、診察では単に病名をお伝えするだけではなく、

  • 水分補給のコツ
  • 食事の工夫
  • 解熱剤の使い方
  • 登園できるタイミング
  • ご家庭で注意していただきたいポイント

まで分かりやすくご説明しています。

「食べられないけれど様子を見て大丈夫?」
「経口補水液はどのくらい飲ませればいい?」
「夜になって熱が上がったらどうしたらいい?」

このような不安がありましたら、お気軽にご相談ください。

まとめ

ヘルパンギーナは、突然の高熱とのどの強い痛みが特徴の夏風邪です。ほとんどのお子さんは自然に回復しますが、**最も大切なのは「脱水を防ぐこと」**です。

少量ずつでもこまめに水分を補給し、お子さんの元気や尿の回数をよく観察しましょう。

「水分が飲めない」「ぐったりしている」「高熱が続く」など心配な症状がある場合は、無理に様子を見続けず、早めに小児科へご相談ください。

みなとみらい小児科クリニックでは、ヘルパンギーナをはじめとするお子さんの発熱や感染症の診療を行っています。

保護者の皆さまの不安に寄り添いながら、お子さん一人ひとりに合わせた診療とご家庭でのケアについて丁寧にご説明いたします。横浜市・みなとみらい周辺でお子さんの発熱やのどの痛みでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

参考資料

本記事は、以下の公的機関・学会・専門機関が公開している資料および診療指針を参考に作成しています。

行政機関・公的機関

  • 厚生労働省「感染症情報」
  • 厚生労働省「学校において予防すべき感染症」
  • 厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2023年改訂版)」
  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報(旧 国立感染症研究所)
    • ヘルパンギーナ
    • 感染症発生動向調査(IDWR)
    • IASR(病原微生物検出情報)
  • こども家庭庁「保育所等における健康管理・感染症対策関連資料」

小児科・感染症関連学会

  • 日本小児科学会
  • 日本小児感染症学会
  • 日本小児科医会
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児救急医学会
  • 日本小児呼吸器学会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 日本小児神経学会
  • 日本小児循環器学会
  • 日本小児腎臓病学会
  • 日本小児内分泌学会
  • 日本小児血液・がん学会
  • 日本小児リウマチ学会
  • 日本川崎病学会
  • 日本新生児成育医学会
  • 日本小児在宅医学会
  • 日本国際小児保健学会
  • 日本小児心身医学会
  • 日本子ども虐待医学会
  • 日本先天代謝異常学会
  • 日本小児体液研究会
  • 日本マススクリーニング学会
  • 日本小児東洋医学会

診療・感染症情報

  • 日本感染症学会
  • UpToDate(Pediatric Herpangina:医療者向け情報)
  • Nelson Textbook of Pediatrics(小児科学標準教科書)
  • Red Book®:Report of the Committee on Infectious Diseases(American Academy of Pediatrics)
  • CDC(Centers for Disease Control and Prevention)Enterovirus Infection
  • WHO(World Health Organization)Enterovirus関連情報

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

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