子どもの風邪(かぜ症候群)とは?症状・治療・受診目安と登園を解説

子供の感染症
2026.09.07

子どもの風邪(かぜ症候群)とは?症状・治療・受診目安と登園を解説

子どもの風邪は、主にウイルスによって鼻やのどなどに炎症が起こる急性の感染症です。

鼻水、鼻づまり、咳、発熱などがみられますが、多くは自然に改善します。

「風邪を何度もひく」「咳がなかなか治らない」「いつ小児科を受診すればよいの?」と心配になることもあると思います。

大切なのは、熱の高さだけでなく、呼吸、水分摂取、元気、症状の経過を確認することです。

この記事では、子どもの普通感冒について、原因、症状、診断、治療、家庭での対応、受診や登園の目安を解説します。

子どもの風邪(かぜ症候群)とは

風邪は、主に鼻やのどなどの上気道に炎症を起こすウイルス感染症です。

この記事では、一般に「風邪」と呼ばれる病気のうち、**普通感冒(感冒)**について説明します。

医学的には「かぜ症候群」という言葉が、普通感冒より広い意味で使われる場合もあります。

乳幼児では、鼻からつながる副鼻腔にも炎症が及ぶことがあり、普通感冒と急性鼻副鼻腔炎を明確に区別できないことがあります。

子どもはなぜ何度も風邪をひくの?

乳幼児は、大人よりも風邪を繰り返しやすい時期です。

乳幼児を中心とする子どもでは、平均して年6〜8回程度、感冒にかかるとされています。

保育園などの集団生活では、さまざまなウイルスに接する機会が増えるため、さらに頻繁に風邪をひくこともあります。

風邪を何度もひくというだけで、免疫が弱いとは判断できません。

ただし、重い肺炎や感染症を繰り返す、体重が増えにくいなど、通常の風邪とは異なる経過がある場合には、別の原因について評価が必要になることがあります。

風邪の原因と感染経路

風邪の原因となる代表的なウイルスには、次のようなものがあります。

  • ライノウイルス
  • 季節性コロナウイルス
  • アデノウイルス
  • パラインフルエンザウイルス

原因となるウイルスは種類が多く、一度感染しても別のウイルスによって再び風邪をひくことがあります。

感染は主に、次のような経路で広がります。

  • 咳やくしゃみなどのしぶきを介する
  • ウイルスが付着した手で鼻や口、目を触る
  • ウイルスが付着した共用物品を介する

家庭や保育施設など、人と近い距離で過ごす場面では感染機会が増えます。

ただし、感染経路の重要性は原因ウイルスによって異なります。

風邪の潜伏期間と症状の経過

普通感冒では、感染してから1〜3日程度で症状が出ることが多いとされています。

ただし、潜伏期間は原因ウイルスによって異なります。

一般に、発症後2〜3日頃に症状が強くなり、その後徐々に軽くなります。

多くは10日以内に改善しますが、軽い鼻水や咳が2〜3週間程度残ることもあります。

そのため、風邪の後に咳が1週間続いているというだけで、必ずしも異常とは限りません。

風邪の後に咳が長引く場合は?

風邪の後に軽い咳が2〜3週間程度残ることがありますが、すべての咳を長期間様子見してよいわけではありません。

特に、痰が絡むような湿った咳が10日以上続く場合、咳が強くなる場合、一度改善した後に再び悪化する場合には、小児科で再評価を受けましょう。

咳が続く期間や咳の種類、喘息などほかの病気との違いについては、関連記事で詳しく解説しています。

→ 子どもの咳|長引く原因・症状・受診の目安を小児科医が解説

子どもの風邪の主な症状

普通感冒では、鼻水や鼻づまり、咳などが中心となります。

代表的な症状は次のとおりです。

  • 鼻水、鼻づまり、くしゃみ
  • 咳、のどの痛み、声がれ
  • 発熱、頭痛、だるさ
  • 食欲低下、不機嫌
  • 眠りにくい

子どもでは、嘔吐や下痢などがみられることもあります。

乳幼児は症状を言葉で伝えることが難しいため、「いつもより機嫌が悪い」「授乳に時間がかかる」といった変化も大切です。

風邪と似た症状を起こす病気

インフルエンザ、COVID-19、RSウイルス感染症などでも、発熱、鼻水、咳などがみられます。

また、風邪の経過中に中耳炎を合併したり、クループ症候群や細気管支炎などが風邪のような症状から始まったりすることがあります。

症状だけでは原因を確実に区別できない場合があります。

特に、犬が吠えるような咳、ゼーゼーする呼吸、呼吸が苦しそうな様子などがある場合には、別の病気も考えて評価することが大切です。

子どもの風邪はどのように診断する?

典型的な風邪は、症状の経過と診察から診断することが基本です。

診察では、主に次の点を確認します。

  • 症状が始まった時期
  • 発熱、鼻水、咳の経過
  • 呼吸状態や胸の音
  • 耳やのどの状態
  • 元気や機嫌
  • 母乳・ミルクや水分の摂取状況
  • 周囲で流行している感染症

典型的な普通感冒では、原因ウイルスを毎回特定する必要はありません。

一方、インフルエンザ、RSウイルス感染症、溶連菌感染症、百日咳などが疑われる場合には、必要に応じて検査を検討します。

検査結果が診断や治療方針、感染対策に役立つかどうかを考えて判断します。

子どもの風邪の治療

普通感冒の治療は、つらい症状を和らげながら自然な回復を待つことが基本です。

普通感冒そのものをすぐに治す特効薬はありません。

発熱やのどの痛みなどでつらそうな場合には、年齢や体重に応じてアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬を使用することがあります。

解熱剤は必ず平熱に戻すための薬ではなく、痛みやつらさを和らげる目的で使用します。

鼻水や咳に対する薬についても、年齢、症状、効果、副作用を考えて必要性を判断します。

市販のかぜ薬や咳止めを使ってもよい?

市販の総合感冒薬や咳止めには、子どもの年齢によって使用できない成分があります。

特に乳幼児では、薬の効果が限定的な一方、副作用が問題になることがあります。

乳幼児には自己判断で市販のかぜ薬を使用せず、医師や薬剤師に相談してください。

以前処方された薬の残りや、家族に処方された薬を使用することも避けましょう。

風邪に抗菌薬(抗生物質)は必要?

典型的な普通感冒には抗菌薬は必要ありません。

抗菌薬は細菌に対する薬であり、風邪の主な原因であるウイルスには効果がありません。

また、将来起こるかもしれない細菌感染を防ぐために、抗菌薬を予防的に使用することも推奨されません。

不必要な抗菌薬の使用は、副作用や薬剤耐性の問題につながります。

ただし、細菌性肺炎、細菌性副鼻腔炎、急性中耳炎などを合併した場合には、病状に応じて抗菌薬を使用することがあります。

抗菌薬が必要かどうかは、症状の経過や診察所見などを合わせて判断します。

風邪はいつまでうつる?家庭でできる感染予防

風邪は原因となるウイルスによって感染期間が異なるため、「発症後○日間」と一律に決めることはできません。

熱が下がって元気になっても、しばらく周囲にうつす可能性が残る場合があります。

家庭では、次のような感染対策を心がけましょう。

  • 石けんと流水で手を洗う
  • 咳やくしゃみはティッシュや腕で覆う
  • 室内を適度に換気する
  • 共用する物やよく触る場所を清潔にする
  • 体調が悪い間は十分に休養する

特に、赤ちゃんや基礎疾患のある家族がいる場合には、感染を広げないよう注意しましょう。

普通感冒全般を防ぐ単一のワクチンはありませんが、インフルエンザなど一部の呼吸器感染症は予防接種が役立ちます。

子どもが風邪をひいたときの家庭でのケア

風邪のときは、水分摂取、呼吸状態、元気や機嫌を確認することが大切です。

乳児の水分補給と授乳

母乳やミルクを主に飲んでいる乳児では、まず普段の授乳を少量ずつ、こまめに続けましょう。

特に離乳開始前の赤ちゃんでは、水やお茶を母乳・ミルクの代わりに与えることは避けてください。

鼻づまりが強いと、授乳中に息苦しくなり、いつもより飲む量が減ることがあります。

次のような場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

  • 母乳やミルクを飲む量が明らかに減った
  • 尿の回数や量が少なくなった
  • 口の中が乾いている
  • 元気がなく、ぐったりしている

月齢が低いほど、脱水に注意が必要です。

離乳食が進んだ子ども・幼児の水分と食事

離乳食が進んだ子どもや幼児では、普段の授乳や食事に加えて、水やお茶なども利用できます。

水分が取れ、尿が出ていて元気が保たれていれば、食事量が一時的に少なくても無理に食べさせる必要はありません。

食べられるものを、無理のない量で与えましょう。

鼻水・鼻づまりのケア

乳幼児では、鼻づまりによって授乳や睡眠が妨げられることがあります。

生理食塩水の点鼻や、鼻吸い器によるやさしい吸引で症状が和らぐ場合があります。

特に授乳前や就寝前に行うと、飲みやすく、眠りやすくなることがあります。

無理に鼻の奥まで器具を入れないようにしましょう。

赤ちゃんの鼻づまりには、風邪以外の原因もあります。

→ 赤ちゃんの鼻水・鼻づまりは病気?生理的な原因・受診目安を小児科医が解説

咳があるとき

咳は、気道にたまった分泌物などを外へ出すための体の反応でもあります。

水分を取り、十分に休養し、室温や湿度を過ごしやすい状態に整えましょう。

1歳以上の子どもでは、はちみつが咳を和らげることがあります。

ただし、1歳未満の赤ちゃんには、乳児ボツリヌス症の危険があるため、はちみつを与えてはいけません。

子どもの風邪で小児科を受診する目安

風邪では、熱の高さだけでなく、呼吸、水分、顔色、元気、症状の変化を合わせて判断します。

次のような場合は小児科への受診をご検討ください。

  • 発熱が3日以上続いている
  • 咳や鼻水が10日以上改善しない
  • 痰が絡むような湿った咳が10日以上続く
  • 一度よくなった後に症状が再び悪化する
  • 咳が強く、夜間眠れない
  • 耳を痛がる、耳だれがある
  • 母乳・ミルクや水分が十分に取れない
  • 尿がいつもより明らかに少ない
  • ゼーゼーする、呼吸が速い
  • 基礎疾患があり、症状が悪化している

発熱が3日以上続いても、必ずしも細菌感染というわけではありません。

症状の経過や診察所見などから判断します。

また、風邪の経過中に耳を痛がる、発熱が再びみられる場合には、急性中耳炎を合併していることがあります。

→ 子どもの急性中耳炎とは?症状・原因・治療・受診の目安を小児科医が解説

生後3か月未満の赤ちゃんの発熱

生後3か月未満で38℃以上の発熱がある場合は、元気に見えても速やかに医療機関を受診してください。

この月齢では、重い感染症でも症状が分かりにくいことがあります。

すぐに救急受診・119番を考える症状

次のような症状がある場合は緊急性が高い可能性があります。

  • 呼吸が非常に苦しそう
  • 呼吸のたびに胸やのどの下がへこむ
  • 唇が青紫色になっている
  • 呼びかけへの反応が悪い
  • 意識がはっきりしない
  • けいれんが5分以上続く
  • 水分がほとんど取れず、ぐったりしている

強い呼吸困難、意識の異常、5分以上続くけいれんなどの場合には、119番で救急車を要請してください。

初めてけいれんを起こした場合

初めてけいれんを起こした場合は、短時間で止まっても医療機関で評価を受けてください。

けいれんが起きたときは、安全な場所に横向きに寝かせ、発作が続いた時間を確認しましょう。

口の中に物を入れたり、体を強く押さえたりしないでください。

けいれんを繰り返す、意識が戻らない、顔色が著しく悪い場合は直ちに救急対応が必要です。

熱性けいれんの原因、再発、発作時の対応については、関連記事で詳しく解説しています。

→ 子どもの熱性けいれんとは?症状・対処法・受診の目安を小児科医が解説

夜間や休日に判断に迷う場合は、こども医療電話相談「#8000」も利用できます。ただし、緊急時は相談を待たず119番へ連絡してください。

風邪のときの登園・登校の目安

普通感冒には、「発症後○日間休む」という一律の出席停止期間はありません。

ただし、発熱や全身状態によっては、登園を控えることが望まれます。

登園を再開するときは、元気や食欲が戻り、普段の集団生活を無理なく送れる状態かを確認しましょう。

これらは一律の法律上の出席停止期間ではなく、登園判断の目安です。お子さんの平熱や全身状態も考慮します。

園や学校の規定、診断された感染症に別の出席停止基準がある場合は、それに従ってください。

子どもの風邪についてよくある質問

Q. 熱はありませんが、鼻水や咳があります。保育園に行ってもよいですか?

軽い鼻水や咳があるだけで、一律に登園を控える必要はありません。

元気や食欲があり、普段の集団生活を無理なく送れることが判断の目安です。

ただし、夜間に何度も咳で起きる、呼吸が苦しそう、水分が十分に取れない場合には、登園を控えて受診を検討しましょう。

Q. 黄色や緑色の鼻水なら抗菌薬が必要ですか?

鼻水の色だけでは、抗菌薬が必要かどうかは判断できません。

ウイルス性の風邪でも、経過中に黄色や緑色の鼻水が出ることがあります。

症状の期間、発熱、悪化の仕方などから判断します。

Q. 風邪とインフルエンザ、RSウイルス感染症は症状だけで見分けられますか?

症状だけでは確実に区別できないことがあります。

いずれも発熱、鼻水、咳などを起こすことがあるためです。

年齢、症状の経過、周囲の流行状況などを踏まえ、必要に応じて検査を検討します。

Q. 風邪のときはお風呂に入ってもよいですか?

元気があり、水分が取れ、呼吸が苦しくないなど、全身状態がよければ、一律に入浴を控える必要はありません。

ただし、高熱でつらそうなときや、ぐったりしているときには無理に入浴させる必要はありません。

お子さんの体調や負担に応じて判断しましょう。

横浜市・みなとみらいで子どもの風邪が心配な方へ

みなとみらい小児科クリニックでは、乳児・幼児・学童期のお子さんの風邪(かぜ症候群)の診療を行っています。

「熱が続いている」「咳や鼻水がなかなか治らない」「中耳炎になっていないか心配」といった場合にもご相談ください。

お子さんの年齢や症状の経過、全身状態を踏まえ、必要な検査や治療を検討します。

肺炎などが疑われ、胸部X線検査が必要と判断した場合には、検査に対応できる医療機関へご紹介します。

当院はWeb予約優先ですが、予約がない場合も窓口で受診を受け付けています。

一般診療について

風邪だけでなく、発熱、咳・鼻水、嘔吐、下痢、腹痛、発疹・湿疹など、子どもによくみられる症状について一般小児科診療を行っています。

お子さんの症状について「何科を受診すればよいか分からない」「受診した方がよいか迷っている」といった場合もご相談ください。

→ 小児科一般診療|発熱・咳・腹痛・湿疹など子どもの症状をご相談ください

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参考資料

公開日: 2026年9月7日
更新日: 2026年10月20
日
監修者: みなとみらい小児科クリニック院長

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