
子どもの流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜熱(プール熱)とは?原因・症状・受診の目安を小児科医がわかりやすく解説
子どもの流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜熱(プール熱)の原因、症状、感染経路、受診の目安を小児科医がわかりやすく解説します。横浜市・みなとみらいで目の充血や発熱が気になるお子さんは、みなとみらい小児科クリニックへご相談ください。
子どもの目が赤い・目やに・発熱…それは「はやり目」や「プール熱」かもしれません
お子さんの目が赤くなり、目やにが増えたり、熱やのどの痛みが出たりしたら、「流行性角結膜炎(はやり目)」や「咽頭結膜熱(プール熱)」の可能性があります。どちらもアデノウイルスによる感染症で、感染力が非常に強いことが特徴です。多くは自然に回復しますが、家庭内や保育園・幼稚園・学校で広がりやすいため、早めに診断を受け、適切な感染対策を行うことが大切です。
「ただの結膜炎かな?」
「プールに入ったから感染したの?」
「兄弟にうつらないようにするにはどうすればいい?」
このようなご相談は、小児科でもよくいただきます。
この記事では、保護者の方が安心して対応できるように、流行性角結膜炎とは何か、咽頭結膜熱との違い、症状や受診の目安についてわかりやすくご説明します。
流行性角結膜炎(はやり目)とは?
流行性角結膜炎は、アデノウイルスによって起こる目の感染症です。
「はやり目」という名前のとおり非常に感染力が強く、保育園や幼稚園、学校、ご家庭の中でも広がりやすい病気です。
子どもだけでなく大人にも感染します。
症状が強い場合には角膜(黒目)にも炎症が及ぶことがあり、一時的に見えにくくなることもあります。
咽頭結膜熱(プール熱)とは?
咽頭結膜熱もアデノウイルスによる感染症です。
発熱・のどの痛み・結膜炎(目の充血)の3つがそろうことが特徴です。
以前はプールで感染することが多かったため「プール熱」と呼ばれていますが、現在は咳やくしゃみ、手についたウイルスなどから感染することが多く、プールだけが原因ではありません。
原因は?
どちらも原因はアデノウイルスです。
流行性角結膜炎では主に8型、19型、37型、54型などが知られています。
咽頭結膜熱では主に3型や7型などが原因になります。
感染経路は
- 接触感染
- 飛沫感染
が中心です。
特に目やにや涙には大量のウイルスが含まれています。
そのため
- 手で目をこする
- タオルを共用する
- ドアノブやおもちゃを触る
などで簡単に感染が広がります。
症状の違い
流行性角結膜炎(はやり目)

代表的な症状は
- 白目が真っ赤になる
- 目やにがたくさん出る
- 涙が止まらない
- 目がゴロゴロする
- まぶしい
- まぶたが腫れる
- 耳の前のリンパ節が腫れる
最初は片目だけでも、数日後に反対の目にも広がることがよくあります。
咽頭結膜熱(プール熱)

代表的な症状は
- 38〜39℃程度の発熱
- のどの痛み
- 目の充血
- 目やに
- 食欲低下
- 首のリンパ節の腫れ
熱は3〜5日ほど続くことが多く、その後ゆっくり改善します。
よくある保護者の心配
診療をしていると、次のような質問をいただくことがよくあります。
「目やにだけでも受診した方がいいですか?」
はい。
特に朝、目やにで目が開かないほどの場合は、流行性角結膜炎の可能性があります。
感染力が強いため、早めに診察を受けることをおすすめします。
「プールでうつったのでしょうか?」
現在はプールそのものよりも、家族や友達との接触で感染することが多いと考えられています。
「兄弟にうつりますか?」
感染力が非常に強いため、ご兄弟や保護者へ感染することも少なくありません。
家庭内では
- 手洗い
- タオルを分ける
- 目を触らない
ことがとても大切です。
小児科ではどのように診断するの?
診断はまず症状や診察所見から行います。
目の充血の程度や目やにの状態、発熱やのどの赤みなどを総合的に判断します。
必要に応じてアデノウイルス迅速検査を行うことがあります。
迅速検査は診断の助けになりますが、症状や経過によっては検査を行わず診断する場合もあります。
また、角膜の炎症が疑われる場合や、見えにくさ・強い痛み・光をまぶしがる症状がある場合には、眼科で詳しい診察が必要になります。
こんな時は早めに受診しましょう
次のような症状がある場合は、できるだけ早めに医療機関を受診してください。
- 高熱が続く
- 水分が十分飲めない
- 元気がなくぐったりしている
- 目が開けられないほど痛い
- 光を極端にまぶしがる
- 見えにくそうにしている
- 生後3か月未満で発熱している
- 目の症状が急速に悪化している
横浜市・みなとみらいで「目の充血」「目やに」「発熱」でお困りの方へ
流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は感染力が強く、早期に診断して感染対策を行うことが、ご本人だけでなくご家族や周囲のお子さんを守ることにもつながります。
みなとみらい小児科クリニックでは、目の充血や目やに、発熱を伴う感染症の診療を行っています。
診察では症状を丁寧に確認し、必要に応じて迅速検査や眼科への紹介を行い、お子さん一人ひとりに合わせた治療やご家庭での過ごし方をご説明しています。
「はやり目かもしれない」「保育園へ行ってよいのか分からない」など、ご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
治療
アデノウイルスに効く特効薬はありません
流行性角結膜炎や咽頭結膜熱はウイルス感染症のため、現在のところアデノウイルスそのものを退治する飲み薬はありません。
そのため、治療は症状を和らげながら、お子さん自身の免疫で治るのを待つ「対症療法」が中心になります。
多くのお子さんは1~2週間ほどで改善しますが、流行性角結膜炎では目の充血や涙、見えにくさが数週間続くこともあります。
点眼薬は必要?
保護者の方から最も多い質問の一つが、
「目薬を使えば早く治りますか?」
というものです。
結論から言うと、
点眼薬だけでアデノウイルスを退治することはできません。
それでも点眼薬を使用する理由があります。
抗菌点眼薬
アデノウイルスには効きませんが、細菌による二次感染を予防・治療する目的で処方されることがあります。
炎症を抑える点眼薬
炎症が非常に強く、角膜への影響が心配される場合には、眼科医の判断で炎症を抑える点眼薬(ステロイド点眼薬など)が使用されることがあります。
ただし、ステロイド点眼薬は自己判断で使用すると、症状を悪化させたり他の病気を見逃したりする可能性があります。
市販薬や以前処方された点眼薬を自己判断で使用することは避け、必ず医師の指示に従いましょう。
家庭でできるケア
ご家庭では、お子さんが少しでも楽に過ごせるよう、次のことを心掛けましょう。
- 水分をこまめに飲ませる
- 食べられるものを少しずつ食べる
- 十分な睡眠をとる
- 目をこすらないようにする
- 目やには清潔なガーゼやティッシュで優しく拭き取る
目を冷たいタオルで軽く冷やすと、違和感が和らぐこともあります。
家族にうつさないためには?
アデノウイルスは非常に感染力が強く、家庭内で兄弟や保護者へ広がることも少なくありません。
感染予防のために、
- 石けんでしっかり手洗いをする
- タオルや洗面用具を共用しない
- 枕カバーをこまめに交換する
- 目やにを拭いたティッシュはすぐに捨てる
- ドアノブやおもちゃを定期的に拭く
ことが大切です。
特に目やにや涙には多くのウイルスが含まれているため、触れた後は必ず手を洗いましょう。
登園・登校の目安
流行性角結膜炎(はやり目)
学校保健安全法では第三種感染症に分類されています。
医師が感染のおそれがないと判断するまで登園・登校はできません。
感染力が非常に強いため、無理に登園すると集団感染につながる可能性があります。
咽頭結膜熱(プール熱)
学校保健安全法では第二種感染症に分類されています。
主要な症状(発熱・のどの痛み・目の症状)がなくなってから2日を経過するまで登園・登校はできません。
保育園や幼稚園によっては登園届や医師の意見書が必要になることがありますので、施設のルールをご確認ください。
小児科医としてお伝えしたいこと
診療をしていると、
「目が赤いだけだから様子を見ていました。」
という保護者の方も少なくありません。
しかし実際には、流行性角結膜炎と思って受診されたお子さんの中に、
- 細菌性結膜炎
- アレルギー性結膜炎
- 咽頭結膜熱
- 角膜炎
など、治療や対応が異なる病気が見つかることがあります。
また、強い角膜炎を起こすと、一時的に見えにくくなることもあるため、目の症状が強い場合は早めの受診をおすすめしています。
当院では、お子さんの症状を丁寧に診察し、必要に応じて迅速検査や眼科への紹介を行い、安心して治療を受けていただけるよう努めています。
よくある質問(FAQ)
Q. はやり目やプール熱はプールでしか感染しませんか?
いいえ。
現在は家庭や保育園・幼稚園・学校での接触感染や飛沫感染がほとんどです。
Q. 市販の目薬を使っても大丈夫ですか?
自己判断での使用はおすすめできません。
特にステロイドを含む点眼薬は、病気によっては悪化させることがあります。
Q. 兄弟も受診した方がいいですか?
目の充血や発熱、目やになどの症状が出た場合は受診をおすすめします。
症状がない場合は、手洗いやタオルの使い分けなど感染予防を徹底しましょう。
Q. 一度かかったらもう感染しませんか?
アデノウイルスには多くの型があるため、別の型に感染して再び発症することがあります。
横浜市・みなとみらいで目の充血や発熱が気になるお子さんへ
流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は、多くのお子さんが経験する感染症です。感染力は強いものの、早めに診断を受け、適切な治療と感染対策を行うことで、多くは後遺症なく回復します。
みなとみらい小児科クリニックでは、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱をはじめ、お子さんの感染症全般の診療を行っています。
「目やにが多い」「目が真っ赤」「熱とのどの痛みがある」「保育園に行ってよいか分からない」など、お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック
参考文献
本記事は、以下の公的機関・学会等の資料を参考に作成しています。
行政機関
- 厚生労働省「感染症情報」「学校保健安全法」
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報(旧 国立感染症研究所)
- こども家庭庁
学会
- 日本小児科学会
- 日本小児感染症学会
- 日本眼科学会
- 日本眼科医会
- 日本小児アレルギー学会
- 日本小児循環器学会
- 日本小児神経学会
- 日本小児腎臓病学会
- 日本小児内分泌学会
- 日本小児血液・がん学会
- 日本小児栄養消化器肝臓学会
- 日本小児呼吸器学会
- 日本小児リウマチ学会
- 日本川崎病学会
- 日本新生児成育医学会
- 日本小児救急医学会
- 日本外来小児科学会
- 日本小児在宅医学会
- 日本国際小児保健学会
- 日本小児心身医学会
- 日本子ども虐待医学会
- 日本先天代謝異常学会
- 日本小児体液研究会
- 日本マススクリーニング学会
- 日本小児東洋医学会
その他参考資料
- 学校保健安全法における学校感染症の登校・登園基準
- アデノウイルス感染症に関する国内診療ガイド・専門家向け資料
- 小児感染症診療に関する各学会公開資料
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック











































