
子どものスキンケア|正しい洗い方・保湿剤の使い方を小児科医が解説
結論|子どものスキンケアは「やさしく洗う・しっかり保湿する」が基本です
子どもの肌がカサカサしていると、
「毎日石けんで洗って大丈夫?」
「保湿剤はどのくらい塗ればいい?」
「この湿疹はアトピー性皮膚炎なの?」
と心配になることがあります。
子どものスキンケアの基本は、皮膚を傷つけずに清潔にし、乾燥している肌には十分な保湿を行うことです。
乳幼児の皮膚は大人より薄く、外からの刺激の影響を受けやすい特徴があります。乾燥、汗、よだれ、食べこぼし、衣類との摩擦などでも肌が荒れることがあります。
子どものスキンケア|まず覚えておきたい4つのポイント
- ゴシゴシこすらず、やさしく洗う
- 熱すぎるお湯を避ける
- 入浴後はできるだけ早く保湿する
- 赤みやかゆみが続く場合は、保湿だけで長く様子を見ない
毎日のスキンケアは、特別なことをたくさん行う必要はありません。
「やさしく洗う」「乾燥させない」ことを無理なく続けることが大切です。
子どものスキンケアとは?
スキンケアとは、皮膚を清潔に保ち、必要なうるおいを補い、外からの刺激から肌を守ることです。
基本となるのは、
- 汗や汚れをやさしく落とす
- 皮膚の乾燥を防ぐ
- よだれや食べ物などの刺激を減らす
- 肌の状態に合わせて保湿を続ける
ことです。
なお、「スキンケア」は病気の名前ではありません。
子どもの肌トラブルには、乾燥肌、乳児湿疹、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、とびひなど、さまざまな原因があります。
なぜ子どもの肌は乾燥しやすいの?
皮膚の一番外側にある「角層」には、体の水分が逃げるのを防ぎ、外からの刺激などから体を守る皮膚のバリア機能があります。
乳幼児の皮膚は大人に比べて薄く、バリア機能も発達の途中です。
そのため、
- 空気の乾燥
- 汗
- よだれ
- 食べこぼし
- おむつ
- 衣類との摩擦
- 強くこする洗い方
- 熱いお湯
- 洗浄剤の使いすぎ
などの影響を受けやすくなります。
また、アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下していることがあります。
子どもの肌荒れではどんな症状がみられる?
乾燥肌や湿疹では、次のような症状がみられます。
- 肌がカサカサする
- 白く粉をふく
- 赤みがある
- 小さなぶつぶつがある
- かゆがる
- 掻いて傷ができる
- 同じ場所に湿疹を繰り返す
乾燥だけに見えても、赤みやかゆみがある場合には皮膚に炎症が起きていることがあります。
特に、かゆみのある湿疹を繰り返す場合には、アトピー性皮膚炎などがないか確認することも大切です。
診察では何を確認するの?
子どもの湿疹は、見た目だけで原因を決められないことがあります。
診察では、
- いつから症状があるか
- どこに湿疹があるか
- かゆみがあるか
- 繰り返しているか
- 入浴や洗い方
- 使用している石けんや洗浄剤
- 保湿剤の種類や使用回数
- これまで使用した塗り薬
などを確認します。
実際に皮膚を診察し、乾燥が中心なのか、湿疹による炎症があるのか、感染を伴っていないかなどを判断します。
当院でよくいただくスキンケアのご相談
みなとみらい小児科クリニックでは、日常の診療でも、
「毎日保湿しているのにカサカサします」
「石けんは毎日使った方がいいですか?」
「保湿剤をどのくらい塗ればいいですか?」
「赤ちゃんの顔が赤いのですが、保湿だけで大丈夫ですか?」
といったご相談をよくいただきます。
スキンケアは、保湿剤の種類だけではなく、洗い方・塗る量・塗る回数・お子さんの皮膚の状態を一緒に考えることが大切です。
正しい洗い方|「きれいにする」より「やさしく洗う」が大切です
子どもの肌は清潔に保つことが大切ですが、ゴシゴシ洗う必要はありません。
お湯は熱くしすぎない
乾燥や湿疹がある場合は、38~40℃程度を目安にします。
42℃以上の熱いお湯は、皮膚の乾燥やかゆみにつながることがあるため避けましょう。
石けんや洗浄剤はよく泡立てる
石けんやボディソープを使う場合は、よく泡立てます。
泡をクッションにして、手でやさしく洗いましょう。
ナイロンタオルなどで強くこする必要はありません。
泡をしっかり流す
洗浄剤が皮膚に残ると刺激になることがあります。
首、脇、ひじ・ひざの内側など、しわになりやすい部分も丁寧にすすぎましょう。
乾燥が強い部分では、洗浄剤の使い方を肌の状態に合わせて調整することもあります。
入浴後はできるだけ早く保湿しましょう
入浴後は皮膚から水分が失われやすくなります。
タオルでゴシゴシこすらず、押さえるように水分を拭き取ったあと、できるだけ早く保湿剤を塗りましょう。
保湿剤には、
- ローション
- クリーム
- 軟膏
- ワセリンなど
さまざまな種類があります。
保湿力や使用感は製品によって異なります。
季節、塗る場所、乾燥の程度、お子さんが使いやすいかなどを考えて選びます。
「夏なら必ずローション」「軟膏なら必ず一番よい」と一律に決まっているわけではありません。
保湿剤はどのくらい塗ればいい?
保湿剤は、量が少なすぎないことが大切です。
クリームや軟膏を塗る量の目安として使われるのが、**FTU(フィンガーチップユニット)**です。
1FTUとは?
一般的な口径約5mmのチューブから、大人の人差し指の先から第一関節までクリームや軟膏を出した量です。
1FTUは約0.5gで、大人の手のひら約2枚分の面積に塗る量の目安になります。
保湿剤の塗り方
- 必要な量を手に取る
- 塗る場所に何か所か置く
- 手のひらでやさしく広げる
- 強くすり込まず、なでるように塗る
保湿剤を皮膚に強くすり込む必要はありません。
保湿は毎日続けることが大切です
乾燥しやすいお子さんでは、肌の状態を見ながら継続して保湿することが大切です。
アトピー性皮膚炎では、保湿剤を1日1回より1日2回使用した方が高い保湿効果が得られることが示されています。
一方で、健康な新生児すべてに保湿剤を塗れば、アトピー性皮膚炎の発症を予防できるとまでは現在の医学的根拠から断定できません。
すでに乾燥や湿疹がある場合には、皮膚の状態を確認しながら、そのお子さんに合ったスキンケアを続けることが大切です。
赤みやかゆみのある湿疹は、保湿だけでは十分でないことがあります
赤みやかゆみを伴う湿疹では、保湿剤だけでは十分に炎症を抑えられないことがあります。
乾燥が中心であれば、洗い方を見直し、保湿を続けることで改善することがあります。
一方、皮膚に炎症が起きている場合には、症状に応じてステロイド外用薬などの抗炎症薬を使用します。
アトピー性皮膚炎では、
- 毎日のスキンケア
- 外用薬などによる炎症の治療
- 汗や摩擦など悪化要因への対策
を組み合わせて治療します。
「毎日保湿しているのに赤みが続く」「かゆくて掻き続けている」という場合は、保湿だけで長く様子を見ず、医療機関へ相談しましょう。
ステロイド外用薬は、適切な強さ・量・期間で使用します
ステロイド外用薬は、アトピー性皮膚炎などの皮膚の炎症を抑えるための基本的な治療薬です。
「ステロイドを塗るのが心配」
「副作用が怖い」
と感じる保護者の方も少なくありません。
大切なのは、むやみに避けることでも、漫然と使い続けることでもありません。
お子さんの、
- 湿疹の強さ
- 年齢
- 塗る場所
- 皮膚の状態
に合わせて適切な強さの薬を選び、必要な量と期間で使用します。日本皮膚科学会のガイドラインでも、ステロイド外用薬の副作用は薬の強さ、塗布量、使用期間などと関係するとされています。(日本皮膚科学会)
使用方法や減らし方は、医師の指示に従いましょう。
湿疹を十分に治療せず、かゆみが続くと、
かゆい → 掻く → 皮膚が傷つく → さらにかゆくなる
という悪循環につながります。
湿疹を繰り返す場合には「プロアクティブ療法」を行うことがあります
アトピー性皮膚炎で同じ場所に湿疹を繰り返す場合には、症状が落ち着いた後も再燃を防ぐ治療を行うことがあります。
その一つがプロアクティブ療法です。
皮膚の炎症を十分に改善させた後、
- 毎日の保湿を続ける
- 再燃しやすい部分に抗炎症外用薬を間隔をあけて使用する
ことで、良い状態を維持します。
例えば、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を週2回程度使用する方法などがあります。
すべてのお子さんに必要な治療ではありません。皮膚の状態を正しく評価しながら、医師の指導のもとで行います。(日本皮膚科学会)
家庭では「肌への刺激を減らす」ことも大切です
保湿や外用薬だけでなく、毎日の生活の中で皮膚への刺激を減らすこともスキンケアの一部です。
汗をかいたらやさしく落とす
汗は皮膚への刺激になることがあります。
たくさん汗をかいたら、
- シャワーで流す
- 柔らかい濡れタオルなどでやさしく拭く
- 汗で濡れた衣類を着替える
などで対応しましょう。
皮膚が乾燥する場合には、その後に保湿します。
爪を短くしておく
かゆみがあると、寝ている間に無意識に掻くことがあります。
爪を短く整えておくことで、掻きこわしによる皮膚の傷を減らせます。
よだれや食べ物はこすらず拭く
赤ちゃんでは、よだれや食べこぼしが口の周りの刺激になることがあります。
ゴシゴシこすらず、濡らした柔らかい布などでやさしく取り除きましょう。
衣類による摩擦にも注意する
チクチクする衣類や強い摩擦は、かゆみや湿疹を悪化させることがあります。
汗を吸いやすく、お子さんが快適に過ごせる衣類を選びましょう。
子どもの乾燥肌・湿疹で受診した方がよい目安
保湿を続けても改善しない場合や、赤み・かゆみが強い場合には、小児科や皮膚科へ相談しましょう。
次のような症状が目安になります。
- 保湿しても乾燥が改善しない
- 赤みや湿疹が広がっている
- 強いかゆみが続いている
- 夜眠れないほどかゆがる
- 掻きこわしや出血が増えている
- じゅくじゅくした部分がある
- 黄色いかさぶたや膿が出ている
- 同じ場所に湿疹を繰り返す
- 処方された外用薬を使用しても改善しない
特に、黄色いかさぶた、膿、じゅくじゅくした皮疹などがある場合は、とびひなどの細菌感染を合併している可能性があります。
急いで受診・救急要請を考える症状
呼吸が苦しい、意識がおかしいなどの症状がある場合は、単なるスキンケアの問題として様子を見ないことが大切です。
例えば、
- 発熱してぐったりしている
- 痛みのある発疹や水ぶくれが急速に広がる
- 皮膚が広い範囲で赤く腫れる
- 食後などに顔や唇が急に腫れる
場合には、早めに医療機関へ相談してください。
さらに、
- 息苦しい
- ゼーゼーする
- 繰り返し嘔吐する
- ぐったりする
- 意識がおかしい
などを伴う場合には、アナフィラキシーなどの重いアレルギー反応の可能性があります。
アナフィラキシーでは、皮膚症状だけでなく呼吸器症状、消化器症状、循環器症状などがみられることがあります。呼吸困難や意識障害などがある場合には救急要請を検討してください。(国立成育医療研究センター)
乾燥肌や感染性のない湿疹だけなら登園・登校を休む必要はありません
乾燥肌や感染性のない湿疹そのものを理由に、登園・登校を休む必要はありません。
ただし、とびひなどの感染症を合併している場合には、対応が異なります。
プールについても、
- 皮膚の炎症の程度
- 傷やじゅくじゅくの有無
- 感染症の有無
などによって判断します。
「保育園に行っても大丈夫?」
「プールに入っていい?」
と迷う場合は、診察時にご相談ください。
よくある質問
Q. 子どもは毎日お風呂に入っても大丈夫ですか?
A. 毎日の入浴やシャワーでアトピー性皮膚炎が悪化するという明確な関連は示されていません。
ただし、適した入浴頻度は皮膚の状態によって異なります。
熱すぎるお湯やゴシゴシ洗いを避け、やさしく洗うことが大切です。
Q. 湿疹が治ったら保湿剤もやめてよいですか?
A. 乾燥しやすいお子さんでは、皮膚がきれいになった後も保湿を続けることがあります。
特にアトピー性皮膚炎では、良い皮膚の状態を保つために、継続したスキンケアが重要です。
回数や期間は、お子さんの肌の状態や季節に合わせて調整します。
Q. 保湿剤だけで湿疹は治りますか?
A. 乾燥が中心であれば保湿で改善することがありますが、赤みやかゆみを伴う湿疹では、保湿剤だけでは炎症を十分に抑えられないことがあります。
必要に応じてステロイド外用薬などを使用します。
Q. 湿疹があると食物アレルギーですか?
A. 湿疹があるだけでは食物アレルギーとは診断できません。
食物アレルギーでは、
- 何を食べたか
- どのくらい食べたか
- どのような症状が出たか
- 食べてからどのくらいで症状が出たか
などを確認することが重要です。
血液検査が陽性という理由だけで、自己判断で食物を除去することは避けましょう。
横浜市・みなとみらいで子どもの乾燥肌・湿疹が心配な方へ
みなとみらい小児科クリニックでは、赤ちゃんから学童期までのお子さんの乾燥肌、乳児湿疹、湿疹、アトピー性皮膚炎などの診療とスキンケア指導を行っています。
「毎日保湿しているのにカサカサする」
「保湿剤をどのくらい塗ればいい?」
「同じところに湿疹を繰り返す」
「ステロイド外用薬を使うのが心配」
「どの石けんや保湿剤を選べばいい?」
といったご相談にも対応しています。
診察では皮膚を見るだけではなく、
- ご家庭での洗い方
- 入浴方法
- 保湿剤の種類
- 保湿剤を塗る量や回数
- 外用薬の使い方
- 毎日の生活で悪化につながっている刺激がないか
なども確認します。
そのうえで、お子さん一人ひとりの肌の状態と、ご家庭で無理なく続けられる方法を考えながらスキンケアをご説明します。
横浜市西区・みなとみらいをはじめ、中区・神奈川区など周辺地域で、子どもの乾燥肌や湿疹、スキンケアについて気になることがありましたらご相談ください。
アレルギー専門外来について
みなとみらい小児科クリニックでは、一般小児科診療とは別に、日本アレルギー学会専門医・指導医によるアレルギー専門外来を行っています。
対象となる主なご相談は、
- アトピー性皮膚炎
- 食物アレルギー
- 気管支喘息
- アレルギー性鼻炎・花粉症
- 乳児湿疹
- 離乳食とアレルギーに関する相談
などです。
「湿疹を繰り返していてアトピー性皮膚炎か心配」
「食物アレルギーとの関係が気になる」
「治療を続けても湿疹を繰り返す」
など、より専門的な評価や治療が必要な場合にご相談いただけます。
必要に応じて一般診療でお子さんの皮膚の状態を確認したうえで、アレルギー専門外来をご案内することもあります。
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参考資料
- 日本皮膚科学会・日本アレルギー学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」(日本皮膚科学会)
- 日本小児皮膚科学会・日本小児アレルギー学会「小児のためのアトピー性皮膚炎の予防と治療の手引き―小児アトピー性皮膚炎治療・管理ガイドライン2024(PADGL2024)」
- 厚生労働省「アレルギー疾患対策」
- 国立成育医療研究センター「アトピー性皮膚炎」「食物アレルギー」(国立成育医療研究センター)
- 独立行政法人環境再生保全機構「子どものアトピー性皮膚炎・スキンケア」に関する公開資料
公開日:2026年7月1日
更新日:2026年9月5日
監修:みなとみらい小児科クリニック院長
みなとみらい小児科クリニックへのアクセス
みなとみらい小児科クリニックは、横浜市西区みなとみらい6丁目の「プライムコーストみなとみらい」2階にあります。
横浜市西区・みなとみらいを中心に、西区各地域のほか、中区・神奈川区など周辺地域からも受診いただけます。
電車でお越しの方
みなとみらい線をご利用の場合、
- 新高島駅から徒歩約8分
- みなとみらい駅から徒歩約10分
です。
ベビーカーをご利用の方や、小さなお子さんを連れての受診にも便利な立地です。
お車でお越しの方
お車でお越しの方は、プライムコーストみなとみらいの大型立体駐車場をご利用いただけます。
駐車場は2時間まで無料です。
発熱などでお子さんを長時間歩かせることが難しい場合や、乳幼児・ご兄弟を連れて受診される場合にも、お車でお越しいただけます。
所在地
みなとみらい小児科クリニック
〒220-0012
神奈川県横浜市西区みなとみらい6-3-4
プライムコーストみなとみらい2階
お子さんの体調が心配なときは、いつでもご相談ください。
みなとみらい小児科クリニック


































