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流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜熱(プール熱)

子どもの流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜熱(プール熱)とは?原因・症状・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

子どもの流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜熱(プール熱)の原因、症状、感染経路、受診の目安を小児科医がわかりやすく解説します。横浜市・みなとみらいで目の充血や発熱が気になるお子さんは、みなとみらい小児科クリニックへご相談ください。

子どもの目が赤い・目やに・発熱…それは「はやり目」や「プール熱」かもしれません

お子さんの目が赤くなり、目やにが増えたり、熱やのどの痛みが出たりしたら、「流行性角結膜炎(はやり目)」や「咽頭結膜熱(プール熱)」の可能性があります。どちらもアデノウイルスによる感染症で、感染力が非常に強いことが特徴です。多くは自然に回復しますが、家庭内や保育園・幼稚園・学校で広がりやすいため、早めに診断を受け、適切な感染対策を行うことが大切です。

「ただの結膜炎かな?」
「プールに入ったから感染したの?」
「兄弟にうつらないようにするにはどうすればいい?」

このようなご相談は、小児科でもよくいただきます。

この記事では、保護者の方が安心して対応できるように、流行性角結膜炎とは何か、咽頭結膜熱との違い、症状や受診の目安についてわかりやすくご説明します。

流行性角結膜炎(はやり目)とは?

流行性角結膜炎は、アデノウイルスによって起こる目の感染症です。

「はやり目」という名前のとおり非常に感染力が強く、保育園や幼稚園、学校、ご家庭の中でも広がりやすい病気です。

子どもだけでなく大人にも感染します。

症状が強い場合には角膜(黒目)にも炎症が及ぶことがあり、一時的に見えにくくなることもあります。

咽頭結膜熱(プール熱)とは?

咽頭結膜熱もアデノウイルスによる感染症です。

発熱・のどの痛み・結膜炎(目の充血)の3つがそろうことが特徴です。

以前はプールで感染することが多かったため「プール熱」と呼ばれていますが、現在は咳やくしゃみ、手についたウイルスなどから感染することが多く、プールだけが原因ではありません。

原因は?

どちらも原因はアデノウイルスです。

流行性角結膜炎では主に8型、19型、37型、54型などが知られています。

咽頭結膜熱では主に3型や7型などが原因になります。

感染経路は

  • 接触感染
  • 飛沫感染

が中心です。

特に目やにや涙には大量のウイルスが含まれています。

そのため

  • 手で目をこする
  • タオルを共用する
  • ドアノブやおもちゃを触る

などで簡単に感染が広がります。

症状の違い

流行性角結膜炎(はやり目)

代表的な症状は

  • 白目が真っ赤になる
  • 目やにがたくさん出る
  • 涙が止まらない
  • 目がゴロゴロする
  • まぶしい
  • まぶたが腫れる
  • 耳の前のリンパ節が腫れる

最初は片目だけでも、数日後に反対の目にも広がることがよくあります。

咽頭結膜熱(プール熱)

代表的な症状は

  • 38〜39℃程度の発熱
  • のどの痛み
  • 目の充血
  • 目やに
  • 食欲低下
  • 首のリンパ節の腫れ

熱は3〜5日ほど続くことが多く、その後ゆっくり改善します。

よくある保護者の心配

診療をしていると、次のような質問をいただくことがよくあります。

「目やにだけでも受診した方がいいですか?」

はい。

特に朝、目やにで目が開かないほどの場合は、流行性角結膜炎の可能性があります。

感染力が強いため、早めに診察を受けることをおすすめします。

「プールでうつったのでしょうか?」

現在はプールそのものよりも、家族や友達との接触で感染することが多いと考えられています。

「兄弟にうつりますか?」

感染力が非常に強いため、ご兄弟や保護者へ感染することも少なくありません。

家庭内では

  • 手洗い
  • タオルを分ける
  • 目を触らない

ことがとても大切です。

小児科ではどのように診断するの?

診断はまず症状や診察所見から行います。

目の充血の程度や目やにの状態、発熱やのどの赤みなどを総合的に判断します。

必要に応じてアデノウイルス迅速検査を行うことがあります。

迅速検査は診断の助けになりますが、症状や経過によっては検査を行わず診断する場合もあります。

また、角膜の炎症が疑われる場合や、見えにくさ・強い痛み・光をまぶしがる症状がある場合には、眼科で詳しい診察が必要になります。

こんな時は早めに受診しましょう

次のような症状がある場合は、できるだけ早めに医療機関を受診してください。

  • 高熱が続く
  • 水分が十分飲めない
  • 元気がなくぐったりしている
  • 目が開けられないほど痛い
  • 光を極端にまぶしがる
  • 見えにくそうにしている
  • 生後3か月未満で発熱している
  • 目の症状が急速に悪化している

横浜市・みなとみらいで「目の充血」「目やに」「発熱」でお困りの方へ

流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は感染力が強く、早期に診断して感染対策を行うことが、ご本人だけでなくご家族や周囲のお子さんを守ることにもつながります。

みなとみらい小児科クリニックでは、目の充血や目やに、発熱を伴う感染症の診療を行っています。

診察では症状を丁寧に確認し、必要に応じて迅速検査や眼科への紹介を行い、お子さん一人ひとりに合わせた治療やご家庭での過ごし方をご説明しています。

「はやり目かもしれない」「保育園へ行ってよいのか分からない」など、ご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

治療

アデノウイルスに効く特効薬はありません

流行性角結膜炎や咽頭結膜熱はウイルス感染症のため、現在のところアデノウイルスそのものを退治する飲み薬はありません。

そのため、治療は症状を和らげながら、お子さん自身の免疫で治るのを待つ「対症療法」が中心になります。

多くのお子さんは1~2週間ほどで改善しますが、流行性角結膜炎では目の充血や涙、見えにくさが数週間続くこともあります。

点眼薬は必要?

保護者の方から最も多い質問の一つが、

「目薬を使えば早く治りますか?」

というものです。

結論から言うと、

点眼薬だけでアデノウイルスを退治することはできません。

それでも点眼薬を使用する理由があります。

抗菌点眼薬

アデノウイルスには効きませんが、細菌による二次感染を予防・治療する目的で処方されることがあります。

炎症を抑える点眼薬

炎症が非常に強く、角膜への影響が心配される場合には、眼科医の判断で炎症を抑える点眼薬(ステロイド点眼薬など)が使用されることがあります。

ただし、ステロイド点眼薬は自己判断で使用すると、症状を悪化させたり他の病気を見逃したりする可能性があります。

市販薬や以前処方された点眼薬を自己判断で使用することは避け、必ず医師の指示に従いましょう。

家庭でできるケア

ご家庭では、お子さんが少しでも楽に過ごせるよう、次のことを心掛けましょう。

  • 水分をこまめに飲ませる
  • 食べられるものを少しずつ食べる
  • 十分な睡眠をとる
  • 目をこすらないようにする
  • 目やには清潔なガーゼやティッシュで優しく拭き取る

目を冷たいタオルで軽く冷やすと、違和感が和らぐこともあります。

家族にうつさないためには?

アデノウイルスは非常に感染力が強く、家庭内で兄弟や保護者へ広がることも少なくありません。

感染予防のために、

  • 石けんでしっかり手洗いをする
  • タオルや洗面用具を共用しない
  • 枕カバーをこまめに交換する
  • 目やにを拭いたティッシュはすぐに捨てる
  • ドアノブやおもちゃを定期的に拭く

ことが大切です。

特に目やにや涙には多くのウイルスが含まれているため、触れた後は必ず手を洗いましょう。

登園・登校の目安

流行性角結膜炎(はやり目)

学校保健安全法では第三種感染症に分類されています。

医師が感染のおそれがないと判断するまで登園・登校はできません。

感染力が非常に強いため、無理に登園すると集団感染につながる可能性があります。

咽頭結膜熱(プール熱)

学校保健安全法では第二種感染症に分類されています。

主要な症状(発熱・のどの痛み・目の症状)がなくなってから2日を経過するまで登園・登校はできません。

保育園や幼稚園によっては登園届や医師の意見書が必要になることがありますので、施設のルールをご確認ください。

小児科医としてお伝えしたいこと

診療をしていると、

「目が赤いだけだから様子を見ていました。」

という保護者の方も少なくありません。

しかし実際には、流行性角結膜炎と思って受診されたお子さんの中に、

  • 細菌性結膜炎
  • アレルギー性結膜炎
  • 咽頭結膜熱
  • 角膜炎

など、治療や対応が異なる病気が見つかることがあります。

また、強い角膜炎を起こすと、一時的に見えにくくなることもあるため、目の症状が強い場合は早めの受診をおすすめしています。

当院では、お子さんの症状を丁寧に診察し、必要に応じて迅速検査や眼科への紹介を行い、安心して治療を受けていただけるよう努めています。

よくある質問(FAQ)

Q. はやり目やプール熱はプールでしか感染しませんか?

いいえ。

現在は家庭や保育園・幼稚園・学校での接触感染や飛沫感染がほとんどです。

Q. 市販の目薬を使っても大丈夫ですか?

自己判断での使用はおすすめできません。

特にステロイドを含む点眼薬は、病気によっては悪化させることがあります。

Q. 兄弟も受診した方がいいですか?

目の充血や発熱、目やになどの症状が出た場合は受診をおすすめします。

症状がない場合は、手洗いやタオルの使い分けなど感染予防を徹底しましょう。

Q. 一度かかったらもう感染しませんか?

アデノウイルスには多くの型があるため、別の型に感染して再び発症することがあります。

横浜市・みなとみらいで目の充血や発熱が気になるお子さんへ

流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は、多くのお子さんが経験する感染症です。感染力は強いものの、早めに診断を受け、適切な治療と感染対策を行うことで、多くは後遺症なく回復します。

みなとみらい小児科クリニックでは、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱をはじめ、お子さんの感染症全般の診療を行っています。

「目やにが多い」「目が真っ赤」「熱とのどの痛みがある」「保育園に行ってよいか分からない」など、お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

参考文献

本記事は、以下の公的機関・学会等の資料を参考に作成しています。

行政機関

  • 厚生労働省「感染症情報」「学校保健安全法」
  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報(旧 国立感染症研究所)
  • こども家庭庁

学会

  • 日本小児科学会
  • 日本小児感染症学会
  • 日本眼科学会
  • 日本眼科医会
  • 日本小児アレルギー学会
  • 日本小児循環器学会
  • 日本小児神経学会
  • 日本小児腎臓病学会
  • 日本小児内分泌学会
  • 日本小児血液・がん学会
  • 日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 日本小児呼吸器学会
  • 日本小児リウマチ学会
  • 日本川崎病学会
  • 日本新生児成育医学会
  • 日本小児救急医学会
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児在宅医学会
  • 日本国際小児保健学会
  • 日本小児心身医学会
  • 日本子ども虐待医学会
  • 日本先天代謝異常学会
  • 日本小児体液研究会
  • 日本マススクリーニング学会
  • 日本小児東洋医学会

その他参考資料

  • 学校保健安全法における学校感染症の登校・登園基準
  • アデノウイルス感染症に関する国内診療ガイド・専門家向け資料
  • 小児感染症診療に関する各学会公開資料

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎について

~せきが長引くときに知っておきたいこと~

お子さんのせきが何日も続くと、「肺炎ではないかな?」と心配になりますよね。マイコプラズマ肺炎は学童期のお子さんに多い感染症ですが、多くは適切な治療で良くなります。気になる症状があるときは、早めにご相談ください。

マイコプラズマ肺炎とは?

マイコプラズマ肺炎は、「マイコプラズマ・ニューモニエ」という細菌の一種が原因で起こる呼吸器感染症です。

飛まつ(せき・くしゃみ)によって人から人へ感染し、学校や家庭で広がることがあります。特に5~15歳くらいのお子さんに多くみられますが、小さなお子さんでもかかることがあります。

潜伏期間は2~3週間と長く、ゆっくり症状が現れるのが特徴です。

主な症状

初めは風邪のような症状から始まります。

  • 発熱(38~39℃程度)
  • 長引くせき(2~4週間続くこともあります)
  • のどの痛み
  • 鼻水
  • だるさ
  • 頭痛

特に**「熱が下がってもせきだけが続く」**ことが特徴です。

肺炎になっても元気に見えるお子さんもいますが、息苦しさやゼーゼーが強い場合は注意が必要です。

治療について

抗生剤による治療が中心です

マイコプラズマ肺炎では、原因となる細菌に効果のある抗生剤を使用します。

小児では主に**マクロライド系抗生剤(アジスロマイシン、クラリスロマイシンなど)**が第一選択となります。

ただし、近年はマクロライド耐性マイコプラズマが増えており、薬が効きにくいことがあります。その場合には、年齢や症状を考慮しながら別の種類の抗生剤へ変更することがあります。

抗生剤を飲み始めても、せきはすぐには止まらず、数週間続くことも珍しくありません。 症状が良くなっても、自己判断で薬を中止せず、処方された日数を飲み切ることが大切です。

症状を和らげる治療

抗生剤に加えて、

  • 水分をしっかりとる
  • 十分に休養する
  • 必要に応じて解熱剤やせき止めなどを使用する

など、お子さんのつらい症状を和らげる治療も行います。

登園・登校の目安

マイコプラズマ肺炎は学校保健安全法で出席停止が義務付けられている病気ではありません。

発熱がなく全身状態が良く、普段どおり食事ができるようになれば登園・登校は可能です。ただし、せきが強い間は周囲への感染を広げる可能性があるため、無理をせず、医師と相談して再開しましょう。

こんなときは早めに受診しましょう

  • 高い熱が続く
  • せきがどんどんひどくなる
  • 息苦しそう、呼吸が速い
  • 顔色が悪い
  • 水分が取れずぐったりしている

保護者の方へ

マイコプラズマ肺炎は、長引くせきのため心配になる病気ですが、多くのお子さんは適切な抗生剤治療と十分な休養で回復します。せきが続く場合や熱が長引く場合は、肺炎になっていないか確認することが大切です。気になる症状がありましたら、お早めにご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌感染症)

溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌感染症)

お子さんが「溶連菌ですね」と言われると、不安になる保護者の方も多いと思います。溶連菌感染症は子どもによくみられる病気ですが、**適切な診断と抗菌薬による治療を受ければ、多くは数日で元気になります。**大切なのは、処方された薬を最後まで飲み切ることです。

溶連菌感染症とは?

溶連菌感染症は、「A群溶血性レンサ球菌」という細菌が原因で起こる感染症です。主に3~15歳のお子さんに多くみられ、せきやくしゃみのしぶき(飛沫感染)や手を介した接触によってうつります。

冬から春にかけて流行しやすい病気ですが、一年を通してみられます。

主な症状

  • 突然の発熱
  • 強いのどの痛み
  • のどが赤く腫れる
  • 首のリンパ節が腫れる
  • 頭痛や腹痛、吐き気
  • 舌が赤くブツブツする「いちご舌」
  • 細かい赤い発疹(猩紅熱)

一方で、咳や鼻水はあまり目立たないことが特徴です。

迅速検査について

溶連菌感染症が疑われる場合は、のどを綿棒でこすって行う迅速抗原検査を行います。

検査は数分で結果が分かり、診断にとても役立ちます。ただし、発症早期では陰性になることもあるため、症状によっては再検査や培養検査を行うことがあります。

治療

治療の基本は抗菌薬(抗生物質)の内服です。

多くの場合、ペニシリン系やアモキシシリンなどの抗菌薬を10日間ほど服用します。熱やのどの痛みは2~3日で楽になることが多いですが、症状が良くなっても自己判断で薬をやめず、最後まで飲み切ることが大切です。

薬をきちんと飲み切ることで、再発や周囲への感染を防ぐだけでなく、まれな合併症の予防にもつながります。

発熱やのどの痛みには、必要に応じて解熱鎮痛薬を使用します。十分な水分補給と安静を心がけましょう。

登園・登校の目安

学校保健安全法では、

抗菌薬を飲み始めて24時間以上経過し、発熱がなく全身状態が良ければ登園・登校が可能とされています。

施設によって対応が異なる場合があるため、園や学校の指示にも従ってください。

急性糸球体腎炎について

溶連菌感染症のあと、1~3週間ほどして「急性糸球体腎炎」という腎臓の病気を起こすことがまれにあります。

免疫反応によって腎臓に炎症が起こる病気で、次のような症状がみられます。

  • 尿が赤茶色になる(コーラ色の尿)
  • 顔やまぶた、足のむくみ
  • 尿の量が減る
  • 血圧が高くなる

小児では適切な治療により良くなることがほとんどですが、このような症状がみられた場合は早めに受診してください。

保護者の方へ

溶連菌感染症は、お子さんによくみられる病気ですが、早めに診断し、抗菌薬を最後まで飲み切ることで、多くは問題なく回復します。

**「熱が続く」「水分がとれない」「ぐったりしている」「尿の色が赤い」「顔がむくんできた」**など、気になる症状があるときは、遠慮なく医療機関へご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

風疹(三日はしか)

風疹(三日はしか)について

保護者の方へ

風疹は「三日はしか」とも呼ばれるウイルス感染症です。多くのお子さんは軽く回復しますが、妊婦さんが感染すると、おなかの赤ちゃんに大きな影響を及ぼすことがある病気です。そのため、お子さん自身だけでなく、ご家族や周囲の人を守るためにも予防がとても大切です。

風疹とは

風疹ウイルスによる感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつによってうつります。感染してから**2〜3週間(14〜21日程度)**で発症し、多くは軽症ですが、まれに重い合併症を起こすことがあります。

原因

  • 風疹ウイルスへの感染
  • せき・くしゃみによる飛まつ感染
  • 発疹が出る約7日前から、発疹が消える頃まで周囲に感染させる可能性があります。

主な症状

  • 細かい赤い発疹(顔から始まり全身へ広がる)
  • 38℃前後の発熱
  • 耳の後ろや首のリンパ節の腫れ(風疹に特徴的です)
  • 鼻水、せき、のどの痛み
  • 軽い目の充血

多くは3〜7日程度で自然に回復します。

まれに脳炎血小板減少性紫斑病などの合併症を起こすことがあります。

治療

風疹に効く特別な治療薬はありません。

治療は症状を和らげる対症療法が中心です。

  • 十分な水分補給
  • 安静に過ごす
  • 必要に応じて解熱鎮痛薬を使用

抗菌薬(抗生剤)はウイルスには効果がないため、通常は使用しません。

登園・登校の目安

学校保健安全法では、

「発疹が消失するまで」

出席停止となります。

登園・登校の再開は、症状の回復を確認し、医師の指示に従いましょう。

予防接種について

風疹は予防接種が最も効果的な予防法です。

日本では**MRワクチン(麻しん・風疹混合ワクチン)**として定期接種が行われています。

  • 第1期:1歳
  • 第2期:小学校入学前1年間(年長児)

2回接種することで、多くの方が十分な免疫を獲得できます。

横浜市風しん対策事業

横浜市では、先天性風しん症候群を予防するため、対象者に風しん抗体検査と予防接種費用の助成を実施しています。

対象は、妊娠を希望する女性やそのパートナー・同居家族、妊婦のパートナー・同居家族などです。対象となる方は、抗体検査(原則無料)や予防接種費用の助成を受けられます。

**妊娠中は風疹ワクチンを接種できません。**妊娠を希望される方やご家族は、妊娠前に抗体の有無を確認しておくことが大切です。

先天性風疹症候群(CRS)とは

妊娠初期のお母さんが風疹に感染すると、おなかの赤ちゃんも感染し、

  • 難聴
  • 白内障
  • 先天性心疾患

などがみられることがあります。これを**先天性風疹症候群(CRS)**といいます。

赤ちゃんを守るためには、妊娠前に予防接種を済ませておくことが最も大切です。

受診の目安

次のような場合は早めに受診しましょう。

  • 高熱が続く
  • 水分が十分に取れない
  • ぐったりしている
  • けいれんや意識がもうろうとしている
  • 妊婦さんとの接触があった
  • 発熱と発疹があり、風疹が疑われる

保護者の皆さまへ

風疹は多くのお子さんでは軽く経過しますが、妊婦さんや生まれてくる赤ちゃんに大きな影響を及ぼす可能性がある感染症です。お子さんの定期予防接種を忘れずに受け、ご家族も必要に応じて抗体検査やワクチン接種を受けることで、大切な命を守ることにつながります。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもお気軽にご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

どのように感染するの?

麻疹は次の3つの経路で感染します。

  • 空気感染(最も感染力が強い)
  • 飛沫感染(咳やくしゃみ)
  • 接触感染(手や物を介して)

感染力は非常に強く、同じ部屋にいるだけでも感染することがあります。

主な症状

最初は風邪のような症状から始まります。

  • 38~39℃以上の発熱
  • 咳・鼻水
  • 目の充血や目やに
  • 元気や食欲がなくなる

いったん熱が少し下がったあと、再び高熱となり、顔から全身へ赤い発疹が広がります。口の中に「コプリック斑」という白い小さな斑点が見られることもあります。

治療

麻疹そのものを治す薬はありません。

  • 十分な水分補給
  • 安静
  • 解熱薬などでつらい症状を和らげる

細菌感染を合併した場合には抗菌薬が必要になることがあります。

予防接種について

麻疹を予防する最も確実な方法はMR(麻しん・風しん混合)ワクチンです。

定期接種

  • 第1期:1歳
  • 第2期:小学校入学前の1年間(年長児)

この2回接種で高い予防効果が期待できます。

生後6か月以降の任意接種について

海外渡航を予定している場合や、地域で流行している場合などには、生後6か月以降に任意でMRワクチンを接種することがあります。

ただし、この接種は定期接種には含まれないため、**1歳以降の第1期、第2期の定期接種は予定どおり受ける必要があります。**接種の必要性については小児科でご相談ください。

予後(治ったあと)

多くのお子さんは回復しますが、麻疹は「ただの発疹の病気」ではありません。

  • 中耳炎
  • 肺炎
  • 脱水

などを合併することがあります。まれですが重い合併症として脳炎を起こすことがあり、命に関わったり、後遺症が残ったりする場合があります。また、ごくまれに数年後に**亜急性硬化性全脳炎(SSPE)**という重い脳の病気を発症することも知られています。

麻疹脳炎について

麻疹患者さん約1,000人に1人程度で脳炎を起こすとされ、高熱やけいれん、意識がぼんやりするなどの症状が現れます。重い後遺症が残ることもあるため、麻疹は予防が何より大切です。

保護者の皆さまへ

麻疹は現在でも流行がみられる感染症です。特にワクチン未接種のお子さんは重症化する可能性があります。

「高熱が続く」「発疹が出てきた」「麻疹の患者さんと接触した可能性がある」という場合は、受診前に医療機関へ電話で相談し、麻疹の可能性があることを伝えてから受診しましょう。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

水痘(みずぼうそう)

水痘(みずぼうそう)について

保護者の方へ

お子さんが「水ぼうそう」と診断されると、不安に感じる方も多いと思います。水痘は子どもによくみられる感染症ですが、多くは適切なケアで自然に良くなります。ここでは、ご家庭で知っておきたいポイントをわかりやすくまとめました。

水痘(みずぼうそう)とは

水痘は**水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)**による感染症です。

非常に感染力が強く、せきやくしゃみ(飛沫感染)空気感染、**発疹に触れること(接触感染)**で広がります。潜伏期間は約2週間(10〜21日)です。

原因

原因は水痘・帯状疱疹ウイルスです。

一度感染すると多くの場合は免疫ができますが、ウイルスは体内に残り、大人になってから帯状疱疹として発症することがあります。

主な症状

最初は軽い発熱やだるさがみられ、その後、赤い発疹が現れます。

発疹は次のように変化します。

  • 赤い発疹
  • 水ぶくれ(水疱)
  • かさぶた

これらが同時に混ざって見られることが水痘の特徴です。

また、

  • 強いかゆみ
  • 37〜39℃程度の発熱
  • 頭や顔、体、手足へ広がる発疹

がよくみられます。

かき壊すと細菌感染を起こし、とびひや傷あとが残ることがあるため、爪を短く切るなどの工夫も大切です。

治療

アシクロビルの早期投与が大切です

水痘では発症から24時間以内(遅くとも48時間以内)に抗ウイルス薬「アシクロビル」を開始すると、発熱期間や発疹の数を減らし、症状を軽くできることが分かっています。

そのため、水痘が疑われる場合はできるだけ早く受診することが重要です。

治療では次のようなことを行います。

十分な水分補給と安静

アシクロビル(抗ウイルス薬)の内服

発症早期ほど効果があります。

医師の指示どおり最後まで飲み切りましょう。

発熱には解熱薬(アセトアミノフェン)

かゆみにはかゆみ止めや塗り薬

登園・登校の目安

学校保健安全法では、

すべての発疹がかさぶたになってから

登園・登校が可能とされています。

新しい水ぶくれが出ている間は感染力があるため、お休みが必要です。

予防接種について

水痘ワクチンは定期予防接種です。

  • 1歳になったら接種開始
  • 合計2回接種

2回接種することで、水痘の発症を大きく減らし、かかっても軽症で済むことが期待できます。

また、感染した方と接触した後でも、**72時間以内(できれば早め)**にワクチンを接種すると、発症予防や軽症化が期待できる場合があります。

受診を急いだほうがよい症状

次のような場合は早めに医療機関を受診してください。

  • 水分が取れない
  • 高熱が続く
  • 元気がなくぐったりしている
  • 呼吸が苦しそう
  • 発疹が赤く腫れ、膿が出てきた
  • 強い頭痛、繰り返す嘔吐、けいれんなどがある

保護者の方へ

水痘は多くのお子さんが経験する感染症ですが、適切な治療とご家庭でのケアにより、多くは1週間ほどで回復します。かゆみや発熱でつらそうなときは無理をせず、十分な休養と水分補給を心がけましょう。

ワクチンは水痘を予防し、重症化を防ぐ大切な方法です。接種がまだのお子さんは、ぜひ主治医にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

ヒトメタニューモウイルス感染症

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)感染症について

~お子さんが咳や熱でつらそうなときに~

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は、風邪の原因となるウイルスの一つです。乳幼児を中心に流行し、特に**冬から春(2~6月頃)**に多くみられます。多くのお子さんは数日~1週間ほどで良くなりますが、乳児や基礎疾患のあるお子さんでは気管支炎や肺炎になることもあるため、注意が必要です。

原因

ヒトメタニューモウイルスは、感染した人の**せきやくしゃみのしぶき(飛沫感染)**や、ウイルスが付いた手や物を触ったあとに口や鼻に触れることで感染します。

兄弟や保育園・幼稚園などで広がることも多く、一度かかっても再び感染することがあります。

主な症状

感染してから3~6日ほどで症状が出ます。

  • 発熱(38~39℃以上になることもあります)
  • 鼻水・鼻づまり
  • せき(長引くことがあります)
  • のどの痛み
  • ゼーゼー・ヒューヒュー(喘鳴)
  • 食欲低下
  • 元気がない

乳児では細気管支炎、年齢によっては肺炎を起こすことがあります。

早めの受診が必要な症状

次のような場合は早めに小児科を受診しましょう。

  • 呼吸が苦しそう、肩で息をしている
  • 顔色や唇の色が悪い
  • 水分が飲めず、おしっこが少ない
  • ぐったりしている
  • 生後3か月未満の発熱
  • 高熱が続く、症状が悪化してきた

迅速検査について

ヒトメタニューモウイルスには鼻の奥を綿棒でぬぐって調べる迅速検査があります。

ただし、**すべてのお子さんに行う検査ではありません。**保険診療では対象が限られており、症状や年齢などを考慮して医師が必要と判断した場合に行われます。検査をしなくても、症状や診察から診断・治療を行うことも多くあります。

治療

ヒトメタニューモウイルスに特効薬はありません。

治療は症状を和らげ、お子さんが楽に過ごせるようにすることが中心です。

  • 十分な水分補給
  • 解熱剤などによる発熱への対応
  • 鼻水やせきを和らげる治療
  • 呼吸が苦しい場合は吸入治療を行うことがあります
  • 肺炎や脱水が強い場合には入院が必要になることもあります

抗菌薬(抗生物質)は細菌には有効ですが、ウイルスには効果がないため、通常は必要ありません。

登園・登校の目安

ヒトメタニューモウイルス感染症は、学校保健安全法で出席停止が定められている病気ではありません。

次の状態を目安に登園・登校できます。

  • 熱が下がっている
  • 呼吸が苦しくない
  • 食事や水分がとれ、普段どおり遊べるくらい元気になっている

園や学校によって基準が異なることがあるため、施設のルールも確認しましょう。

保護者の方へ

ヒトメタニューモウイルスは、多くのお子さんが一度はかかる身近な感染症です。ほとんどは自然に回復しますが、乳幼児では呼吸状態が急に悪くなることがあります。

特に「息が苦しそう」「水分が飲めない」「ぐったりしている」と感じたら、早めに小児科を受診してください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

RSウイルス(RSV)感染症

RSウイルス(RSV)感染症

~お子さんの「ゼーゼーする咳」が気になったら~

RSウイルス(RSV)は、乳幼児にとても多い呼吸器の感染症です。2歳までにほとんどのお子さんが一度は感染するといわれています。

多くは風邪のような症状で自然に良くなりますが、生後6か月未満の赤ちゃんでは細気管支炎や肺炎を起こし、入院が必要になることもあります。特に小さな赤ちゃんでは、呼吸の様子をよく観察することが大切です。

RSウイルス感染症とは?

RSウイルスは、鼻やのど、気管支に感染するウイルスです。

毎年流行を繰り返し、乳幼児では最も入院が多い呼吸器感染症の一つです。

年長のお子さんや大人も感染しますが、軽い風邪症状で済むことが多く、気づかないうちに赤ちゃんへうつしてしまうことがあります。

原因・感染経路

RSウイルスは次のように感染します。

  • 咳やくしゃみによる飛沫感染
  • 手やおもちゃ、ドアノブなどを介した接触感染

ウイルスは手に付着しやすいため、家庭内で兄弟姉妹から赤ちゃんへ感染することも少なくありません。

主な症状

感染後2〜8日ほどで症状が現れます。

初期症状

  • 鼻水
  • 発熱

症状が進むと

  • 咳が強くなる
  • 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸(喘鳴)
  • 呼吸が速い
  • ミルクや食事が進まない
  • 機嫌が悪い

乳児では、細気管支炎肺炎を起こすことがあります。また、生後数か月までの赤ちゃんでは、咳よりも**無呼吸(呼吸が止まる)**が最初の症状になることもあります。

治療について

RSウイルスを直接治す特効薬はありません。

治療は症状を和らげながら、お子さんが回復するのを助ける「対症療法」が中心です。

  • 十分な水分補給
  • 鼻水を吸引して呼吸を楽にする
  • 必要に応じて解熱剤を使用する
  • 呼吸状態が悪い場合は酸素投与や点滴、入院治療

咳は熱が下がったあともしばらく続くことがありますが、多くは1〜2週間ほどで改善します。

こんな時は早めに受診しましょう

次のような症状がある場合は早めの受診をおすすめします。

  • 呼吸が速い、苦しそう
  • 胸がペコペコへこむ
  • 顔色や唇の色が悪い
  • ミルクや水分が飲めない
  • おしっこの回数が少ない
  • ぐったりしている
  • 生後3か月未満で発熱がある
  • 呼吸が止まるように見える

予防接種について

現在、赤ちゃん自身への定期予防接種はありません。

一方で、妊婦さんを対象としたRSウイルスワクチン アブリスボ が使用されています。

妊娠中に接種することで、お母さんが作った抗体が赤ちゃんへ移行し、生後早期のRSウイルス感染症による重症化を予防する効果が期待されています。

また、ご家族全員で

  • 手洗い
  • 咳エチケット
  • 体調不良時の接触を避ける
  • おもちゃやドアノブの消毒

を心がけることも大切です。

登園・登校の目安

RSウイルス感染症には法律で定められた出席停止期間はありません。

熱が下がり、呼吸が落ち着き、普段どおり食事や水分がとれ、元気に過ごせるようになれば登園・登校が可能です。

ただし、咳が強く残っている間は周囲へ感染させる可能性があるため、園や学校の方針も確認しましょう。

保護者のみなさまへ

RSウイルス感染症は、小さなお子さんでは心配になる病気ですが、多くは適切なケアで回復します。

一方で、赤ちゃんは短時間で呼吸状態が悪くなることがあります。「呼吸が苦しそう」「ミルクが飲めない」「いつもより元気がない」と感じたら、無理をせず早めに医療機関へご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

手足口病

子どもの手足口病とは?

原因・症状・治療・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説

手足口病は乳幼児に多いウイルス感染症です。原因や症状、家庭でのケア、治療、受診の目安、登園のタイミングまで、小児科医が保護者の方にもわかりやすく解説します。

子どもの手足口病とは?

「手や足に赤い発疹が出てきた」「口の中が痛くてご飯を食べられない」「保育園で流行していると言われた」。

このような症状で受診されるお子さんは、毎年初夏から夏にかけて増えてきます。

**手足口病は子どもによくみられるウイルス感染症で、多くは1週間ほどで自然に回復します。**一方で、口の痛みが強く水分が飲めなくなったり、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症を起こしたりすることもあるため、症状に応じた対応が大切です。

この記事では、厚生労働省、日本小児科学会、日本小児感染症学会などの情報を参考に、手足口病の原因や症状、治療、家庭でできるケア、受診の目安について、小児科医の立場からわかりやすく解説します。

手足口病とは

手足口病(Hand, Foot and Mouth Disease:HFMD)は、主に乳幼児にみられるウイルス感染症です。

名前のとおり、

  • 手のひら
  • 足の裏
  • 指先
  • 足の指
  • 口の中

に小さな赤い発疹や水ぶくれができることが特徴です。

おしりや膝、肘などに発疹が出ることも珍しくありません。

日本では毎年夏を中心に流行しますが、秋頃まで患者さんがみられる年もあります。

保育園や幼稚園などで集団生活を送るお子さんでは感染が広がりやすく、兄弟や家族へうつることもあります。

多くのお子さんは軽症で自然に治りますが、口内炎の痛みで食事や水分が十分に取れず、脱水になることがあるため注意が必要です。

手足口病の原因

手足口病は細菌ではなく、エンテロウイルスという種類のウイルスが原因です。

代表的なものは

  • コクサッキーウイルスA6
  • コクサッキーウイルスA16
  • エンテロウイルス71(EV71)

などがあります。

年によって流行するウイルスの種類が異なるため、

  • 発熱が強い年
  • 発疹が広がりやすい年
  • 爪が一時的にはがれる症状(爪甲脱落症)が多い年

など、症状に違いがみられることがあります。

一度かかった後でも、別の種類のウイルスに感染すると再び手足口病になることがあります。

どのように感染するの?

手足口病は感染力が比較的強く、次のような経路で感染します。

飛沫感染

咳やくしゃみ、会話などで飛び散った唾液から感染します。

接触感染

発疹や唾液が付着した手、おもちゃ、ドアノブなどを触った後、口や鼻にウイルスが入ることで感染します。

糞口感染

便の中には症状が治ったあとも数週間から1か月程度ウイルスが排出されることがあります。

おむつ交換のあとに十分な手洗いをしないと、家庭内で感染が広がる原因になります。

そのため、

  • 石けんを使った手洗い
  • おむつ交換後の手洗い
  • タオルの共用を避ける
  • おもちゃの消毒

などが感染予防として大切です。

手足口病の症状

症状には個人差がありますが、多くは次のような経過をたどります。

発熱

最初に38℃前後の発熱がみられることがあります。

ただし、熱が出ないお子さんも少なくありません。

高熱が何日も続く病気ではなく、多くは1~2日で熱が下がります。

発疹

熱と前後して、

  • 手のひら
  • 足の裏
  • 指先
  • おしり

などに赤い発疹や小さな水ぶくれが現れます。

強いかゆみは少なく、痛みも軽いことがほとんどです。

コクサッキーウイルスA6では全身に発疹が広がることもあります。

口内炎

保護者の方が最も困る症状が口内炎です。

舌や頬の内側、上あごなどに小さな水ぶくれができ、その後浅い潰瘍になります。

このため、

  • ご飯を食べたがらない
  • 飲み物を嫌がる
  • よだれが増える
  • 機嫌が悪い

といった様子がみられます。

特に乳幼児では脱水の原因になることがあるため注意が必要です。

爪がはがれることがあります

手足口病が治ってから1~2か月後に、手や足の爪が根元から浮いたり、一部がはがれたりすることがあります。

これはウイルスの影響で一時的に爪の成長が止まるためと考えられており、多くは自然に新しい爪が生えて治ります。

慌てて爪を切ったり、特別な治療をしたりする必要はありません。

手足口病の診断

手足口病は、特徴的な発疹や口内炎、周囲での流行状況などを総合的にみて診断します。

通常は採血やレントゲンなどの検査は必要ありません。

また、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のような迅速検査は一般的には行われません。

発疹が似ている病気として、

  • ヘルパンギーナ
  • 咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症)
  • 水痘
  • とびひ
  • 突発性発疹
  • アレルギーによる発疹

などがあり、小児科ではこれらとの区別を行いながら診断します。

実際の診療では、「手足口病だと思って受診したら、とびひや水痘だった」というケースも少なくありません。発疹の出方や全身状態を確認し、適切な診断を行うことが大切です。

手足口病の治療

現在、手足口病を治す特効薬はありません。

治療は、症状を和らげながら自然に治るのを待つ対症療法が基本です。

水分補給を最優先に

最も大切なのは脱水を防ぐことです。

口の中が痛くても、

  • 麦茶
  • 経口補水液
  • 牛乳
  • 冷ましたスープ

など、飲めるものを少量ずつこまめに飲ませましょう。

一度にたくさん飲ませるよりも、少量を何回も飲む方が飲みやすいことがあります。

食事のポイント

口内炎が痛い間は無理に食べさせる必要はありません。

おすすめなのは、

  • ゼリー
  • プリン
  • ヨーグルト
  • 豆腐
  • 茶碗蒸し
  • おかゆ
  • 冷たいうどん

など、やわらかく、刺激の少ない食べ物です。

一方で、

  • オレンジジュース
  • 炭酸飲料
  • カレー
  • 香辛料の多い料理
  • 熱すぎる食べ物

は口内炎にしみるため避けた方がよいでしょう。

家庭でできるケア

手足口病は、多くの場合ご家庭で安静に過ごしながら回復を待つ病気です。お子さんが少しでも楽に過ごせるよう、次の点を心がけましょう。

水分補給をこまめに

最も大切なのは脱水を防ぐことです。

口の中が痛いと、一度にたくさん飲むことは難しいため、

  • 少量ずつ何回にも分けて飲ませる
  • 冷たい飲み物やゼリーを利用する
  • 水分が取れない場合は経口補水液を試す

などがおすすめです。

特に乳幼児では、おしっこの回数や量が減っていないか確認しましょう。

食事は無理をしなくても大丈夫

数日間食事が少なくても、水分が十分に取れていれば大きな心配はいりません。

口当たりがよく刺激の少ない食べ物を選びましょう。

おすすめは

  • おかゆ
  • うどん
  • 豆腐
  • 茶碗蒸し
  • ヨーグルト
  • ゼリー
  • プリン
  • アイスクリーム

などです。

発疹は触りすぎない

手足の発疹は、強いかゆみが出ることは少なく、多くは自然に治ります。

無理に水ぶくれをつぶしたり、市販の消毒薬を塗ったりする必要はありません。

市販薬は使える?

「薬局で薬を買った方がいいですか?」という質問をよくいただきます。

手足口病そのものを治す市販薬はありません。

発熱や痛みが強い場合は、医師の指示に従って解熱鎮痛薬を使用することがあります。

市販薬を使用する前に、小児科へ相談することをおすすめします。

また、抗菌薬(抗生物質)はウイルスには効果がないため、通常は使用しません。

小児科を受診する目安

次のような場合は、小児科を受診しましょう。

  • 水分がほとんど飲めない
  • おしっこが少ない
  • ぐったりしている
  • 高熱が続く
  • 頭痛や嘔吐、けいれんがある
  • いつもと様子が違う

特に乳幼児は脱水の判断が難しいため、「飲めているか心配」「機嫌が悪くぐったりしている」と感じたら、早めの受診をおすすめします。

登園・登校の目安

手足口病は学校保健安全法で出席停止期間が決められている病気ではありません。

一般的には、

  • 熱が下がっている
  • 普段どおり食事や水分が取れる
  • 元気に遊べる

ようになれば登園・登校できます。

発疹が残っていても、全身状態が良ければ登園できることがほとんどです。

ただし、保育園や幼稚園によって基準が異なる場合がありますので、園の方針をご確認ください。

手足口病でよくある質問

Q. 手足口病は兄弟にうつりますか?

はい。家庭内で感染することは珍しくありません。

石けんによる手洗い、おむつ交換後の手洗い、タオルの共用を避けることが予防につながります。

Q. 大人にも感染しますか?

感染します。

大人では子どもより症状が強く、発熱や手足の痛み、口内炎が強く出ることがあります。

Q. 発疹が治るまで外出しない方がいいですか?

熱があり体調が悪い間は自宅でゆっくり休みましょう。

元気になれば短時間の外出は可能ですが、周囲への感染予防として手洗いや咳エチケットを心がけましょう。

Q. プールには入れますか?

熱がなく元気であっても、発疹や口内炎が残っている間は控えるよう指導している園や学校が多くあります。

施設のルールをご確認ください。

Q. 一度かかればもう感染しませんか?

いいえ。

手足口病の原因となるウイルスは複数あるため、違う種類のウイルスに感染すると再び手足口病になることがあります。

小児科で実際によくあるご相談

当院では、

「口の中が痛くて全く食べられません。」

「発疹が手だけではなく全身に広がっています。」

「手足口病と言われたけれど、本当にそうでしょうか。」

といったご相談をよくいただきます。

実際には、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱、水痘、とびひ、突発性発疹など、似た症状の病気が見つかることも少なくありません。

また、コクサッキーウイルスA6が原因の場合には、通常より広い範囲に発疹が出たり、高熱を伴ったりすることもあります。

そのため、「手足口病だと思うから様子を見よう」と自己判断せず、気になる症状があれば小児科へご相談ください。

参考資料

本記事は、以下の信頼できる資料を参考に作成しています。

  • 厚生労働省「手足口病に関する情報」
  • 厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2023年改訂版)」
  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報サイト「手足口病」
  • 日本小児科学会 小児感染症に関する診療・啓発資料
  • 日本小児感染症学会 小児感染症診療に関する資料
  • 日本小児救急医学会 小児救急診療に関する資料
  • 日本外来小児科学会 外来小児感染症診療に関する資料
  • 日本小児呼吸器学会 小児ウイルス感染症に関する資料
  • 日本小児アレルギー学会 感染症とアレルギー疾患に関する資料
  • 日本小児神経学会 ウイルス感染症に伴う神経合併症に関する資料
  • 日本新生児成育医学会 新生児・乳児感染症に関する資料

横浜市・みなとみらいで手足口病にお困りの方へ

みなとみらい小児科クリニックでは、手足口病をはじめ、お子さんの発熱や発疹を伴う感染症の診療を行っています。

手足口病では、

  • 正しく診断すること
  • 脱水の有無を確認すること
  • ご家庭での水分補給や食事の工夫をお伝えすること
  • 登園・登校の目安をご説明すること

を大切にしています。

「口の中が痛くて食べられない」「発疹が増えてきた」「手足口病かどうかわからない」など、ご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

急性耳下腺炎

急性耳下腺炎(おたふくかぜを含む)について

~保護者の皆さまへ~

耳の下が急に腫れてしまうと、とても心配になりますよね。
急性耳下腺炎は、耳の下にある「耳下腺」という唾液を作る腺が炎症を起こす病気です。子どもでは**おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)**がよく知られていますが、細菌感染やほかのウイルスが原因になることもあります。多くは適切な治療と安静で良くなりますので、症状に合わせて対応していきましょう。

急性耳下腺炎とは

耳の前からあごにかけてある耳下腺が腫れ、痛みを伴う病気です。

主な原因

  • おたふくかぜ(ムンプスウイルス):最もよく知られる原因
  • 細菌感染(黄色ブドウ球菌など)
  • インフルエンザやEBウイルスなど、ほかのウイルス感染
  • 脱水や口の中の衛生状態の悪化がきっかけになることもあります

主な症状

  • 耳の下やあごの腫れ
  • 押すと痛い、食事で痛みが強くなる
  • 発熱
  • 飲み込みにくい
  • 口が開けにくいことがある
  • 両側が腫れることもあれば、片側だけのこともあります

こんな時は早めに受診しましょう

  • 高熱が続く
  • 腫れや痛みが急に強くなる
  • 水分が取れない
  • ぐったりしている
  • 呼吸や飲み込みが苦しそう

治療

原因によって治療が異なります。

おたふくかぜの場合

  • ウイルスが原因のため特効薬はありません。
  • 解熱鎮痛薬を使いながら、水分補給と安静が基本です。
  • 酸っぱいものは痛みが強くなるため控えると楽です。

細菌性耳下腺炎の場合

  • **抗菌薬(抗生物質)**で治療します。
  • 膿がたまっている場合には処置が必要になることがあります。

登園・登校の目安

原因によって異なります。

おたふくかぜ

  • 耳下腺・顎下腺・舌下腺の腫れが出てから5日を経過し、全身状態が良好になってから登園・登校できます。

細菌性・その他の耳下腺炎

  • 発熱や腫れが改善し、食事や普段の生活ができるようになれば登園可能です。医師の指示に従ってください。

予防接種について

おたふくかぜは予防接種で予防できる病気です。

日本では現在任意接種(自費)ですが、日本小児科学会では2回接種が推奨されています。

  • 1回目:1歳頃
  • 2回目:小学校入学前(5~6歳頃)

予防接種により発症や重症化を減らすことが期待できます。

おたふくかぜで注意したい合併症

多くは自然に回復しますが、まれに次のような合併症がみられます。

  • 無菌性髄膜炎
  • 難聴(まれですが片耳の高度難聴になることがあります)
  • 精巣炎(思春期以降の男児)
  • 卵巣炎
  • 膵炎

強い頭痛や繰り返す嘔吐、意識がぼんやりする、聞こえにくさを訴える場合は早めに受診しましょう。

保護者の方へ

耳の下が腫れると驚かれると思いますが、多くのお子さんは適切な治療で元気になります。水分補給を心がけ、痛みが強いときは無理に食べさせず、食べやすい柔らかいものを選びましょう。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

みなとみらい小児科クリニック

参考資料:厚生労働省、国立健康危機管理研究機構(感染症情報)、日本小児科学会、日本小児感染症学会

下痢・急性胃腸炎

お子さんの急性胃腸炎について

~あわてず、脱水を防ぐことが一番大切です~

お子さんが急に吐いたり下痢をしたりすると、とても心配になりますよね。急性胃腸炎の多くは数日~1週間ほどで自然に良くなりますが、小さなお子さんでは脱水症に注意が必要です。症状に合わせて水分補給を行い、つらい症状を和らげながら回復を待ちましょう。

急性胃腸炎とは?

急性胃腸炎とは、ウイルスや細菌などが原因で胃や腸に炎症が起こり、嘔吐・下痢・腹痛・発熱などの症状が現れる病気です。

子どもの急性胃腸炎の約7割はウイルスが原因で、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが代表的です。多くは自然に回復しますが、乳幼児では脱水が進みやすいため注意が必要です。

原因

  • ウイルス(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)
  • 細菌(カンピロバクター、サルモネラなど)
  • まれに寄生虫

感染した人の便や嘔吐物、汚染された手や食べ物を介してうつることがあります。家族内で広がりやすいため、手洗いをしっかり行いましょう。

主な症状

  • 突然の嘔吐
  • 水のような下痢
  • 腹痛
  • 発熱
  • 食欲低下
  • 元気がない

特に注意したいのは脱水症です。

次のような様子があれば、早めに医療機関を受診してください。

  • 水分がほとんど飲めない
  • 半日以上おしっこが出ない
  • ぐったりしている
  • 呼びかけへの反応が悪い
  • 血便や強い腹痛がある

嘔吐したときは

急性胃腸炎では、最初に嘔吐が目立つことがよくあります。無理に飲ませると再び吐いてしまうため、吐いた直後は20~30分ほど胃を休ませ、その後に経口補水液(OS-1®など)をスプーン1杯(5~10mL)ずつ、5分おきに少量ずつ飲ませることが大切です。

嘔吐がおさまれば、少しずつ飲む量を増やしていきましょう。

治療

急性胃腸炎では脱水を防ぐことが最も大切な治療です。

  • 経口補水液による水分補給
  • 年齢に応じた食事を少しずつ再開
  • 必要に応じて整腸剤
  • 脱水が強い場合は点滴治療

制吐剤(吐き気止め)について

嘔吐が続いて水分が飲めない場合には、医師の判断で制吐剤を使用することがあります。 制吐剤によって嘔吐が軽くなると、水分補給がしやすくなり、脱水や点滴が必要になるリスクを減らせる場合があります。すべてのお子さんに必要ではありませんが、症状に応じて有効な治療の一つです。

ロタウイルスワクチンについて

ロタウイルスは乳幼児の重症胃腸炎の代表的な原因です。ロタウイルスワクチンは定期接種となっており、重症化や入院を大きく減らすことが確認されています。

接種は生後早い時期から開始する必要があり、標準的には生後2か月頃(生後8~14週)に初回接種を行います。対象年齢を過ぎると開始できないため、早めの接種がおすすめです。

保護者の方へ

子どもは脱水になりやすく、その程度をご家庭で判断することは難しいため、嘔吐や下痢がみられたら早めに小児科を受診しましょう。医師が脱水の有無を確認し、必要に応じて経口補水の方法やお薬、点滴治療を行います。

お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。

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