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生後3か月未満の赤ちゃんの発熱|38℃以上は受診が必要? 小児科医がわかりやすく解説

生後3か月未満の赤ちゃんの発熱|38℃以上は受診が必要?原因・検査・治療を小児科医がわかりやすく解説

生後3か月未満の赤ちゃんが38℃以上の発熱をした場合は、早めの受診が必要です。原因や症状、病院で行う検査、治療、入院が必要になる場合まで、小児科医が保護者の方にもわかりやすく解説します。

生後3か月未満で38℃以上の熱があったら、できるだけ早く受診しましょう

生後3か月未満の赤ちゃんが38.0℃以上の発熱をした場合は、元気そうに見えても早めの小児科受診が大切です。この時期は免疫機能がまだ十分に発達しておらず、風邪などのウイルス感染だけでなく、尿路感染症や敗血症、髄膜炎などの重い細菌感染症が隠れていることがあります。特に生後28日未満では入院して詳しい検査や治療が必要になることもあるため、「少し様子を見よう」と自己判断せず、できるだけ早く医療機関へ相談しましょう。

「熱はあるけれど元気そう…」それでも受診した方がいいの?

保護者の方からよくいただくご相談に、

「熱はあるけれど機嫌はいいです。」

「母乳やミルクも飲めています。」

「夜まで様子を見ても大丈夫でしょうか?」

というものがあります。

年長のお子さんでは元気さを参考に様子を見ることもありますが、生後3か月未満の赤ちゃんでは事情が異なります。

この時期は、見た目では重い病気かどうかを判断することが難しく、発熱だけが唯一のサインであることも少なくありません。

そのため、日本小児科学会や日本小児感染症学会などでも、生後3か月未満の38℃以上の発熱は慎重に診療することが推奨されています。

「元気だから大丈夫」と安心せず、一度小児科で診察を受けることが赤ちゃんを守ることにつながります。

生後3か月未満の発熱とは?

一般的に38.0℃以上を発熱といいます。

赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、泣いた後や厚着、室温が高いことで体温が少し上がることがあります。しかし、そのような場合でも38℃以上が続くときは感染症などの病気を考える必要があります。

体温を測るときは、できるだけ脇の下を乾かし、電子体温計を正しく挟んで測定しましょう。

家庭で何度か測って38℃以上が確認できた場合は、小児科へ相談してください。

なぜ生後3か月未満の発熱は特別なのでしょうか?

赤ちゃんは、お母さんから受け継いだ免疫に守られている一方、自分自身の免疫機能はまだ十分に成熟していません。

そのため、細菌が体内に入り込むと短時間で重症化してしまうことがあります。

特に注意が必要なのは、

  • 敗血症
  • 細菌性髄膜炎
  • 尿路感染症
  • 肺炎

などです。

これらは早期に診断し、適切な治療を始めることで重症化を防げる可能性があります。

そのため、生後3か月未満の発熱は「様子を見る病気」ではなく、「原因を調べる必要があるサイン」と考えられています。

発熱の原因

最も多いのはウイルス感染

発熱の原因として最も多いのはウイルス感染です。

代表的なものには

  • ライノウイルス(かぜ)
  • RSウイルス
  • ヒトメタニューモウイルス
  • インフルエンザウイルス
  • 新型コロナウイルス

などがあります。

ウイルス感染では咳や鼻水を伴うことが多いですが、熱だけが最初の症状であることもあります。

注意が必要な細菌感染症

生後3か月未満では細菌感染症にも十分注意が必要です。

代表的なものは

  • 尿路感染症
  • 敗血症
  • 細菌性髄膜炎
  • 肺炎

です。

なかでも尿路感染症は乳児の発熱の原因として比較的多く、咳や鼻水がなく、熱だけで受診されることも珍しくありません。

発熱だけだからといって軽い風邪とは限らないため、尿検査を行うことがあります。

症状

発熱以外には次のような症状がみられることがあります。

  • 母乳・ミルクの飲みが悪い
  • 元気がない
  • ぐったりしている
  • 泣き方が弱い
  • 呼吸が速い
  • 呼吸が苦しそう
  • 鼻水
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 顔色が悪い

一方で、重い感染症であっても発熱以外にほとんど症状がないことがあります。

そのため、保護者の方が「いつもより少し様子が違う」と感じることも大切なサインになります。

病院ではどんな検査をするの?

診察では、赤ちゃんの顔色や呼吸、機嫌、水分摂取の様子などを丁寧に確認します。

そのうえで必要に応じて、

  • 血液検査
  • 尿検査
  • 尿培養検査
  • 血液培養検査
  • 鼻やのどの迅速検査
  • 胸部レントゲン検査

などを行います。

また、髄膜炎が疑われる場合には髄液検査を行うことがあります。

検査内容はすべてのお子さんに同じではなく、月齢や診察所見、全身状態を総合的に判断して決定します。

入院になることはありますか?

保護者の方から最も多い質問の一つが、

「元気そうなのに入院になりますか?」

というものです。

特に生後28日未満では、重い細菌感染症を否定できないため、入院して詳しい検査や点滴による抗菌薬治療を行うことが一般的です。

生後1〜3か月では、赤ちゃんの月齢や診察所見、検査結果を総合的に判断し、外来で経過を見る場合と入院が必要になる場合があります。

入院と聞くと驚かれる保護者の方も多いですが、安全を第一に考えた結果であり、赤ちゃんを守るための大切な判断です。

治療

治療は原因によって異なります。

ウイルス感染では十分な水分補給を行いながら自然に回復を待つことが多く、必要に応じて解熱剤などを使用します。

一方、細菌感染症が疑われる場合には、点滴による抗菌薬(抗生物質)の治療が必要になります。

特に新生児期は病気の進行が早いことがあるため、診断がつく前から抗菌薬を開始することもあります。

保護者の方にとっては「検査が多い」「入院になるかもしれない」と不安に感じられるかもしれません。しかし、これらは重い感染症を見逃さず、赤ちゃんを安全に治療するために重要な対応です。

家庭でできるケア

生後3か月未満の赤ちゃんが発熱した場合は、無理に熱を下げることよりも、早めに医療機関を受診することが大切です。

受診までの間は、次のような点に気を付けましょう。

  • 母乳やミルクは欲しがる分だけ少しずつ飲ませる
  • 厚着をさせすぎず、室温を快適に保つ
  • 顔色や呼吸の様子をよく観察する
  • おしっこの回数や量を確認する

熱があるからといって、厚着や毛布でたくさん包む必要はありません。赤ちゃんが快適に過ごせる環境を整えることが大切です。

また、市販の風邪薬や解熱剤を自己判断で使用することはおすすめできません。月齢によって使用できる薬が限られるため、必ず医師の指示に従ってください。

こんな時はすぐに受診してください

生後3か月未満の赤ちゃんでは、38.0℃以上の発熱があれば、できるだけ早く小児科を受診してください。

さらに次のような症状がある場合は、夜間や休日であっても救急受診を検討しましょう。

  • 母乳・ミルクをほとんど飲めない
  • ぐったりしている
  • 呼びかけへの反応が弱い
  • 呼吸が苦しそう、呼吸が速い
  • 顔色が悪い
  • 唇の色が紫色っぽい
  • 繰り返し吐いている
  • けいれんを起こした
  • おしっこが極端に少ない

「受診した方がいいか迷う」という場合も、自己判断せず医療機関へ相談することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q. 熱があっても機嫌がよければ様子を見てもいいですか?

いいえ。

生後3か月未満では、元気そうに見えても重い細菌感染症が隠れていることがあります。38℃以上の発熱があれば早めの受診をおすすめします。

Q. 母乳やミルクが飲めていれば安心ですか?

飲めていても安心とは言えません。

飲めていることは良いサインですが、細菌感染症では初期には飲めていることもあります。医師による診察を受けましょう。

Q. ワクチン接種後の発熱でも受診した方がよいですか?

ワクチン接種後には発熱することがあります。

しかし、生後3か月未満ではワクチンによる発熱だけとは限りません。不安な場合は接種後であっても小児科へご相談ください。

Q. 解熱剤は使った方がいいですか?

自己判断では使用しないようにしましょう。

生後3か月未満では使用できる薬が限られており、原因が分からないまま解熱剤を使用すると診断の妨げになる場合もあります。

Q. 夜中に熱が出たら朝まで待ってもいいですか?

生後3か月未満で38℃以上の発熱がある場合は、夜間であっても医療機関へ相談することをおすすめします。

夜間救急や小児救急相談窓口(#8000)も活用してください。

参考資料

本記事は以下の資料を参考に作成しています。

  • 厚生労働省
  • 日本小児科学会
  • 日本小児感染症学会
  • 日本新生児成育医学会
  • 日本小児救急医学会
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児呼吸器学会
  • 日本小児神経学会
  • 日本小児循環器学会
  • 日本小児腎臓病学会
  • 日本小児内分泌学会
  • 日本小児血液・がん学会
  • 日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 日本小児リウマチ学会
  • 日本川崎病学会
  • 日本小児在宅医学会
  • 日本国際小児保健学会
  • 日本小児心身医学会
  • 日本子ども虐待医学会
  • 日本先天代謝異常学会
  • 日本小児体液研究会
  • 日本マススクリーニング学会
  • 日本小児東洋医学会
  • 国立健康危機管理研究機構 感染症情報サイト(旧 国立感染症研究所)
  • Nelson Textbook of Pediatrics
  • Red Book: Report of the Committee on Infectious Diseases

みなとみらい小児科クリニックでの診療

みなとみらい小児科クリニックでは、生後3か月未満の赤ちゃんの発熱診療を行っています。

当院では、「熱はあるけれど元気そう」「母乳やミルクは飲めているけれど受診した方がよいのか分からない」「夜間に熱が出て心配」といったご相談を多くいただきます。

生後3か月未満の赤ちゃんでは、見た目だけで重い感染症を判断することは困難です。当院では月齢や全身状態を丁寧に診察し、必要に応じて血液検査や尿検査を行っています。また、入院や専門的な治療が必要と判断した場合には、速やかに高次医療機関へご紹介できる体制を整えています。

横浜市西区・みなとみらい周辺で、生後3か月未満のお子さんの発熱でご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

慢性の頭痛

子どもの慢性頭痛とは?原因・症状・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

メタディスクリプション(約120文字)
子どもの慢性頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛が多く、生活に影響することもあります。原因や症状、必要な検査、治療、受診の目安を小児科医がわかりやすく解説します。横浜・みなとみらいで頭痛にお悩みの方もご相談ください。

子どもの慢性頭痛について

「最近よく頭が痛いと言う」「学校を休むことが増えた」「検査を受けた方がいいの?」と心配になる保護者の方は少なくありません。

子どもの慢性頭痛の多くは命に関わる病気ではなく、適切な診断と治療で改善が期待できます。一方で、まれに脳の病気などが隠れていることもあるため、頭痛が繰り返す場合やいつもと違う症状がある場合は、小児科への相談をおすすめします。

慢性頭痛とは?

慢性頭痛とは、3か月以上にわたり繰り返し起こる頭痛のことをいいます。

子どもの慢性頭痛の多くは、脳に異常がない一次性頭痛で、代表的なものは次の2つです。

  • 片頭痛(へんずつう)
  • 緊張型頭痛

一方で、脳腫瘍や水頭症、髄膜炎など病気が原因となる二次性頭痛もあり、見逃さないことが重要です。

子どもの慢性頭痛の原因

片頭痛

片頭痛は子どもにも多くみられる頭痛です。

原因はまだ完全には分かっていませんが、脳や神経の働きが関係すると考えられています。

きっかけになるもの

  • 睡眠不足
  • 疲れ
  • ストレス
  • 空腹
  • 脱水
  • 天候の変化
  • 月経(思春期以降)

家族に片頭痛があるお子さんも少なくありません。

緊張型頭痛

首や肩の筋肉の緊張やストレスが関係して起こります。

最近では

  • 長時間のスマートフォン
  • タブレット学習
  • ゲーム
  • 猫背など姿勢の悪さ

も原因となることがあります。

症状

片頭痛

  • ズキズキと脈打つように痛む
  • 動くと痛みが強くなる
  • 吐き気や嘔吐を伴うことがある
  • 光や音を嫌がる
  • 数時間で改善することが多い

緊張型頭痛

  • 締め付けられるような痛み
  • 重たい感じが続く
  • 動いてもあまり変わらない
  • 肩こりや首のこりを伴うことが多い

片頭痛と緊張型頭痛の違い

片頭痛緊張型頭痛痛みズキズキ締め付けられる動くと強くなるあまり変わらない特徴吐き気・光や音がつらいことがある肩こりや疲れを伴いやすい

どんな検査をするの?

多くのお子さんでは、詳しい問診と診察だけで診断できます。

医師は

  • 頭痛が始まった時期
  • 頭痛の回数や時間
  • 痛む場所
  • 吐き気や発熱の有無
  • 学校生活への影響
  • 家族歴

などを確認します。

必要に応じて

  • 頭部MRI
  • 頭部CT
  • 血液検査
  • 視力・眼科検査
  • 耳鼻科での評価(副鼻腔炎など)

を行います。

頭痛の診療ガイドライン2021では、典型的な片頭痛や緊張型頭痛では画像検査を必ずしも行う必要はなく、危険な症状(レッドフラッグ)がある場合にMRIなどを検討するとされています。

治療

まずは生活習慣を整えることが最も大切です。

  • 十分な睡眠
  • 朝食を食べる
  • 水分補給
  • 適度な運動
  • スマートフォン・ゲーム時間の見直し

痛みが強い場合は

  • アセトアミノフェン
  • イブプロフェン

などを使用します。

片頭痛では、年齢や症状に応じてトリプタン製剤を使用することがあります。また、頭痛が頻繁な場合は予防薬を検討することもあります。

こんな頭痛は早めに受診しましょう

次のような場合は早めに小児科を受診してください。

  • 初めて経験する強い頭痛
  • 朝方の頭痛や繰り返す嘔吐
  • 発熱や首の硬さがある
  • 意識がぼんやりする
  • 手足が動きにくい
  • けいれんを伴う
  • 頭をぶつけた後の頭痛
  • 頭痛が徐々に悪化している

登園・登校の目安

頭痛が軽く、

  • 元気がある
  • 発熱がない
  • 普段どおり食事や水分がとれる

場合は登園・登校できることが多いでしょう。

一方で、

  • 頭痛が強い
  • 吐き気や嘔吐がある
  • 日常生活に支障がある

場合は無理をせず休養し、受診を検討してください。

小児科でよくあるご相談

当院では、

「学校へ行く前だけ頭が痛くなる」

「ゲームをすると頭痛が悪化する」

「頭痛が続いて脳腫瘍ではないか心配」

というご相談をよくいただきます。

実際には、多くのお子さんが片頭痛や緊張型頭痛ですが、診察では危険な頭痛ではないかを確認したうえで、一人ひとりに合った生活指導や治療をご提案しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 子どもの頭痛はよくあることですか?

はい。学童期以降では珍しくありません。多くは片頭痛や緊張型頭痛です。

Q. 毎回MRIが必要ですか?

いいえ。診察で危険なサインがなければ、必ずしもMRIは必要ありません。

Q. 市販の頭痛薬を使ってもいいですか?

使用できる場合もありますが、薬の使い過ぎは頭痛を悪化させることがあります。繰り返す頭痛では自己判断を続けず、小児科へご相談ください。

Q. スマートフォンやゲームは関係しますか?

長時間の使用や睡眠不足は頭痛のきっかけになることがあります。適度な休憩を取り、生活リズムを整えることが大切です。

参考にした主な資料

本記事は、以下の信頼性の高い資料を参考に作成しています。

  • 厚生労働省
  • 日本小児科学会
  • 日本頭痛学会『頭痛の診療ガイドライン2021』
  • 日本神経学会『頭痛の診療ガイドライン2021』
  • 日本小児神経学会
  • 日本小児救急医学会
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児感染症学会
  • 日本小児心身医学会
  • 日本小児科医会
  • 国立成育医療研究センター
  • 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター
  • こどもの救急(日本小児科学会監修)

※本記事は、国内の診療ガイドラインおよび小児神経・小児科領域の推奨をもとに作成しています。

横浜市・みなとみらいでお子さんの頭痛にお困りの方へ

みなとみらい小児科クリニックでは、お子さんの慢性頭痛の診療を行っています。

「頭痛が続いている」「学校を休みがちになった」「脳の病気ではないか心配」といったご相談を多くいただいています。

当院では、まず丁寧な問診と診察を行い、危険な頭痛ではないかを見極めます。その上で、必要に応じて専門医療機関と連携しながら検査を検討し、片頭痛や緊張型頭痛では生活習慣の改善や適切なお薬による治療をご提案しています。

お子さんの頭痛は、学校生活やご家族の日常にも大きな影響を与えることがあります。「このくらいで受診してよいのかな」と迷われる場合も、どうぞお気軽にご相談ください。早めに原因を確認し、お子さんに合った治療を始めることが、症状の改善につながります。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

こどもの便秘

子どもの便秘とは?原因・症状・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どもの便秘は早めの治療が大切です。便秘の原因や症状、家庭でできるケア、モビコール®などの治療薬、受診の目安まで小児科医がわかりやすく解説します。横浜市・みなとみらい周辺でお子さんの便秘にお困りの方はご相談ください。

子どもの便秘でお困りの保護者の方へ

「何日も便が出ないけれど大丈夫?」
「便をするときに泣いてしまう」
「便秘薬は続けても癖にならない?」
「毎日トイレに座っているのに出ない…」

このようなお悩みで受診されるお子さんは少なくありません。

**子どもの便秘はとてもよくある病気ですが、早めに適切な治療を始めることで改善が期待できます。**一方で、「もう少し様子を見よう」と我慢してしまうと、便がさらに硬くなり、排便時の痛みから便を我慢する悪循環に陥ることがあります。

日本小児栄養消化器肝臓学会・日本小児消化管機能研究会の**「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン2025」**でも、便秘は早期診断・早期治療が推奨されています。

子どもの便秘とは?

便秘とは、単に「毎日便が出ないこと」ではありません。

次のような状態が続く場合は便秘と考えます。

  • 排便回数が少ない
  • コロコロした硬い便(ブリストル便形状スケール1~3)
  • 排便時に痛がる
  • 強くいきまないと出ない
  • 便が残った感じがある
  • パンツに便が漏れる(便失禁)

子どもの便秘の約90%以上は慢性機能性便秘症で、生まれつきの病気ではなく、生活習慣や排便を我慢することなどが原因です。

子どもの便秘の原因

便秘は一つの原因だけではなく、いくつかの要因が重なって起こります。

  • 排便時に痛かった経験があり便を我慢する
  • 水分不足
  • 食物繊維不足
  • 朝食を食べない
  • トイレを我慢する
  • トイレトレーニング
  • 入園・入学など環境の変化
  • 運動不足

一度便を我慢すると腸の中で便の水分が吸収され、さらに硬くなります。その結果、排便時に痛みが強くなり、また我慢するという悪循環になります。

子どもの便秘の症状

便秘では便が出ないだけではありません。

  • 数日便が出ない
  • コロコロした硬い便
  • 排便時の痛み
  • 肛門から出血する
  • お腹が張る
  • 腹痛を繰り返す
  • 食欲がない
  • 嘔吐
  • パンツに便が付く(便漏れ)

便漏れは下痢ではなく、硬い便の隙間から軟らかい便が漏れていることも少なくありません。

子どもの便秘はどうやって診断する?

診断は問診と診察が中心です。

医師は

  • 排便回数
  • ブリストル便形状スケールによる便の硬さ
  • 排便時の痛み
  • 食生活
  • 排便習慣
  • 便漏れの有無

などを確認します。

必要に応じて腹部レントゲン検査を行い、腸に便がどのくらいたまっているかを確認します。

体重増加不良、新生児期からの便秘、血便などがある場合には、まれな病気が隠れていないか追加検査を行います。

子どもの便秘の治療

最新の診療ガイドラインでは、「便を出す」「便をやわらかく保つ」「排便習慣を整える」の3つが治療の柱です。

① たまった便をしっかり出す

便が大量にたまっている場合は、まず飲み薬や浣腸などで便を出します。

十分に便を出さないまま治療を始めても改善しにくいことがあります。

② 便をやわらかく保つ

現在は**モビコール®(マクロゴール4000)**が、小児便秘治療の第一選択薬として広く使用されています。

モビコール®は2歳以上から使用でき、便の水分を増やして自然な排便を助けます。

症状に応じて酸化マグネシウムラクツロースを組み合わせることもあります。

便秘薬は医師の指示どおり続けることが大切で、「癖になる薬」ではありません。

③ 排便習慣を整える

毎日決まった時間にトイレへ座る習慣をつけましょう。

おすすめは朝食後です。

また、

  • 水分をしっかり飲む
  • 野菜・果物など食物繊維をとる
  • 適度に体を動かす
  • 排便を我慢しない

ことも大切です。

家庭でできる便秘対策

家庭では次のことを意識しましょう。

  • 朝食を食べる
  • 水分を十分にとる
  • 食物繊維を意識する
  • 排便日誌をつける
  • ブリストル便形状スケールで便の状態を確認する
  • 毎日同じ時間にトイレへ座る

焦らず続けることが改善への近道です。

市販薬だけで様子を見ても大丈夫?

一時的な便秘であれば改善することもあります。

しかし、

  • 便秘を何度も繰り返す
  • 排便時に毎回痛がる
  • 便漏れがある
  • 市販薬を使っても改善しない

場合は、小児科で相談することをおすすめします。

小児科でよくあるご相談(当院で実際によくあるケース)

当院では、

「野菜を食べているのに便秘です。」

「毎日出ているので便秘ではないと思っていました。」

「便漏れが続くので下痢だと思っていました。」

というご相談をよくいただきます。

実際には、毎日少量しか出ていない便秘や、便秘による便漏れのお子さんも少なくありません。

また、「便秘薬は癖になるのでは」と心配される保護者の方も多いですが、現在使用されている薬はガイドラインに基づいて適切に使用することで、安全に治療を続けることができます。

こんな時は小児科を受診してください

次のような症状がある場合は受診をおすすめします。

  • 便が1週間近く出ない
  • 排便時に強い痛みや出血がある
  • お腹が大きく張る
  • 嘔吐を繰り返す
  • 強い腹痛がある
  • 便漏れが続く
  • 市販薬でも改善しない
  • 赤ちゃんの頃から便秘が続いている

よくある質問(FAQ)

Q. 毎日便が出ていれば便秘ではありませんか?

いいえ。毎日出ていても少量しか出ず、硬い便が残っている場合は便秘のことがあります。

Q. モビコール®は何歳から使えますか?

日本では2歳以上のお子さんに使用できます。

Q. 便秘薬は癖になりますか?

医師の指示どおり使用する便秘薬は癖になる薬ではありません。症状が落ち着くまで継続することが大切です。

Q. 食事だけで治りますか?

軽い便秘では改善することもありますが、慢性的な便秘では薬による治療が必要になることも少なくありません。

参考資料

本記事は以下の資料を参考に作成しています。

  • 厚生労働省
  • 日本小児科学会
  • 日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 日本小児消化管機能研究会「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン2025」
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児救急医学会
  • 日本小児感染症学会
  • 国立感染症研究所 感染症情報サイト

横浜市・みなとみらいでお子さんの便秘にお困りの方へ

便秘は「体質だから仕方ない」と思われがちですが、適切な治療で改善できる病気です。

みなとみらい小児科クリニックでは、お子さんの便秘の診療を行っています。

お子さん一人ひとりの症状に合わせて、生活習慣の見直しから薬物療法まで、最新の診療ガイドラインに基づいた治療をご提案しています。

「便秘かな?」「毎日出ているけれど硬い便が続く」「便漏れが気になる」など、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

インフルエンザ

子どものインフルエンザとは?原因・症状・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どものインフルエンザの原因や症状、迅速検査、抗インフルエンザ薬による治療、家庭でのケア、受診の目安まで、小児科医がわかりやすく解説します。横浜市・みなとみらいで小児科をお探しの方もぜひ参考にしてください。

子どものインフルエンザでお困りの保護者の方へ

お子さんが急に高い熱を出すと、「インフルエンザかもしれない」「病院へ行くタイミングは?」「検査はいつ受ければいいの?」と不安になりますよね。

インフルエンザは毎年冬に流行する感染症ですが、早めに適切な診断と治療を受けることで症状を軽くし、合併症を予防できる可能性があります。特に高熱が続く、ぐったりしている、水分が飲めないなどの症状がある場合は、小児科を受診しましょう。

この記事では、保護者の皆さまが安心して対応できるよう、インフルエンザについてわかりやすくご説明します。

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こる感染症です。

一般的なかぜと比べて、38℃以上の高熱、強いだるさ、頭痛、筋肉痛などの全身症状が強く現れることが特徴です。

毎年冬になると全国的に流行し、保育園や幼稚園、学校など集団生活を送る子どもたちは感染しやすくなります。

ほとんどのお子さんは1週間ほどで回復しますが、乳幼児では熱性けいれん、まれにインフルエンザ脳症や肺炎など重い合併症を起こすことがあるため注意が必要です。

インフルエンザの原因

原因はインフルエンザウイルス(A型・B型など)です。

感染した人のせきやくしゃみに含まれる飛沫を吸い込む飛沫感染や、ウイルスが付着したドアノブやおもちゃなどを触った手で口・鼻・目を触る接触感染によって広がります。

症状が出る前日頃から周囲へ感染させることもあり、家族内で広がることも少なくありません。

流行時期には、

  • 手洗い
  • 咳エチケット
  • 十分な睡眠
  • バランスのよい食事
  • ワクチン接種

などが予防につながります。

子どものインフルエンザの症状

代表的な症状は次のとおりです。

  • 38℃以上の急な発熱
  • 強い寒気
  • 頭痛
  • 全身のだるさ
  • 筋肉痛・関節痛
  • 鼻水
  • のどの痛み
  • 食欲低下

小さなお子さんでは、「機嫌が悪い」「抱っこばかり求める」「水分を飲みたがらない」などが最初のサインになることもあります。

また、高熱によって熱性けいれんを起こすことがあります。

さらに頻度は高くありませんが、

  • インフルエンザ脳症
  • 肺炎
  • 中耳炎

などの合併症を起こすこともあります。

ぐったりして呼びかけへの反応が悪い、けいれんを繰り返す、意味不明な言動がある、呼吸が苦しそうな場合は、早急な受診が必要です。

インフルエンザの診断

診断では、症状や流行状況を確認したうえで、必要に応じて鼻の奥をぬぐう迅速抗原検査を行います。

最近では発熱後約8時間頃から検査可能な高感度迅速検査も普及しています。

一方で、発熱直後は体内のウイルス量が少ないため、どの検査でも陰性となることがあります。

そのため小児科では、

  • 発熱してからの時間
  • お子さんの症状
  • ご家族の感染状況
  • 地域での流行状況

などを総合的に判断し、最適なタイミングで検査を行います。

検査結果だけではなく、診察所見を含めて診断することが大切です。

インフルエンザの治療

治療の基本は、

  • 十分な水分補給
  • 安静
  • 必要に応じた解熱薬

です。

さらに、インフルエンザでは抗インフルエンザ薬による治療が有効です。

抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に開始することで、

  • 発熱期間を短くする
  • 症状を軽くする
  • 肺炎や中耳炎などの合併症を減らす

効果が期待されています。

お子さんの年齢や体重、症状に応じて、

  • オセルタミビル
  • バロキサビル
  • ザナミビル
  • ラニナミビル

などから適切なお薬を選択します。

診療では、「薬を飲んだ方がよいのか」「副作用は大丈夫か」といったご相談を受けることがよくあります。

現在使用されている抗インフルエンザ薬は多くの小児で使用実績があり、ガイドラインでも推奨されている治療です。発症早期に開始することで、お子さんが少しでも早く楽になることが期待できます。

家庭でできるケア

インフルエンザでは脱水を防ぐことがとても大切です。

一度にたくさん飲めない場合は、

  • 麦茶
  • 経口補水液

などを少量ずつこまめに飲ませましょう。

無理に食事を食べさせる必要はありませんが、食欲が出てきたら消化のよいものから少しずつ始めます。

また、十分な睡眠と安静を保つことも回復への近道です。

高熱があってつらそうな場合には、小児科で処方された解熱薬を使用しましょう。

市販薬は使える?

「市販のかぜ薬で様子をみてもよいですか?」というご相談をよくいただきます。

市販薬の中には症状を和らげるものもありますが、インフルエンザそのものを治す薬ではありません。

また、小さなお子さんでは年齢によって使用できない成分もあります。

熱が高くつらそうな場合は、小児科で処方された解熱薬を使用しましょう。自己判断で薬を飲ませるのではなく、不安な場合は医師や薬剤師へご相談ください。

小児科を受診する目安

インフルエンザが疑われる場合は、できるだけ早めの受診をおすすめします。

現在は発熱後約8時間頃から検査可能な高感度迅速検査もあります。一方で、発熱直後は陰性となることもあるため、検査を受けるタイミングは症状や経過をみながら判断します。

また、抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に開始すると効果が期待できるため、高熱や強い全身症状がある場合は、検査のタイミングを待ちすぎず受診することが大切です。

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 38℃以上の発熱がある
  • 水分や食事があまりとれない
  • 強い咳が続く
  • 元気がなくぐったりしている
  • 家族にインフルエンザの方がいる

次のような場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 呼吸が苦しそう
  • 水分がほとんど飲めない
  • おしっこが少ない
  • けいれんを起こした
  • 呼びかけても反応が悪い
  • 意味不明な言動がある
  • 生後3か月未満のお子さんが発熱した

登園・登校の目安

学校保健安全法では、

「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」

は登園・登校を控えることとされています。

熱が下がっていても、食事がとれ、普段どおり元気に遊べるようになってから登園・登校することが大切です。

インフルエンザワクチンについて

インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐものではありませんが、

  • 発症を予防する
  • 重症化を防ぐ
  • 入院や合併症のリスクを減らす

効果が期待されています。

特に、

  • 乳幼児
  • 基礎疾患のあるお子さん
  • 受験を控えたお子さん

では、ワクチン接種が推奨されています。

毎年流行するウイルスが変わるため、毎年接種することが大切です。

当院でよくいただくご相談

診療をしていると、保護者の方から次のようなご質問をいただくことがよくあります。

「熱が出てすぐ受診したほうがいいですか?」

「検査が陰性でしたが、本当にインフルエンザではないのでしょうか?」

「薬を飲んだほうが早く治りますか?」

発熱直後は検査で陰性となることもあります。そのため当院では、症状だけでなく、発熱からの時間、ご家族の感染状況、地域の流行状況などもあわせて総合的に判断しています。

また、抗インフルエンザ薬は発症早期に開始することで効果が期待できるため、お子さんの年齢や症状を確認したうえで、適切な治療をご提案しています。

よくある質問(FAQ)

Q. インフルエンザは普通のかぜと何が違いますか?

A. インフルエンザは急な高熱や強いだるさ、筋肉痛など全身症状が強いことが特徴です。

Q. 熱が出てすぐ検査できますか?

A. 高感度迅速検査では発熱後約8時間頃から検査できる場合があります。ただし、発熱直後は陰性になることもあるため、診察で適切な検査時期を判断します。

Q. 抗インフルエンザ薬は飲んだほうがよいですか?

A. 発症から48時間以内に開始すると、症状を軽くし、発熱期間を短縮する効果が期待できます。年齢や症状に合わせて使用します。

Q. 家族にうつさないためにはどうすればよいですか?

A. 手洗い、咳エチケット、換気を心がけ、タオルの共用を避けましょう。可能であれば療養する部屋を分けることも有効です。

Q. 解熱したらすぐ登園できますか?

A. できません。学校保健安全法で定められた出席停止期間を守り、元気に過ごせるようになってから登園・登校しましょう。

参考文献

本記事は以下の資料を参考に作成しました。

インフルエンザ診療ガイドライン

厚生労働省「インフルエンザ総合ページ」

国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト(旧 国立感染症研究所)

日本小児科学会

日本小児感染症学会

日本小児救急医学会

日本外来小児科学会

日本小児呼吸器学会

日本小児神経学会

日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会

横浜市・みなとみらいでお子さんのインフルエンザでお困りの方へ

みなとみらい小児科クリニックでは、インフルエンザの診断・治療を行っています。

高感度迅速検査を用いた診断や、お子さん一人ひとりに合わせた抗インフルエンザ薬の選択、ご家庭での過ごし方まで丁寧にご説明しています。

「インフルエンザかもしれない」
「いつ受診すればよいかわからない」
「検査を受けるタイミングを相談したい」

このような場合も、お気軽にご相談ください。

まとめ

インフルエンザは、毎年多くのお子さんがかかる感染症ですが、早めに診断を受け、適切な治療を開始することで、症状を軽くし、重症化を防ぐことが期待できます。

発熱後約8時間頃から検査可能な高感度迅速検査も普及していますが、検査のタイミングや治療の必要性は、お子さん一人ひとりで異なります。

「インフルエンザかもしれない」「受診したほうがよいか迷う」というときは、一人で悩まず、早めにご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

りんご病(伝染性紅斑)

🍎 りんご病(伝染性紅斑)について

~ほっぺが赤くなったら、りんご病かもしれません~

お子さんのほっぺが急に赤くなると、「大丈夫かな?」と心配になりますよね。

りんご病(伝染性紅斑)は、多くのお子さんでは自然に良くなる病気ですが、特徴を知っておくと安心です。

りんご病とは?

りんご病(伝染性紅斑)は、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。

幼児から小学生に多くみられ、春から初夏を中心に流行します。

最大の特徴は、両方のほっぺがりんごのように赤くなることです。その後、腕や足、お腹にレース(網目)状の発疹が現れることがあります。

原因・感染経路

感染した人の咳やくしゃみによる飛沫感染や、接触によって感染します。

約**20~30%のお子さんは症状がほとんど出ない「不顕性感染」**で終わることがあります。

また、最も感染力が強いのは発疹が出る前の風邪のような症状がある時期です。そのため、発疹が現れた頃には感染力はほとんどなくなっています。

症状

**初期症状は目立たないことが多く、気づかれないまま経過するお子さんも少なくありません。**また、不顕性感染となることもあります。

初期(数日間)

  • 微熱
  • 鼻水
  • のどの痛み
  • 軽い咳
  • 少しだるそうにする

これらは風邪と区別がつきにくく、この時期に感染力が最も強くなります。

その後

数日たつと、

  • 両方のほっぺがりんごのように赤くなる
  • 腕や足、お腹にレース(網目)状の発疹が広がる

ことがあります。

発疹は日光や入浴、運動などで一時的に濃く見えることがありますが、多くは1~3週間ほどで自然に薄くなります。

診断

多くの場合は、

  • 特徴的な頬の赤み
  • レース状の発疹
  • 症状の経過

から診断できます。

通常は血液検査は必要ありません。

ただし、発疹が典型的でない場合や、ご家族に妊婦さんがいる場合、血液の病気があるお子さんなどでは、必要に応じて**パルボウイルスB19抗体検査(IgM・IgG)血算(貧血の有無を調べる検査)**を行うことがあります。

治療

りんご病に効く特別な薬はありません。

治療は症状を和らげることが中心です。

  • 水分を十分にとる
  • ゆっくり休養する
  • 発熱や痛みが強い場合は解熱鎮痛薬を使用することがあります

ほとんどのお子さんは自然に回復します。

登園・登校の目安

発疹が出た時点では感染力はほとんどありません。

そのため、発熱がなく全身状態が良ければ登園・登校できます。

学校保健安全法でも、伝染性紅斑は出席停止の対象ではありません。

妊婦さんへの注意

妊娠中、特に妊娠20週頃までに初めて感染すると、まれに赤ちゃんに影響を及ぼすことがあります。

ご家族に妊婦さんがいる場合は、お子さんが風邪のような症状を示した時点から、手洗いや咳エチケットを心がけ、心配な場合は産婦人科へ相談しましょう。

こんなときは受診しましょう

  • 高熱が続く
  • 水分が十分にとれない
  • ぐったりしている
  • 顔色が悪い
  • 強い関節痛や痛みがある
  • 発疹以外にも気になる症状がある

みなとみらい小児科クリニック

みなとみらい小児科クリニックでは、りんご病(伝染性紅斑)の診療を行っています。

発疹がりんご病かどうか心配なときや、ご家族に妊婦さんがいる場合なども、お気軽にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

アデノウイルス感染症(プール熱・流行り目以外)

アデノウイルス感染症

~流行性角結膜炎・咽頭結膜熱以外について~

お子さんが高い熱や咳、下痢などの症状が続くと、とても心配になりますね。

アデノウイルスは、「プール熱(咽頭結膜熱)」や「はやり目(流行性角結膜炎)」だけでなく、かぜや胃腸炎、気管支炎などの原因にもなる身近なウイルスです。多くのお子さんは自然に回復しますが、水分不足や肺炎などに注意が必要なこともあります。

アデノウイルス感染症とは?

アデノウイルスは多くの種類(型)があり、感染する型によって症状が異なります。

今回ご紹介するのは、プール熱やはやり目以外のアデノウイルス感染症です。

主に次のような病気を起こします。

  • かぜ(上気道炎)
  • 気管支炎・肺炎
  • 胃腸炎
  • 中耳炎 など

乳幼児から学童まで幅広い年齢でみられ、年間を通して感染します。

原因

アデノウイルスは、

  • 咳やくしゃみによる飛沫感染
  • 手やおもちゃなどを介した接触感染
  • 便を介した経口感染

でうつります。

感染力が強く、家族や保育園・幼稚園で広がることがあります。

主な症状

呼吸器感染

  • 38~40℃の発熱
  • 鼻水
  • のどの痛み

熱は4~7日ほど続くこともあり、一般的な風邪より長引くことがあります。

胃腸炎

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 発熱

下痢が数日続くことがあり、乳幼児では脱水症に注意が必要です。

治療

アデノウイルスに効く特別な治療薬はありません。

お子さん自身の免疫で治るため、症状を和らげながら回復を待ちます。

ご家庭では、

  • 水分をこまめに補給する
  • 食べられるものを少しずつ食べる
  • 十分に休養をとる
  • 高熱でつらいときは、医師の指示で解熱剤を使用する

ことが大切です。

抗菌薬(抗生物質)はウイルスには効果がないため、通常は使用しません。

受診の目安

次のような症状があるときは早めに受診しましょう。

  • 水分がほとんど飲めない
  • 尿が半日以上出ない
  • 高熱が5日以上続く
  • 呼吸が苦しそう
  • ぐったりして元気がない
  • 嘔吐や下痢が続く
  • けいれんを起こした

登園・登校の目安

プール熱(咽頭結膜熱)やはやり目(流行性角結膜炎)以外のアデノウイルス感染症では、一律の出席停止期間はありません。

登園・登校の目安は、

  • 熱が下がっている
  • 水分や食事が十分にとれる
  • 下痢や嘔吐が落ち着いている
  • 普段どおり元気に過ごせる

ことです。

※園や学校によって基準が異なる場合がありますので、確認してから登園・登校しましょう。

保護者のみなさまへ

アデノウイルス感染症は、高熱が数日続くこともあり、不安になる保護者の方も多い感染症です。しかし、多くのお子さんは十分な水分補給と休養によって自然に回復します。水分が飲めない、ぐったりしている、呼吸が苦しそうなど、気になる様子があれば無理をせず早めに受診しましょう。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜熱(プール熱)

子どもの流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜熱(プール熱)とは?原因・症状・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どもの流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜熱(プール熱)の原因、症状、感染経路、受診の目安を小児科医がわかりやすく解説します。横浜市・みなとみらいで目の充血や発熱が気になるお子さんは、みなとみらい小児科クリニックへご相談ください。

子どもの目が赤い・目やに・発熱…それは「はやり目」や「プール熱」かもしれません

お子さんの目が赤くなり、目やにが増えたり、熱やのどの痛みが出たりしたら、「流行性角結膜炎(はやり目)」や「咽頭結膜熱(プール熱)」の可能性があります。どちらもアデノウイルスによる感染症で、感染力が非常に強いことが特徴です。多くは自然に回復しますが、家庭内や保育園・幼稚園・学校で広がりやすいため、早めに診断を受け、適切な感染対策を行うことが大切です。

「ただの結膜炎かな?」
「プールに入ったから感染したの?」
「兄弟にうつらないようにするにはどうすればいい?」

このようなご相談は、小児科でもよくいただきます。

この記事では、保護者の方が安心して対応できるように、流行性角結膜炎とは何か、咽頭結膜熱との違い、症状や受診の目安についてわかりやすくご説明します。

流行性角結膜炎(はやり目)とは?

流行性角結膜炎は、アデノウイルスによって起こる目の感染症です。

「はやり目」という名前のとおり非常に感染力が強く、保育園や幼稚園、学校、ご家庭の中でも広がりやすい病気です。

子どもだけでなく大人にも感染します。

症状が強い場合には角膜(黒目)にも炎症が及ぶことがあり、一時的に見えにくくなることもあります。

咽頭結膜熱(プール熱)とは?

咽頭結膜熱もアデノウイルスによる感染症です。

発熱・のどの痛み・結膜炎(目の充血)の3つがそろうことが特徴です。

以前はプールで感染することが多かったため「プール熱」と呼ばれていますが、現在は咳やくしゃみ、手についたウイルスなどから感染することが多く、プールだけが原因ではありません。

原因は?

どちらも原因はアデノウイルスです。

流行性角結膜炎では主に8型、19型、37型、54型などが知られています。

咽頭結膜熱では主に3型や7型などが原因になります。

感染経路は

  • 接触感染
  • 飛沫感染

が中心です。

特に目やにや涙には大量のウイルスが含まれています。

そのため

  • 手で目をこする
  • タオルを共用する
  • ドアノブやおもちゃを触る

などで簡単に感染が広がります。

症状の違い

流行性角結膜炎(はやり目)

代表的な症状は

  • 白目が真っ赤になる
  • 目やにがたくさん出る
  • 涙が止まらない
  • 目がゴロゴロする
  • まぶしい
  • まぶたが腫れる
  • 耳の前のリンパ節が腫れる

最初は片目だけでも、数日後に反対の目にも広がることがよくあります。

咽頭結膜熱(プール熱)

代表的な症状は

  • 38〜39℃程度の発熱
  • のどの痛み
  • 目の充血
  • 目やに
  • 食欲低下
  • 首のリンパ節の腫れ

熱は3〜5日ほど続くことが多く、その後ゆっくり改善します。

よくある保護者の心配

診療をしていると、次のような質問をいただくことがよくあります。

「目やにだけでも受診した方がいいですか?」

はい。

特に朝、目やにで目が開かないほどの場合は、流行性角結膜炎の可能性があります。

感染力が強いため、早めに診察を受けることをおすすめします。

「プールでうつったのでしょうか?」

現在はプールそのものよりも、家族や友達との接触で感染することが多いと考えられています。

「兄弟にうつりますか?」

感染力が非常に強いため、ご兄弟や保護者へ感染することも少なくありません。

家庭内では

  • 手洗い
  • タオルを分ける
  • 目を触らない

ことがとても大切です。

小児科ではどのように診断するの?

診断はまず症状や診察所見から行います。

目の充血の程度や目やにの状態、発熱やのどの赤みなどを総合的に判断します。

必要に応じてアデノウイルス迅速検査を行うことがあります。

迅速検査は診断の助けになりますが、症状や経過によっては検査を行わず診断する場合もあります。

また、角膜の炎症が疑われる場合や、見えにくさ・強い痛み・光をまぶしがる症状がある場合には、眼科で詳しい診察が必要になります。

こんな時は早めに受診しましょう

次のような症状がある場合は、できるだけ早めに医療機関を受診してください。

  • 高熱が続く
  • 水分が十分飲めない
  • 元気がなくぐったりしている
  • 目が開けられないほど痛い
  • 光を極端にまぶしがる
  • 見えにくそうにしている
  • 生後3か月未満で発熱している
  • 目の症状が急速に悪化している

横浜市・みなとみらいで「目の充血」「目やに」「発熱」でお困りの方へ

流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は感染力が強く、早期に診断して感染対策を行うことが、ご本人だけでなくご家族や周囲のお子さんを守ることにもつながります。

みなとみらい小児科クリニックでは、目の充血や目やに、発熱を伴う感染症の診療を行っています。

診察では症状を丁寧に確認し、必要に応じて迅速検査や眼科への紹介を行い、お子さん一人ひとりに合わせた治療やご家庭での過ごし方をご説明しています。

「はやり目かもしれない」「保育園へ行ってよいのか分からない」など、ご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

治療

アデノウイルスに効く特効薬はありません

流行性角結膜炎や咽頭結膜熱はウイルス感染症のため、現在のところアデノウイルスそのものを退治する飲み薬はありません。

そのため、治療は症状を和らげながら、お子さん自身の免疫で治るのを待つ「対症療法」が中心になります。

多くのお子さんは1~2週間ほどで改善しますが、流行性角結膜炎では目の充血や涙、見えにくさが数週間続くこともあります。

点眼薬は必要?

保護者の方から最も多い質問の一つが、

「目薬を使えば早く治りますか?」

というものです。

結論から言うと、

点眼薬だけでアデノウイルスを退治することはできません。

それでも点眼薬を使用する理由があります。

抗菌点眼薬

アデノウイルスには効きませんが、細菌による二次感染を予防・治療する目的で処方されることがあります。

炎症を抑える点眼薬

炎症が非常に強く、角膜への影響が心配される場合には、眼科医の判断で炎症を抑える点眼薬(ステロイド点眼薬など)が使用されることがあります。

ただし、ステロイド点眼薬は自己判断で使用すると、症状を悪化させたり他の病気を見逃したりする可能性があります。

市販薬や以前処方された点眼薬を自己判断で使用することは避け、必ず医師の指示に従いましょう。

家庭でできるケア

ご家庭では、お子さんが少しでも楽に過ごせるよう、次のことを心掛けましょう。

  • 水分をこまめに飲ませる
  • 食べられるものを少しずつ食べる
  • 十分な睡眠をとる
  • 目をこすらないようにする
  • 目やには清潔なガーゼやティッシュで優しく拭き取る

目を冷たいタオルで軽く冷やすと、違和感が和らぐこともあります。

家族にうつさないためには?

アデノウイルスは非常に感染力が強く、家庭内で兄弟や保護者へ広がることも少なくありません。

感染予防のために、

  • 石けんでしっかり手洗いをする
  • タオルや洗面用具を共用しない
  • 枕カバーをこまめに交換する
  • 目やにを拭いたティッシュはすぐに捨てる
  • ドアノブやおもちゃを定期的に拭く

ことが大切です。

特に目やにや涙には多くのウイルスが含まれているため、触れた後は必ず手を洗いましょう。

登園・登校の目安

流行性角結膜炎(はやり目)

学校保健安全法では第三種感染症に分類されています。

医師が感染のおそれがないと判断するまで登園・登校はできません。

感染力が非常に強いため、無理に登園すると集団感染につながる可能性があります。

咽頭結膜熱(プール熱)

学校保健安全法では第二種感染症に分類されています。

主要な症状(発熱・のどの痛み・目の症状)がなくなってから2日を経過するまで登園・登校はできません。

保育園や幼稚園によっては登園届や医師の意見書が必要になることがありますので、施設のルールをご確認ください。

小児科医としてお伝えしたいこと

診療をしていると、

「目が赤いだけだから様子を見ていました。」

という保護者の方も少なくありません。

しかし実際には、流行性角結膜炎と思って受診されたお子さんの中に、

  • 細菌性結膜炎
  • アレルギー性結膜炎
  • 咽頭結膜熱
  • 角膜炎

など、治療や対応が異なる病気が見つかることがあります。

また、強い角膜炎を起こすと、一時的に見えにくくなることもあるため、目の症状が強い場合は早めの受診をおすすめしています。

当院では、お子さんの症状を丁寧に診察し、必要に応じて迅速検査や眼科への紹介を行い、安心して治療を受けていただけるよう努めています。

よくある質問(FAQ)

Q. はやり目やプール熱はプールでしか感染しませんか?

いいえ。

現在は家庭や保育園・幼稚園・学校での接触感染や飛沫感染がほとんどです。

Q. 市販の目薬を使っても大丈夫ですか?

自己判断での使用はおすすめできません。

特にステロイドを含む点眼薬は、病気によっては悪化させることがあります。

Q. 兄弟も受診した方がいいですか?

目の充血や発熱、目やになどの症状が出た場合は受診をおすすめします。

症状がない場合は、手洗いやタオルの使い分けなど感染予防を徹底しましょう。

Q. 一度かかったらもう感染しませんか?

アデノウイルスには多くの型があるため、別の型に感染して再び発症することがあります。

横浜市・みなとみらいで目の充血や発熱が気になるお子さんへ

流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は、多くのお子さんが経験する感染症です。感染力は強いものの、早めに診断を受け、適切な治療と感染対策を行うことで、多くは後遺症なく回復します。

みなとみらい小児科クリニックでは、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱をはじめ、お子さんの感染症全般の診療を行っています。

「目やにが多い」「目が真っ赤」「熱とのどの痛みがある」「保育園に行ってよいか分からない」など、お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

参考文献

本記事は、以下の公的機関・学会等の資料を参考に作成しています。

行政機関

  • 厚生労働省「感染症情報」「学校保健安全法」
  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報(旧 国立感染症研究所)
  • こども家庭庁

学会

  • 日本小児科学会
  • 日本小児感染症学会
  • 日本眼科学会
  • 日本眼科医会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児循環器学会
  • 日本小児神経学会
  • 日本小児腎臓病学会
  • 日本小児内分泌学会
  • 日本小児血液・がん学会
  • 日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 日本小児呼吸器学会
  • 日本小児リウマチ学会
  • 日本川崎病学会
  • 日本新生児成育医学会
  • 日本小児救急医学会
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児在宅医学会
  • 日本国際小児保健学会
  • 日本小児心身医学会
  • 日本子ども虐待医学会
  • 日本先天代謝異常学会
  • 日本小児体液研究会
  • 日本マススクリーニング学会
  • 日本小児東洋医学会

その他参考資料

  • 学校保健安全法における学校感染症の登校・登園基準
  • アデノウイルス感染症に関する国内診療ガイド・専門家向け資料
  • 小児感染症診療に関する各学会公開資料

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎について

~せきが長引くときに知っておきたいこと~

お子さんのせきが何日も続くと、「肺炎ではないかな?」と心配になりますよね。マイコプラズマ肺炎は学童期のお子さんに多い感染症ですが、多くは適切な治療で良くなります。気になる症状があるときは、早めにご相談ください。

マイコプラズマ肺炎とは?

マイコプラズマ肺炎は、「マイコプラズマ・ニューモニエ」という細菌の一種が原因で起こる呼吸器感染症です。

飛まつ(せき・くしゃみ)によって人から人へ感染し、学校や家庭で広がることがあります。特に5~15歳くらいのお子さんに多くみられますが、小さなお子さんでもかかることがあります。

潜伏期間は2~3週間と長く、ゆっくり症状が現れるのが特徴です。

主な症状

初めは風邪のような症状から始まります。

  • 発熱(38~39℃程度)
  • 長引くせき(2~4週間続くこともあります)
  • のどの痛み
  • 鼻水
  • だるさ
  • 頭痛

特に**「熱が下がってもせきだけが続く」**ことが特徴です。

肺炎になっても元気に見えるお子さんもいますが、息苦しさやゼーゼーが強い場合は注意が必要です。

治療について

抗生剤による治療が中心です

マイコプラズマ肺炎では、原因となる細菌に効果のある抗生剤を使用します。

小児では主に**マクロライド系抗生剤(アジスロマイシン、クラリスロマイシンなど)**が第一選択となります。

ただし、近年はマクロライド耐性マイコプラズマが増えており、薬が効きにくいことがあります。その場合には、年齢や症状を考慮しながら別の種類の抗生剤へ変更することがあります。

抗生剤を飲み始めても、せきはすぐには止まらず、数週間続くことも珍しくありません。 症状が良くなっても、自己判断で薬を中止せず、処方された日数を飲み切ることが大切です。

症状を和らげる治療

抗生剤に加えて、

  • 水分をしっかりとる
  • 十分に休養する
  • 必要に応じて解熱剤やせき止めなどを使用する

など、お子さんのつらい症状を和らげる治療も行います。

登園・登校の目安

マイコプラズマ肺炎は学校保健安全法で出席停止が義務付けられている病気ではありません。

発熱がなく全身状態が良く、普段どおり食事ができるようになれば登園・登校は可能です。ただし、せきが強い間は周囲への感染を広げる可能性があるため、無理をせず、医師と相談して再開しましょう。

こんなときは早めに受診しましょう

  • 高い熱が続く
  • せきがどんどんひどくなる
  • 息苦しそう、呼吸が速い
  • 顔色が悪い
  • 水分が取れずぐったりしている

保護者の方へ

マイコプラズマ肺炎は、長引くせきのため心配になる病気ですが、多くのお子さんは適切な抗生剤治療と十分な休養で回復します。せきが続く場合や熱が長引く場合は、肺炎になっていないか確認することが大切です。気になる症状がありましたら、お早めにご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌感染症)

溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌感染症)

お子さんが「溶連菌ですね」と言われると、不安になる保護者の方も多いと思います。溶連菌感染症は子どもによくみられる病気ですが、**適切な診断と抗菌薬による治療を受ければ、多くは数日で元気になります。**大切なのは、処方された薬を最後まで飲み切ることです。

溶連菌感染症とは?

溶連菌感染症は、「A群溶血性レンサ球菌」という細菌が原因で起こる感染症です。主に3~15歳のお子さんに多くみられ、せきやくしゃみのしぶき(飛沫感染)や手を介した接触によってうつります。

冬から春にかけて流行しやすい病気ですが、一年を通してみられます。

主な症状

  • 突然の発熱
  • 強いのどの痛み
  • のどが赤く腫れる
  • 首のリンパ節が腫れる
  • 頭痛や腹痛、吐き気
  • 舌が赤くブツブツする「いちご舌」
  • 細かい赤い発疹(猩紅熱)

一方で、咳や鼻水はあまり目立たないことが特徴です。

迅速検査について

溶連菌感染症が疑われる場合は、のどを綿棒でこすって行う迅速抗原検査を行います。

検査は数分で結果が分かり、診断にとても役立ちます。ただし、発症早期では陰性になることもあるため、症状によっては再検査や培養検査を行うことがあります。

治療

治療の基本は抗菌薬(抗生物質)の内服です。

多くの場合、ペニシリン系やアモキシシリンなどの抗菌薬を10日間ほど服用します。熱やのどの痛みは2~3日で楽になることが多いですが、症状が良くなっても自己判断で薬をやめず、最後まで飲み切ることが大切です。

薬をきちんと飲み切ることで、再発や周囲への感染を防ぐだけでなく、まれな合併症の予防にもつながります。

発熱やのどの痛みには、必要に応じて解熱鎮痛薬を使用します。十分な水分補給と安静を心がけましょう。

登園・登校の目安

学校保健安全法では、

抗菌薬を飲み始めて24時間以上経過し、発熱がなく全身状態が良ければ登園・登校が可能とされています。

施設によって対応が異なる場合があるため、園や学校の指示にも従ってください。

急性糸球体腎炎について

溶連菌感染症のあと、1~3週間ほどして「急性糸球体腎炎」という腎臓の病気を起こすことがまれにあります。

免疫反応によって腎臓に炎症が起こる病気で、次のような症状がみられます。

  • 尿が赤茶色になる(コーラ色の尿)
  • 顔やまぶた、足のむくみ
  • 尿の量が減る
  • 血圧が高くなる

小児では適切な治療により良くなることがほとんどですが、このような症状がみられた場合は早めに受診してください。

保護者の方へ

溶連菌感染症は、お子さんによくみられる病気ですが、早めに診断し、抗菌薬を最後まで飲み切ることで、多くは問題なく回復します。

**「熱が続く」「水分がとれない」「ぐったりしている」「尿の色が赤い」「顔がむくんできた」**など、気になる症状があるときは、遠慮なく医療機関へご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

風疹(三日はしか)

風疹(三日はしか)について

保護者の方へ

風疹は「三日はしか」とも呼ばれるウイルス感染症です。多くのお子さんは軽く回復しますが、妊婦さんが感染すると、おなかの赤ちゃんに大きな影響を及ぼすことがある病気です。そのため、お子さん自身だけでなく、ご家族や周囲の人を守るためにも予防がとても大切です。

風疹とは

風疹ウイルスによる感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつによってうつります。感染してから**2〜3週間(14〜21日程度)**で発症し、多くは軽症ですが、まれに重い合併症を起こすことがあります。

原因

  • 風疹ウイルスへの感染
  • せき・くしゃみによる飛まつ感染
  • 発疹が出る約7日前から、発疹が消える頃まで周囲に感染させる可能性があります。

主な症状

  • 細かい赤い発疹(顔から始まり全身へ広がる)
  • 38℃前後の発熱
  • 耳の後ろや首のリンパ節の腫れ(風疹に特徴的です)
  • 鼻水、せき、のどの痛み
  • 軽い目の充血

多くは3〜7日程度で自然に回復します。

まれに脳炎血小板減少性紫斑病などの合併症を起こすことがあります。

治療

風疹に効く特別な治療薬はありません。

治療は症状を和らげる対症療法が中心です。

  • 十分な水分補給
  • 安静に過ごす
  • 必要に応じて解熱鎮痛薬を使用

抗菌薬(抗生剤)はウイルスには効果がないため、通常は使用しません。

登園・登校の目安

学校保健安全法では、

「発疹が消失するまで」

出席停止となります。

登園・登校の再開は、症状の回復を確認し、医師の指示に従いましょう。

予防接種について

風疹は予防接種が最も効果的な予防法です。

日本では**MRワクチン(麻しん・風疹混合ワクチン)**として定期接種が行われています。

  • 第1期:1歳
  • 第2期:小学校入学前1年間(年長児)

2回接種することで、多くの方が十分な免疫を獲得できます。

横浜市風しん対策事業

横浜市では、先天性風しん症候群を予防するため、対象者に風しん抗体検査と予防接種費用の助成を実施しています。

対象は、妊娠を希望する女性やそのパートナー・同居家族、妊婦のパートナー・同居家族などです。対象となる方は、抗体検査(原則無料)や予防接種費用の助成を受けられます。

**妊娠中は風疹ワクチンを接種できません。**妊娠を希望される方やご家族は、妊娠前に抗体の有無を確認しておくことが大切です。

先天性風疹症候群(CRS)とは

妊娠初期のお母さんが風疹に感染すると、おなかの赤ちゃんも感染し、

  • 難聴
  • 白内障
  • 先天性心疾患

などがみられることがあります。これを**先天性風疹症候群(CRS)**といいます。

赤ちゃんを守るためには、妊娠前に予防接種を済ませておくことが最も大切です。

受診の目安

次のような場合は早めに受診しましょう。

  • 高熱が続く
  • 水分が十分に取れない
  • ぐったりしている
  • けいれんや意識がもうろうとしている
  • 妊婦さんとの接触があった
  • 発熱と発疹があり、風疹が疑われる

保護者の皆さまへ

風疹は多くのお子さんでは軽く経過しますが、妊婦さんや生まれてくる赤ちゃんに大きな影響を及ぼす可能性がある感染症です。お子さんの定期予防接種を忘れずに受け、ご家族も必要に応じて抗体検査やワクチン接種を受けることで、大切な命を守ることにつながります。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもお気軽にご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

どのように感染するの?

麻疹は次の3つの経路で感染します。

  • 空気感染(最も感染力が強い)
  • 飛沫感染(咳やくしゃみ)
  • 接触感染(手や物を介して)

感染力は非常に強く、同じ部屋にいるだけでも感染することがあります。

主な症状

最初は風邪のような症状から始まります。

  • 38~39℃以上の発熱
  • 咳・鼻水
  • 目の充血や目やに
  • 元気や食欲がなくなる

いったん熱が少し下がったあと、再び高熱となり、顔から全身へ赤い発疹が広がります。口の中に「コプリック斑」という白い小さな斑点が見られることもあります。

治療

麻疹そのものを治す薬はありません。

  • 十分な水分補給
  • 安静
  • 解熱薬などでつらい症状を和らげる

細菌感染を合併した場合には抗菌薬が必要になることがあります。

予防接種について

麻疹を予防する最も確実な方法はMR(麻しん・風しん混合)ワクチンです。

定期接種

  • 第1期:1歳
  • 第2期:小学校入学前の1年間(年長児)

この2回接種で高い予防効果が期待できます。

生後6か月以降の任意接種について

海外渡航を予定している場合や、地域で流行している場合などには、生後6か月以降に任意でMRワクチンを接種することがあります。

ただし、この接種は定期接種には含まれないため、**1歳以降の第1期、第2期の定期接種は予定どおり受ける必要があります。**接種の必要性については小児科でご相談ください。

予後(治ったあと)

多くのお子さんは回復しますが、麻疹は「ただの発疹の病気」ではありません。

  • 中耳炎
  • 肺炎
  • 脱水

などを合併することがあります。まれですが重い合併症として脳炎を起こすことがあり、命に関わったり、後遺症が残ったりする場合があります。また、ごくまれに数年後に**亜急性硬化性全脳炎(SSPE)**という重い脳の病気を発症することも知られています。

麻疹脳炎について

麻疹患者さん約1,000人に1人程度で脳炎を起こすとされ、高熱やけいれん、意識がぼんやりするなどの症状が現れます。重い後遺症が残ることもあるため、麻疹は予防が何より大切です。

保護者の皆さまへ

麻疹は現在でも流行がみられる感染症です。特にワクチン未接種のお子さんは重症化する可能性があります。

「高熱が続く」「発疹が出てきた」「麻疹の患者さんと接触した可能性がある」という場合は、受診前に医療機関へ電話で相談し、麻疹の可能性があることを伝えてから受診しましょう。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

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